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最近よく聞く「ネオニコチド系農薬」ってどんなもの?

2020.03.30

「ネオニコチド系農薬」という言葉を、どこかで聞いたことはありますか?ニコチンによく似た「ニコチノイド」を主体として作られた殺虫剤のことで、1990年頃から使われるようになりました。世界でも使用量の多い農薬のひとつで、ネオニコチドと言われる7種類の物質を含む農薬や殺虫剤は、現在いろいろな製品として市場に出回っています。

もともと「ネオニコチド系農薬は人への毒性は低い」「脊椎動物ではなく昆虫に対して強い神経毒性を持つ」ということで2000年頃から使用が拡大されてきました。また、散布された農薬には水に溶けるという性質があり、植物の根から葉の先端まで浸透することから「虫の被害から植物全体を守ることができる」と言われ、農業などの現場では広く使われてきました。

しかし、ネオニコチド系農薬の普及が進むにつれて、世界のいたるところでハチが大量死するようになりました!ハチは植物が受粉する手助けをする役割であるため、ハチが死んでしまうと農業は成り立たなくなってしまいます。因果関係ははっきりと確認できませんでしたが、この事態を受けてヨーロッパ諸国では、2000年代初頭からネオニコチド系農薬の使用を制限するようになりました。代替品として使える農薬が見つからない状態でしたが、「環境やいのちに重大な被害が出る」ことを想定しての対応を取ったのです。

そして今もなお欧米諸国ではネオニコチド系農薬のさまざまな規制が進められていますが、日本ではまだまだ意識が低く、その名前すら知らないという方も少なくありません。むしろネオニコチド系農薬の規制がないばかりか、使用量の規制緩和が進むなど、全く逆の動きすら見られます。

とある研究によれば、ペットボトルのお茶9種類に含まれるネオニコチド系農薬の残留量を調べてみたら、全ての日本茶の茶葉から検出されたそうです。茶葉を収穫する7日前までであれば、ネオニコチド系農薬を7種類まで散布できるとされており、異常気象の際には大量の農薬の使用が予想されます。ネオニコチド系農薬が含まれているかどうかはパッと見ただけで分かるものではないため、消費者としてはとても心配です。

日本ではまだまだ認知度の低いネオニコチド系農薬。一人ひとりが問題の重要性を意識し、その動向を見ていくことが何より大切ですね!