コロナ禍でのステイホームも長きにわたり、すっかり生活の一部になってきました。自宅で健康的に、でもふさぎこむことなく気持ちよく過ごしたいですよね。そんな人にぴったりの飲み物が「コーディアル」です。
今回はこのヘルシーでおいしくおしゃれな飲み物として最近注目されているコーディアルについてレポートします。
<もとは薬だった甘くておいしいシロップ>
コーディアルはイギリス発祥の伝統的シロップ。語源は英語の「cordial」、「心からの」という意味を持ちます。
身近なハーブや果物を鍋で煮るなどして抽出し甘味を加えたシロップは、民間療法において薬用飲料として古くから愛されてきました。ハーブティーほど癖がなく甘くておいしいので、小さな子供からおいしく飲めます。赤毛のアンで「いちご水」と訳されたのは、raspberry cordial。実はラズベリーのコーディアルなのです。
もともとはハーブやフルーツを薬効を目的としてアルコールに漬け込んだものをコーディアルと呼んでいましたが、これはのちにリキュールと呼ばれるようになり、今ではノンアルコールのものがコーディアルと呼ばれています。
コトコトと煮込んだり、丸1日ほどシロップに漬け込んだりすることでハーブや果物のエキスをしっかりと含んだコーディアルは、いわば濃縮シロップ。そのままでは濃すぎるので、割って飲むのが一般的です。
暑い季節には冷やした炭酸水や氷水で割って飲むと目にも嬉しくおいしい健康ドリンクになります。100%の果汁ジュースで割れば子供にもおいしい健康ドリンクに。自家製ゼリーに使ったり、バニラアイスクリームやヨーグルトに合わせたりしてもおいしくいただけます。
寒い季節ではお湯で割ってハーブティーのように飲んだり、紅茶の甘みとして加えたりしても良いですね。ホットワインに加えて飲めば、優しい甘さが疲れた心と体をそっと癒してくれそうです。
<目的別おすすめコーディアル>
使用するハーブや果物により、期待される効果も異なります。
日本ではあまり馴染みがありませんが、イギリスでは「万能の薬箱」と呼ばれるほど薬効が豊かで知られたエルダーフラワーのコーディアルは、風邪のひきはじめや体調が思わしくない時におすすめ。発汗・利尿作用や抗炎症作用が期待できます。
ローズヒップやハイビスカスは言わずと知れた美肌ハーブですね。これらはコーディアルにすることで効果的にエキスを摂取できるので、美容面の効果が期待できます。
同じく美容効果が期待できるのがベリー系の果物のコーディアルです。ブルーベリーやラズベリーには抗酸化作用がありますので、アンチエイジングにもおすすめです。
日本でも冷えと言えば生姜を連想しますが、生姜のコーディアルはお湯で割ればまさに生姜湯。寒い冬には生姜コーディアルがうってつけです。
コーディアルは市販されているものを購入するほか、手作りすることもできます。さまざまなハーブや果物を使用したレシピがネット上に多数公開されているので、好みに合うものを見つけてチャレンジしてみてはいかがでしょうか。ドライハーブを使えば気軽に作れますし、複数のハーブを組み合わせるのも面白そうですね。
なお、手作りの場合には長期保存できませんので、早めに飲みきるよう注意してください。