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食品ロスが「先進国の問題」は間違い?視点を変えて考えてみる

2022.04.20

全世界で生産されている食料は毎年40億トンもあり、実は地球上の全人類が生きていくための必要量を上回っています。けれど、生産された食品の3分の1がさまざまな理由で捨てられているのです。こういう話をすると必ず、「先進国がムダにしているんだ!贅沢しているんだ!」という食の不均衡の話になります、しかしそれは理由のひとつ。実際には、発展途上国でも別の理由で食品ロスが発生しているのです。食品ロスの先進国と発展途上国での違いとは一体何でしょうか。

先進国では流通や保存技術が進歩しており、食品が長持ちするという特徴があります。また家庭では、家計に占める食費の割合が比較的低いため、食べる以上に食品を買い、ムダにしてしまうということがあります。事業者側では、仕入れのミスや需要の変更、ブームによって、食材を使いきれなくなり廃棄する場合も多くあります。それに見た目が良くないと消費者に売れないという現実があることから、食べられるものでも色や形で選別し、販売さえできないということもあります。

先進国ではこうした食品ロスをなくすために、売りに出せないけれど食べられる食品を加工し、売れる商品を新たに開発しています。最近では余った食品を業者や個人の間でシェアする取り組みも盛んです。少しずつではありますが、食品ロスを減らす対策は進んでいるのです。

一方、発展途上国側では、別の原因で食品ロスが発生しています。それは、先進国では克服されている、流通や保存の問題です。例えば、農家の生産物を保存する技術や施設がないため、食品が廃棄されています。その廃棄を防ぐために加工すればいいという話もありますが、加工食品を作る技術も設備もないのです。さらに、交通手段が未発達の場合、市場まで食品を運ぶことができず、また運んでいる最中に痛んでしまって、食べられるものが減ってしまうのです。これを解消するための開発が進み、自然環境を犠牲にしたことで、砂漠化が進んでしまった地域もあります。だから、先進国は発展途上国に食料を援助しましょうというだけでなく、技術や設備を提供し、世界全体が豊かになる支援をしていく必要があります。

食品ロスの問題は、まずは自分たちの周りのムダをなくしていくことから解決しなくてはなりません。しかし、自分たちがムダを減らせば世界の人々が救われるという単純な話でもないわけです。世界の人口はこれからますます増えていきます。未来のためにどう行動すべきか、一人一人が考えなければならない時代を、私たちは生きています。