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本場フランスのクレープ事情

2022.02.14

日本でクレープと言えばフルーツや生クリームにチョコソースをかけてクレープ生地に包んだものをイメージしますが、実はこれは日本独自のクレープです。

クレープはフランス北西部、ブルターニュ地方の郷土料理です。フランスのクレープは私達が食べている日本のクレープとは少し違っているのです。

<庶民の食事から宮廷料理へ>

クレープと言えば小麦粉と卵の優しい薄黄色をした生地が定番ですが、大元をたどるとそば粉のガレットに行きつきます。ブルターニュ地方は土地がやせていて雨が多く冷涼な気候のため、小麦が育たないため、古くからそばを常食としていました。そば粥やそばがきといった調理法で食べられていたのが、偶然フライパン代わりの焼けた石の上にこぼれたそば粥がうまく焼けて薄いパンケーキ状になり、ガレットと呼ばれるようになりました。

やがて17世紀ごろにガレットは宮廷料理に取り入れられ、ベースはそば粉から小麦粉へと、味も塩味から甘い味に変化していきました。今でもそば粉で出来たガレットと小麦粉がベースのクレープは区別して呼ばれているようです。

伝統的なガレットは薄い塩味であり、肉や魚介、チーズや卵、サラダとともに食事として食べられてきましたが、現在ではジャムやリキュールで甘く味付けしてデザートとされることもあります。クレープはクレープ生地をメインとしてバターや砂糖で味をつけたり、生クリームやフルーツを包んで菓子としたり、ハムやチーズ、野菜などを包んで軽食としたりと、バリエーション豊富です。

<クレープを食べる日「シャンドルール」

フランスではクレープは軽食としてもデザートとしても菓子としても定番で、一年中よく食べられています。それだけでなく、なんと「クレープの日」まであるのです。

クリスマスから40日後にあたる2月2日は「シャンドルール」と呼ばれ、フランス、ベルギー、スイスのフランス語圏の住人はこぞってクレープを食べます。日本では「聖燭祭(せいしょくさい)」と呼ばれるこの日はキリスト教の祝日ですが、なぜこの日とクレープが結びつけられたかには諸説あり、はっきりしません。由来は不明でも、シャンドルールが近くなるとスーパーにはクレープ特設コーナーが設置され、広告はクレープ一色になり、人々は大量にクレープ関連商品を購入するのだと言います。出来上がっているクレープを購入するのではなく、家庭でクレープを作って食べるのが主流のようで、クレープ専用フライパンの普及率もとても高いのだとか。

フランスの家庭で食べるクレープは、手巻き寿司をイメージすると分かりやすいかもしれません。どっさり焼かれたクレープをめいめい皿に取り、砂糖やジャム、チョコソースなど好きなものをつけて次々と食べます。おしゃれに気取って食べるものではなく、素朴な家庭的なお菓子なのです。

日本人は海外のイベントを取り入れ、日本風にアレンジして定着させるのが上手だと言われています。今後クレープの日として「シャンドルール」が知られていくかもしれませんね。