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異常な熱波に苦しむジンバブエ、危機を救うのはアノ農作物⁈

2022.08.31

アフリカ南部のジンバブエ共和国。気候変動による異常な熱波が、ジンバブエ国民の生活を容赦なく襲っています。国民のほとんどが小規模農家で自給自足の暮らしをしている同国では、ここ数十年で最悪の経済状態となっています。ところが近年ある作物の栽培に力を入れ始めたことで、復興の兆しが見えてきました。

熱波に負けない農家たちの“救世主”

首都から400キロ以上離れたゴクウェ南部。以前は盛んだったトウモロコシや綿花の栽培は、熱波の影響でほぼ不可能な状態にまでなっています。干ばつになると、トウモロコシなどの通常の作物は2週間も持ちません。そこでこれらに代わる、干ばつに強い作物への移行が急がれていました。

民間の国際協力組織が状況を打開するために動きました。農業ビジネスセンター、通称ABCと呼ばれる組織です。ABCは、ドイツの世界飢餓援助機構 (WHH) が運営し、欧州連合(EU)から資金提供を受けています。

ジンバブエの農業の救世主として白羽の矢が立ったのは、ヒマワリです。ヒマワリは干ばつに強い作物で、1ヶ月もの乾期を生き延びることができます。厳しい経済状況にあるジンバブエでは、農家が必要な資材を購入することも困難ですが、ヒマワリは大量の栄養剤を与えずとも豊作が期待できます。まさにジンバブエの土地柄に適した作物でした。

当時のジンバブエではヒマワリ市場は確立されておらず、多くのヒマワリ農家は零細産業として脇に追いやられていました。そこで、ABCは地域の6000以上の小規模農家と契約を結び、ヒマワリの栽培ノウハウを提供。個別の農家の所得向上を支援しています。ヒマワリの種子からヒマワリ油を加工できることにも着目し、さらなる収益性の向上を模索しています。

ヒマワリに続く期待の作物はマンゴー

厳しい日差しのもとでよく育つマンゴーは、ジンバブエ農業にとって期待の作物です。ところがここ数年、収穫したマンゴーを捨てざるを得ないという事態が相次いでいます。

新型コロナウイルスの大流行により、ゴクウェを含む地方の農家は、都市部に果物を売りに行くことができなくなりました。そこで、ABCは生のマンゴーを農家から買い取り、工場で加工してドライマンゴーとして売り出す支援を始めました。これにより、食べられるマンゴーの廃棄を防ぐと同時に、失業者が多くを占めていた若者世代の雇用を生み出しました。

ドライマンゴーは生のマンゴーと比べて4倍の価格で売れることに加え、国内外の需要も見込める魅力的な商品です。現在、ゴクウェ南部に4つの加工センターを運営するABCは、これまで国内向けだったゴクウェ産のドライマンゴーの販売を海外に広げ、輸出市場を積極的に開拓していく考えです。

ジンバブエの人々に寄り添う一連の支援は、SDGs(持続可能な開発目標)の一つ、「パートナーシップで目標を達成しよう」にも貢献するものとなっています。