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開発困難な代替卵(ヴィーガンエッグ)、海外の先端研究事情を追う

2022.06.08

動物性タンパク質の最も優れた供給源のひとつである卵を植物性の原料で代替した卵(ヴィーガンエッグ)。卵の複雑な性質ゆえに開発が非常に困難で、植物性の牛乳や肉に比べて遅れを取ってきました。しかし、急速に発達した最新の科学技術を応用し、ここ数年で代替卵の開発は大きく前進しています。海外の最先端の研究事情を追います。

世界の代替卵(ヴィーガンエッグ)市場

2019年、世界では8217万トン以上の卵が生産され、1人当たり平均161個の卵を1年間で消費しています。日本だけでも、1人当たり平均320個の卵を消費しており、これは世界の推計値のおよそ2倍に当たります。

近年、欧米諸国では、多くの企業が代替卵の開発に着手しています。市場の急成長ぶりはかつての代替乳製品のそれに匹敵するほど。植物性の代替卵=ヴィーガンエッグは今後さらに成長が見込まれる熱い市場です。

代替肉は形と味さえ調整すれば商品化の道が開くのに対し、代替卵となるとそうは行きません。卵は、ゼリー状になったり、泡立ったり、固まったりと、複雑に形態変化することが大きな特徴です。そのため、代替卵の開発は長い間、「無謀」とさえ言われてきました。

一方、菜食主義者たちは何十年も前から、卵の代用品を模索してきました。卵白の代わりに使われてきた「アクアファバ」(ひよこ豆の缶詰に入っている煮汁)はその代表例でもあります。しかしそれを、本物の卵にそっくりな代替卵へと進化させた研究チームがドイツにあります。

“本物の卵”の再現へ、熱を帯びる研究開発

ベルリンを拠点とするフードテック企業「Perfeggt((パーフェグト)」は、生命科学研究で有名なオランダのワーヘニンゲン大学と共同研究。植物由来のタンパク質と脂質を組み合わせることで、より本物の卵に近い味と食感を持たせることに成功しました。それが、そら豆を使用したタンパク質豊富な代替卵「Perfeggt」。液状になっていて、卵の代用品としてすぐに使えます。

溶いた鶏卵と同じように、スクランブルエッグやオムレツに使用することが可能で、そのリアルな味、食感、口当たりは、ヴィーガンでない一般の消費者を引き付けるほどのものだそうです。

近年、多数の企業が代替卵の開発に着手しており、アメリカ・テキサス州の「Craft Counter社」によるゆで卵状の代替卵、イスラエル「YO-Egg」による目玉焼き状の白身と黄身の形を模した代替卵など、本物の卵に近い製品の開発が日夜進んでいます。

まだ市場には出回っていない殻付きの代替卵が、スーパーの店頭に並ぶ日もそう遠くないのかもしれません。