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世界の食品ロス対策(3)「ディスコスープ」

2019.10.07

「もったいない」から生まれた、楽しむスープ

「ディスコスープ」という取り組みをご存知でしょうか。
ドイツを拠点に食料廃棄問題の改善に向けて活動する団体「Slow Food Youth Network (スローフード ユース ネットワーク)」が始めたもので、コンセプトは「満たすなら、ゴミ箱ではなく、腹を満たせ!」。ディスコのようにDJの流す音楽に乗りながら、農家やスーパーマーケットから集めた廃棄寸前の食材を使ってスープを作り、みんなで食べるというイベントです。食品ロスについて楽しく学べるとあって瞬く間にヨーロッパ中に広がり、今では世界各国で開催されています。

2017年からは4月の最終土曜日を「ワールドディスコスープデー」と称し、世界30カ国以上でディスコスープを同時多発的に行なって話題となりました。日本でもスローフードユースネットワークの東京支部が中心となり、積極的に活動を行なっています。東京支部ではディスコスープのみならず、「東京都食品ロスもったいないフェスタ」の開催や、食品ロス問題の解決に取り組む企業を招いてのトークショーなど、さまざまなイベントを企画しています。公式Facebookページではイベント中の様子を撮影した動画が配信されていて、初心者にもわかりやすく、楽しそうな雰囲気が伝わってきます。

今後ますます注目度が高まるであろう「ディスコスープ」。皆さんも参加してみてはいかがでしょうか。

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健康食品原料 製菓・製パン原料特集

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NEW 2021.09.13

アップサイクル食品はフードロス削減の強力な一手となるか

持続可能な循環型社会を目指し、リサイクルが活発化しています。 リサイクルでは製品を別の製品の原料にして別の製品を生み出します。しかし古紙が再生紙になる例のとおり、より良い品質と価値を持った製品に生まれ変わるわけではなく、どちらかと言えば価値の下がった製品へと変換される場合が大半です。古いタオルやシャツを雑巾として再利用するのも同様の例で、これらはダウンサイクリングと呼ばれます。 これに対し、副産物や廃棄物を新たな価値とより良い品質の製品にリサイクルするのがアップサイクリングです。創造的再利用とも呼ばれ、これまではアートやファッション、インテリアの分野が主でした。 しかし今や食品の分野にもこのアップサイクリングの波が来ています。米国での動きを中心にレポートをお届けします。 <業界団体による標準的な定義の制定> コーヒーの果実の皮を原料にした紅茶飲料やビール醸造の際に出る穀物廃棄物を原料としたプロテインバーなど、米国内では食品廃棄物を活用したアップサイクル食品への関心が高まっています。 米国企業を中心に70社ほどが参加して設立された業界団体「アップサイクル食品協会」(本部コロラド州デンバー)は、市場拡大を受け2020年5月アップサイクル食品の定義を定めました。「本来は人間の食用とならなかった食材を使用して、検証可能なサプライチェーンにより調達・生産され、環境に良い影響をもたらす食品」ということで、実際に食品廃棄物の削減につながるものだけを「アップサイクル食品」と定義しました。 アップサイクル食品という言葉の持つ良いイメージだけを利用して売り込む偽物との差別化を図り、フードロスを削減し持続可能な社会を実現したいという強い意図が感じられます。 食品廃棄物による世界経済のロスは年間でどれほどになるかご存じですか。なんとその額は100兆円を超えるという試算もあります。アップサイクル食品への取り組みにより、この膨大な経済損失を削減できる可能性があるのです。 日本には昔から「もったいない」という言葉がある通り、廃棄物削減の意識は比較的高いと言えるでしょう。しかし米国は廃棄物に寛容な風潮があり、供給された食料のうち3~4割がロスとなっているとも言われているのです。 ただ、米国でも時代は動いてきているようで、ミレニアル世代(1980年代~1995年生まれ)やZ世代(1996年~2012年生まれ)は消費者としての意識が高く、芯のある理念をもちメッセージを発する企業やブランドを購入する傾向があるのだそう。今後世代交代が進むにつれ、フードロス削減を掲げるアップサイクル食品市場はどんどん拡大していくことが予想されます。 米国の動きをお伝えしましたが、日本国内でもアップサイクル食品は続々と増えています。これまで廃棄されていた米やパン耳を使ったビール、規格外野菜や規格外フルーツを原料とした加工食品など、環境に良いから、フードロス削減につながるからといった理由がなくても味わってみたい魅力的な食品が目白押しです。 アップサイクル食品という言葉が生まれたということは、大量生産大量消費をベースにした一定の無駄には目をつぶるという社会から、より持続可能な循環型社会へと社会風潮が成熟してきていることを示します。時代は変わり、動きます。そのただなかにいるのだと思うと少し不思議な感じもしますが、この大きなうねりを楽しむ気持ちを持ちたいものですね。
アップサイクル食品はフードロス削減の強力な一手となるか
2021.08.11

身体も心も元気づける自家製保存食づくり

身近なスーパーでも外国の珍しい野菜や手軽で便利な冷凍野菜がいつでも購入できるいい時代になりました。こういった野菜はマンネリになりがちな食卓を力強く助けてくれます。しかしそうはいってもメインになるのは安くておいしい旬の露地野菜でしょう。果物などでも、缶詰は便利ではありますがやはり旬の露地物はフレッシュなおいしさに溢れています。短い旬の間に堪能するのが醍醐味かもしれませんが、保存しておいてそのあと好きなタイミングで食べられたら嬉しいですよね。 あるいは家庭菜園をしている人であれば、大豊作の収穫時期が一気に来てしまって消費が追いつかず嬉し悲しという経験をしたことがあるかもしれません。 そんなときには一工夫。かつて冷蔵庫も冷凍庫もなかった時代の知恵を拝借して、自家製保存食づくりに挑戦してみましょう。 <食べ物を保存する体験そのものまで楽しむ> 保存食と言うとどのようなものを思い浮かべるでしょうか。 ぱっと思いつくだけでも乾燥させる、塩漬け、砂糖漬け、酢漬け、マリネ(油漬け)、燻製、発酵などのさまざまな方法が挙げられます。 この中から今回は家庭でも取り組みやすい乾燥・塩漬け・砂糖漬けの例をご紹介しましょう。 切り干し大根や干しシイタケに限らず、根菜類やキノコは乾燥させることで旨味が濃縮してとてもおいしくなります。カラッと晴れた日にバットやザルに乗せて日光に当て、時々裏返してまんべんなく乾燥させましょう。水分が残っているとカビの原因になるので、できるだけカラカラに乾かします。密閉容器や袋に入れて冷凍庫に保存し1か月程度を目安に食べきるようにします。 ジャガイモやナス、ニンジンやトマトなどを薄切りにして干してみてください。生のままとは一味違う新しい野菜の魅力に引き込まれること間違いなしです。果物でもイチゴやキウイなどは家庭でも乾燥させやすいので、ぜひ挑戦してみてくださいね。 じっくりと保存食づくりに取り組んでみたい場合には、塩漬けの一つとも言える梅干しづくりがぴったりです。作った人によれば自家製梅干しは掛けた手間暇の分とても愛着がわき、食べるのがもったいないほどおいしく感じられるのだとか。ただし梅は一年のうちほんの一時期しかスーパーに並ばないので、やると決めたら時機を逸さず行動を始めてくださいね。なお青い梅の実を生食するとめまいや頭痛などの中毒症状が出る恐れがあるので、生では食べないように注意しましょう。 砂糖漬けというとちょっと耳慣れないかもしれませんが、ジャムと言えばとても身近に感じますよね。鍋でコトコトと自家製ジャムを煮ることは、それ自体が一つの体験として楽しめます。市販品では低糖で甘さ控えめのものが主流になっていますが、家庭で作る場合には糖度60~65%を目安にすると保存性が高まりますのでおすすめです。イチゴやリンゴだけでなく、桃やメロン、マスカットなどお好みの果物でジャムづくりを楽しんでみてくださいね。 安くておいしい旬の時期に買って保存性を高めるために手をかける保存食づくり。冷蔵庫の性能がいくら良くなっていると言っても、ただ冷やして保存するだけでは長期保存は難しく、食材が痛んでしまうことも少なくありません。そうなる前にひと手間かけることで、単なる冷蔵保存よりもぐんと食材を長持ちさせることができます。 とかく合理性や効率が重視される毎日の中ですが、だからこそあえてひと手間かけて保存食を作ってみませんか。作っている最中のゆったりとした時間の流れが心を癒し、出来上がった保存食が身体をおいしく元気づけてくれます。
身体も心も元気づける自家製保存食づくり
2021.07.28

和風・洋風・中華「だし」の違い

食事に温かいスープがついていると嬉しいものですよね。たとえ具がほとんど入っていなくても、お澄ましやコンソメスープなどだしが効いた汁物はとても心を満足させてくれます。 だしは汁物に限らず、料理の基本です。今回はそんな「だし」についてもっと詳しく知ってみましょう。 <だしの基礎知識> そもそも「だし」とは、魚介や肉・野菜などをつけたり煮出したりした、うま味成分や香りのある汁のことを言います。味の基本である「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」「うま味」のうちの一つである「うま味」を引き出すことに特化した汁と言えるでしょう。 このうま味はグルタミン酸(植物に多い成分)やイノシン酸(動物に多い成分)によってもたらされます。 だしのすごいところは、これらのアミノ酸を単独ではなく複合して使っているところです。うま味は足し算ではなく掛け算され、相乗効果により飛躍的に伸びます。 使われる食材や調理法が異なっていても、この相乗効果を狙うのは世界共通。栄養素や味覚についての科学的な研究が行われる前から、人々はおいしさの掛け算を体で知っていたのかもしれませんね。 <和洋中における違い> 和風だしは昆布とかつお節の組み合わせた、キレのあるすっきりとしたうま味のだしです。短時間で作れますが保存性が悪く、味の劣化が早いという特徴があります。 一方、洋風だしは玉ねぎやにんじん、セロリと骨付きの肉や魚介を組み合わせた、濃厚なゼラチン質のうま味が特徴のだしです。和風だしと違って作るのに長時間かかりますが保存性は良いです。調理の直前にだしをとるというよりは、事前にまとめてだしをとり、調理ごとに取り分けて使うイメージですね。 中華だしはネギやショウガなどの香味野菜と鶏ガラや豚肉を組み合わせた、深いコクとうま味が特徴のだしです。中華料理では「湯(タン)」と呼ばれており、上湯(シャンタン)や白湯(パイタン)といった語を目にしたことがあるかもしれませんね。 ちなみに白湯は白濁したスープですが、これは強い火力でぼこぼこと泡が出るくらい煮立てると泡が破裂する際の音波で水と油が乳化するので白濁スープになるのだとか。日本ではラーメンのベースとなる豚骨スープとしてもお馴染みです。 <掛け算をさらに掛け算してみる> うま味に幅があるほど料理はおいしく感じられます。 キレはあっても厚みに欠ける和風だしとキレはないが重厚な厚みがある洋風だし。最近では洋食に和風だしを合わせるレシピも多くありますが、その狙いは旨みの幅を広げることにあります。 種類の違うだしをかけ合わせることでうま味は増しますので、既成概念にとらわれず隠し味に使ってみましょう。思いもかけないおいしさと出会えるかもしれませんね。
和風・洋風・中華「だし」の違い
2021.07.19

コロナ禍の心まで慰める? ローマ名物「マリトッツォ」とは

2021年になって大注目のスイーツ、「マリトッツォ」。ころんとした丸いデニッシュにたっぷりのクリームが入ったその姿はシンプルかつダイナミックでインパクトも充分。目にも舌にも嬉しく、その人気は急上昇を続けています。 タピオカ以来の大トレンドとも言われており、全国のベーカリー、カフェをはじめとしてホテルやコンビニエンスストアでも販売されるマリトッツォに迫ります。   <起源はローマ時代> 古代ローマ時代、ハチミツとドライフルーツを使ったパンが一般的に食べられていたそうです。現在のようにクリームははさまれていませんでしたが、大きく栄養満点で持ち運びしやすい食事だったこのパンがマリトッツォのルーツと言われています。 中世になると、食事用から一歩進んでスイーツに近い甘いパンになったと考えられています。パンの大きさは小さくなり、ナッツやドライフルーツがふんだんに使われていたそうです。特にキリスト教で四旬節と呼ばれるイースター前に肉を控えて粗食にする期間にも食べることができたので、さらに普及したのだとか。 イタリアでもアドリア海側のマルケ州では現在でもクリームを挟まないローマ時代の面影を残すマリトッツォが食べられています。南イタリアのプーリア州では生地を編み込んだような形、そしてローマでは小さな丸いパンの間にたっぷりのクリームを挟んだマリトッツォが知られています。 現在日本でブームになっているのは、ローマ版マリトッツォというわけですね。   <ブームの背景にはコロナ禍も?> インスタグラムで「#マリトッツォ」と検索すると7万件ほどもヒットします。シンプルにクリームがはさんであるもの、美しくフルーツを飾り付けたものなどどれも写真映えしていて見飽きません。 なぜ2021年という年にマリトッツォがブームとなったのか。 その背景にはコロナ禍に少し慣れ、しかし密を避け必要以上に人と交わらずマスク生活を続けなければならない人々の疲れ、閉塞感があるのではないかと考えられます。 かわいらしく食欲をそそるそのフォルムを見て癒され、クリームと甘いデニッシュを嚙み締めその甘味に癒され、食べ終わればその満腹感になんだか安心するという一連の流れは、単に流行りものを食べている以上の満足をもたらしていると感じませんか。 ストレートに甘く口の中でとろけるクリームパンを無心で頬張るそのときだけはコロナ禍を一瞬忘れ、幸せの波に身を任せていると言ったら言い過ぎでしょうか。 テイクアウトしやすく、店ごとに様々なラインナップが揃うマリトッツォがコロナ禍にブームになったのは偶然ではないように感じるのです。 もちろん飲食店の苦境、経済活動の落ち込みがすべてマリトッツォで挽回できるわけではありませんが、見栄えのする食べ物が大ブームとなること自体が明るい話題として歓迎されているのは間違いありません。 ワクチン接種も始まりましたが、コロナ禍の終息までにはまだもう少し時間がかかりそうな気配です。マリトッツォは息の長いブームになるのか、それとも定着するのか。今後とも注目していきます。
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