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和風・洋風・中華「だし」の違い

2021.07.28

食事に温かいスープがついていると嬉しいものですよね。たとえ具がほとんど入っていなくても、お澄ましやコンソメスープなどだしが効いた汁物はとても心を満足させてくれます。
だしは汁物に限らず、料理の基本です。今回はそんな「だし」についてもっと詳しく知ってみましょう。

<だしの基礎知識>
そもそも「だし」とは、魚介や肉・野菜などをつけたり煮出したりした、うま味成分や香りのある汁のことを言います。味の基本である「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」「うま味」のうちの一つである「うま味」を引き出すことに特化した汁と言えるでしょう。
このうま味はグルタミン酸(植物に多い成分)やイノシン酸(動物に多い成分)によってもたらされます。
だしのすごいところは、これらのアミノ酸を単独ではなく複合して使っているところです。うま味は足し算ではなく掛け算され、相乗効果により飛躍的に伸びます。
使われる食材や調理法が異なっていても、この相乗効果を狙うのは世界共通。栄養素や味覚についての科学的な研究が行われる前から、人々はおいしさの掛け算を体で知っていたのかもしれませんね。

<和洋中における違い>
和風だしは昆布とかつお節の組み合わせた、キレのあるすっきりとしたうま味のだしです。短時間で作れますが保存性が悪く、味の劣化が早いという特徴があります。
一方、洋風だしは玉ねぎやにんじん、セロリと骨付きの肉や魚介を組み合わせた、濃厚なゼラチン質のうま味が特徴のだしです。和風だしと違って作るのに長時間かかりますが保存性は良いです。調理の直前にだしをとるというよりは、事前にまとめてだしをとり、調理ごとに取り分けて使うイメージですね。
中華だしはネギやショウガなどの香味野菜と鶏ガラや豚肉を組み合わせた、深いコクとうま味が特徴のだしです。中華料理では「湯(タン)」と呼ばれており、上湯(シャンタン)や白湯(パイタン)といった語を目にしたことがあるかもしれませんね。
ちなみに白湯は白濁したスープですが、これは強い火力でぼこぼこと泡が出るくらい煮立てると泡が破裂する際の音波で水と油が乳化するので白濁スープになるのだとか。日本ではラーメンのベースとなる豚骨スープとしてもお馴染みです。

<掛け算をさらに掛け算してみる>
うま味に幅があるほど料理はおいしく感じられます。
キレはあっても厚みに欠ける和風だしとキレはないが重厚な厚みがある洋風だし。最近では洋食に和風だしを合わせるレシピも多くありますが、その狙いは旨みの幅を広げることにあります。
種類の違うだしをかけ合わせることでうま味は増しますので、既成概念にとらわれず隠し味に使ってみましょう。思いもかけないおいしさと出会えるかもしれませんね。