腸にやさしい食事「FODMAP食」って何?
「FODMAP食」とは
腸の調子を整えることの大切さが多方面でいわれ、それに伴ってさまざまな食事法が登場しています。そのなかでも、最近注目を集めている「FODMAP食」をご存知でしょうか。そこで今回の記事ではその概要を簡潔に紹介したいと思います!
FODMAP食とは過敏性腸症候群の人によく利用される食事法のこと。過敏性腸症候群とは、大腸内視鏡などの検査を実施しても異常が見られないにもかかわらず、便秘や下痢、腹痛、腹部膨満感、ガスなどの症状が続く状態を指しています。日本人の1割が過敏性腸症候群であるともいわれています。
FODMAPとは、小腸で吸収されずに大腸で発酵しやすい糖類を意味しています。過敏性腸症候群の場合には、高FODMAP食品を避けて、低FODMAPのものを食べるようにすることが大切といわれています。高FODMAPの食品のなかには一般的に体に良いとされているものも多く、「良いと思って摂取していた食材が腸の不調を招いていた」というのもよくある話です。
高FODMAPの食品は過剰摂取することにより、お腹の張りや痛み、便秘、下痢などにつながる可能性があります。また、吸収されないまま腸に長期間とどまって発酵し、ガスが発生する場合もあります。
FODMAP食を実践する基本的な方法としては、高FODMAPの食品を約2~4週間制限し、体の変化を観察します。その後、食品をひとつずつ復活させて、どの食品が不調につながっていたのかを探します。こうすることで自分自身の体質に合う食品と合わない食品とがわかり、今後の食生活に役立てていくという流れです。
低FODMAPの食品にはどんなものがある?
ではどんな食品が、低FODMAPと高FODMAPに該当するのでしょうか。
〈低FODMAPの食品例〉
・穀物…米(玄米を含む)、そば、オーツ麦、オートミール
・野菜・イモ類…トマト、ナス、レタス、ブロッコリー、にんじん、キャベツ、じゃがいも
・たんぱく質を含む食品…牛肉、豚肉、鶏肉、魚介類、卵、木綿豆腐
・調味料…塩、味噌、醤油、メープルシロップ
・乳製品…バター、カマンベールチーズ、パルメザンチーズ
〈高FODMAPの食品例〉
・穀物…大麦、小麦、ライ麦、パン、パスタ、うどん、そうめん、シリアル
・野菜・イモ類…ごぼう、セロリ、ねぎ、アスパラガス、カリフラワー、さつまいも
・たんぱく質を含む食品…魚の缶詰、ソーセージ、絹ごし豆腐
・調味料…はちみつ、トマトケチャップ、人工甘味料
・乳製品…牛乳、ヨーグルト、プロセスチーズ、クリームチーズ
過敏性腸症候群やお腹の調子がすぐれない人の食事として、注目を集めているFODMAP食。自分の体にあった食事を見つけるための方法として、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。