記事アイキャッチ

黒米(古代米)を毎日食べるとどうなる?|効能や栄養、デメリットも解説

昨今の雑穀ブームと共に、人気が高まっている黒米。滋養強壮やアンチエイジングに役立つ食材とされていますが、毎日食べても問題はないのでしょうか。今回の記事では、黒米の歴史や効能と共に、黒米を毎日食べるポイントや黒米のおいしい炊き方・レシピについて解説します。

黒米とは|黒米の歴史と由来、別名、選び方

黒米はどのようなお米なのでしょうか。ここでは、黒米の歴史と由来、別名、選び方について紹介します。

黒米の歴史と由来

黒米の原産地は中国で、日本には弥生時代に伝わったとされています。黒米はほかの米に比べて栽培の難易度が高く収穫できる量が少なかったため、明治時代以降は栽培量が減っていきました。最近になって、黒米の栄養価が注目され、国内で再び栽培されるようになりました。

黒米は別名「古代米」と呼ばれることも

黒米は別名「古代米」と呼ばれていて、日本のお米のルーツといわれています。中国では、黒米は縁起が良いとされ「出世米」と呼ばれています。

黒米の品種とおすすめの使い方

黒米にはいくつかの品種がありますが、もち米種を使うと、モチモチとした食感になります。冷めてもおいしく食べられるので、おにぎりやお弁当に使うのもおすすめです。

黒米の効能と栄養|どんな人におすすめ?



「黒米は栄養が豊富に含まれている」「身体によい」といわれますが、具体的にどのような効能が期待できるのでしょうか。ここでは、黒米の効能と栄養と共に、黒米を食事に取り入れるのにおすすめの人について解説します。

黒米の効能と栄養

黒米といえばツヤのある黒色が特徴ですが、これはポリフェノールの一種「アントシアニン」によるもの。アントシアニンは、ブルーベリーやブドウ、黒豆などに含まれる成分としてよく知られています。肝機能をサポートする働きのほか、疲れ目の緩和や動脈硬化の予防などに効果が期待できるといわれています。

黒米は玄米であるため、たんぱく質やビタミンB1・ビタミンEなどの類、亜鉛、カルシウム、食物繊維なども豊富に含まれています。体内では作ることのできない必須アミノ酸も含有しています。

黒米はこんな人におすすめ

黒米の持つ滋養強壮やアンチエイジングの効果は古くから認められ、重宝されてきた食材です。「足腰が疲れやすい」「身体の老化が気になる」という人におすすめです。

中国では古くから黒米の効果が知られており、薬膳料理としても使われてきました。世界三大美女といわれる「楊貴妃」は、黒米を好んで食べていたともいわれています。また、中国だけでなく東南アジアの国々でも、料理やおやつなどによく利用されています。

黒米を毎日食べるとどうなる?|デメリットには要注意

栄養が豊富に含まれていて、メリットが多い黒米。では、黒米を毎日食べても大丈夫なのでしょうか。ここでは、黒米のデメリットと共に、黒米を毎日食べるときのポイントについて解説します。

黒米のデメリットとは

黒米にはたくさんのメリットがありますが、注意すべき点もあります。黒米のデメリットとしては、白米に比べて浸水させる時間が長く、消化しづらいということです。しっかり浸水させずに炊くと、消化不良を起こしたり、便秘や下痢の原因になったりする場合があります。

黒米を毎日食べるときのポイント

黒米は、毎日食べても問題ない食材とされています。ただし、白米と比較して消化しにくい食材であることを忘れないようにしましょう。「しっかりと浸水させて炊く」ことや、「よくかんで食べる」「食べ過ぎないようにする」ことを意識するようにしてください。

黒米の炊き方・レシピ



黒豆を入手したら、まずは「黒米ごはん」を作ってみましょう。ここでは、黒米の炊き方とレシピ、おいしく炊くポイントについて解説します。

黒米の炊き方・レシピ

白米などいつものお米に黒米を加えて炊くと、紫色に染まったごはんができあがります。分量は、白米1合に対して黒米は大さじ1が目安です。
いつもと同じようにお米を研いだ後、しっかりと浸水させてから炊くようにしましょう。理想的な浸水時間は、2時間程度です。時間がないときでも最低1時間は水に浸けてから炊くようにします。

お好みでひとつまみの塩を加えて炊くと、浸透圧の効果で黒色がより濃く出るようになります。

おいしく炊くポイント

黒米を炊くときのポイントは大きく二つあります。一つ目は「浸水時間を守る守る」こと。黒米は玄米なので、浸水時間が短いと硬くて消化しづらくなってしまうためです。

二つ目は「黒米を洗いすぎない」ということ。黒米を必要以上に研ぐと、水と一緒に黒色が流れ出てしまう場合があります。先に白米を研いでおき、その後に黒米をさっと研ぐようにしましょう。

黒米をおいしく食べよう

白米と比べて栄養が豊富に含まれていて、滋養強壮やアンチエイジングなどさまざまな効能が期待されている黒米。黒米は毎日食べることができる食材で、炊き方や食べ方を工夫するとその魅力を存分に味わうことができます。巷では「スーパーフード」とも称される黒米をおいしく食べて、健やかに過ごしたいですね。

x
facebook

おすすめ記事

記事サムネイル
食品原料

酵母エキスの活用法|旨み、香りを付与しておいしさをエンハンス【アサヒグループ食品】

酵母エキスのご紹介「酵母」は、アルコールの醸造やパンづくり、発酵調味料などの製造に欠かすことのできない微生物の一種です。アサヒグループ食品株式会社(東京都墨田区)では、この「酵母」の力を活用した「酵母エキス」を製造・販売しています。酵母エキスには、食品に旨みや香りを付与するだけでなく、素材の美味しさをエンハンス(増強)する効果があり、活用の幅が広がっています。 この記事では、酵母エキスの特徴とメリット、酵母エキスの商品ラインナップ、具体的な活用方法についてご紹介します。酵母エキスのエンハンス機能で食品のおいしさをアップさせたい方、高騰原料の代替としてコストダウンを図りたい方は、ぜひ参考にしてください。シェアシマに掲載されている商品は、こちらからご覧いただけます。酵母エキスとは酵母エキスは、ビールを醸造する際の副産物であるビール酵母や、パンの発酵に用いるパン酵母の細胞壁の内側にある内容物を抽出したものです。取り出したエキスを乾燥、または濃縮加工することで、パウダー、ペースト、リキッド状のタイプがあります。アサヒグループ食品株式会社では、アサヒグループホールディングス株式会社の一員として、酵母素材や乳素材、フリーズドライ素材といった独自原料の開発に取り組んでいます。同グループの研究所には、数千種類もの酵母を有する「酵母バンク」があり、膨大なデータと長年の研究によって、優れた食品原料の開発が日々進められています。酵母エキスは、食品に旨みや香りを付与するだけでなく、タンパク質(アミノ酸・ペプチド)、ビタミン、ミネラル、核酸などの栄養成分を豊富に含んでいます。さらに同社では、酵母バンクのデータと独自技術を駆使し、食品の旨み成分に関わりの深いグルタミン酸や核酸、グルタチオンなどの特定成分を多く含む酵母を獲得。美味しさと機能性を併せ持った同社ならではの酵母エキスを誕生させました。 酵母エキスの特徴酵母エキスは、原料となる酵母やエキスの抽出方法によって、それぞれ違った特徴があります。原料となる酵母の種類と酵母エキスの特徴ビール酵母エキス:ビールの製造に使用された酵母から抽出したエキスです。ビタミン、ミネラル、アミノ酸、ペプチド等の栄養素が豊富で、強い呈味と複雑な味を有しています。ビール醸造の副産物の有効活用として、アップサイクル原料としても注目です。パン酵母エキス:パンの製造に用いられる酵母から抽出したエキスです。原料には、ビート(甜菜)・サトウキビの糖蜜で培養した酵母を使用しています。目的に合わせた風味を作り出すことが可能で、グルタミン酸、核酸等が高含有のものがあります。トルラ酵母エキス:トルラ酵母は、第一次世界大戦中、ドイツが食糧資源(特にタンパク質)確保のために製造を開始して以来、食品・飼料用酵母として利用されるようになった酵母です。トルラ酵母は、アルコール発酵力が弱く生育が速いので、核酸やグルタチオンを多く含む酵母エキス製造に用いられます。製造工程アサヒグループ食品では、ビール酵母エキスとパン酵母エキスを製造しているため、この2種類の製造工程を紹介します。ビール酵母エキスの製造工程は、大麦とホップや米等の副原料から作った麦汁に、酵母を加えて、ビールを製造します。ビール製造時に発生した余剰のビール酵母を洗浄し、ビール由来成分を取り除きます。そして、酵母の中身であるエキス成分を抽出し、乾燥や濃縮させて、ビール酵母エキスを製造します。パン酵母エキスは、ビートやサトウキビ由来の糖蜜に酵母を加え、発酵させて、酵母を増やします。その後は、ビール酵母と同様、酵母を洗浄した後、中身のエキス成分を抽出して、乾燥や濃縮させて、パン酵母エキスを製造します。抽出方法による特徴自己消化法:酵母が、自身の持つ酵素でタンパク質を溶かす作用を利用した製造方法です。独特の臭いが強い特徴がありますが、多種多様なアミノ酸が生成されるため、食品にコク味や複雑味を与えることができます。酵素分解法:酵母の細胞壁やタンパク質を分解する酵素を、人工的に加えて製造する方法です。臭いが低減され、アミノ酸よりは核酸成分(シイタケやカツオなどの旨味成分)、ペプチド(アミノ酸が結合したコク味成分)が多くなります。熱水抽出法:酵母を煮出して製造する方法です。出汁やブイヨンを作るイメージで、特定の成分(アミノ酸やグルタチオン)を狙って抽出できます。自己消化法よりも酵母臭の少ない酵母エキスが製造できます。 これらの特徴を活かした酵母エキスには、市場ニーズに応えるさまざまなメリットがあります。 酵母エキスのメリット1.食品においしさをプラス。旨み・コク・栄養素を付与酵母の持つ旨み成分や香りで食品に複雑な呈味をもたらします。また、同社の酵母エキスは、特有の風味を有したタイプがあり、魚介風味・昆布風味・肉の濃厚感・グリル感・スモーク風味など、開発用途に応じた使い分けが可能です。2.エンハンス効果同社の酵母エキスには、素材の持つ甘み・塩味・辛味や果汁感・乳感といった風味をエンハンス(増強)する効果を持つタイプがあります。塩分を減らす、調味料を減らす、価格が高騰している原料の代替として使用するなど、美味しさは維持しながら減塩やコストダウンにも貢献します。3. 動物性原料不使用、プラントべースフードにも使用可能酵母エキスは酵母を原料としているため、動物性の原料は使用していません。そのため、プラントベースフードや代替肉の調味にも使用できます。また、食品素材のため食品添加物表示も必要ありません。そのほかにも、遺伝子組み替え作物を使用しない、アレルギー表示不要など、安心・安全な食品であり、着色料不使用、NO MSG(グルタミン酸ナトリウム不使用)など、天然・健康志向を求める消費者ニーズにも訴求が可能です。酵母エキスの商品ラインナップと活用事例同社の、バリエーション豊かな酵母エキスの商品ラインナップと活用事例を一部ご紹介します。ハイパーミーストHGグルタミン酸高含有の酵母エキスです。旨味が強いだけでなく、スパイス感、柑橘系・果汁感、乳感、塩味をエンハンスする機能があります。一方で、植物タンパク特有の臭いやお酢などの酸味をマスキングする効果があります。酵母臭が少なく、汎用性の高い酵母エキスです。 つゆやタレ類、カレー、シチュー、畜肉・水産加工品、菓子・スナック類、製菓・製パンなど、あらゆる食品に活用できます。ハイパーミーストAP-2515さまざまな種類の酵母エキスを独自の加工、配合技術で仕上げたパウダー状の酵母エキスです。バランスの良い、旨味、厚み、さらには中味から後味にかけての伸びを併せ持つ、高力価な製品です。特に畜肉系商品との相性が良く、ラーメンスープ類、たれ類、畜肉加工品、鍋スープなどに適しています。 ハイパーミーストSeaF(魚介ホタテ風味)魚介の旨味と風味を付与できるリキッド状の酵母エキス調味料です。ホタテ、イカ、真鯛、真鱈、ホキなどの魚介類に多く含まれている旨み成分を豊富に含んでいます。スープ、水産加工品、各種ソースなどに適しています。スモークドハイパーミーストA-1387スモーク風味を付与するペースト状の酵母エキスです。  液体にスモーク加工ができる独自の技術により製造しています。和風つゆやハム・ソーセージのようなスモーク風味を持たせたい食品や、プラントベースフードにも適しています。セサミーストMT胡麻の風味と香ばしさを引き立てるペースト状の酵母エキス調味料です。ドレッシングやタレ類、鍋スープなどに採用されています。胡麻は使用していません。 ほかにも、鰹風味、昆布風味、チーズ風味など、お好みの風味を付与できる商品が多数あります。シェアシマに掲載されている商品は、こちらからご覧いただけます。分野を超えて活用の幅が広がる酵母エキス一般食品に多数採用されている酵母エキスですが、健康食品の栄養素付与やペットフードの嗜好性向上にも活用されています。また、バイオの分野(培地)や、化粧品の原料としても活用の幅が広がっています。酵母エキスについて、より具体的な説明を聞きたい方は、ぜひ、アサヒグループ食品までお問い合わせください。

記事サムネイル
食品原料

牡蠣の殻は再利用できる!用途や特徴、石灰肥料の活用事例を紹介

牡蠣を食べた後に殻を捨てる方も多いと思いますが、実は意外な再利用方法があることをご存じでしょうか。肥料やインテリア、アクセサリーに利用できるだけでなく、アメリカの海水浄化プロジェクトにも活用されるなど、捨てずに再利用することができます。この記事では、牡蠣の殻の特徴や再利用方法、地域別の事例を紹介します。牡蠣の殻が廃棄されている現状についても解説するので、牡蠣の殻の再利用に興味がある方はぜひ参考にしてください。牡蠣の殻の廃棄の現状日本では各地域の堆積場に牡蠣の殻が大量に廃棄されていて、堆積場が満杯になっているのが現状です。牡蠣の殻は肥料や飼料への加工が可能なものの、地域によって利用量の差があります。再利用への取り組みが少ない地域は堆積場に大量の牡蠣の殻が投棄されていて、高額の費用を捻出して溶融処理を行わなければなりません(※)。生産者だけでなく、自治体にも大きな負担が生じていることから、牡蠣の殻の再利用への取り組みが実施されています。※参考:糸島地区カキ殻リサイクル研究会「福岡県リサイクル総合研究センター平成24年度 研究成果発表会」牡蠣の殻の特徴牡蠣の殻には、独自の特徴があります。殻に含まれる成分に大きく関係するため、ここで牡蠣の殻の主成分と効果を紹介しましょう。牡蠣の殻の主成分牡蠣の殻の主成分は炭酸カルシウムで、全体の9割以上を占めています。残りの1割はカリウムやマグネシウム、窒素や鉄です(※)。※参考:フジクリーン工業株式会社「牡蠣|水の話」牡蠣の殻の効果牡蠣の殻は土壌を良くする作用や、水質を安定させる作用が期待できます。肥料で得られる土壌への効果には次のようなものがあります(※1)。土を柔らかくして、土壌が硬くなることを防ぐ作物の栄養吸収率を向上させる続いて、水質を安定させる効果を紹介します。殻に付着した好気的微生物が有機物を酸化分解する主成分の炭酸カルシウムが水質を中性化する牡蠣の殻は土を柔らかくしたり、作物の栄養吸収をサポートする効果があるため、肥料として活用されています。また、牡蠣の殻を水中に入れることで、有機物を分解したり、水質を中性化させたりする効果もあり、注目を集めています。土木学会西部支部が行った水質実験によると、牡蠣の殻を入れていない水槽よりも、殻を入れている水槽のほうが濁りにくいという結果が出ました(※2)。ただし、牡蠣の殻は長期的に水の中に置いておくと効果が失われていくため、水質を安定させる効果を期待するのであれば、定期的に交換することが大切です。※1参考:丸栄株式会社「肥料事業」※2参考:土木学会西部支部「牡蠣殻による水の浄化について」牡蠣の殻を再利用する方法牡蠣の殻は肥料や水質安定剤以外にも、形や素材を活かした方法で再利用されています。牡蠣の殻がどのように活用されているのでしょうか。ここでは、3つの再利用方法を紹介します。牡蠣の殻を原料にした有機石灰肥料海のミネラル成分を豊富に含む牡蠣の殻の有機石灰肥料は、野菜や花の栽培に活用できます。牡蠣の殻の主成分の炭酸カルシウムには、植物の病気を防止・改善する効果があるとされています。植物特有の病気にかかる心配が少なくなり、美しい花や草を長期的に楽しめます。また、牡蠣の殻は植物の根や茎を強くし、栄養の効率的な吸収をサポートします。ミネラルやアミノ酸により野菜や果物の色つや・糖度・日持ちが向上するので、外観の美しさはもちろん、品質にも優れた野菜や果物を栽培できるでしょう(※)。牡蠣の殻を利用した肥料は以前から販売されていましたが、加工時の高温焼成により、ミネラルやアミノ酸などの栄養素が失われていました。現在は、栄養素をそのまま維持する「低温乾燥方式」を採用する製造業者が増えたため、自然由来の栄養素を土壌に届けることが可能になりました。※参考:株式会社グリーンマン「連作障害を防ぐ|カキ殻肥料~新製法・低温乾燥でミネラル保持」牡蠣の殻の色合いを活かしたインテリア牡蠣の殻の色合いを活かし、花瓶や装飾タイル、壁に付ける装飾品などのインテリアを手がけるデザイナーもいます。牡蠣の殻を焼くと真っ白な粉状の灰になるため、陶器製作に必要な釉薬に使えます。釉薬とは、陶磁器の表面を覆うガラス質の部分です。釉薬の材料に牡蠣の殻の灰を使うことで、牡蠣の殻を連想させる独創的なインテリアに仕上がります。また、牡蠣の殻は硬さもあるため、インテリア素材としても活用されています。粉砕した牡蠣の殻を鉱物や砂などと混ぜ合わせることで、より強固になるため、硬さが必要なインテリア素材として最適です。牡蠣の殻による美しい質感は、装飾タイルや壁に取り付ける装飾品など、さまざまな雑貨に活かされています。繊細な技術で製作されたアクセサリー牡蠣の殻をアクセサリーパーツに加工し、おしゃれな装飾品に仕上げるデザイナーもいます。牡蠣の殻は、洗浄や消毒を行って不要物や微生物を除去すれば、装飾品に加工することが可能です。牡蠣の殻を平面に加工すると、自然の色合いを活かしたネックレスに仕上がります。殻を小さくカットして研磨すれば、クラフトパーツを作れます。クラフトパーツはイヤリングやヘアゴム、指輪、ジッパーチャームなど、幅広いアクセサリーや雑貨に付けられます。牡蠣の殻の色合いを活かしたアクセサリーは一つひとつ色味が異なるので、個性的なアクセサリーに仕上がります。SDGsにもつながる、牡蠣の殻の再利用事例牡蠣の殻は、持続可能な資源として注目されています。毎年大量に廃棄されている牡蠣の殻を有効活用するために、日本だけでなく、世界でも再利用に向けた取り組みがスタートしています。ここでは、福岡県糸島市とアメリカのニューヨークでの牡蠣の殻の再利用事例を紹介しましょう。【福岡県糸島市】土壌改良剤として再活用福岡県糸島市では、廃棄される牡蠣の殻の特徴を活かし、土壌改良剤を製作しています。糸島市は牡蠣の養殖産業が盛んな地域で、市の重要な産業のひとつでもあります。2014年には500トンの牡蠣を生産し、地域の牡蠣小屋は多くの賑わいを見せました(※1)。しかし、生産量に伴って増える牡蠣の殻の処理費用に、生産者や自治体は頭を悩ませていたといいます。そこで、生産者や自治体の負担を軽くするために、2010年に糸島地区カキ殻リサイクル研究会が発足。会の目的は、廃棄される牡蠣の殻を乾燥・粉砕し、土壌改良剤として活用することです(※2)。研究を重ねて完成した土壌改良剤「シーライム」は2010年に販売を開始。自然素材を活用した新しい土壌改良材として注目を集めています。※1参考:福岡県水産海洋技術センター「糸島地域におけるカキ養殖業の発展とカキ小屋の役割」※2参考:糸島地区カキ殻リサイクル研究会「福岡県リサイクル総合研究センター平成24年度 研究成果発表会」【ニューヨーク】浄化作用を活かしたプロジェクトを実施アメリカのニューヨークでは、ニューヨーク湾の水質をきれいにする「ビリオンオイスタープロジェクト」が2014年から実施されています。このプロジェクトは、約20年かけてニューヨーク湾全体に10億個の牡蠣を放すというもの(※)。水をきれいにする効果が期待できる牡蠣を大量に放すことで、ニューヨーク港の牡蠣礁を復元することが目的です。プロジェクトにはハーバー・スクールの学生も参加していて、ニューヨーク湾の水質を改善するために、数多くの牡蠣を海に放しています。プロジェクト開始時は濁って何も見えなかった海も、徐々に濁りが解消されつつあるようです。水質の悪い環境で育った牡蠣は、汚れを多く含んでいるため食べることはできません。しかし、このプロジェクトによって水質が改善し、牡蠣礁が復元されることで、将来的に品質のいい牡蠣を食べられると期待されています。※参考:ビリオンオイスタープロジェクト「私たちのビジョン」まとめ牡蠣の殻は年間約20万トン生産されていて、そのうちの8割を占める牡蠣の殻が廃棄されています。殻を廃棄するには溶融処理を行わなければならず、生産者や自治体が高額の費用負担を強いられています。こうした負担を抑えるべく、牡蠣の殻はさまざまな方法で再利用されるようになりました。肥料やインテリア、アクセサリーなど、特徴や主成分を活かした画期的な方法で活用されています。牡蠣の殻は持続可能な資源として注目を集めていて、今後も新たな再利用方法が生まれるかもしれません。

記事サムネイル
食品原料

食感改良でおいしさアップ|食品のゲル化剤・増粘剤【タイショーテクノス】

やわゲルのご紹介なめらかな舌触りやプルプルといった食感は、食品の美味しさの決め手となる重要な要素です。株式会社タイショーテクノス(東京都港区)が研究開発した「やわゲル」は、増粘多糖類に同社独自の加工を施し、できあがるゼリーの固さや溶液の粘度を変化させたゲル化剤・増粘剤。組み合わせる素材によって多彩な食感を生み出すことができます。この記事では、バラエティーに富んだ食感で美味しさを演出するやわゲルの特徴と、商品ラインナップ、それらを活用した食品開発の事例をご紹介します。食感を改良して商品価値を上げたい、価格の安定した国産原料で商品開発したいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。やわゲルの特徴タイショーテクノス研究所は1967年の開設以来、微生物コントロールをコア技術として、食品添加物・着色料・工業用防腐防かび剤・食品工場用サニテーション製剤・食品素材など、幅広い分野で豊かで潤いのある食文化と快適な生活の実現に努めてきました。やわゲルは、同社の特許製法によって生み出された、食感の改良に優れた機能を持つゲル化剤・増粘剤です。 一般に、ゲル化剤は、液体をゼリー状に固めたり保形性を付与したりするのに用いられ、増粘剤は、食品に粘りやとろみをつける目的で利用されます。これらの原料には、植物由来のものから、動物・海藻・微生物由来までさまざま。 やわゲルは、寒天、グルコマンナン(こんにゃく芋)、カラギナン(藻)などを原料とした植物由来で、化学的処理は一切行わず、加熱処理のみでつくられた新しい素材です。やわゲルのメリットやわゲルは、原料となる素材によって、その特性や得られる食感改良効果が異なります。ここでは、寒天を原料とした「やわゲル・寒天」を主な例に、メリットをご紹介します。1.食感改良に高い効果を発揮「やわゲル・寒天」は、保形性がありながら、なめらかでとろける食感を創出します。例えば、羊羹やチョコスプレッドに添加した場合、従来の寒天とは異なり、柔らかで伸びの良い、なめらかな食感になります。2.高機能な保形剤として「やわゲル・寒天」を野菜ペーストなどに添加した場合、保形性を付与して離水を防ぎ、かつ、舌で簡単に押し潰せるくらいの食べごたえのあるペーストに仕上げることができます。添加量によって固さ調節もしやすいため、離乳食や介護食にも応用が可能です。また、喫食温度(60〜65℃)でも溶解しない耐熱性があり、温かい料理にも効果を発揮します。 3.プラントベースフード、アレルゲンフリー原料としてやわゲルは、植物由来のため、プラントベースフードや動物性原料の代替原料としても使用できます。例えば、プリンの材料を牛乳から豆乳に、卵を「やわゲル・寒天」に置き換えることで、保形性がありながら、なめらかで口当たりの良い植物性プリンを作ることができます。また、アレルギー対応の食品開発にも役立ちます。 4.低糖質・低塩・低脂質のメニュー開発に貢献、コクやスパイス感の増強もやわゲルは、組み合わせて使用することで多彩な食感を生み出すことができます。例えば、「やわゲル・寒天」と「やわゲル・Gマンナン」を組み合わせて使うことで、液体を保形性のあるクリーム状やペースト状にすることができます。口内でなめらかに崩れ、舌への付着性を高めるため味蕾(みらい)を長く刺激し、味が強く感じられる特性があります。これを活かし、砂糖の量、あるいは塩、脂質を減らしても味わいを損なうことなく、低糖質・低塩・低脂質のメニュー開発に貢献します。また、コクやスパイス感を増強する効果もあります。 5.国産素材で価格が安定「やわゲル・Gマンナン」、「やわゲル・こんにゃく粉」の原料は国産です。LBGなどと異なり、海外情勢に左右されず価格が安定しています。輸入原料の代替として、また、国産素材を求める消費者ニーズにお応えします。 やわゲルシリーズの商品ラインナップと活用事例特色あるやわゲルの商品ラインナップと活用事例をご紹介します。やわゲル・寒天寒天を主原料としています。しっかりとした保形性を維持しつつ、力を加えると容易に伸びるというスプレッド性を付与することができます。濃厚プリン、飲むゼリー、和菓子、フィリングなどの軟ペーストの作製などに最適です。カスタードクリームなどで冷凍耐性が必要な場合は、「やわゲル・寒天」と「やわゲル・Gマンナン」を併用することで、なめらかさと保形性の付与に加え、解凍時のドリップ抑制ができ効果的です。やわゲル・Gマンナンこんにゃく粉由来のグルコマンナンを原料としています。汎用的な増粘剤であるLBG(ローカストビーンガム)と同等の粘度、冷凍耐性、耐熱性、耐酸性を有しています。LBGは、地中海沿岸の常緑樹の種子から得られる増粘安定剤です。近年のLBGの価格高騰を受けて、代替原料として研究開発されたのが「やわゲル・Gマンナン」です。LBGよりも少ない添加量で同様の効果を得られることから、コストの見直しにも寄与します。口溶けの良いアイスクリームや素材に程よく絡むタレなどに幅広く活用できます。また、従来のグルコマンナンやこんにゃく粉では高粘度によりハンドリング不良が生じる場合や冷凍耐性が不足するといった問題の改善が可能です。「やわゲル・Gマンナン」は、単独ではゲル化しない素材ですが、カラギナンやキサンタンガムと組み合わせることでゲル化剤としても使用できます。チーズやゼリーの食感を向上させます。やわゲル・こんにゃく粉こんにゃく粉を原料としたゼリー製剤です。やわゲル・Gマンナンも同じくこんにゃく粉を原料としていますが、2つの違いは、素材の精製度合いが異なることです。やわゲル・こんにゃく粉の方が、精製度の低いこんにゃく粉を使用しているため、製品の見た目は褐色の粉末です。物性は、やわゲル・Gマンナンに近く、フルーツゼリーなどの原料として適しています。やわゲル・カラギナンカラギナンを原料としたゼリー製剤です。単体使用でもゲル化する素材ですが、LBGやグルコマンナンと併用することで、スライムのような柔らかくしなやかな弾力のあるゼリーに仕上がります。一般に、柔らかいゼリーを作りたい時は、ゲル化剤の量を減らす方法がありますが、離水が増えてしまう欠点があります。やわゲル・カラギナンと他の素材を組み合わせて配合することで、柔らかく、かつ、離水を抑えたゼリーを作ることができます。やわゲルは、素材を組み合わせることによって多彩な食感を生み出すことができる食品原料です。第37回シェアシマ商品開発セミナー「商品の魅力をアップさせる『食感』とは?差別化ポイントと事例紹介」では、やわゲルの特徴について動画と研究資料を用いて詳しくご紹介しています。シェアシマ会員(登録無料)の皆様は、セミナーの録画をいつでもご視聴いただけます。ぜひご覧ください。開発商品にぴったりのゲル化剤・増粘剤をお探しの方は、ぜひ一度、同社にお問い合わせください。

記事サムネイル
食品原料

食感改良でおいしさアップ|麺や菓子など小麦粉使用の食品に効果的な粉末油脂【ミヨシ油脂】

機能性粉末油脂「エレメント215」のご紹介粉末油脂の特性を活かし、食品の食感改良や品質保持に高い効果を発揮するのが、ミヨシ油脂株式会社(東京都葛飾区)の「エレメント215」です。作業性・溶解性・保存安定性に優れ、デンプンやグルテンなどを含む食品に効率的に作用することから、麺類や餃子の皮、パン、菓子などさまざまな食品に活用の幅が広がっています。この記事では、エレメント215の特徴とメリット、粉末油脂がもたらす食感改良のメカニズム、エレメント215の活用事例についてご紹介します。麺をコシのある歯切れの良い食感に改良したい方、使い勝手の良い油脂製品をお探しの方は、ぜひご覧ください。エレメント215のシェアシマ掲載ページは、こちらよりご覧いただけます。エレメント215とは油脂の力を活かし、食品のみならず生活用品や工業製品など、さまざまな分野で安全性と機能性に優れた油脂製品を展開しているのが、ミヨシ油脂株式会社です。エレメント215は、同社の高い技術によって生まれた、アレルギー特定原材料(表示義務8品目)を配合せず、水への溶解性・分散性に優れた粉末油脂です。市場で流通している粉末油脂は、大きく分けて2種類に分類されます。一つは、親油性タイプ(全脂型)です。親油性タイプは高融点油脂を噴霧冷却や冷却粉砕して粉末化します。親油性であるため、水に馴染まない特性があります。もう一つは親水性タイプ(O/W型ドライエマルジョン)で、エレメント215もこの一つです。親水性タイプは、乳化機を用いて水中油滴型(O/W型)乳化液を作り、スプレードライヤーなどで噴霧乾燥して粉末化します。油脂は糖質やタンパク質など、いわゆる賦形剤に包み込まれており、その油滴サイズはおよそ1.0μmと細かく、水に容易に分散する特性があります。エレメント215は、油分を高配合した粉末油脂であるため、食品に対して油脂の効果を効率的に発揮することができます。エレメント215の特徴粉末油脂がもたらす食感改良のメカニズム粉末油脂は、食品に含まれるデンプンやグルテンに対し効率的に作用し、高い食感改良効果を発揮します。デンプンへの作用通常デンプンは、水を加えて加熱すると結晶構造の中に水が入り込み膨張します。これをさらに加熱すると、デンプン粒が崩壊して中のアミロースが流出し、時間経過とともに再結晶化、老化を起こします。老化したデンプンを含んだ食品は、ぼそぼそと硬い食感になったり、白濁や離水を起こしたりすることもあります。一方、デンプンに粉末油脂を添加した場合は、細かい油滴がデンプンの周りを保護してデンプン粒の崩壊を防ぎます。デンプンの老化を抑制することで、おいしい食感(麺のコシの維持や、生地の硬化の抑制)を生み出すことができます。グルテンへの作用粉末油脂は、小麦タンパクであるグルテンへも作用します。小麦粉に水を加えて捏ねると、小麦に含まれる2種類のタンパク質が結びつきグルテン構造を形成します。太く荒いグルテン構造では、伸展性が悪く生地は固くなりますが、油脂を加えることでグルテン同士の結着を防ぎ、細密なグルテン構造が形成されます。これにより、伸展性に優れた生地(パンであれば、ソフトな食感やふんわりとボリュームのある食感)を実現します。 エレメント215のメリット1. 溶解性・分散性に優れ、作業性が高い粉末油脂は、液体や固体油脂に比べ計量が容易です。さらさらとした粉末で、粉体原料に混ぜることができます。さらに、水への溶解性・分散性に優れ、スープや飲料にも広くご活用いただけます。また、すでに乳化されているため、強力な攪拌設備をお持ちでないメーカー様でも安心してご利用いただけます。2. 保存安定性が向上粉末油脂は、賦形剤で包まれているため、マーガリンやショートニングと比較して油脂の劣化が緩やかになる特徴があります。原料の長期保存ができる点も大きなメリットです。3. アレルゲンフリー、プラントベースフードにも使用可能エレメント215は、乳や卵などアレルギー特定原材料(表示義務8品目)を配合しない粉末油脂です。また、動物由来原料も配合していないため、アレルゲンに配慮した食品やプラントベースフードまで幅広くご利用いただけます。エレメント215の活用例ハンドリング性に優れ、麺類から飲料まで様々な食感・品質改良に役立つ粉末油脂エレメント215の活用事例とその効果をご紹介します。麺類 …… コシや歯切れが向上し、時間がたっても伸びにくい麺に仕上がります。麺同士の結着を防ぎ、ほぐれが向上します。表面のつるみを維持します。餃子、焼売の皮 …… 餃子や焼売の皮などの経時変化に伴う硬化を抑制します。製菓・製パン …… 良好な口溶け、サクサクした食感や歯切れの良さを付与。ボリュームアップにも効果を発揮します。たこ焼き …… ソフトで、とろっとした食感が向上し、冷解凍後の食感維持にも効果を発揮します。パフスナック、米菓 …… サクサクした軽い食感を付与し、歯付きの軽減に効果があります。機械への生地の付着も軽減します。飲料 …… 溶解や分散が良好で、乳化した状態を保ちます。 「食感」は、食品のおいしさを決める重要な要素のひとつです。食感にこだわることで食品の魅力をより一層引き立てることができます。エレメント215をお試しになりたい方、粉末油脂の機能性を食品開発に活かしたい方は、ミヨシ油脂株式会社までお問い合わせください。 同社が運営する「ミヨシ未来プラットフォーム」では、新事業・商品開発に役立つ情報を発信しています。エレメント215についてもご案内しています。こちらもぜひご覧ください。

記事サムネイル
食品原料

賞味期限を延長させる原料|日持向上剤で食品ロスを削減【ウエノフードテクノ】

スマイティ®︎のご紹介株式会社ウエノフードテクノ(東京都千代田区)では、食品の腐敗や変敗を防ぐことで賞味期限を延長させることのできる日持向上剤「スマイティ®︎」を製造・販売しています。トータルサニテーションを提唱する、同社の豊富な知見と高い技術によって、静菌効果のある酢酸ナトリウムと液体の醸造酢を粉末化。使い勝手の良い製剤に仕上げました。この記事では、スマイティ®︎の特徴とその効果、スマイティ®︎シリーズのラインナップと活用例についてご紹介します。食感や味に影響を与えずに賞味期限を延長させたい、食品の腐敗・変敗を防いで食中毒のリスクを減らしたい、食品ロス削減に貢献したいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。スマイティ®︎とは株式会社ウエノフードテクノは、製造環境の衛生化から、食品を内から守る食品添加物、食品を外から守る脱酸素剤類、HACCPなど一般衛生のシステム化まで、食品メーカーの「トータルサニテーション」を支援し、食の安全・安心に寄与しています。スマイティ®︎の原料である酢酸ナトリウムには、幅広い細菌類の生育を抑える効果があります。対象食品の制限もなく、日持向上剤としては最もよく使われている食品添加物です。また、pH調整剤や調味料、酸味料としても利用されています。この酢酸ナトリウムに、液体の醸造酢をあわせて粉末状にし、一剤化したのがスマイティ®︎です。独自技術で粉末化することで、従来品よりも酸味・酸臭を低減した使い勝手の良い製剤となっています。醸造酢イメージスマイティ®︎の特徴とメリット強力な静菌力スマイティ®︎は、耐熱性のある芽胞菌から、乳酸菌、カビや酵母などの真菌類まで、食品の腐敗原因となる菌に幅広く効果を発揮します。酸臭・酸味が少なく、味への影響を低減醸造酢を粉末化することで、従来製品よりも酸臭・酸味の低減を実現。従来の日持向上剤における主剤・副剤・マスキング素材の単純混合では難しかった、味質の改善効果も期待できます。食感を損なわない従来品よりも状態が均一で扱いやすいため、水産ねり製品などに添加しやすく、食感を損なわない利点があります。スマイティ®︎の活用事例のご紹介スマイティ®︎は、例えば、洋菓子の日持ち向上に役立ちます。ケーキなどの日持向上剤としてよく用いられるグリシンの一部を、スマイティ®︎に置き換えることで、グリシン単体では抑えきれなかったカビの発生を抑制する効果が高まります。また、酸度が低いため、かまぼこなど水産ねり製品に使用した場合、従来品(酢酸ナトリウム)よりも味や食感(弾力)への影響が少なく、おいしさを保ちつつ賞味期限を延長することができます。このほかにも、惣菜、ハム・ソーセージ、フィリング、パン・菓子類などの日持ち向上に適しています。スマイティ®︎シリーズのラインナップスマイティ®︎シリーズの商品ラインナップをご紹介します。食品の種類や用途によって、最適な製剤を使い分けてご活用ください。日持向上剤「スマイティ®︎」臭い・味がマイルドなので、食品の風味を損ないにくく、これまでの酢酸ナトリウム系製剤では使いにくかった食品にも幅広く使用可能です。シェアシマ掲載商品は、こちらよりご覧いただけます。日持向上剤「SM-G」味重視の和惣菜(蒸し物や和え物など)、菓子(特に和菓子)への添加に向いています。(醸造酢ではなく酢酸を粉末化して配合しています。)pH調整剤「SM-P」「SM-L」酢酸と酢酸ナトリウムを高濃度に含む粉末製剤です。少量添加でpH調整、日持ちなどの効果を得ることができます。惣菜、水産および畜産加工品への添加に向いています。(醸造酢ではなく酢酸を粉末化して配合しています。)食品の腐敗や変敗を防ぎ、賞味期限を延長させることは、食品ロスの削減に大きく貢献します。スマイティ®︎をお試しになりたい方、自社の商品にぴったりの日持向上剤をお探しの方は、ウエノフードテクノまでお問い合わせください。

記事サムネイル
食品原料

青いバナナの栄養や効能、食べ方を解説!青い果実のアップサイクル事例も紹介

通常、バナナは皮が緑色の状態で日本に輸入され、熟成プロセスを経て黄色くなってから販売されます。2023年8月頃から、熟成前の「青いバナナ」を店頭で見かけるようになりました。「黄色いバナナとどのような点が異なるのだろうか」と気になっている人も多いでしょう。そこで、今回は、青いバナナが出回るようになった理由・背景や、栄養成分・効能、食べ方を詳しく解説します。加えて、バナナ以外の青い果実(青いパパイヤ、青みかん・摘果みかん)のアップサイクル事例も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。青いバナナとは|出回るようになった理由・背景青いバナナとは、「皮が緑色の熟成前のバナナ」のことです。2023年8月頃から市場に出回るようになった背景には「これまで生産地で廃棄されていた規格外バナナを流通させ、食品ロスを減らそう」という気運の高まりがあります。バナナの生産・販売事業を展開している株式会社ドールでは、傷などが原因で「規格外」とされた青いバナナは、従来は熟成させずに廃棄されてきました。こうしたバナナを活用するために「Doleグリーンバナナ」というブランド名で販売するようになりました。そのほか、粉末状に加工した「青バナナ粉」も流通していて、小麦粉の代用品としても活用されています。青いバナナの栄養成分・効能青いバナナには、熟成後の黄色いバナナよりも多くの「難消化性デンプン(レジスタントスターチ)」が含まれています。熟成が進むにつれて、難消化性デンプンが分解されて糖化されるため、甘味が増していきます(※1)。難消化性デンプンは、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方の働きを兼ね備えています。青いバナナを食べると血糖値上昇の抑制や空腹感の抑制、整腸効果が期待できます。また、発酵青バナナ粉末(青バナナの果実部から調製した粉末を酵素・発酵処理したもの)には、免疫機能(サイトカイン産生能)を向上させる効果があることが示唆されています(※2)。※1参考:野呂哲ほか(2011年)「バナナの澱粉」弘前大学教育学部紀要、第105号、pp.75-79※2参考:金有宏ほか(2018年)「発酵青バナナ末(バナファイン®)経口摂取による免疫賦活効果の検討」公益社団法人日本農芸化学会大会講演要旨集、p.1856青いバナナの食べ方青いバナナを生の状態で食べると「えぐみ」を感じることが多く、黄色いバナナに比べて、甘味は強くありません。加熱すると栗やジャガイモのような食感に変わり、「ホクホク」「しっとり」などと形容されます。野菜と同様に、さまざまな加熱料理に使うことが可能です。ここでは、下処理方法と青いバナナを使った料理の例を紹介します。下処理方法青いバナナは、基本的には生食には不向きで、加熱して食べるのがおすすめです。青いバナナで「マッシュドバナナ」を作る場合は、下処理として、皮を剥いてから、水に浸しておきましょう。また、どうしても生のまま食べたい場合は、青いバナナを追熟させて甘くしてから食べる方法もあります。青いバナナを使った料理青いバナナは、そのまま加熱するだけでシンプルに食べられます。青バナナの両端を切断し、数秒間、水にさらした上でラップに包み、電子レンジで2~3分加熱してから皮を剥きましょう。そのほか、下処理した青いバナナをつぶして、マッシュドバナナに加工して食べる方法もあります。マッシュドバナナは、サラダのようにして食べる以外に、コロッケやスムージーの具材としても利用できます。粉末状に加工された製品(青バナナ粉)は、菓子を作る際に「小麦粉の代用品」として使用できます。小麦粉アレルギー対策として、青バナナ粉を使用することも選択肢のひとつです。バナナ以外にもある!青い果実を使ったアップサイクル事例近年、バナナ以外にも青い果実の活用が進んでいて、「アップサイクル事例」として注目されています。アップサイクルとは、捨てられるはずの生産物・商品に、「新たな価値」を付与して再利用を実現することです。単なるリサイクルとは異なり、「クリエイティブ・リユース(創造的再利用)」とも表現されます。ここでは、青い果実の主な活用例として「青いパパイヤ」と「青みかん・摘果みかん」をピックアップし、それぞれの栄養や効能、使い方を紹介します。青いパパイヤ青いパパイヤとは、皮が緑色の未熟な状態のパパイヤのことです。果物としてではなく、野菜として食されることから、「野菜パパイヤ」と呼ばれる場合もあります。熟して皮がオレンジ色になったパパイヤとは異なり、甘味はありません。熟す前のパパイヤは、栄養が豊富です。パパインやリパーゼ、アミラーゼといった酵素に加え、ビタミンB1やビタミンC、カルシウム、マグネシウム、食物繊維などの含有量も多いため、健康食材として注目されています(※1)。そのほか、ポリフェノールやフラボノイドも多く含んでいて、「青いパパイヤを発酵させて粉末状に加工した食品を高齢者に摂取させたところ、ナチュラルキラー細胞活性が回復した」という主旨の報告もあり、免疫機能を改善する効果が期待できます(※2)。青いパパイヤは、「パパイヤ茶」に加工されて販売されたり、サラダや炒め物など、多種多様な料理の具材として利用されたりしています。★パパイヤ茶の商品例については、こちらのページをご覧ください。※1参考:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年「食品群名/食品名: 果実類/パパイア/未熟/生」※2参考:藤田雄三ほか(2017年)「Fermented Papaya Preparation Restores Age-Related Reductions in Peripheral Blood Mononuclear Cell Cytolytic Activity in Tube-Fed Patients」PLOS ONE青みかん・摘果みかん青みかんとは、熟する前の段階で早摘み・間引き(摘果)したみかんのことで、「摘果みかん」とも呼ばれます。青みかん・摘果みかんは、成熟果よりもフラバノン配糖体(ヘスペリジンやナリルチン)の含有量が多く、脂質代謝を改善する効果(※1)や、ハウスダストなどによる鼻の不快感を軽減する効果(※2)が期待できます。使い方としては、そのまま食するほか、絞った果汁を焼き魚などにかけたり、ハチミツとあわせてドリンクにして飲んだりするのもよいでしょう。青みかん・摘果みかんの皮から抽出したエッセンシャルオイルも流通しています。また、柑橘類の栽培が盛んな愛媛県を拠点とする愛媛製紙株式会社では、ジュースの製造過程で発生する搾汁残渣を加工した「柑橘由来機能性ペーストMaCSIE(マクシー)」を販売しています。★MaCSIEは、食品や化粧品の原料として活用の幅が広がっています。詳細については、こちらのページをご覧ください。※1参考:田丸靜香ほか(2017年)「廃棄される未熟ミカンに豊富に含まれるヘスぺリジンの可溶化 不溶性成分を茶飲料として摂取可能に」化学と生物、55巻、4号、pp.290-293※2参考:出口貴浩ほか(2021年)「未熟ウンシュウミカン果実含有食品の摂取による鼻の不快感の軽減およびQOL 改善作用とその安全性―ランダム化二重盲検プラセボ対照並行群間比較試験―」薬理と治療、49巻、11号、pp.1877-1887まとめ近年、青いバナナをはじめとしてさまざまな青い果実が注目されるようになりました。これまで廃棄されがちだった未熟果が出回るようになり、新たな価値を付与した上で販売される「アップサイクル事例」も増加中です。青い果実には、成熟果よりも含有量が多い栄養成分もあり、さまざまな効果・効能が期待できます。多様な食べ方・使い方が可能なので、新規食材としてチェックしてみてはいかがでしょうか。