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Stay Homeで「ハレ」を演出する、ウィズコロナの食生活様式

2020.09.03

2020年、想像だにしていなかった新型コロナウィルスによるパンデミックにより、生活様式は一変しました。より正確を期するならば、私たちの意思とは無関係に、一変せざるを得なかったと表現するべきでしょうか。とにかく、もうコロナ前の生活には戻れない、戻らない時間というのがこの先長く続いていくようです。
このウィズコロナの新しい生活様式について、食の面から考えてみたいと思います。

<食事におけるハレとケの考え方>
「ハレとケ」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。厳密には民俗学や文化人類学で使われる用語です。曰く、「ハレ」は儀礼や祭り・年中行事などの非日常を、「ケ」は普段の生活である日常を表し、衣食住などをハレとケでは区別したのだとか。
お正月に晴れ着を着ておせち料理を食べ初詣に行くことなどは分かりやすい「ハレ」の例でしょう。
ここでは大きく捉えて、「ハレ」を「特別」、「ケ」を「普段」という意味で使用し、ウィズコロナの食生活を考察してみます。

<自粛生活により「ハレ」の需要が減少したのか>
感染拡大防止のため、不要不急の外出や3密を引き起こす営業を自粛する動きが広がり、観光やレジャー、外食などの消費は一気に落ち込みました。感染拡大が落ち着いたかに見える局面もありますが、だからといってコロナ前と同じように自由に移動し集い消費するという生活スタイルに戻るという動きは見られません。ワクチンや特効薬が広く行きわたるまでこの傾向は続きそうです。
旅行やレジャー、外食などの、日常生活に潤いをもたらす小さな「ハレ」は、コロナ前に比べると段違いに実現が難しくなってしまいました。ここで注目したいのは、実績は激減しているものの、その需要まで減少してしまったのか? という点です。
答えはノーでしょう。人々にとって、「特別を楽しみたい」という需要がなくなったわけではないのです。以前のような形で気軽に「ハレ」を楽しめなくなってしまっただけで、その需要は依然として存在しています。考えてみれば、これは当然のことですね。気軽に「特別」を楽しめないのであれば、むしろその欲求は増していくのが自然な流れかもしれません。
この需要をピンポイントに満たす供給先は、今まさに探られている真っ最中でしょう。新しい「ハレ」が形作られていく進化の渦の中を生きていると考えると、少しワクワクしてきますね。

<食生活における新しい「ハレ」の模索>
そもそも昭和の時代に比べると家庭での食事も豊かになり、寿司や天ぷら、すき焼き・焼き肉などの現在の中高年が子供のころに「ごちそう」と感じた献立ですら特別に食べるものという意識もなくって、もはや何が「ごちそう=ハレ」なのか、メニューから区別することは難しくなっていたというのが実情です。
自炊を「ケ」として、買ってきたものを食べるのを「ハレ」と考えるのも難しいようです。というのも、スーパーでお惣菜を買ってきて食卓に並べる「中食」は一般的となり、これは分類するならば「ケ」に近いように思われるからです。
そこで第三の観点、食べる場所で「ハレ」を演出していたと考えてみましょう。
コロナ前には自宅ではなく外食という形で「ハレ」を実現していたのだとしたら、自粛生活で「ハレ」と「ケ」を明確に区別することは困難です。
ではウィズコロナの世界で「ハレ」を演出する新しい基準は何でしょうか。
出かけて行って非日常を楽しむタイプの「ハレ」よりも、Stay Home の中で「ハレ」を演出することが望ましく感じられる時代。
この時代の「ハレ」を演出するキーワードは「高級食品」「テイクアウト」です。
「高級食品」は普段では購入しないような高価な食材やお取り寄せをイメージするとわかりやすいでしょう。
「テイクアウト」はその名の通りで、これまでテイクアウト営業をしていなかった飲食店の持ち帰り商品であればより特別感が増し「ハレ」を演出してくれます。

(まとめ)
Stay Homeという大きな流れは今後も続くでしょう。その中で「家で楽しむ」「家を楽しむ」ことは新しい「ハレ」を生み出す可能性に満ちています。企業は新しいビジネスチャンスをものにしようと試行錯誤し、新しいトレンドが次々と生まれるでしょう。
今後時代が進むと、「高級食品」「テイクアウト」も「ケ」に分類される日がやってくるかもしれませんが、そのころには新しい「ハレ」が現れているかもしれません。何しろ、特別な食を楽しみたいという人間の欲求は消えることはないのです。
このダイナミックな変化の渦中を楽しむという姿勢こそ、ウィズコロナをうまく過ごしていく小さな秘訣の一つかもしれませんね。

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NEW 2021.01.19

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①ではブロックチェーンの簡単な仕組み、②では国内における実証実験の事例を紹介しました。 最終回となる今回は、海外における具体的な事例を紹介します。 ネスレ 日本では主にコーヒーでお馴染みのネスレは、実は飲料・食品業界で売上世界トップを誇る食品メーカーです。 IBMが開発した食品サプライチェーンの追跡ネットワークである「IBM Food Trust」に立ち上げ初期から参加するなど、ブロックチェーンを積極的に活用しています。 2020年4月には、スウェーデンで展開するコーヒーブランド「Zoégas(ゾエガス)」の「Summer 2020」シリーズを「IBM Food Trust」上で追跡できるようにするという発表がありました。 パッケージにあるQRコードをスキャンすると、収穫されたコーヒー豆が店頭に並ぶまでどのような経路をたどったかが確認できるといいます。 ブロックチェーン上に書き込む情報については、正確な情報提供を行う役割を第三者である信頼のおける認証機関が担うことで、ブロックチェーン上に虚偽の情報が書き込まれないようになっています。 「IBM Food Trust」は2018年に商用提供が始まっており、Nestlé(ネスレ)だけでなくウォルマートやドール、ユニリーバなどを含む80社以上が参画しています。 スターバックス 世界最大手のコーヒーチェーン企業であるスターバックスも、ブロックチェーンを利用した「農園からカップまで」のコーヒー豆追跡プロジェクトを2020年8月から展開しています。スターバックスはマイクロソフト社と提携しており、利用しているのは上のIBMとは異なるプラットフォームです。 全米のスターバックスで購入したコーヒー豆のパッケージに記載されているコードをウェブ上に入力すると豆の原産地や焙煎業者の情報を追跡でき、また逆に生産者側も豆が最終的にどこで買われていったのかまでわかるといいます。 フェアトレード品にコーヒーが多く見られるように、コーヒー豆生産の現場は雇用環境が劣悪であったり、賃金が低かったりすることが少なくありません。 生産者がコーヒー豆の流通経路に関して、この追跡プログラムなどを通じて知識を得ることで、経済的により独立し、活路を見出せる可能性も十分にあります。 アンハイザー・ブッシュ・インベブ 聞きなれない企業名のように感じられるかもしれませんが、アンハイザー・ブッシュ・インベブは「バドワイザー」や「ヒューガルデン」ブランドで知られる酒類メーカーで、ビール飲料の世界シェアは3割にも達します。 サプライチェーン内の製品追跡にブロックチェーンを利用し、主としてアフリカ農家の生活水準向上を目指しています。 システム導入以前は、現地の農家は収入証明の書類を持たず、銀行口座の開設もままならなかったといいます。 しかし農作物をサプライチェーンで管理することで、現地の農家はアンハイザー・ブッシュ・インベブのサプライヤーであることを証明できるようになり、銀行口座を開設できるようになったそうです。 このように、海外では消費者向けだけではなく、生産者に向けてもトレーサビリティシステム活用が期待されています。 現在は開発中のものも含めて多数のプラットフォームが併存しています。 この先ブロックチェーンプラットフォームは一つのものに標準化されていくのか、あるいは複数サービスがうまく住み分けて共存していくのか。 数年単位でどんどん進んでいくと期待される食品業界におけるブロックチェーンを利用した追跡システムに、今後とも注目していきます。
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ブロックチェーン」という言葉を聞いたことがありますか。「 仮想通貨の根幹を支える技術を表す言葉として語られることの多いブロックチェーンですが、実はその可能性は仮想通貨だけにとどまりません。 今回は、ブロックチェーンは食品業界において一体どのような可能性を持っているかについて探っていきましょう。 ブロックチェーンの特徴 ブロックチェーンとは、データのまとまりを入れる箱(ブロック)を鎖(チェーン)で繋いでいく仕組みで、ネットワークに接続している複数のコンピュータで共有されるという特徴があります。 特定のコンピュータで運用されるわけではないのでリアルタイム性には乏しいものの、システムダウンが起こりにくく、またブロックが時系列にそって繋がっていくため、ある一部分だけを切り取って改ざんすることは難しいと言われています。 ブロックチェーンは信用や透明性に強みを持ち、金融はもちろんのこと、医療をはじめとするその他の分野でも活用が期待されているのです。 食品トレーサビリティとブロックチェーン 食品業界でまずブロックチェーンの活用が期待されるのは、食品トレーサビリティの分野です。 トレーサビリティはトレース(trace:追跡)とアビリティ(ability:能力)による造語で、日本語では「追跡可能性」とも言われます。食品の移動の把握という意味で使われ、生産から流通、消費あるいは廃棄まで追跡できることを指します。 現在でもスーパーなどで特定の商品について「この商品の生産者は誰々です」といったポップなどを目にすることがありますね。しかしこれは生産から販売まで管理された限定的なサプライチェーンでのトレーサビリティであり、商品の差別化を目指した付加価値としての情報です。 一方ブロックチェーンによる新しいトレーサビリティでは、食品業界全体を網羅する複雑なサプライチェーンをも追跡できるトレーサビリティが期待できます。特定の商品を差別化するためではなく、食品業界全体を支えるインフラとしての役割が期待されているのです。 どのように生産され流通して販売されたのか、その複雑な経路をあるがままに記録できる可能性がブロックチェーンにはあります。 逆に言えば、食中毒や食品偽装など問題のある商品の来歴を正確に把握できるということになります。問題が起こっても迅速かつ適切に対応することができれば、食の安全性はより高まりますね。 購入しようとする食品にスマホをかざすと生産・流通の情報がいとも簡単に入手できる。SFの世界ではなく、ほんの少し先の未来には実現するかもしれない光景です。 次回は、実際に実証実験として行われた国内外の事例を紹介します。
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