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オンラインで広がるフードツーリズムの可能性

2022.04.26

ビデオ会議システムの登場で、移動にかかる時間を省く=場所に拘束されないというオンラインのメリットが広く認知されるようになりました。オンライン飲み会などに参加し、集合して顔を突き合わせなくても楽しく飲食できることを実感している人も多いでしょう。
この流れは旅行業界にも押し寄せています。オンラインツアーでも、リアルツアー同様に参加者は単に食事を食べるにとどまらず、食と参加者個人との間の物語(ナラティブ)を楽しめるのです。
コロナ禍を機に高まるフードツーリズムの可能性について考えてみます。

フードツーリズムの醍醐味

旅行の楽しみは何でしょうか。絶景や名跡を見たりさまざまなアクティビティを体験したりもできますが、食事も大きな楽しみの一つですよね。この「食」が旅行の主役であるものが「フードツーリズム」です。単なる食べ歩きから郷土料理教室体験、生産者訪問ツアーまで「食」を多様に楽しむことができます。
地域差を表すものの代表といえば、言葉がまずイメージされがちですが、食も非常に大きな地域差があります。好きなご当地料理を聞けば、出身地が分かってしまう可能性もありますよね。
このように料理は地域によって大きく異なる食材や調理法、味付けで調理され完成します。これを料理そのものの味わいに加えて、料理の裏側で語られている「物語」まで丸ごと楽しむのがフードツーリズムの醍醐味と言えます。
「物語」といっても古くからの伝説や言い伝えなどに限りません。ご当地食材の栽培法、シェフのプロフィール、トレンドで話題、一度食べてみたいと思う自分の気持ち、食事の代金。これらはすべて目の前の料理を意味づける物語です。食を楽しむ主体と食との間で交わされる物語=ナラティブが紡がれるほど、その食は貴重な体験として深く記憶されるでしょう。

オンラインツアーの可能性

コロナ禍もあり、フードツーリズムはオンラインでも行われるようになりました。事前に参加者に飲食物を配送しておいて、スマホやパソコンでガイドを見たり、ビデオ会議システムで現地とつないでガイドや生産者、シェフと交流したりしながら食を楽しんでもらうという形で行われています。
もちろん現地を訪れその空気感を感じながら食べる素晴らしさは揺るぎません。しかしオンラインツアーではその土地の観光情報、詳細なガイドが展開されます。単に情報量という意味では、ガイドなしのリアルツアーよりもガイドの付いたオンラインツアーに軍配が上がるでしょう。
現地購入あるいは現地飲食と同等の味わいが気軽に再現できる新商品の開発などが進めば、オンラインツアーをきっかけに実際に足を運ぶ旅行者と通信販売のリピーターの両方を獲得できる可能性があります。また、観光情報、ガイドの充実も重要ですし、そもそも地域を知ってもらうための情報発信も欠かせません。 コロナ禍で観光業界にとっては厳しい日々が続いています。ただ、コロナ後でもオンラインツアーに一定の需要が残ると考えると、今はその基盤を整える仕込み期間と言えそうです。5Gが普及するころまでには、アイデアあふれる新しいオンラインツアーも登場するかもしれません。