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イスラム市場(南西アジア・中東)からハラルビジネス研究【食品ハラルビジネス進化論〜ハラル認証原料編vol.9】

2022.12.23

こんにちは、ハラル・ジャパン協会の佐久間です。2022FIFAワールドカップカタール大会は、アルゼンチンの劇的な優勝で終了しました!日本サッカーも森保一監督いわく、「新しい景色は見られなかったが、選手が新しい時代を見せてくれた」と私たちにも感動を与えてくれました!すでに次(NEXT)が始まっています。皆さんの次は何でしょうか?2023年を飛躍の年にしたいですね。今回は「イスラム市場(南西アジア・中東)からハラルビジネス研究」について解説していきます。

インド、バングラデシュ、パキスタンは次のイスラム市場のビッグマーケット

イスラム市場は東南アジアイスラム市場、特にマレーシア、シンガポール、インドネシアが熱く伸びていますが、次にビックマーケットになると考えられているのが、南西アジアのイスラム市場、インド、バングラデシュ、パキスタンなどの国々です。
なぜ魅力的なのでしょうか?1つ目の理由はイスラム教徒の人口です。インドは1.9億人、バングラデシュ1.5億人、パキスタンは2.1億人と3か国だけでの5.5億人です。2つ目は若年齢層が多く、経済の循環に期待ができ、ますます豊かになる土壌があります。3つ目は親日的であり、お米をたくさん食べるのでアドバンテージがあります。
インドはヒンズー教、ジャイナ教もあり多様性の国ですが、食べ物で言えばベジタリアン・ヴィーガンで対応可能です。その他の国は東南アジアと比べてそれほど多民族・多宗教ではなく、イスラム教徒がメインのためあまりハラル認証には頼る必要がないようです。しかし、今後は東南アジア同様に、ハラル認証が拡大する可能性があります。イスラム市場としては楽しみなエリアです。ただ、食に保守的な部分があるエリアのため、完成品での輸出はすぐには難しいかもしれません。まずは原材料から輸出が広がることが考えられますが、その際はハラル認証・ヴィーガン認証(または成分ハラル、成分ヴィーガン等)が輸出取引に求められることが増えると思います。

バングラデシュでは船も生活の足として重要

中東はハブ戦略で進出を狙う国を決めるべし

ハラル=イスラム教=中東を連想される方が非常に多いと思いますが、少しそのイメージを修正してください。イスラム教の発祥=中東、ハラル認証の発祥=東南アジア(マレーシア)と理解するといいと思います。
またUAEドバイを中東と考え、ハラルビジネスの展開をイメージされているかもしれませんが、中東はイラン、トルコ、エジプトまでを含むと定義します。その時のハブはどこか?これはおそらくUAEドバイを、アジアで言う香港やシンガポールに置き換えて考えるとよいでしょう。イスラム教徒が多いエリアですので、肉・肉加工品を除き、あまりハラル認証を中心に考えなくても問題ありません(成分的にハラルであれば適切に輸出できるからです)。例えばUAEからエジプト、イラン、場合によってはカザフスタンなどがハブになると考えられます。
スンニ派、シーア派エリアの違いを理解することも大切です。大きくはイラン、イラクと、それ以外のイスラム教徒の国とで、考え方の違いがあるということです。まずはイランと取引するのか?しないのか?がポイントになります。
中東は欧州諸国と取引のある国が多いので、欧州商社のバイヤーをいかに使えるかもポイントです。まずはニーズを捉えて原材料をベースに輸出し、進出するのがよいでしょう。ただし、欧州の影響が強い分、すでに高品質な物は一通りそろう上、食文化、パッケージデザインの好み、化粧品の好みなどは完全に欧州寄りです。その点は東南アジアとは大きく違い、日本の食品や化粧品などは苦戦するかもしれません。

ギフト用チョコレート(UAE)

シリーズ10回目を迎える新年2023年の初回では、原材料の「健康食品(サプリメント)のハラルビジネス考察」を解説します。1月の第4金曜日を楽しみにしてください。皆さま、良い年をお迎えください。

(佐久間朋宏/非営利一般社団法人ハラル・ジャパン協会代表理事)