シェアシマレポート

人気のタグはこちら

パプリカがピーマンより高価な理由

2019.12.04

鮮やかさには裏がある?

子供たちは、オリンピックの歌として覚えているかもしれないパプリカ。赤、黄、オレンジなど、使うだけで料理がグッと華やかになるので、おしゃれなカフェやレストランでも使われていることが多いですよね。あまり知られていませんが、紫、茶色、黒のパプリカもあるんです。
まさに「インスタ映え」な食材のパプリカですが、実際にスーパーで値段を見たらなかなか手が伸びなかったって経験、ありませんか?一般的にパプリカ1個でピーマンが5、6個買えちゃう値段なんですよね。だから、レシピに書いてあっても「本当にパプリカじゃなきゃダメだろうか…」と考えてみたり。

では、そもそもどうしてパプリカはピーマンと似ているのに、ここまで値段が違うのはどうしてでしょうか。それは「栽培にかかる手間」が大きく異なるからなんです。もっとシンプルにいうと「パプリカを育てるのはピーマンより難しい」からなんです。

具体的に比較してみましょう。どちらも花を咲かせて実をつけるのは同じです。ところがピーマンが開花から15~20日で収穫できるのに対し、パプリカは40~50日、なんと2か月近くかかります。

日数が大きく変わる理由は「未熟」か「完熟」か。緑のピーマンは植物としては未熟の状態。赤いピーマンを見たことがあるかもしれませんが、あれが完熟したピーマンです。ピーマンの収穫までの期間が短いのは、未熟状態で採れるからなんですね。
一方パプリカは、どの色のパプリカも最初は緑色です。そこからじっくりと色を付けていきます。色ムラにならないように気にかけながら完熟するまで育てるので、ピーマンより日数がかかってしまいます。

さて、栽培日数が長くなると世話をする手間が増えるというのは誰でも想像がつくでしょう。しかし、両者は「一生につける実の数」も違うんです。
ここからは植物の特性の話です。ピーマンやパプリカに限らず、野菜というのは「種」を残そうと実をつけます。実の中に種をつける植物は、その実を完熟させることで動物に食べてもらったり、自らはじけたり割れたりすることで、種を土にまこうとします。つまり植物にとって実を完熟させるというのはとても重要な仕事です。

では、ピーマンのように未熟の状態で実が収穫された場合はどうでしょうか。ピーマンはなかなか完熟した実を残せそうにないので頑張って次々と花を咲かせて実をつけるので、結果的にたくさんのピーマンが採れます。一方パプリカは、ある程度実をつけたら完熟するまで収穫されません。だからピーマンほど多く花を咲かせません。そして、パプリカはつけた実を完熟させるために全体力を注ぎ込みます。(ただし野菜によっては実の数をあえて減らす栽培方法などもあります。)
さらに、どちらも温度管理も難しい野菜であるうえに、栽培日数が長くなるほど、病気になりやすく、虫もつきやすくなります。パプリカは、ただでさえ実の数が少ないうえに、完熟まで管理を徹底しないと出荷できません。一度病気になってしまったら、そのシーズンはもう出荷できないのです。とはいえ、ピーマンもしっかり手間をかけないと次々と実をつけてはくれないし病気にもなるので、同じように高い生産技術が求められます。

いかがでしたか?見た目は似ているピーマンとパプリカ。値段の違いの向こう側にある野菜の生い立ちを知ることで、少し親近感を感じられたのではないでしょうか。スーパーやレストランで見かけたら、どちらも生産者のマメな管理と努力のうえにここまでたどり着いたんだなと思いながら、ぜひ味わってみてください。

シェアシマはこちら
share
三井製糖株式会社 株式会社わかさ生活 おやいづ製茶
キャンペーンバナー 健康食品原料 製菓・製パン原料特集

関連するレポートはこちら

NEW 2020.01.15

近年増加中の「種なし果物」の安全性とは

最近、「種なし果物」が増えてきましたね。一昔前までは「種があるのが当たり前」と思っていた柿やぶどうなどの果物も、「食べやすさ」などが好評となり、現在は種のない種類が主流になってきているようです。でも、食材の安全に意識の高い方のなかには「種なし果物はどうやって作られるの?」「安全性は?」と気にされている方も多いかもしれません。 例えば、種なしぶどうはどうやって作られるか知っていますか?花が咲いた時に、ぶどうの房ごと「ジベレリン」という植物ホルモンの液体に2回浸しているのだそうです。この液体には、受精をしなくても果実を大きくする効果があります。 この植物ホルモンは、植物がもともと持っているものなので「人体には特に害はない」と言われています。しかし一方で、ジベレリンは天然ホルモンではなく合成ホルモンであり、発がん性や不妊のリスクがあるという説もあるのだとか。 では、味の面ではどうなのでしょう?一般的には、種のないぶどうは味が薄くなる傾向があり、種のあるぶどうの方が甘さや香りが良いとされています。「自然の摂理に従って作られるものの方が美味しい」というのは、当たり前と言えば当たり前の現象かもしれませんね。 また種なしぶどうの場合は、せっかく育てても一代限りで終わってしまい、また始めから育てる必要があるというデメリットも。農家の方にとっては、大変な手間とコストがかかります。 種なし果物の多くは、このように人工的な処置をして作られていますが、なかには自然に種が出来ないものもあります。種がない状態のまま果実が育っていくことを「単為結実」と呼び、温州みかんやパイナップル、バナナなどがそれに当たります。 最後に、興味深い話をもうひとつ。種のある代表的な果物と言えば「スイカ」もそのひとつですね!過去に「種なしスイカ」を育てて販売したところ、見た目の違和感からなのか、ほとんど売れなかったようです。果物の種類によっても「種なし」「種あり」のどちらが好まれるのが違っているようで、人間の感覚というのは不思議なものですね。 スーパーなどで果物を選ぶ時に、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
近年増加中の「種なし果物」の安全性とは
NEW 2020.01.13

安全で美味!アメリカ発祥「Farm to table(農場から食卓まで)」とは

「Farm to table(ファーム・トゥー・テーブル)」という言葉を聞いたことはありますか?アメリカで生まれた食に対する考え方で、農場(生産者)から食卓(消費者)へ安全で新鮮な食材を届けるというものです。レストランなどでは少し前から話題を集めており、「地産地消」や「サステナブル(持続可能)」な食のあり方にもつながるものです。では具体的にどんなものなのか、その実践例を見ていきましょう! まずご紹介するのは、温暖な気候に恵まれたアメリカのカルフォルニア州にあるレストラン「Central Market」。こちらのオーナーシェフのトニーは、自宅を農場の敷地内に建設し、そこで野菜や家畜を育てています。大切にしているのは、野菜などは遺伝子組み換えをしていない種を厳選し、家畜の飼料にはオーガニックのものを使い、安心安全な食材をつくるということ。レストランで使用するソーセージやサラミは、自身の農場で育った家畜の肉を使い手作りするなど、細かい部分にまで気を配っています。 農場とレストランが近いということは「安心安全で美味しい食材が提供できる」だけでなく、「環境にもやさしい」というメリットもあります。例えば、食材を箱詰めするための容器や包装紙は不要になりますし、運搬することで発生する温室効果ガスの削減にもつながります。 もともとトニーは、ニューヨークやサンフランシスコで活躍していたシェフ。都会で仕事をするなかで「オーガニックの畑があり、その近くでレストランを開きたい」という想いを長年抱いていたのだとか。その想いに当てはまる場所を探していたところ、ちょうどよいタイミングで見つかったのが、今の場所というわけです。 いろんなこだわりが詰まっていることもあり、このレストランで提供される食材は安心して食べられる新鮮なものばかりで、料理はとても美味しい!夕方のオープン時間になると、地元の客が次々に店内に入り始めて、トニーと親しげに会話を始めるのだとか。こうしたレストランの在り方が、地元の人たちにもとても愛されているようです。 この「ファーム・トゥー・キッチン」の考え方は、日本にも広がりつつあります。次にご紹介するのは、東京のレストラン「navarre Tokyo」。オレゴン州ポートランドで人気を集めているレストランが、日本に出店したものです。有機農業を実践している農家から食材を仕入れ、その日ごとに変化する「スペシャル」として、料理が提供されています。現地のスタイルのように、週末限定でブランチも食べられるのだとか。ポートランドにも通じる「ゆったりとした空気」を楽しみながら、オリジナルの料理を味わってみてはいかがでしょうか。
安全で美味!アメリカ発祥「Farm to table(農場から食卓まで)」とは
NEW 2019.12.25

全国各地でファン増加中!「マルシェ」が人気の理由

「顔が見える食材」と出会いに、マルシェへ行こう! 全国的にもマルシェが大人気ですね!マルシェとは、「マーケット」「市場」という意味のフランス語です。 マルシェと言うと野菜や果物などの生鮮食品が中心のように思う方もあるかもしれませんが、最近ではパンやお弁当などの加工品、アクセサリーや雑貨などのハンドメイド商品、ペット用のグッズなどを販売するお店や、マッサージや占いなどをするお店などもあり、とてもバラエティー豊か! また、開催場所は大きな公園から神社の境内、カフェなどの店先などさまざまです。こうしたマルシェの人気を受けて、エントランス付近の場所を提供する商業施設なども増えてきています。 マルシェに行ったことのある方は口を揃えて「楽しかった!」と言います。では、この人気の理由はどんなところにあるのでしょうか。 1.消費者と生産者の接点ができる 食材の安心安全が盛んに言われるようになり、「ただ安ければいい」というのではなく「より安全なものを」「生産者の顔や作り方が見えるものがいい」という考え方が浸透し始めています。マルシェでは、生産者や作り手自らが出店をする場合が多く、消費者と生産者が直接つながる場となっています。そのため、生産者の想いを直接消費者に届けることができます。また、通常のスーパーなどに並ぶ食材と違って仲介する業者が入らないので、いわゆる「マージン」がかからず、消費者は安く購入できるというメリットもあります。 2.地域活性化や環境への配慮につながる マルシェは、何かのテーマを持って開催されることが多いです。特に地域固有の食材や料理にこだわったものや、「有機食材だけを扱う」「エコバック持参を推奨」など環境を意識したものも多くあります。マルシェの開催を通して、地域の人たちが集い、志を同じくする人たちが話す場ができます。東京など都市部では、全国のご当地グルメを紹介するマルシェもよく開催されています。 3.女性の活躍の場にもなる マルシェの出店者の特徴として、女性が多いことも挙げられます。ホールなどで開催される見本市などに比べて出店料が比較的安い場合も多く、活動し始めたばかりのハンドメイド作家なども参加しやすくなっています。またマルシェによっては、「ママの参加」をテーマにしたものも多くあります。なかには、マルシェへの出店だけを地道に続けて、商品を販売している方もいるのだとか。 私もマルシェが好きでよく行きますが、よい食材に出会えることや、生産者との話もとても楽しいです。広い会場であれば商品を見ながら買い物をするだけで、なかなかの運動量になり体力づくりにもいいかもしれません。週末は、ぜひマルシェに出かけてみてはいかがでしょうか。
全国各地でファン増加中!「マルシェ」が人気の理由
2019.12.11

食の未来を考えるドキュメンタリー映画3選

観て、学ぶ。食がテーマの映画3選。 食の未来を考える動きのなかで大阪や名古屋などでは「オーガニック映画祭」が開催され、注目を集めているのをご存知だろうか? 例えば「なごやオーガニック映画祭」では、「有機農業の意義を伝え、有機農業に関心をもつ人のすそ野を広げる」ことをコンセプトに活動している。有機農業に関連する分野に携わる有志により、2011年に実行委員会が設立された。2012年2月、2014年2月、2016年4月に計3回の映画祭が開催され、多くの人に食の未来を考えるきっかけを提供してきた。 食の安全・安心への関心は年々高まっており、こうした映画の与える影響は大きい。そこで今回は、映画祭などで話題になった作品を中心に、食の未来を考えるためにおすすめのドキュメンタリー映画を3本ご紹介! 1.未来の食卓 南フランスの小さな村で実際に起こった1年間の物語を綴っている。子どもの未来を守るために「学校の給食と高齢者の宅配給食をオーガニックにする」という村長の提案に挑戦!最初は戸惑っていた村民たちであったが、子どもの味覚が変化し、小さな村が少しずつ変化していく。この映画の公開後、フランスでは一大オーガニックブームが起き、多くの人が自身の食生活を見直すようになったと言われる。 2.フードインク 食品業界の裏側にまで潜入し、食の安全について疑問を投げかける米国のドキュメンタリー。サブタイトルは「ごはんがあぶない」。値段は高いが安全で美味しいオーガニック食品と、スーパーに並んでいる安価な食材を比較し、その価格差の背景にあるさまざまな状況を明らかにしている。大規模工場で飼育される食肉産業の実態や飛行機で大量に農薬を散布する様子なども映し出された。「第82回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門」にノミネートされ、米国では映画公開後に大反響を巻き起こした映画である。 3.ありあまるごちそう 世界で生産されている食料は120億人分あるにも関わらず、実際に飢餓に苦しんでいる人は10億人もいると言われている。この「食の不均衡」をテーマにしたオーストリアの映画である。大量のパンが毎日捨てられていくウィーンと、小麦を輸出していながら2億人もの人が食料に飢えているインド。食品を扱う世界最大級の企業や、漁師・農家・家畜業者などの生産者へのインタビューを通して、飢餓が生まれるメカニズムをまとめている。 食の未来に向けて、私たちは何をすればいいのか。私たちが取るべき行動を考えるきっかけとして、まずは映画を鑑賞してみてはいかがだろうか?
食の未来を考えるドキュメンタリー映画3選