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何豆腐がお好み?よりおいしく食べるための基礎知識(前篇)

2021.06.23

お手頃価格、おいしくてアレンジ万能、栄養豊富と三拍子そろった豆腐。
冷奴、湯豆腐、田楽、麻婆豆腐、サラダや汁物・鍋の具、白和えなどちょっと考えただけでもさまざまなメニューが連想されますね。
さて、単に「豆腐」と聞いたとき、絹ごし豆腐と木綿豆腐を思い浮かべるでしょうか。
同じ豆腐なのに、絹ごし豆腐はつるりと柔らかく、木綿豆腐は比較的しっかりした食感で舌触りは粗めです。味わいにも違いがありますが、なぜこのような違いが生まれるのでしょう。
製法に注目して、豆腐の種類ごとの違いから栄養、おすすめ調理法まで解説します。

製法が違えば、食感も変わる

豆腐の作り方を簡単におさらいしてみましょう。
豆乳に凝固剤(にがり)を加えて、固める。シンプルに書けば、たった1行です。
実はこの1行で示される豆腐は絹ごし豆腐です。
木綿豆腐はさらに工程が加わります。固まったものを一度崩し、布を引いた有孔容器に流し込んで重しを乗せて余分な水分を抜きます。木綿布の布目が豆腐の表面に付いていたのがその名の由来なのだとか。
豆乳をそのまま固める絹ごし豆腐はなめらかで柔らかく、木綿豆腐がしっかりと固めでざらざらした食感になるのは、この製法の違いによるわけですね。
違うのは、食感だけではありません。栄養価やその質感を活かす調理法まで異なります。
絹ごし豆腐は水分を抜く工程がないため、ビタミンB群が豊富に含まれています。
これに対して木綿豆腐は水溶性ビタミンこそ絹ごし豆腐に比べて少ないですが、たんぱく質やミネラルを豊富に含みます。たんぱく質は絹ごし豆腐の1.3倍程度もあるので、カロリー源・たんぱく源として豆腐を食べるならば木綿豆腐がおすすめということになります。
調理法としては、絹ごし豆腐は生食に向いています。つるっとのど越しが良いので、冷ややっこやサラダなど冷やして食べる料理ではその良さを存分に発揮するでしょう。その反面崩れやすいので、調理の際には丁寧に扱う必要があります。
木綿豆腐はより濃厚な大豆の味が楽しめます。絹ごし豆腐よりも水分が少ないことから煮たり焼いたりしても崩れにくく、火を通す料理もおすすめです。ハンバーグのつなぎに使う場合も水分の少ない木綿豆腐がおすすめですね。
ただあくまで「おすすめ」でしかなく、絹ごし豆腐と木綿豆腐は互いに代用できます。
崩れやすいというデメリットが気にならず、つるりと柔らかい絹ごし豆腐の食感が好みであれば、木綿豆腐を使うレシピでも絹ごし豆腐を使っても良いのです。その際のポイントはしっかりと水切りをすること。水分量の差を水きりでカバーするわけですね。
最近ではあまり固い豆腐は好まれない傾向もあり、木綿豆腐と絹ごし豆腐の中間程度の柔らかさ・水分量のソフト豆腐と呼ばれる種類のものが木綿豆腐として売られていることもあります。
ちなみに、元々は豆腐と言えば木綿豆腐を指すものでした。というのも、豆乳の濃さや温度、凝固剤(にがり)の量などにより固まり具合が異なってしまうため、均一に四角く固めるのは至難の業だったのです。ある程度固まったものを崩して水分を抜きながら固めることで、一定の品質の木綿豆腐を作っていました。木綿豆腐は平安時代ころに中国から伝えられたと言われていますが、絹ごし豆腐が登場するのは江戸時代初~中期、元禄時代になってからのことなのです。

ここまで絹ごし豆腐と木綿豆腐の違いについて解説してきました。
しかし実は豆腐にはまだまだ種類があります。
後編では、寄せ豆腐、おぼろ豆腐、ざる豆腐、充填豆腐について解説します。お楽しみに!