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在庫処分品の購入は効果薄⁉ 食品ロス削減の鍵となるものとは

2020.10.01

食品ロスという言葉は今やすっかり市民権を得、「食品ロスを削減しよう」などというスローガンを目にすることも多くなりました。
ではどうすれば食品ロスを減らすことができるのか。
ここでは主に売れ残り食品のロスに焦点を当てて考察していきます。

在庫処分セールでの購入、食品ロス削減効果はある?

コロナ禍という社会状況から、食品の在庫処分セールがあちこちで行われています。お得な商品を買うことで生産者・販売店を応援できるなら、と購入した方も多いかもしれませんね。
ではこの行動に、食品ロス削減効果はあるのでしょうか?

在庫処分セールで売れ残ってしまったものが廃棄されるのであれば、それを購入して消費することでその場での食品ロスは確かに減ります。
しかしここではもう少し俯瞰して考えてみましょう。
食品の購入量全体が一定だとすると、在庫処分セールで購入した分、正規品の購入は減るはずです。
在庫処分セールで買ったものが、普段の食生活とは別にプラスされたものであれば買い控えは起こりませんが、実際には完全なプラスではなくどこかで置き換えられていることが多いからです。

在庫処分セールでお米を買ったとしましょう。そのお米がある間は、本来なら買うはずだった通常価格のお米を買わずに済みますね。
では何もなければ買われるはずだった通常価格のお米はどうなるか。
乱暴に推測すれば、それは在庫処分にまわると考えられます。
つまり、在庫処分品を買った分正規品が売れ残り、新たな在庫処分品が生まれるという堂々巡りになってしまうわけです。

在庫処分品の購入は食品ロス削減の観点から考えると、一時的には効果がありそうですが、長期的包括的に考えると効果があるとは言い切れないということになりそうです。

意識改革が食品ロス削減の鍵になる?

そもそも在庫処分セールが行われるということは、売れ残りがあるということを示します。
消費者の「できるだけ新しいものを、欲しい時にいつでも買いたい。品切れは許さない」という意識と、販売側の「品切れは怖い、売れ残りは仕方ない」という意識。
この不足よりも過剰を是とする意識が在庫過多を招き、食品ロスを生んでしまってはいないでしょうか。

「豊かな時代」を皆が享受する大量生産大量消費の流れが長く続いてきました。しかしそろそろ次の段階へと進んでも良い頃合いでしょう。
多いほど豊かという考えから脱却し、「適量」を是とする社会へと成熟していくことが期待されます。
需要と供給のアンバランスを完全に解消することは難しいでしょう。どれだけ精緻に予測しても想定外の事態は起きますし、天候を意のままにすることはできず、ブームは急に来て急に去るのが常です。
そういった状況の中、社会全体に「自らが不足を受け入れる」という寛容さがあれば、それは食品ロスを削減することつながっていくように思えてなりません。また逆に言えば「自らが過剰を受け入れ一口多く食べる」ことも寛容さの一種になるかもしれません。

まとめ

意識改革というと大仰ですが、目の前の食品ロスを減らすには、まずはシンプルに一人ひとりが
・食べきれる量を
・過度な鮮度志向を控えて購入し
・残さず・捨てず
・品切れを快く受け入れる
これらを心掛けることが大切です。
在庫処分セールでの購入も否定されるものではありませんので、上手に利用できるとよいですね。