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NEW 2023.02.07

よるのひるねに集うムシクイたち【昆虫食普及ネットワーク・ニュースレターVol.8】

1998 年に取引先の出版社に在籍されていた内山さんに誘われて多摩動物公園の昆虫食シンポジウムに参加しました。その年か翌年、また内山さんに誘われて多摩川沿いでバッタを採集し、その場で揚げて食べる実践的昆虫食を始めました。2001 年頃には私の自宅で昆虫食をしたこともあります。その時のメニューはコオロギかアリの牛乳かんなどだったような。 [caption id="attachment_3363" align="alignnone" width="720"] 河川敷の草原でバッタを捕る[/caption] 2002 年に夜のブックカフェ的店舗「よるのひるね」を開いてからしばらくは多忙で昆虫食から離れていたのですが、時々内山さん在籍の出版社に顔は出していたので、続けられているなーと思っていました。そして2006年にふと当店でのイベントを打診してみました。第 1 回はやはりシンポジウム的な、内山さんによる昆虫食の説明会のようになりましたが、コロナ禍では考えられないですが、30 名くらいのお客さんがいらっしゃいました。 手ごたえを感じ、2 回、3 回と徐々に間隔をつめ、店内で料理をする実践形式にしてからイベントとして定着し、10 年以上、月に一度のペースで続くことになりました。取材に来られる方も大変多かったです。最初の頃はテレビのバラエティで罰ゲーム的な目的での打診もいくらかあり、鄭重にお断りをしていました。スペース的に料理とお客さんが収まりきらず店の外での調理になることが続きました。 [caption id="attachment_3364" align="alignnone" width="720"] 店頭で調理を楽しむ参加者のみなさん[/caption] 近年は内山さんが他のスペースでも昆虫食に関わるイベントに出演されることも増え、やや参加者が落ち着いてきましたが、相変わらず反応はあり、長きに渡っての当店の重要なコンテンツになりました。コロナ禍の 2021 年前後は ZOOM で開催し、改めて昆虫食に関わる方々の広がりを実感しました。実食としての昆虫食の普及はまだまだこれからだとは思いますが、引き続き発信場所のひとつとして続けていきますので、ご興味のある方は是非、ご参加ください。 (門田克彦/よるのひるね店主)
よるのひるねに集うムシクイたち【昆虫食普及ネットワーク・ニュースレターVol.8】
NEW 2023.01.27

昆虫食のミライを語ろうvol.2後編【ゲスト:サコン・ワナセッティーさん(タイ王国大使館農務担当官事務所参事官(農務担当)】

前編はこちらから:昆虫食のミライを語ろうvol.2前編【ゲスト:サコン・ワナセッティーさん(タイ王国大使館農務担当官事務所参事官(農務担当))】 昆虫食は「奇食」「物好き」「一部地域の食文化」として特殊性をもって語られてきました。それが2013年、FAO(国際連合食糧農業機関)の報告を機に、昆虫は急増する世界人口を支える「タンパク源=食料」としてみなされるようになり、もっとカジュアルかつポジティブに「昆虫を食べよう」という流れが日本でも一気に広がっています。 「かつて宇宙食といえば誰もが錠剤を想像していたが、今や宇宙ステーションでもおいしい食事ができるというイメージが定着した」と話すのは、昆虫料理研究家の内山昭一さん。昆虫食も「グロテスク」「おいしくない」という印象を脱却し、もっと身近に感じてもらいたいーー。そんな流れをつくっていくために、個性豊かなゲストを迎えて「昆虫食のミライ」を語ります。 【タイの昆虫食の主な輸出先は】 内山)主な輸出先はEUが多いのでしょうか? サコン)タイの総務省の統計を見てみると、一昨年の合計で600トンを輸出していて、内訳をみると約5割、つまり半分くらいがカンボジアです。2番目がアメリカで3割、3番目が日本で1割。その他がミャンマーと香港になってます。昆虫食の難しいところは、割と新しい商品でまだ統計などが追いついてないところです。細かい情報はないんですが、昆虫の姿を残したままのものもあれば、コオロギパウダーのような高度な加工品という形で出している場合もあります。 内山)カンボジアは今でも昆虫食が盛んだと思うんですよね。需要が高くて国内の供給だけでは間に合っていないんでしょうか? サコン)タイ東北部の隣がラオス、ちょっと下に行けばカンボジアという地理関係になっています。島国ではなく陸続きであり、食文化も共通していることからすると、カンボジアでも昆虫を食べる習慣はあると思います。 内山)ラオスへの輸出はどうですか? サコン)東北部のことをイサーン地方と呼びますが、イサーン料理とラオス料理はすごく近い。一緒といってもいいくらい似ているので、ラオスの方が昆虫を食べているって言われても僕は驚かないですね。 内山)非常に辛い料理ですよね。 サコン)東北部は酸っぱくて辛い味ですね。 内山)そうですよね。僕も1月に行って、非常に辛くてですね。辛くないのを頼んでも、辛いんですよね(笑)。ですから普通に頼むとものすごく辛いと思うんですけど、サコンさんは全然平気なんですね? サコン)それが僕は辛いのが苦手なんですよ(笑)。でも皆さんと基準が違うので、内山先生がダメでも僕は大丈夫なものもあるかもしれません。ただ僕は普通のタイ人と比べれば、辛いのは苦手な方です。 内山)サコンさんと僕は意外と味の好みが合いそうな感じがしますね。僕の今までの認識だと、2013年以降、EUで非常に昆虫食が盛り上がっていて、EUの中で新規食品として昆虫食を流通させていこうという動きがあり、昆虫の中でもコオロギをタイの工場で粉末にして輸入し、パンなどの製品にしていくという流れがあったと聞いています。それでEUが量的に一番多いのかなと思っていたんですが、やはりまだまだカンボジアという身近なところで需要がたくさんあるということなんですね。 サコン)先ほど申し上げた600トンというのは一昨年のデータで、これには続きがあって、伸び率は年98%なんですよ。ですのでだいぶ全体量も増えているはずですし、もしかしたら輸出先も変わっているかもしれません。ヨーロッパの方でコオロギパウダーが注目されているのは確かで、タイの業者もヨーロッパを視野に入れてます。EUで販売するにはノベルフード、新規食品の認証を取得しないといけないんですが、タイは昆虫食について認証を取得済みです。タイ政府としてはEUをすごく重要なマーケットと意識していますね。 内山)EUへの輸出もこれからどんどん伸びていきそうですね。そして、日本が1割ですが、日本もコオロギがメインなんですか? サコン)日本は恐らくコオロギがメインなんですけど、コオロギのパウダー以外も結構入ってきています。昆虫の姿をそのまま残したものもたくさんあって、最近では見る機会も増えたんじゃないかと僕は思いますね。 内山)製品化されて、自動販売機などでも売られていますよね。そういったものの中ではタイ産、タイで作られた商品が非常に多いと思います。バンコク近辺の会社が作っているんでしょうか? サコン 恐らく本社がバンコク近辺だと思います。ただ昆虫の形を残したままの製品は珍しい昆虫も多いので、もしかしたらバンコクではなく少し離れたところで作っている可能性も充分に考えられます。 内山)サゴワームなんかも結構タイから来ていると聞いてます。 サコン)サゴワームに関しては、どちらかというと西部、南部の方に多いんですよね。昆虫食で食べる昆虫は、言い方を変えるとそこら辺に生息している害虫でもあります。サゴワームも最近ではあちこちで作っていると思いますが、もともとは西部から南部にいるというイメージです。暑い地方の虫で、よくヤシの木にくっついていたりします。 内山)ヤシの木の中の芯を食べて枯らしてしまう害虫でもあるわけですね。ヤシの木からは油を取っていて、木を切って油をとって放っておくとそこにサゴワームが卵を産んで、それが2、3か月くらいで食べごろになって、それを採集して食べると。養殖をされているところも出てきているみたいですが、サコンさんはサゴワームを食べたことはありますか? サコン)あります。ミルキーで美味しかったです。油で揚げたものかな、友人からもらったものが乾燥していたので、おそらく揚げてあったんじゃないかと。 内山)サゴワームは最近、日本の昆虫食界隈でも結構注目されていますね。日本に輸入されるものは冷凍されていて、来るまでに結構時間がたってしまっていて解凍すると非常に水っぽくなってしまって旨味が減ってしまいます。8月にサゴワームの養殖を頑張ってやっているラオスに行って、活きのいいやつをいただいたら、これが本当に美味しかったですね。この美味しさを維持したまま日本に持って来れたらかなり需要があるんじゃないかな。大きいからすごく食べ応えもあるし、見た感じもわれわれにとってみればすごく良い(笑)。 サコン)もともとの食べ方はだいたい炒め物にしてるみたいですね。 内山)串に刺して焼いたりすることもあるみたいですよ。外側の皮がパリパリで、中がジューシーでクリーミーで、余分な脂も結構落ちるので、すごく美味しいねっていうのが一般的な大方の評価ですね。 【若者が活躍するタイの昆虫食産業】 内山)タイはこれからの昆虫食の希望の星なんじゃないかと思います。サコンさんにも頑張っていただいて、日本でバンバン虫を売ってほしいですね。 サコン)それこそ、内山先生のお力を借りたいくらいです。 内山)お互いに協力し合って売っていきたいですね。そういう意味では、若い人たちに入っていただくことが、これからの将来のためにも非常に大事だと思うんですが、タイでは若い人の参加は増えてきている感じでしょうか? サコン)最近目覚ましい成長を成し遂げた、近代化した昆虫食産業は結構若い人が多いです。年の伸び率が98%くらいなので、いろんな人が興味を持つようになったんですね。昆虫食に興味を持つ人は、機械のある業者さんもおそらく40代くらいだと思います。特に最近はいろんな企業さん、会社さんが生まれて、一人で戦うよりは皆で集まって協会を作って一緒に頑張っていきましょう、タイ国内マーケットはもちろん海外も狙っていきましょうということで、3月までにはタイ昆虫食産業協会というのができる予定です。 内山)何社くらい参加するんですか? サコン)まだ準備してる段階で公表されてないんですけども、聞いた話ですと結構多いみたいですね。昨年3月のFOODEX(国際食品・飲料展)にタイのブリケット社に出てもらったんですけど、このブリケット社の方が今度できるタイ昆虫食産業協会の初代会長を務めることになっています。この方と話してみると、すごくやる気があって、何にでも挑戦してみたいという意欲を感じました。 内山)僕もバンコクでブリケット社のハンバーガーのお店に寄って、コオロギを使った商品を食べて美味しかったです。「昆虫未来食」というテーマを掲げていました。ああいう形のお店はバンコクにはブリケット社だけではなくて他にもあるんですか? サコン)コオロギパウダーや虫を揚げたものを袋詰めして売ってるところは多いんですけども、昆虫食専門のレストランはまだそんなにたくさんはないと思います。内山先生が訪問したお店はすごくきれいで、新しくてできたばっかりというイメージがあったと思うんですが、そういったお店の数はまだあまり多くないと思います。ただ、増える傾向はありますね。 内山)昆虫食産業協会ができれば、それが一つの始まりということで、それをきっかけにいろんなお店ができるのかなと思って、すごく期待しています。 サコン)地元の人がもちろん通ってますし、海外から来ている観光客もそこを狙って行くこともあると聞いています。タイに来る人はタイ料理を好んでくださる方が多いんですけれど、トムヤムクンだけではなく、新しい料理にも挑戦してみたいということになれば、昆虫食レストランに行くこともあるかもしれませんね。 内山)それと同時に、東北部で継承されている昆虫そのものが食材となっている伝統的な昆虫食というのも、なくなってほしくないなと強く思います。コオロギだけじゃなくていろんな昆虫食材の持つ食感とか味とか、タガメをはじめそれぞれに特徴があるじゃないですか。そういう特徴を生かした多様な昆虫食の実験場みたいな感じにタイがなっていくと、いろんな昆虫食が広がる可能性が出てくると思うんですよね。ぜひコオロギだけじゃなくて、もっといろんなものを取り上げて調理法や栄養についても紹介していただいて、昆虫食をリードしていってくだされば、昆虫食の未来はすごく明るいんじゃないかと思います。 【昆虫食で日本に期待したいことは】 内山)日本で昆虫食を扱う企業も、スタートアップ企業が圧倒的に多いです。若い人が起業していろんな可能性を模索しているという段階なので、もっとタイと日本の昆虫食企業が交流できるような場ができると面白いんじゃないかなと思っています。 サコン)やはり昆虫というのは見た目で敬遠する人が多いと思うんです。そういう意味では、われわれタイ人からすると昔から見ている光景なので、食べなくてもすごく嫌だっていう人は比較的少なく、昆虫に慣れてるというところがあるのだと思います。コオロギパウダーは見た目という課題は克服してますので、ウケがいいんじゃないでしょうか。ただ一つの食文化として、虫の形のままの昆虫食も維持してほしいというのは、僕も同じ考えです。 内山)世界的にはコオロギの養殖がメインで、とにかく粉にしてハードルを下げてできるだけたくさん食べてもらって、価格を下げて普及させていこうっていうのが今の世界的な趨勢だと思います。日本でも2つに分かれていて、グリラスという徳島の会社は養殖にかなり力を入れていて、新しい昆虫食っていうのを目指しているところです。一方、タガメサイダーのTAKEOは国産、量的には少量のロットで地域ごとに異なる食べ物を与えて地域独自の味とか旨味とかを追求して、京都コオロギとかっていう地名にちなんだ名前を付けて特色を活かした昆虫食を目指していますね。この2つは両方とも非常に大事な昆虫食の進んでいく道だと思います。この両方がうまくかみ合って総合的に発展していくようなあり方が僕が望んでいる方向です。 タイも東北部にはちゃんと伝統的な昆虫食が残っていて、プラスしてバンコクの新しい昆虫食がうまくつながるようなタイ昆虫食産業協会になってほしいと思います。若い人の力っていうのはすごくエネルギーがありますし、とにかく元気で好奇心が旺盛っていうのがいいですよね。われわれも昆虫を食べる会を毎月やっているんですけれど、集まってくる人は20代、30代の方が圧倒的に多いです。そういった人たちがこれから昆虫食を進めていく原動力になるような気がしていますので、両国の交流が深まっていけば非常にいいと思っています。 サコン)タイは長年昆虫食をやってきたうえに早い段階から産業化したので、かなりノウハウが蓄積されていますが、内山先生がおっしゃったように日本の方はすごく発想力が豊かですよね。日本のアイデアとタイの今まで蓄積されたノウハウ、経験をうまく活かして、日本とタイが手を取り合って昆虫食を盛り上げていけたらなと思います。 内山)そういう意味ではサコンさんの役割って非常に重要ですね。シティーボーイでありながら、なおかつ昆虫食にも造詣が深く、2番目に食べたのが長野県だというのもありますし、ぜひ活躍して盛り上げていただければと思います。こちらも20年以上やっていていろんなつながりもありますので、協力しながら昆虫食をさらに進めていければいいなと思っています。ありがとうございました。 https://reports.shareshima.com/3150/
昆虫食のミライを語ろうvol.2後編【ゲスト:サコン・ワナセッティーさん(タイ王国大使館農務担当官事務所参事官…
NEW 2023.01.27

健康食品(サプリメント)のハラルビジネス考察【食品ハラルビジネス進化論〜ハラル認証原料編vol.10】

こんにちは、ハラル・ジャパン協会の佐久間です。2023年がスタートしましたが、いかがでしょうか?スタートダッシュできましたか!?昨年は為替、原材料高、そしてアフターコロナを見据えたマーケティングなど激動の一年でした。皆様の事業に置かれてもきっと次の事業を考えて「新しい手」は今年こそやるぞ!と考えていると思います。ハラルビジネスもその一助になればと思います。今年もよろしくお願いします。今回は「健康食品(サプリメント)のハラルビジネス考察」ということで解説していきます。 日本のハラルサプリ産業は長寿・健康を売る、そしてアジアで勝負する!!  ハラルサプリ産業のポジショニングはネクストステージです。食品→健康食品(サプリ)→化粧品→生活用品→医薬品(?)が、ハラルビジネスの展開だと我々ハラル・ジャパン協会は考えています。むしろ、食品よりも更にハラル認証やハラル性が求められる分野だと考えられます。コロナ禍で低下したものの、まだまだ経済成長中であり圧倒的な人口を有する東南アジア、南西アジア。近い将来「ハラルサプリ産業」はここから始まる、また、始まりつつある予感がします。 なぜならサプリ原料にハラル性、ハラル認証が要求されることが増えているからです。食品・健康食品の輸出は医薬品扱いになると非常に難しいので、特に食品として登録されるサプリの需要が増えると考えられます。日本の原材料メーカーにとってはチャンスです!だからハラルビジネスに取り組もうと当会は言い続けています。 しかし、いつものようにライバルは中国・韓国・台湾など東アジアの国が多く、そこに欧米豪が加わり各国しのぎを削っています。そこでの差別化は「メイドインジャパン、日本品質」ですが、残念ながらこれはもう通用しなくなりつつあります。では次なる差別化は、日本の1億2千万人の長寿・健康の長年のノウハウを訴えることです。日本人が総じて健康かつ長生きでいることがウリになるのです。ここをアジアで徹底的にブランディングしていく必要があります。自動車やカメラのような存在になる日も近いかもしれません。 [caption id="" align="alignnone" width="720"] 海外のドラッグストア[/caption] まず海外で勝負できる自社のグローバル戦略原材料を決める、そしてメイドインジャパン・メイドバイジャパンの種分けをする 日本製の原材料がすべてイスラム市場で勝負できるわけではありません。欧米とはまた違った独特のマーケットを作っています。しかし、ヨーロッパ主導の統治が長い国も多く、その影響を大きく受けています。今あるシンプルな健康食品(サプリ)はプロテインやビタミンなど、ヨーロッパのモノが主流でアメリカやオーストラリアのモノが店頭に並んでいることもあります。 そこで「日本らしい」「日本ならではの技術」の素材(原材料)が必要になります。2023年はまずイスラム市場等への輸出で勝負できる原材料を見極めてください。そして自社の戦略商品として決めてください。ここからハラルビジネスがスタートです。ハラルビジネスにならないグローバル戦略商品も中にはあるかもしれませんが、構いません。決めることが重要です!! そして日本で作るもの、イスラム市場の海外で作るものかストーリーを考えてみて下さい。完成品まで日本のハラル品で製造するか?またはイスラム市場の作りやすいイスラム教国で製造するのか?の種分けをしてみて下さい。 実はここから始めるハラルビジネスが一番パンチがあり有効なのです。 [caption id="attachment_3208" align="alignnone" width="720"] 森下仁丹(株)の「シームレスカプセル」[/caption] 次回の11回目では「輸出対応とハラル(ハラール)認証の有効性」を解説したいと考えます。2月第4金曜日を楽しみにしてください。引き続き、2023年もよろしくお願いいたします。 (佐久間朋宏/非営利一般社団法人ハラル・ジャパン協会代表理事)
健康食品(サプリメント)のハラルビジネス考察【食品ハラルビジネス進化論〜ハラル認証原料編vol.10】
NEW 2023.01.20

昆虫食のミライを語ろうvol.2前編【ゲスト:サコン・ワナセッティーさん(タイ王国大使館農務担当官事務所参事官(農務担当))】

昆虫食は「奇食」「物好き」「一部地域の食文化」として特殊性をもって語られてきました。それが2013年、FAO(国際連合食糧農業機関)の報告を機に、昆虫は急増する世界人口を支える「タンパク源=食料」としてみなされるようになり、もっとカジュアルかつポジティブに「昆虫を食べよう」という流れが日本でも一気に広がっています。 「かつて宇宙食といえば誰もが錠剤を想像していたが、今や宇宙ステーションでもおいしい食事ができるというイメージが定着した」と話すのは、昆虫料理研究家の内山昭一さん。昆虫食も「グロテスク」「おいしくない」という印象を脱却し、もっと身近に感じてもらいたいーー。そんな流れをつくっていくために、個性豊かなゲストを迎えて「昆虫食のミライ」を語ります。 https://youtu.be/T_wiQZQ2O80 【自己紹介】 内山)4、5年ほど前に昆虫食普及ネットワークを立ち上げたのを機に、昆虫食について一生懸命やっている内山昭一です。それまでは昆虫料理研究会という名前の任意団体で、20年以上虫を食べ続けてきました。比較的昆虫食が盛んな長野市に生まれたことがベースになっていると感じています。今回は、昆虫王国と言われているタイの方とお話しできるのをとても楽しみにしております。 サコン)タイ大使館農務担当官事務所のサコン・ワナセッティーと申します。タイ大使館にはいろいろな部局がありまして、僕のいる農務担当官事務所ではタイの農産物を日本の商社にPRするのが主なミッションです。昨年から昆虫食についてPRすべくいろいろなイベントなどを企画して実施してきました。タイというといろんなものを思いつくと思うんですけど、もしかしたら一部の方はタイといえば昆虫食を思い出すかもしれません。僕自身は実はタイの首都バンコク生まれで、完全なシティーボーイです(笑)。正直昆虫をたくさん食べて育ったというわけではないんですけれど、子供のころから昆虫食は身近でした。あちこちで売っていましたし、生活の一部だと感じているタイ人が多いと思います。 【サコンさんと昆虫食との関わり】 内山)サコンさんが小さい頃はバンコクでも屋台がいっぱいあって、昆虫が食べられる環境だったんですね。 サコン)そうですね。今ではバンコクも都市化が進んで結構屋台も減ってきたんですけども、僕が小さい頃はあちこちで屋台を見かけましたね。 内山)サコンさんが初めて食べた昆虫って何ですか? サコン)6歳か7歳のころ親に連れられてタイ北部のチェンマイに行った時に、タケノコムシというのを初めて食べました。 内山)タケノコの中に入って育っていくタケツトガという蛾の幼虫ですね。日本でも非常に人気です。食べやすいので、昆虫食といってもこれならいけるという人もいます。サッと揚げて塩を振って食べると非常に食べやすい、おいしい昆虫だと思います。食べやすくおいしくて人気があるという点が、タイと日本ですごく共通していますね。 サコン)昆虫というと土のにおいがするというイメージを抱えている人が多いと思うんですけれども、タケノコムシは竹の中に住んでいるのですごくきれいで変なにおいもなく、食感もよかったです。 内山)竹の芯を食べているので、イメージとしてもすごくよくて、そこらへんが日本人にもうけているんじゃないかと思います。タイ語では「ロットドゥアン」と言いますか? サコン)はいそうです。「特急列車」という意味です。 内山)なんで特急列車なんですか? サコン)虫の外見が鉄道車両のように見えるんですよね。細長くて列車の形のイメージです。 内山)面白いですね。 【タイが「昆虫食王国」と言われているのは、なぜ?】 内山)農務関係のお仕事ということですが、昆虫以外で日本が輸入しているトップは何ですか? サコン)タイの輸出額でいうと鶏肉が一番多いです。 内山)2番目がロットドゥアン?(笑) サコン)そうだったらいいんですけれど(笑)、2番目は天然ゴムですね。 内山)ゴムですか、なるほど。最初にロットドゥアンを食べて、そのあとはどんな昆虫食歴ですか? サコン)実は2番目に食べたところは日本の長野県なんですよ。大学が日本でしたので、長野県でハチノコを食べました。 内山)長野県は伊那の方ですか? サコン)松本です。 内山)2度目を日本で食べたなんてすごいですね。本当に昆虫食の架け橋みたいですね。長野に行った理由は虫を食べに行ったんですか? サコン)そうではなく普通に観光でした。知り合いにせっかくだから長野の食べ物を食べさせてほしいって言ったら、レストランで最初にハチノコが出されて、食べました。 内山)それは非常にいい出会いでしたね。よくタイは昆虫食王国といわれますが、どんな経緯があるんでしょうか? サコン)タイには昆虫を食べる習慣、食文化があります。タイは農産物も豊富なんですが、なんで昆虫を食べる必要があるかというと、おそらく単においしいからだと思うんですよ。他の国の方と比べて、比較的早いうちから昆虫食のおいしさが分かっていたわけです。食材として、あるいはむしろ調味料として昆虫を使う習慣があったので、国の政策として産業化、近代化が進められました。 内山)なるほど。調味料、味付けという意味では、タガメなんていうのはタイではよく使われる食材なんですよね。 サコン)タガメのふりかけはすごく有名で、好評です。すごく風味がいいです。 内山)日本でタガメがおいしいですよっていうと絶滅危惧種だから取っちゃいけないんだって言われるんですが、日本のタガメじゃなくて台湾タガメ、ちょっと大ぶりのタガメのことですね。タイでは養殖まではしていないんですかね? サコン)一般的に手に入りますので、おそらく。 内山)とにかくたくさんいるんですね。昔から食べられていたっていうことですもんね。 サコン)食材、調味料という意味では酸味としてアリの卵は昔も今もよく使います。アリは酸っぱいんです。 内山)アリが取れるのは乾季ですよね。タガメは年中取れるんですか? サコン)タガメはほとんど年中取れます。アリの卵の時期は決まっていて、僕が聞いた話では高値で取引されてるそうで、かなり高い食材になっているようです。 内山)タガメはオスのフェロモンが風味につながるんですよね。オスの方が値段が高いと聞きますが、オスとメスでは結構値段は違うものですか? サコン)違いますね。 内山)オスの場合はそのにおいがいろんな調味料、それこそふりかけにも使われますが、メスは普通どういう風に食べるんですか? サコン)タガメといえば、つぶしてご飯と一緒に食べるイメージしかないんですよね。 内山)メスは小ぶりだし、お腹に卵が入っていることもあるので、素揚げか何かにしてバリバリと食べる印象を持っています。 サコン)ついこの間、タガメサイダーを飲みました。これは絶対試してもらいたいです。もう、爽やかですごくおいしいです。 内山)タイは非常に気候が暖かく虫も育ちやすいことから養殖がしやすく、これがタイを昆虫食王国にした大きな要因だと思います。日本の場合はやっぱり冬があるので、やはりタイの方が昆虫の養殖に向いていますよね。 サコン)まさにそうですね。放っておいても育つという環境が大きなきっかけだったと思います。今のコオロギパウダーを作るためのコオロギは、ちゃんとした設備で作ってると思いますが、昔は恐らく気候が合っていてたくさん獲れることが始まりだったのでしょう。今でも昆虫はたくさん獲れますし、かつ近代的な設備もできてあちこちで養殖をやってます。 【タイ東北部で盛んな昆虫食】 内山)タイといっても地域が分かれていますよね。東北部は今でも昆虫食が非常に盛んだと聞きますし、北部、中央部、東部、南部と分かれていますが、南の方はそれほど盛んではなく、やはり北部、東北部が盛んですか? サコン)もともと昆虫を食べる習慣、食文化があるのはまさに東北部の方ですね。アリの卵などもよく使っています。名産地は中央部と東北部にあります。米農家の閑散期の副業として成長した昆虫食産業があって、食文化もあって、という感じですね。 内山)北部っていうのはまた少し違うんですね。 サコン)食べてるものが違うというイメージなんですよね。北部は僕が食べたタケノコムシのイメージなんですよ。屋台で販売しているものはだいたい東北の方がバンコクに出稼ぎに来ていて、生まれ故郷のふるさとの味を屋台で、というものなのです。北部でも昆虫を食べることはあるんですけども、やはり東北の方が昆虫食が盛んなイメージがありますね。 内山)やっぱり一番盛んなのは東北部なんですね。僕も昨年1月にタイに行って、最初にバンコクに行ったんですけど、昆虫食と接する機会がほとんどなくて。で、東北部のチェンマイとかイサーンに行くと、朝市とか屋台でバッタとかオケラとかゲンゴロウ、タケノコムシも売られていたんですよね。国の中でも地域によって違うんだなってすごく実感しました。さっきおっしゃったように、バンコクに来ている東北の方が故郷の懐かしい昆虫食に親しむ市場がバンコクにあるというのは、日本でいうと長野県人が東京に出てきてイナゴのつくだ煮やハチノコを食べたいなっていう時にそういうお店に行って食べるのと同じイメージですかね。昆虫食を見ると昔食べたなっていうイメージがあって、そこで食べてみようかとつながっていくのは日本でも共通していると思います。タイの現状ですけれども、昔ながらの自然採集で食べることにプラスして、コオロギの養殖は世界で一番盛んなんじゃないかと思うんですよね。コオロギの養殖場はやっぱり東北部が一番多いんですか? サコン)もともとは食文化の影響もあって東北部で養殖が盛んでしたが、最近では設備も入ってきてどこでも育つようになっています。バンコクの郊外にもたくさん養殖場はあるんですよ。そして都市近郊の方が輸出につながりやすいんですよね。やはり東北部からだと距離もありますので、輸出を念頭に置く業者さんであればおそらくバンコク近郊に最新設備の密閉空間で管理する施設を作って養殖することが多いと思います。 内山)流通経路がしっかり発達しているバンコク周辺にそういったコオロギ養殖場がどんどん増えてきているわけですね。管理や安全性がしっかりしているところじゃないとなかなか輸出ができないということなので、そういった工場では例えばHACCPとかGAPとかいう基準にのっとって養殖されているということなんでしょうか? サコン)まさにこれがタイの農業省が一番力を入れているところです。我々はキューマークと呼んでいるんですが、GAPをちゃんと取得している工場の製品であればキューマークをつけることができるんです。やはり海外に輸出するということを考えると、基準、認証をしっかりした方がいいとタイの農業省も思っていますので、結構早い段階から食用コオロギのためのGAPを制定しました。タイ農業省によれば世界初だということで誇りに思っています。   ※GAP: Good Agricultural Practice(ギャップ) :食品安全、環境保全、労働安全等の持続可能性を確保するための生産工程管理の取組 ※HACCP: Hazard Analysis and Critical Control Point (ハサップ):食品の原料から出荷までの各工程で可能性のある危害要因(異物混入や微生物の汚染や増殖など)を特定し管理する取組
昆虫食のミライを語ろうvol.2前編【ゲスト:サコン・ワナセッティーさん(タイ王国大使館農務担当官事務所参事官…
NEW 2023.01.19

植物性チーズ(ヴィーガンチーズ)とは|ヴィーガンクリームチーズとチーズケーキのレシピ

プラントベースフードの需要拡大にあわせて、代替肉や植物性ミルクだけでなく、植物性チーズ(ヴィーガンチーズ)も次々と登場しています。そこで、この記事では植物性チーズのメリット・デメリットについて解説すると共に、ヴィーガンクリームチーズやヴィーガンチーズケーキの作り方、植物性チーズのおすすめ商品を紹介します。 植物性チーズ(ヴィーガンチーズ)とは|メリット・デメリット 話題の植物性チーズとは、どのようなものなのでしょうか。ここでは、メリット・デメリットについて解説します。 植物性チーズの原材料と種類 通常の乳製品は動物由来の原料から作られますが、植物性チーズは、その名前の通り植物由来の原料から作られます。別名「ヴィーガンチーズ」と呼ばれることもあります。主な原材料として、大豆やココナッツなどのナッツ類、やし油などの植物油脂があり、どの原材料を使うかによって味や香りに違いが生まれます。 植物性チーズのメリット|乳製品アレルギーや乳糖不耐症の人も食べられる 植物性チーズのメリットは、動物由来の原料を使用していないため、ヴィーガンやベジタリアンの人はもちろん、乳製品アレルギーや乳糖不耐症の人も食べられることです。商品によって異なるものの、植物性チーズは乳由来のチーズに比べてカロリーや脂質が少ない傾向があり、ヘルシー志向の人からも支持されています。 また、植物性チーズは乳由来のチーズと比較して生産にかかる環境負荷が少ないとされています。乳牛を育てるためには広大な土地や大量の水、電力、飼料が必要です。さらに、乳牛のゲップやおならに含まれるメタンガスは、温室効果ガスの一種であり、地球温暖化につながっているといわれています。乳由来のチーズに比べて植物性チーズは多くの資源を必要としないため、サステナビリティ(持続可能性)においても注目を浴びています。 植物性チーズのデメリット|カルシウムが少なく価格が高め 植物性チーズのデメリットとして、乳由来のチーズに比べて「カルシウムが少ない」ことが挙げられます。添加植物性チーズを利用する際には、小魚や小松菜などカルシウムを豊富に含む食材と一緒に食べるようにするのがおすすめです。植物性チーズにカルシウムを添加した商品もあるので、こうしたものを選ぶという方法もあります。 また、現状では植物性チーズは価格が高いものが多いです。これは、植物性チーズは大量生産されたものが少ないことやオーガニック認証・ヴィーガン認証の取得に費用がかかることなどが関係しています。 ヴィーガンクリームチーズの作り方・レシピ 動物性の材料を使わないヴィーガンクリームチーズは、手作りすることも可能です。ここでは、ヴィーガンクリームチーズとは何かを解説すると共に、身近な材料で作るレシピを紹介します。 ヴィーガンクリームチーズとは 動物性の材料を使わずに、植物性の材料だけで作るヴィーガンクリームチーズ。ココナッツオイルや太白ごま油、酒粕を使ったものなどさまざまな作り方があります。原材料や作り方を工夫することで、ねっとりとした濃厚な風味を出すことができます。 材料(作りやすい分量) ・無調整豆乳 300ml ・レモン汁 大さじ1 作り方 1.鍋に豆乳を入れて加熱し、沸騰直前に火を止める。 2.レモン汁を加えて混ぜ、豆乳が固まるまで10~15分待つ。 3.ガーゼまたはキッチンペーパーを乗せたザルとその下に水切り用のボウルを用意し、2の豆乳を流し入れる。 4.キッチンペーパーの上部を結ぶかザルの上にラップをかけて、冷蔵庫に入れる。3時間~半日程度かけて水切りをする。 ポイント ・水切り後にまだ水分が残っている場合、ガーゼを絞るかキッチンペーパーを交換するようにします。 ・完成したチーズは清潔な保存容器に入れて保管し、数日以内に食べ切るようにします。 ・料理に使う場合は、お好みで塩少々を加えるのもおすすめです。 ヴィーガンチーズケーキの作り方・レシピ スイーツの中でも人気が高いチーズケーキ。通常のチーズケーキは動物性の材料を使いますが、ヴィーガンチーズケーキは植物性の材料のみで作ることができます。ここでは、ヴィーガンチーズケーキとは何かを解説すると共に、ヴィーガンチーズケーキの作り方を紹介します。 ヴィーガンチーズケーキとは チーズケーキは、レアチーズケーキやベイクドチーズケーキ、スフレチーズケーキなどいくつかの種類があります。一般的なチーズケーキの場合、クリームチーズや卵、生クリームを使ったものが多く、濃厚な味わいが特徴です。 それに対してヴィーガンチーズケーキは、クリームチーズや生クリームなどの乳製品や卵を使わないのが特徴です。独特の濃厚な風味を出すために、酒粕やナッツ、白みそを使う場合が多いです。植物性の材料だけで作ることができ、ヘルシーな味わいを楽しめます。 材料(丸型15㎝、1台分) ・豆腐 1/2丁(200g) ・カシューナッツ 60g ・てんさい糖 40g ・豆乳・ココナッツオイル・レモン汁 各大さじ2 ・白味噌 大さじ1.5 ・米粉 大さじ1 作り方 1.豆腐とカシュ―ナッツ、豆乳を入れて、ミキサーまたはブレンダーでなめらかになるまで攪拌する。 2.残りの材料を加えて、再び攪拌する。 3.2の生地を型に流し入れて、200℃のオーブンで20~30分程度焼く。 ポイント ・オーブンの種類によって、焼き時間は変化します。初めて焼く場合は、様子を見ながら調整するようにしてください。   おすすめ商品!violife(ビオライフ)社の植物性チーズ 昨今人気が高まっている、植物性チーズ。今回の記事ではヴィーガンクリームチーズやヴィーガンチーズケーキのレシピを紹介しましたが、毎回手作りするのはなかなか大変な作業です。 プラントベースフードの需要拡大にあわせて、豆乳チーズなどさまざまなチーズが登場しています。その中で、おすすめしたいのがviolife(ビオライフ)社の「植物生まれのチーズ」です。violifeは2013 年にギリシャで誕生したブランドで、同社の植物性チーズや植物性バターは世界50ヵ国以上で愛されています。 日本に初上陸したのは、2021年9月。日本での展開は株式会社J-オイルミルズが手掛けていて、そのおいしさから話題を集めています。violife社の植物性チーズではココナッツオイルを使用し、乳由来のチーズのような味と香り、食感を実現しました。 「植物生まれのクリーミィ」も人気 violife社の植物性チーズはスライスタイプやシュレッドタイプなど数種類があります。その中でも「植物生まれのクリーミィ」は、「クリームチーズのような感覚で使える」と人気を集めています。なめらかな口当たりが特徴で、スプレッドやディップなどに幅広く活用できます。 まとめ プラントベースフードの需要拡大と共に、話題を集めている植物性チーズ。ヴィーガンやベジタリアンだけでなく、乳製品アレルギーや乳糖不耐症の人も食べられることから、人気が高まっています。 今回紹介したようにヴィーガンクリームチーズやヴィーガンチーズケーキは手作りできますが、植物性チーズの市販品が続々と登場しています。豆乳やアーモンドミルク、オーツミルクなどの植物性ミルクの人気が上昇し定番化しつつあるように、植物性チーズが浸透する日もそう遠くないかもしれません。 https://reports.shareshima.com/2802/
植物性チーズ(ヴィーガンチーズ)とは|ヴィーガンクリームチーズとチーズケーキのレシピ
NEW 2023.01.17

ピープロテイン(えんどう豆プロテイン)とは|効果とデメリット(プラントベース)

プロテインといえばソイプロテインとホエイプロテインがよく知られています。そんな中、最近人気が高まっている「ピープロテイン(えんどう豆プロテイン)」をご存知でしょうか。環境への負荷が少なく、美と健康への効果が期待できると巷で話題になっていて、プラントベースの市場において需要が拡大しています。そこで今回は、ピープロテインのメリット・デメリットと共に、ピープロテインを飲むタイミングやおすすめの飲み方について解説します。 ピープロテイン(えんどう豆プロテイン)とは 「ピー(Pea)」は英語で、えんどう豆を意味しています。つまり、ピープロテインとは、えんどう豆を主原料とする植物性のプロテインのことです。では、ピープロテインにはどんな特徴があるのでしょうか。ここでは、ピープロテインのメリット・デメリットと共に、植物性と動物性プロテインの違い、ソイプロテインなど植物性プロテインのデメリットについて説明します。 ピープロテインのメリット|筋肥大への効果は? えんどう豆は良質なタンパク質を豊富に含み、ビタミンB群とビタミンEを多く含有する豆です。また、ピープロテインには、筋肉のエネルギー源となる必須アミノ酸「BCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)」が多く含まれています。 必須アミノ酸は、人間の体内で合成することができないので、食事から摂取する必要があります。ピープロテインに含まれるBCAAの量はホエイプロテインにも匹敵する量といわれ、筋トレをしている人に適しています。 また、ピープロテインは、大豆などのほかの植物性プロテインに比べて、消化・吸収しやすいという性質があります。大豆や乳製品にアレルギーがある場合、ソイプロテインやホエイプロテインの摂取は難しいですが、ピープロテインはこうした人達も安心して利用できます。ただし、えんどう豆に対してアレルギー反応が出る人もいます。不安な場合は、医師に相談してから摂取するようにしてください。 さらに、ピープロテインのメリットとして「環境への負荷が少ない」ことが挙げられます。牛などを育てる場合に比べてえんどう豆は栽培しやすく、大量の水やエネルギーを必要としません。動物性プロテインに比べて環境にやさしく、「持続可能なタンパク質」として注目されています。 ピープロテインのデメリット 他のプロテインに比べて、ピープロテインは必須アミノ酸「メチオニン」の含有量が少なめです。メチオニンは、玄米や魚、肉などに多く含まれています。ピープロテインを利用する場合には、こうした食材も一緒に摂取するようにしましょう。 植物性と動物性のプロテインの違い プロテインは、「何からタンパク質を抽出しているか」によって植物性と動物性の大きく2つに分かれます。代表的なものとして、植物性には大豆由来のソイプロテイン、動物性には牛乳由来のホエイプロテインやカゼインプロテインがあります。いずれのプロテインにも、タンパク質や必須アミノ酸が豊富に含まれています。 ソイプロテインなど植物性プロテインのデメリット 一般的に、植物性と動物性のプロテインでは、体に吸収されるスピードには大きな違いがあります。ホエイプロテインは吸収されるスピードが速いのに対して、ソイプロテインは消化吸収がゆるやかです。そのため、タンパク質を速やかに吸収したい場合には不向きといえます。 しかし、吸収が遅いというのは「腹持ちが良い」ということでもあり、ソイプロテインはダイエット中の人に支持されています。体質や目的に合わせて選ぶようにするのがおすすめです。 ピープロテイン(えんどう豆プロテイン)を飲むタイミング ピープロテインを効果的に利用するためには、飲むタイミングを意識することが重要です。ここでは、ピープロテインを飲むタイミングについて解説します。 ピープロテインを飲むタイミングは筋トレや運動前? ピープロテインを摂取するおすすめのタイミングは、目的によって異なります。筋肉をつけたいという場合は、筋トレや運動の前後のほか、朝食や寝る前に摂るのがおすすめです。タンパク質不足を改善したいという場合は、朝食や間食の時に一緒に摂取するようにしましょう。 ピープロテイン(えんどう豆プロテイン)の飲み方 ピープロテインは、環境への負荷が少なく栄養価が高いことから女性にも人気があります。しかし、中には「独特の匂いが気になる」「飲みづらい」という人もいます。ここでは、ピープロテインの味について解説すると共に、おすすめの飲み方を紹介します。 ピープロテインはまずい? ピープロテインは、他のプロテインとは異なり、フレーバーや甘さを付けていないナチュラルな商品が多く出回っています。また、えんどう豆には特有のざらざらした食感があります。そのため、従来のプロテインの味に慣れている人の場合、「ピープロテインは飲みにくい」と感じることも多いようです。 しかし最近は、フレーバーが付いたピープロテインなど、独特の風味や口当たりを改善した商品も増えています。ピープロテイン特有の風味が苦手という場合は、こうしたものを利用するのもおすすめです。 女性にもおすすめ!ピープロテインのおすすめの飲み方 ピープロテインは、他のプロテインと同様に、水やミルクに溶かし、よく混ぜて飲みます。スムージーやヨーグルトなどに加えたり、クッキーやホットケーキの生地に混ぜ合わせたりして食べるのもおすすめです。 フレーバーや甘さの付いていないピープロテインの場合は、お好み焼きやチヂミなどの生地に混ぜ合わせて食べるという方法もあります。料理に利用して味付けをすることで独特の風味が押さえられ、とても食べやすくなります。 まとめ 環境負荷が少なく栄養価が高いことから、プラントベースフードの中でも注目を集めているピープロテイン。飲むタイミングや飲み方を工夫することで、より効果的でおいしく楽しめることがわかりました。 需要の高まりや消費者のニーズに合わせて、ピープロテインを使った新商品が発表され話題を集めています。プラントベースフードであり、新しいタイプの植物性プロテインでもあるピープロテインに注目してみてはいかがでしょうか。 https://reports.shareshima.com/2926/
ピープロテイン(えんどう豆プロテイン)とは|効果とデメリット(プラントベース)
NEW 2023.01.12

大豆ミート(大豆肉)とは|メリット・デメリットは?作り方も紹介(プラントベース)

さまざまな場所で見かけるようになった、大豆ミート。栄養が豊富に含まれているにも関わらずヘルシーで、肉のような感覚で利用できると話題になっています。その一方で、大豆ミートのメリット・デメリットや、おいしい食べ方がよく分からないという人も少なくないでしょう。そこで今回の記事では、大豆ミートのメリット・デメリットと共に、大豆ミートの作り方と入手方法、大豆ミートの使い方について解説します。 大豆ミート(大豆の肉)とは 大豆ミートとはどのようなお肉なのでしょうか。ここでは、大豆ミートの原材料や作り方、メリット・デメリットについて簡潔に説明します。 大豆から作られた肉「大豆ミート」 大豆ミートは、大豆から作られた肉のような見た目と食感の「代替肉」です。別名「大豆肉」「大豆の肉」と呼ばれることもあります。大豆ミートには大豆から油分を取り除いた「脱脂大豆」を使うことが多いです。この脱脂大豆に熱や圧力を加えて乾燥させて作られます。 これまで大豆ミートは、ベジタリアンやヴィーガンの人たち向けの食品として利用されていました。しかし近年になり、環境への配慮や健康志向の高まりなどからプラントベースフードの需要が高まるにつれ、大豆ミートの知名度が向上しスーパーマーケットやコンビニエンスストアの店頭に並ぶようになりました。食品業界では大豆ミートを使った商品開発も進んでいます。 大豆ミートのメリット|タンパク質など栄養が豊富 大豆ミートの主なメリットとして、通常のお肉と比較して、タンパク質が豊富で脂質が少ないことが挙げられます。鶏むね肉はタンパク質が多い食材として知られていますが、鶏むね肉(皮なし)100gあたりのタンパク質が23.3gであるのに対して、大豆ミート100gあたりのタンパク質は46.3gとされています(※)。 また、大豆ミートに含まれるタンパク質は「アミノ酸スコア100」とされていて、非常にバランスが良い植物性タンパク質です。大豆ミート100gあたりの脂質は3.2gであり、脂質が少なくカロリーが低いのが特徴です。 このほか、大豆ミートには腸内の調子を整えるといわれる食物繊維が豊富に含まれています。また、大豆イソフラボンやカルシウム、鉄分、マグネシウムなども多く含有しています。 ※参考:文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」 大豆ミートのデメリット|食べ過ぎによる栄養の偏りに注意 大豆ミートは栄養豊富でヘルシーな食材ですが、食べ過ぎると大豆イソフラボンの過剰摂取や動物性のタンパク質不足につながる可能性もあります。また、大豆ミートにはさまざまな商品があり、原材料や加工の度合いがそれぞれ異なります。 大豆ミートを使った商品の中には、旨味やコクを出すために調味料が加えられ、塩分やカロリーが多くなっているものもあります。食べ過ぎによる栄養の偏りに気を付けるとともに、商品を選ぶ際にも注意が必要といえるでしょう。 「まずい」「体に悪い」は商品選びと使い方で解消できる 大豆ミートを利用した人の感想として「まずい」というコメントを見かけることがあります。その中でも多いのが、「大豆特有の匂いが気になる」というものです。大豆特有の匂いは「調理の際に下味をつける」「匂いが消えるまでしっかりと水で戻す」などの工夫をすることで改善する場合が多いです。 ほかにも「大豆ミートは体に悪いのでは」「遺伝子組み換え大豆を使っているのか心配」という声を聞くことがあります。こちらは、商品を選ぶ際に原材料や製造方法を確認することで解決するケースが多いです。原材料名に「遺伝子組み換え大豆不使用」といった記載がある商品もあるので、購入する前に確認するようにしましょう。 大豆ミートの作り方と入手方法 大豆ミートは市販品を利用するだけでなく、自宅で手作りすることも可能です。ここでは、大豆ミートの作り方と共に、市販品の入手方法について紹介します。 大豆ミートの作り方 大豆ミートの市販品は、脱脂大豆を使用するなど独自の材料と工程によって作られています。今回紹介するのは、豆腐を使った大豆ミートの簡単な作り方です。豆腐を冷凍し、水分を抜くだけで完成します。 市販品とは味や食感が異なりますが、「大豆ミートがすぐに必要」「近くのお店では販売されていない」という時に、作り方を知っておくと便利です。 <材料>作りやすい分量 ・豆腐 1丁(300~400g) <作り方> 1.豆腐の水分を切り、適度な大きさ(8等分程度)に切る。 2.豆腐が重ならないようにバットに並べるか、保存用ポリ袋に入れて半日以上冷凍する。 3.電子レンジで1~2分加熱して豆腐を解凍する。粗熱が取れたら、手で挟むようにして水気を絞る。 4.使いたい料理にあわせて、豆腐の大きさや形状を整える(ひき肉として利用する場合は、手でほぐして細かくする)。 <ポイント> ・大豆ミートは木綿豆腐と絹豆腐のどちらでも作ることができます。食感を楽しみたい場合は木綿豆腐、なめらかさが好きな場合は絹豆腐を使うのがおすすめです。 ・水気を絞る際に力を入れすぎると、豆腐が崩れてしまいます。手でやさしく包み込むように絞りましょう。水分を抜くことで、味が染み込みやすくなります。 大豆ミートは通販サイトや業務スーパーで購入できる 大豆ミートはスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどでも入手できるようになりつつありますが、少量のタイプが多く価格が高くなりがちです。大豆ミートを日常的に食べる場合やお店などで大量に使う場合は、通販サイトや業務スーパーなどで大容量のタイプを購入するのがおすすめです。 大豆ミートの使い方 大豆ミートは使い方を工夫することで、抜群においしく食べられます。ここでは、乾燥した大豆ミートの戻し方と共に、ブロックタイプやミンチタイプのレシピ、初心者におすすめの大豆ミートのそぼろを紹介します。 乾燥大豆ミートの戻し方 乾燥した大豆ミートを使う場合は、予め水で戻す必要があります。今回紹介する方法で戻すと、大豆ミート特有の臭いが少なくなり、食べやすくなります。「大豆ミートを戻すのは大変」という人には、予め戻してあるもの や下味が付いた状態で販売されているものもあります。ニーズや好みに合わせて選択してみてはいかがでしょうか。 <戻し方> 1.乾燥した大豆ミートをぬるま湯に浸し、柔らかくなるまで待つ。 2.鍋にたっぷりのお湯を沸かし、大豆ミートを3分程度茹でる。 3.大豆ミートをザルにあげて水で洗い、水気をしっかりと絞る。 <ポイント> ・大豆ミートの種類や形状(ブロックタイプ・ミンチタイプ)によって茹で時間は異なります。商品のラベルなどに茹で時間の記載がある場合は、そちらを参考にしてください。 大豆ミート(ブロックタイプ)のレシピ「大豆ミートの唐揚げ」 ブロックタイプの大豆ミートは肉のような食感で食べ応えがあり、揚げ物やカレーやシチューなどの煮込み料理に利用できます。ここでは定番の唐揚げのレシピを紹介します。 <材料>2人分 ・大豆ミート(乾燥・ブロックタイプ) 70g ・(A)しょうゆ 大さじ2 ・(A)酒・みりん 各大さじ1 ・(A)にんにく・しょうが(すりおろし) 各1片 ・薄力粉 カップ1/3程度 ・揚げ油 適量 ・レモン(お好みで) 適量 <作り方> 1.大豆ミートは事前に戻しておく。 2.ボウルに(A)を入れて混ぜ合わせる。大豆ミートを加えて全体を混ぜ合わせて、10分程度置く。 3.2のボウルに薄力粉を加えて、和える。 4.鍋に底から5㎝程度の揚げ油を注ぎ、香ばしい焼き色がつくまで170~180℃で3分程度揚げる。 5.皿に盛り付けて、お好みでレモンを添える。 <ポイント> ・乾燥した大豆ミート70gを戻すと、200g程度になります。商品によっても、仕上がりの量は異なるので、商品のラベルなどを確認するようにしてください。 大豆ミート(ミンチタイプ)のレシピ「大豆ミートのそぼろ」 ミンチタイプの大豆ミートは、ひき肉のような感覚でスープや炒めものなど幅広い料理に活用できます。ここでは、初心者におすすめの大豆ミートのそぼろのレシピを紹介します。 <材料>作りやすい分量 ・大豆ミート(乾燥・ミンチタイプ) 70g ・しょうゆ・酒・砂糖 各大さじ2 ・しょうが(すりおろし) 1片 <作り方> 1.大豆ミートは事前に戻しておく。 2.鍋に調味料を入れて加熱する。煮立ったら1の大豆ミートを加える。 3.焦げないように時々混ぜながら、弱火で汁気がなくなるまで煮詰める。 まとめ 近年人気が高まっている大豆ミートは、栄養豊富なヘルシー食材としてだけでなく、環境問題やタンパク質危機などの食糧問題を解決する手段としても、注目を集めています。「大豆ミートの独特の風味が苦手」という人もいますが、戻し方や調理法を工夫することでおいしく食べることができます。今回紹介したレシピを参考に、大豆ミートを味わうことから始めてみてはいかがでしょうか。 https://reports.shareshima.com/511/
大豆ミート(大豆肉)とは|メリット・デメリットは?作り方も紹介(プラントベース)
2023.01.06

昆虫食普及の現場から ~3年間の取り組みを振り返って~ 【昆虫食普及ネットワーク・ニュースレターVol.7】

『昆Tuberかずきです!』そういって活動をはじめてはや3年となりました。初めましての方も、いつもお世話になっている方も、ありがとうございます。「清水和輝」です。YouTubeやSNSで昆虫食を発信したり、商品の企画・開発・販売や、各地での講演活動などを行ったりする傍ら、大学では後輩たちと『NEXT GENERATION FOOD』を立ち上げて、関西万博を視野に取り組みを行っています。高校生の頃から、自然豊かな地元・奈良県斑鳩町の山でいろんな昆虫を採って食べるような奇妙な学生生活を送っていました。思えば、コロナ前に、内山昭一さんに出会い、なんとなく昆虫食の魅力を発信したいと始めたのが遠い昔のようです。 この3年、本当にいろんなことがありました。田舎の大学生が、自分で商品を作るなんて考えたこともなかったし、大勢の人の前で講演したり、東京や大阪で出展したりするなんて夢にも思っていませんでした。最近、転機となったのが、株式会社NEXT NEW WORLD(NNW)の高嶋耕太郞さんとの出会いでした。NNWはAmazon JapanやTOKYO BASEで要職を歴任された高嶋さんが、石油由来のプラスチック商品を、シルク(蚕)由来の製品に置き換えることで、気候変動対策を行いたいと立ち上げたスタートアップ企業で、現在はシンガポールを拠点に「シルク」を活用した様々な製品をBtoBを中心に取り組みをしています。「君はこの『シルク』という素材を使って自分の思うような食品をつくってみるといい」そこから、僕の昆虫食普及の第2章が始まりました。今回は、カイコのサナギのパウダーではなく、繭に含まれる「セリシン」に着目しました。そのセリシンを含んだ「シルクパン」と「シルクソーセージ」が年明けにはできあがる予定です。僕のこれまでの活動の全てを想いにして記事を書いていますので、ぜひ読んでみてください。最近は、コオロギの話をしても、あまり驚かれなくなったように思います。しかし、本当に普及したのでしょうか?「認知」だけが広がり、肝心の「消費」が進んでいないように思うのは僕だけでしょうか? 以前、ご縁があり、小泉進次郎さんとライブ配信をして、議員会館で昆虫を振る舞ったことがありますが、TwitterやYahoo!コメントはかなり荒れました。 「フードテック」と言えば聞こえは良いですが、「培養肉」に「遺伝子操作」、そして「昆虫食」と得体の知れないものへの不安や拒否反応が根底にあるのではと思います。そして、そのたびに出てくるのが、「陰謀論」や「国策」のようなものです。ただ、小泉さんの件は、本当に、議員の皆さん興味・関心があるということでご紹介したもので、皆さん純粋に楽しんでいただいていました。そんな意図は一切ないとこの場で断言させていただきたいと思います。さて、『昆虫を食べる』ということを通じて、様々な経験を積ませていただきました。その中で、最も大きな財産は、個性豊かで人間味にあふれた魅力的な人たちとの交流だと思っています。後輩だけでなく、社会人の皆さんも、様々な方に迷惑をかけ、支えられてここまで来たなと、皆さんの応援に感謝しています。そういえば、2年前に経済思想家・東京大学准教授の斎藤幸平さんにコオロギを振る舞ったことがあります。その様子が最近、書籍になりました。今まで、皆さんから見えな いところで、つらいこともたくさんありましたし、何度も普通の学生に戻りたいと思ったこともありますが、続けてきてよかった、と思っています。よければ手に取っていただきたいです。「資本主義経済」が曲がり角を迎える今日の世界において「昆虫食」を切り口に考えることで、いろいろな示唆を与えてくれると思います。 そろそろ僕自身、将来の進路を真剣に考えないといけないなと思っていますが、これまでの成果をしっかり後輩たちに引き継いでいきたいと思います。 春には昆虫食普及ネットワークと共同でのイベント開催を予定しています。関西圏、首都圏の読者の方にぜひお会いできる機会があれば幸いです。これからも「正しく」「美味しく」、そして何より、自分自身が「楽しく」 活動できるように頑張っていきたいと思います。一緒に活動したいという方もぜひ、ご連絡お待ちしています。 [caption id="attachment_3065" align="alignnone" width="720"] 大阪・なんばマルイでのPOP UPイベント中央が筆者[/caption] (清水和輝/近畿大学・昆Tuberかずき) ニュースレターは、NPO法人昆虫食普及ネットワークの公式HPで配信中です。
昆虫食普及の現場から ~3年間の取り組みを振り返って~ 【昆虫食普及ネットワーク・ニュースレターVol.7】
2022.12.28

フードロスになる未利用魚とは?お得に購入できるウェブサービスも紹介

「未利用魚(みりようぎょ)」と呼ばれる魚をご存知ですか?形が悪かったり傷がついていたりすることで、出荷されない魚のことです。こうした市場に出回らない魚を上手に活用することが、SDGsや食品ロスの削減に貢献できると昨今話題になっています。この記事では、未利用魚という言葉の定義や具体例に加え、フードロスにも貢献する手軽に未利用魚を購入できるウェブサービスについて紹介します。 未利用魚とはどんな魚? 未利用魚とは、名前の通り「利用されていない魚」のこと。規格外や傷があるもののほか、トゲや毒のある部位などの下処理に手間がかかるものや、知名度が低く購入される見込みが少ないものなどが未利用魚に含まれます。未利用魚と聞くと「食べられない魚」というイメージを持つ人もいるかもしれません。実際には、新鮮で味にまったく問題がない魚が未利用魚になることもあります。 特定の地域で食べられている地魚や収穫量が過剰で余っている魚も、未利用魚になることがあります。未利用魚と似ている言葉として「低利用魚」があり、これは利用されることも利用されないこともある魚のことです。漁師が目的としていた魚に混ざって獲られる「混獲魚(こんかくぎょ)」も、商業的な利用価値の低い売れない魚として未利用魚になります。実は未利用魚には明確な定義はなく、さまざまな理由によって利用されていない魚の総称といえます。 日本の漁獲量は年々減りつつあります。あるデータによれば、1990年に約957万トンだった漁獲量は、2021年には約319万トンまで減少しています。漁獲量が急速に減少している昨今、未利用魚の価値が見直され、注目度が高まっています。未利用魚の販売は漁業従事者の収入の底上げにもつながるため、日本の漁業の活性化も期待できるでしょう。 未利用魚の具体例 未利用魚として私たちの食卓に届くことのない魚が出るのには、さまざまな要因があり、時にはいくつかの原因が複雑に絡み合うこともあります。ここでは、収穫された魚が未利用魚になる具体的な理由について解説します。 知名度が低いため売れない 知名度やブランド力のある魚は、値段が高くなり、市場にたくさん出回ることになりますが、反対にあまり名前や見た目を知られていない人気のない魚は、消費者の需要が低くなり値段も下がってしまいます。すると魚を売る側の漁師としては、利益を取れない魚は未利用魚に回さざるを得ません。ある地方ではよく知られている魚でも、全国的な知名度が低く売れないために未利用魚となることもあります。食べると実は高級魚に似た味で美味しい魚ですら、知名度や見慣れない外見のせいで未利用魚になっているものもあります。 サイズが小さすぎる/大きすぎる 野菜などの農作物と同様に、売りたい魚の大きさよりも大きすぎたり小さすぎる規格外の魚は未利用魚になります。加えて体の小さな魚は、骨などを処理するのに時間と手間がかかるので商品化しにくいという面もあります。反対に、1匹で10kg近くする大きな魚は、保存する場所を取り過ぎたり、鮮度を保ったまま食べ切れないなどの理由から未利用魚になります。こうしたサイズの問題に加えて、獲れる数が多すぎたり少なすぎたりするがゆえに、本来売りたい数量にそぐわないために未利用魚になることもあります。 見た目が悪い/傷ついている 普段の食卓であまり目にすることのない奇抜な形や色の魚は、その見た目から美味しそうに見えず一般消費者には避けられてしまいます。味には問題がないどころか、むしろ美味しい魚であっても、見た目で食欲のわかない魚たちは人気が出ず、市場に出回らなくなる未利用魚になるのです。また、人間の漁で水揚げされる前に、他の魚や動物などが食べようとして、傷が付いてしまった魚も商品としての価値が下がるために未利用魚になります。 未利用魚を食べてフードロスを減らそう FAO(国際連合食糧農業機関)が2020年に発表した報告書によると、世界の多くの地域において、漁獲量全体の30〜35%程度が廃棄されているとのことです。これまで廃棄されることが多かった未利用魚の活用がもっと進めば、SDGsの中で課題として挙げられている食品ロスの削減にも貢献できます。「日本人の魚離れ」を解消する効果など、未利用魚の活用にはさまざまなメリットがありそうです。 未利用魚をウェブ購入できる便利なサービス 一般のスーパーマーケットや魚屋で見る機会の少ない未利用魚ですが、最近では未利用魚を購入できるオンラインの直販サービスや、未利用魚を使った料理を提供するレストランなども登場しています。特に最近の産地直送のオンラインサイトでは、未利用魚を扱う漁師と私たち消費者が直接やりとりすることもできるので、食べ慣れない種類の魚をよりおいしく食べる方法を知ることもできます。 ここでは、未利用魚を手軽にお得な値段で購入できるウェブサービスを3社紹介します。 ポケットマルシェ 岩手県を拠点とする株式会社雨風太陽が運営するポケットマルシェ(以下ポケマル)は、全国各地の農家や漁師から、消費者が新鮮な食材を買うことができるスマホアプリのサービスです。生産者が作物を収穫すると、スマートフォンを使って手元ですぐに出品でき、サービス名の由来でもある「ポケットの中のマルシェ(市場)」を具現化した便利なアプリです。ポケマルの商品一覧からは、未利用魚の品種や産地、価格、生産者などの項目ごとに検索することができます。顔と名前のわかる生産者からの買い物を通じて、現実での買い物に近い作り手とのコミュニケーションを楽しめるのもポケマルの魅力です。 ポケットマルシェ(ポケマル)公式HP(未利用魚の商品一覧) 食べチョク ポケマル同様、​​農家や漁師などの生産者から産地直送で新鮮な商品を届けるオンラインサービスの「食べチョク」。国内最大級の産直ECサイトである「食べチョク」では、箱詰めなどの作業を生産者自らが行うため、野菜や海産物を鮮度が非常に高いままの状態で消費者に届きます。使いやすいサイト設計やサービス内容で、一般市場では手に入りにくい未利用魚も手軽に検索して購入できます。高品質で充実した商品量を誇る食べチョクでは、本来であれば市場に出回ることのない高級店に卸すような魚も、規格外の未利用魚だからこそお得に購入できるのです。 食べチョク公式HP(「未利用魚」に関する産地直送の商品一覧) Fishlle(フィシュル) 福岡県を拠点とする株式会社ベンナーズが運営しているのが、魚の加工品のサブスクリプション(定期購買)サービスのFishlle(フィシュル)です。旬の食べごろな天然未利用魚にこだわっているフィシュルでは、西京漬け・カルパッチョ、海鮮丼など20種類以上の自社で製造した魚料理を、お得な月額定期便サービスで提供しています。調理済みの真空冷凍パックで届くので、湯煎や流水で解凍するだけで手軽に食べることができます。着色料や保存料が無添加で安心して未利用魚を食べることができるのも、フィシュルのサービスが高評価である理由です。 Fishlle(フィシュル)公式HP フードロスを減らしてSDGsに貢献しよう 未利用魚を選択し、私たちが積極的に食べていくことは、さまざまな社会問題の解決につながります。食材の中でも魚の鮮度は落ちやすく、無駄を出さないためには未利用魚が出るのはやむを得ないこと。けれども、味には全く問題がない未利用魚は、人々の需要さえあれば、値段も上がり市場に出回るようになり、人気商品になる可能性も秘めています。ぜひ未利用魚に興味を持って、食べてみませんか。食品ロスの削減に貢献すると共に、珍しくて美味しい魚に出会う絶好の機会になりますよ。  
フードロスになる未利用魚とは?お得に購入できるウェブサービスも紹介
2022.12.23

イスラム市場(南西アジア・中東)からハラルビジネス研究【食品ハラルビジネス進化論〜ハラル認証原料編vol.9】

こんにちは、ハラル・ジャパン協会の佐久間です。2022FIFAワールドカップカタール大会は、アルゼンチンの劇的な優勝で終了しました!日本サッカーも森保一監督いわく、「新しい景色は見られなかったが、選手が新しい時代を見せてくれた」と私たちにも感動を与えてくれました!すでに次(NEXT)が始まっています。皆さんの次は何でしょうか?2023年を飛躍の年にしたいですね。今回は「イスラム市場(南西アジア・中東)からハラルビジネス研究」について解説していきます。 インド、バングラデシュ、パキスタンは次のイスラム市場のビッグマーケット イスラム市場は東南アジアイスラム市場、特にマレーシア、シンガポール、インドネシアが熱く伸びていますが、次にビックマーケットになると考えられているのが、南西アジアのイスラム市場、インド、バングラデシュ、パキスタンなどの国々です。 なぜ魅力的なのでしょうか?1つ目の理由はイスラム教徒の人口です。インドは1.9億人、バングラデシュ1.5億人、パキスタンは2.1億人と3か国だけでの5.5億人です。2つ目は若年齢層が多く、経済の循環に期待ができ、ますます豊かになる土壌があります。3つ目は親日的であり、お米をたくさん食べるのでアドバンテージがあります。 インドはヒンズー教、ジャイナ教もあり多様性の国ですが、食べ物で言えばベジタリアン・ヴィーガンで対応可能です。その他の国は東南アジアと比べてそれほど多民族・多宗教ではなく、イスラム教徒がメインのためあまりハラル認証には頼る必要がないようです。しかし、今後は東南アジア同様に、ハラル認証が拡大する可能性があります。イスラム市場としては楽しみなエリアです。ただ、食に保守的な部分があるエリアのため、完成品での輸出はすぐには難しいかもしれません。まずは原材料から輸出が広がることが考えられますが、その際はハラル認証・ヴィーガン認証(または成分ハラル、成分ヴィーガン等)が輸出取引に求められることが増えると思います。 バングラデシュでは船も生活の足として重要 中東はハブ戦略で進出を狙う国を決めるべし ハラル=イスラム教=中東を連想される方が非常に多いと思いますが、少しそのイメージを修正してください。イスラム教の発祥=中東、ハラル認証の発祥=東南アジア(マレーシア)と理解するといいと思います。 またUAEドバイを中東と考え、ハラルビジネスの展開をイメージされているかもしれませんが、中東はイラン、トルコ、エジプトまでを含むと定義します。その時のハブはどこか?これはおそらくUAEドバイを、アジアで言う香港やシンガポールに置き換えて考えるとよいでしょう。イスラム教徒が多いエリアですので、肉・肉加工品を除き、あまりハラル認証を中心に考えなくても問題ありません(成分的にハラルであれば適切に輸出できるからです)。例えばUAEからエジプト、イラン、場合によってはカザフスタンなどがハブになると考えられます。 スンニ派、シーア派エリアの違いを理解することも大切です。大きくはイラン、イラクと、それ以外のイスラム教徒の国とで、考え方の違いがあるということです。まずはイランと取引するのか?しないのか?がポイントになります。 中東は欧州諸国と取引のある国が多いので、欧州商社のバイヤーをいかに使えるかもポイントです。まずはニーズを捉えて原材料をベースに輸出し、進出するのがよいでしょう。ただし、欧州の影響が強い分、すでに高品質な物は一通りそろう上、食文化、パッケージデザインの好み、化粧品の好みなどは完全に欧州寄りです。その点は東南アジアとは大きく違い、日本の食品や化粧品などは苦戦するかもしれません。 ギフト用チョコレート(UAE) シリーズ10回目を迎える新年2023年の初回では、原材料の「健康食品(サプリメント)のハラルビジネス考察」を解説します。1月の第4金曜日を楽しみにしてください。皆さま、良い年をお迎えください。 (佐久間朋宏/非営利一般社団法人ハラル・ジャパン協会代表理事)
イスラム市場(南西アジア・中東)からハラルビジネス研究【食品ハラルビジネス進化論〜ハラル認証原料編vol.9】
2022.12.21

プラントベースフードで注目のソルガムとは、おすすめレシピも紹介

プラントべースフードの選択肢として、穀物の一種「ソルガム」が注目されています。ソルガムは別名「モロコシ」と呼ばれ、世界中で利用されています。アフリカ原産であるものの、最近は日本の信州でも栽培されるようになりました。この記事では、ソルガムの特徴や長野県での栽培状況と共に、ソルガムを使った小麦代用レシピを紹介します。 ソルガムの特徴 ソルガムは世界各地で食べられている、栄養豊富なイネ科の植物です。ここでは、ソルガムの原産地や呼び方、栄養について解説します。 ソルガムはアフリカ原産のイネ科の雑穀 ソルガムはイネ科、モロコシ属の植物です。原産地はアフリカで、紀元前3000年以前から育てられていたとされています。その後、アラビアやインド、中国に広まりました。中国から日本に伝わったのは、遅くとも室町時代といわれています。 ソルガムは世界五大穀物の一種 ソルガムは、コムギやイネ、トウモロコシ、オオムギと並んで世界五大穀物の一つです。日本ではあまり浸透していないようですが、アメリカでは重要な農作物として扱われています。食料としてだけでなく、家畜の飼料として世界中で利用されています。 ソルガムは暑い地域の作物であるため、乾燥に強いのが特徴です。イネやコムギが栽培できない地域でも育てることができます。 日本語では「タカキビ」「モロコシ」「コーリャン」とも ソルガムは、別名「タカキビ」「モロコシ」「コーリャン」と呼ばれることがあります。モロコシとトウモロコシは呼び方が似ていますが、モロコシはモロコシ属、トウモロコシはトウモロコシ属に該当するため、別の植物になります。 また、タカキビという別名があることから、ソルガムはキビと混同されることもあります。しかし、キビはキビ属に分類されるため、ソルガムとは属が異なります。 食物繊維やミネラルが豊富、でもグルテンフリー! ソルガムには食物繊維が多く含まれていて、その量は白米の約4倍とされています。また、カルシウムや鉄分、マグネシウムなど人間の体に必要なミネラルも豊富に含有しています。その他、ビタミンB6をはじめとするビタミン類やタンパク質も含まれています。 ソルガムはグルテンフリーの食材です。小麦アレルギー(グルテンアレルギー)を持つ人たちも安心して食べることができます。最近では、健康や美容に関心の高い人たちや、ヴィーガンの人たちの間でも話題を集めています。 日本では長野県で盛んなソルガム栽培 2021年5月28日にソルガムの普及促進を目指す産学官連携組織「信州そるがむで地域を元気にする会」が発足し、長野県でのソルガム栽培が進んでいます。ソルガムの子実は食用に、茎葉はきのこの培地用に、使用後の培地はエネルギーになるなど、ソルガムは全草を有効活用できる植物です。 長野市で多くの面積を占める中山間地域では、人口減少に伴い耕作放棄地が増え続けています。こうした状況を受けて2020年までの8年間、信州大学と長野市による共同研究が行われ、子実を使った商品の開発・普及が進められてきました。 長野県でよく生産されているのは、ソルガムの白い品種「ホワイトソルガム」です。味や香りにクセが少なく、プチプチとした食感が楽しめます。ソルガムの実そのものだけでなく、ソルガムとほかの雑穀とブレンドした「雑穀ミックス」、ソルガムの実を粉砕した「ソルガム粉」、ソルガムを使ったお菓子など、新しい商品が次々と登場しています。 ソルガムを使った小麦代用レシピ 世界中で利用されているソルガムには、さまざまな食べ方があります。最近は小麦の代わりに使われることも多く、グルテンフリーの食材として注目を集めています。ここでは、おすすめの小麦代用レシピを3種類紹介します。 ソルガムごはん ソルガムは穀物の一種です。「ソルガムを日常的に味わいたい」という場合は、ソルガムと米を一緒に炊き込んだ「ソルガムごはん」がおすすめです。 材料(作りやすい分量) ・米 1合 ・ソルガム 小さじ2(約10g) 作り方 1.米を研いで、ザルにあげる。ソルガムの実は水で洗う。 2.米にソルガムの実を入れて、炊飯器の目盛りに合わせて水を加える。 3.約6時間浸水させて、通常通り炊飯する。 ポイント ソルガムは浸水させる時間が短いと、固さが残ってしまいます。しっかりと水に浸すようにしてください。 ソルガムクッキー ソルガム粉は小麦粉と同じように使うことができます。グルテンフリーのクッキーやパウンドケーキなどの焼き菓子を作りたい時に、とても重宝します。 材料(クッキー約12~15枚分) ・ソルガム粉 100g ・てんさい糖 30g ・ベーキングパウダー 小さじ1 ・オリーブオイル 大さじ3 ・豆乳 30ml 作り方 1.ボウルに、ソルガム粉、てんさい糖、ベーキングパウダーを入れて、よく混ぜる。 2.1のボウルに、オリーブオイルと豆乳を加えて、ゴムベラなどで混ぜる。 3.2の生地を12~15等分し、円形など好きな形に成型する。 4.170~180度のオーブンで、15~20分焼く。 ポイント ソルガム粉の味わいを活かしたヘルシーなクッキーになるように、今回のレシピではてんさい糖やオリーブオイルを使用しました。お好みで、てんさい糖をきび糖に、オリーブオイルをココナッツオイルに変更して作ることもできます。 ソルガム粉はたこ焼きや天ぷらの衣にも大活躍 ソルガム粉は小麦粉の代わりとして、たこ焼きやお好み焼きの生地に使うだけでなく、天ぷらや唐揚げの衣にも活用できます。また、ホワイトソースやカレーの下地としても、とろみを付けるのにも利用できます。ソルガム粉のとろみは穏やかで、持続性があります。冷めると固まることもありますが、再び加熱すると元のとろみに戻ります。 米粉パンにソルガム粉をブレンドするのもおすすめ グルテンフリーの食生活を実践するために、小麦粉の代わりに米粉を使うレシピをよく見かけます。しかし、小麦粉と米粉では特性が異なるので、米粉だけでパンを作った場合に、食感が悪くなってしまうケースもあります。 そんな課題を解決すべく、最近では米粉の1~3割程度をソルガム粉に置き換えて、パンを作る人が増えています。米粉だけで作る場合に比べて、小麦粉により近い食感や質感に仕上がります。 まとめ ソルガムは、プラントベースフードのなかで昨今話題になっている栄養豊富な食材です。あまり聞きなれない名前かもしれませんが、ソルガムは穀物の一種であり、ソルガム粉は小麦粉の代わりとして幅広い料理やお菓子づくりに活用できます。 日本では長野県が栽培に力をいれていて、さまざまな商品を開発しています。プラントベースフードの新たな選択肢として、今後の展開に注目したいです。
プラントベースフードで注目のソルガムとは、おすすめレシピも紹介
2022.12.16

【2022年】フードロス・アップサイクルを知っていますか?最新の認知度調査の結果とは

皆さんは「フードロス」や「アップサイクル」という言葉を聞いたことがありますか。初めてではない方も多いかもしれませんが、これらの言葉は社会全体でどのくらい広まっているのでしょうか。株式会社スナックミー(東京都)による興味深い調査結果をご紹介します。 75%が「フードロスを知っている」と回答 調査は、全国の20~64歳の男女を対象とし、2022年10月18日から10月24日までの7日間、ネットリサーチの手法で行われました(有効回答数は580サンプル)。 「フードロスという言葉の意味を知っていますか」という質問に対して、「意味を知っている」と答えた人が75.0%、「聞いたことはあるが意味は知らない」と答えた人が16.0%、「聞いたこともない」と答えた人が9.0%という結果でした。全体の91.0%の人が聞いたことがあり、75.0%の人が意味まで知っているわけですから、フードロスという言葉は広く社会に浸透していると言えそうです。 「フードロス」という言葉の意味まで知っている人に対して、フードロス削減につながる行動について重ねて質問したところ、「日常的にフードロス削減につながる行動をしている」と答えた人が43.0%、「(日常的ではないが)行動したことがある」と答えた人が34.5%でした。合計77.5%の人がフードロス削減に向けたなんらかの行動を取っており、問題意識が実際の行動につながっている割合が高いことが分かります。 また、下のグラフでオレンジに示されている「行動を起こしたいがきっかけがない」と答えた18.4%の人々は、言い方を変えれば「きっかけさえあれば実際に行動する」人々です。フードロスという言葉の意味まで知っている人のうち、実に95.9%の人がフードロスを削減しようと考えているわけですから、フードロスは解決すべき問題であるとかなり広く認識されているようです。 アップサイクルは1年前の調査から倍増! 「フードロス」に比べるとまだ広まっていないように感じられる「アップサイクル」という言葉についても調査が行われました。 「アップサイクルという言葉の意味を知っていますか」という質問に対して、「聞いたこともない」と答えた人は62.9%、「聞いたことはあるが意味は知らない」と答えた人は19.7%、「意味を知っている」と答えた人は17.4%でした。聞いたことがない人が過半数いますので、フードロスに比べるとかなり認知度が低いです。ただ、2021年に行われた意識調査では、「意味を知っている」と答えた人が8.4%という結果でしたので、この1年で9%も上昇し、約2倍に増えています。少しずつではありますが、社会に浸透しつつある段階と言えそうです。 参考:snaq .me(スナックミー)が食品ロス削減月間に合わせてフードロスに対する意識調査の結果を発表(PR TIMES)
【2022年】フードロス・アップサイクルを知っていますか?最新の認知度調査の結果とは
2022.12.15

食品業界注目のトレンド!プラントベースフードとは?どのような食品があるか具体例を解説

食品業界では「プラントベースフード」が話題を集めていて、さまざまな商品の開発が進んでいます。プラントベースフードとは、動物性の原料を使わずに、大豆など植物性の原材料で作った食品のこと。では、なぜプラントべ―スが注目を集めているのでしょうか。この記事では、プラントベースの意味や話題を集める理由・背景を解説すると共に、プラントベースフードの食品例について紹介します。 プラントベースフードとは プラントベースフードとは植物由来の原材料を使用して、畜産物や水産物に似せて作られた食品のことです。消費者の嗜好の多様化により、昨今ニーズが高まっています。プラントベースフードの食品例としては、肉や卵、ミルク、バター、チーズなどの代替品が製造・販売されています。大手フードチェーン店では、メニューとしての提供も始まっています。 米国ではプラントベースホールフードも プラントベースフードの一歩先を行く考え方として、プラントベースのホールフードがあります。「味と健康を両立する」として、アメリカを中心に注目を浴びています。 プラントベースホールフードを一言で説明すると、精製・加工がされていない植物性の食品のことです。プラントベースフードの中でもより自然に近い食品を指し、素材を丸ごと食べることを意味しています。食品の例としては、野菜や果物、玄米やキヌアなどの全粒穀物、豆類、ナッツなどが挙げられます。 プラントベースホールフードを取り入れるメリットは、大きく2つあります。1つ目は、環境負荷が少なくて済むということ。食材を丸ごと食べるので食材の無駄が少なく、食品ロスの削減につながります。また、自然栽培などの食材を選ぶことにより、化学肥料や農薬の使用を減らすことができます。 プラントベースホールフードについてはこちら:米国で話題!一歩先を行く「プラントベースホールフード」とは プラントベースフードが注目される理由 プラントベースフードが注目される大きな理由として「タンパク質危機」の影響があります。タンパク質危機とは、世界規模での人口増加に伴って、近い将来、牛や豚、鶏などの畜産によるタンパク質が不足するというもので、欧米諸国を中心に話題になっています。現状のままだと、早ければ2025年から2030年ごろまでに需要と供給のバランスが崩れ始めると言われています。そこで、タンパク質を回避するために世界中でさまざまな研究・開発が行われていて、そのひとつがプラントベースフードです。 また、プラントベースフードが注目される理由として、地球温暖化などの環境問題に対する意識の高まりが挙げられます。たとえば大豆ミートの場合、製造時に排出される二酸化炭素や必要とされる水の量は、従来型の畜産に比べて格段に少ないといわれています。このほか、健康志向の高まりからプラントベースフードを選ぶ人が増えています。 タンパク質危機についてはこちら:知らないとまずい?!タンパク質危機。20XX年までに肉や魚が足りなくなる? プラントベースフードの代表的な食品例 プラントベースフードにはいろいろな食品があります。ここでは代表的な食品例として、プラントベースミートとプラントベースミルク、プラントベースエッグの3つを紹介します。 プラントベースミートとは:大豆やきのこなどの植物性の食材が原材料 プラントベースミートは、別名「代替肉」と呼ばれることもあります。プラントベースミートのなかで最も有名なものは、大豆が主原料の「大豆ミート」でしょう。このほか、ひよこ豆、レンズ豆といった豆類も、プラントベースミートの素材として注目されています。最近では、エノキタケを使った新しいプラントベースミート「エノキート」も登場し、注目を集めています。 大豆ミートの需要の高まりを受けて、大手ハンバーガーチェーン「モスバーガー」や大手コーヒーチェーン「スターバックス」などでは、大豆ミートを使った商品のラインアップが登場しています。 プラントベースミルクとは:チーズやバターへの加工も 別名「植物性ミルク」と呼ばれることもあるプラントベースミルクは、豆やナッツ、穀物などの植物が主原料のミルクのことで、食材を粉砕した後、水で成分を抽出して作られます。日本で古くから親しまれてきた大豆由来の豆乳をはじめ、近年ではアーモンドミルクやオーツミルク、ココナッツミルクなどさまざまな種類のプラントベースミルクが出回るようになりました。 動物性のミルクに比べて低カロリーで高栄養のものも多く、牛乳アレルギーや乳糖不対症の人でも安心して飲むことができます。最近では、プラントベースミルクを使ったチーズやバターが登場しています。代表的な商品として、ビオライフの「植物生まれのチーズ&バター」があり、世界50カ国以上で愛されています。 プラントベースエッグとは:動物性の食材・卵を使わないマヨネーズも プラントベースエッグは、別名「植物性卵」「代替卵」と呼ばれることもあります。植物由来の素材を使って、卵にそっくりの見た目と味、食感を再現したものです。欧米では2010年代前半頃から市場が広がってきたプラントベースエッグ。最近日本においても開発が進んでいて、こんにゃく粉を使ったプラントベースエッグ「UMAMI EGG」が2022年に登場し、話題を集めています。 また、卵を使わないマヨネーズ「ヴィーガンマヨネーズ」の人気が高まっています。ヴィーガンマヨネーズには大きく2種類あり、豆乳ベースのマヨネーズと、植物性の油や酢などヴィーガン対応の食材から作ったマヨネーズです。卵アレルギーのある人やヴィーガン・ベジタリアンの人、ヘルシー志向の人を中心に支持されています。 まとめ 食品業界が注目する、プラントベースフード。タンパク質危機や環境問題への配慮、健康志向の高まりにより、プラントベースフードのニーズが急上昇しています。今回の記事ではプラントベースミートやプラントベースミルク、プラントベースエッグについて紹介しましたが、これはプラントベースフードの食品例のごく一部に過ぎません。社会の変化や消費者のニーズの高まりに合わせて、プラントベースフードの市場は今後さらに盛り上がっていきそうです。 https://reports.shareshima.com/1659/  
食品業界注目のトレンド!プラントベースフードとは?どのような食品があるか具体例を解説
2022.12.14

食用昆虫文化を生かして 食の多様性を確保するための取り組み 【昆虫食普及ネットワーク・ニュースレターVol.6】

はじめまして、NPO法人 ISAPH(アイサップ)ラオス事務所の石塚です。私たち、ISAPHはマラウイ(アフリカ)とラオス(東南アジア)で地域母子保健支援活動を実施しているNGO団体です。今回、ラオスでの取り組みのひとつである食用昆虫に関わる活動をご紹介させてください。 どうしてラオスで食用昆虫養殖の活動を? 私たちの活動地であるラオスの農村部の子どもたちは、栄養バランスを欠いた食生活から発育阻害という問題を抱えています。発育阻害とは、日常的に栄養を十分に取れずに慢性栄養不良に陥り、年齢相応の身長まで成長せず、脳の認知能力を十分に発達させることもできないという問題です。健康な身体を獲得するためには、日頃から適切な頻度・量の栄養を摂取する食生活がとても大切です。しかしながら、住民の食生活は、自分たちで育てたお米や、野菜や果物、魚を森や川など自然から採って食べることが基本です。お腹を満たすことはできますが、栄養バランスに着目するとそれだけでは不十分で、牛乳や豚・牛のお肉など、商店や市場で購入しなければアクセスし難い食品もあります。けれども、住民はわずかな現金収入しかなく、日頃から栄養に考慮した食品に充てるためのお金はありません。そこで、私たちは昆虫食文化に注目しました。ラオスでは、昆虫を食べることは当たり前です。また、市場では、他食材と比較し同等またはより高額な価格で取引がされています。そのため、住民が食用昆虫を養殖し販売すれば、安定した収入源になるのではないか、と考え取り組み始めました。たとえ、売れなくとも昆虫そのものを世帯内消費することで不足している栄養素を補うこともできます。JICA草の根「農村部住民の食糧事情向上を目指した昆虫養殖技術普及事業」として、NPO法人食用昆虫科学研究会の佐伯専門家とともに実施しており、2022年11月現在約70世帯の住民がすでに養殖を開始しています。 住民が食用昆虫養殖から安定した収入を得るようにするためには、技術普及だけでは不十分です。住民が住んでいる地域は、都市部から車で2時間程度と離れており、育てた昆虫をそのまま売る販売先を簡単に見つけることは、彼ら自身では非常に困難だからです。私たちは、AINプログラム ※ 「ラオスの美味しい昆虫食普及プロジェクト~養殖昆虫のフードシステム構築~」として、住民が育てた食用昆虫の需要をより喚起し、安定して消費者のもとへ届けるために「保存加工・市場開拓・新レシピ」の開発・研究も実施しています。より美味しい食べ方を開発・提案するためにNPO法人昆虫食普及ネットワークの内山理事長とともに挑戦しています。 他にもたくさんの活動にチャレンジしています。もし、この記事をご覧いただきISAPHに興味をお持ちいただけましたら、ぜひぜひ当団体SNSやメールアドレスでご気軽にお問い合わせください。それではお邪魔いたしました。 (石塚貴章/ISAPH ラオス事務所長) ※ 公益財団法人味の素ファンデーションの助成プログラム 得られた収入で適切な食品を購入するために栄養教育 プロジェクト後も持続的に活動を継続するために住民同士で養殖技術を教え合う 昆虫を食べて見えてくるもの<上> ある高校生たちが雑誌制作をテーマにした授業で昆虫食を取り上げたいという。私は、取材に訪れた彼らと近くの河原でピョンピョン飛び跳ねるバッタを追った。とりわけトノサマバッタは捕るのが難しく、その分、手中に収めたときの喜びはひとしおで、狩猟本能を満たしてくれる。昆虫はサバイバル食でもある。採集技術を身につけておくと災害時に役に立つのだ。 彼らの好奇の眼差しに囲まれながらバッタを熱した油に入れると、エビのように淡いピンクに染まっていく。「いい匂い!」「赤くなるんだ!」。サックリ揚げて皿に移すと、次々と手が伸びてくる。「わぁ、意外と美味しいかも!」など、驚きの声が沸き立つ。私が昆虫食に目覚めたきっかけとなったのもバッタだった。一九九八年に東京都日野市にある多摩動物公園で食用昆虫展が開かれ、いまでも世界中でたくさんの昆虫が食べられているのを知って驚いた。自然豊かな山国・長野県出身ということもあり、思い立ってトノサマバッタを捕って揚げて食べたところ、その香ばしい匂いはどこか懐かしく、不思議と心安らぐ味に魅了された。「きっと他にも美味しい昆虫がいるはずだ!」との無根拠で本能的な確信が研究活動のきっかけとなった。 バッタを捕って食べる行為は「生命をいただくプロセス」を体験できる貴重な〈食育〉の場でもある。世界に存在する昆虫は、食物連鎖の頂点に立つ人類の日常食として、古来、「自然の巨大なレストラン」の常備食だった。私たちはいただいた様々な「いのち」によって生かされていることを、昆虫という教材を通して学ぶことができる。 <次号に続く> (内山昭一/昆虫食普及ネットワーク理事長) ニュースレターは、NPO法人昆虫食普及ネットワークの公式HPで配信中です。
食用昆虫文化を生かして 食の多様性を確保するための取り組み 【昆虫食普及ネットワーク・ニュースレターVol.6…
2022.12.08

食品ロス削減の切り札、アップサイクルとは?食品や日用品など具体事例を紹介

SDGsや食品ロスの削減に関心が高まる中、「アップサイクル」という言葉を目にする機会が増えています。本来捨てられてしまうはずだったものを加工して、新たな価値あるものへと生まれ変わらせる「アップサイクル」ですが、そもそもリサイクルやリユースとはどう違うのでしょうか?この記事では、アップサイクルという言葉の意味や話題となっているその背景から、食品業界における実際の事例まで、食品業界におけるアップサイクルの主なポイントをおさえました。 アップサイクルとは(言葉の意味や由来) アップサイクルとは、本来捨てられてしまうようなものを加工して、新たな価値あるものへと生まれ変わらせること。特に食品を使ったアップサイクルについては、アップサイクルフード、アップサイクル食品と言われることもあります。ここでは、アップサイクルという言葉のそもそもの意味と由来について、深掘りしていきます。 リサイクル・リユースとの違い 持続可能な循環型社会を目指し、リサイクルやリユースが活発化しています。リユースは、使用済みの製品やその部品などを捨てずに、繰り返し長く使うことで、これに対しリサイクルは、ある製品を別の製品の原料にして別の製品を生み出すことを意味します。 リサイクルでは、古紙が再生紙になるように、どちらかと言えば価値の低い製品に変換されるケースが大半です。古いタオルやシャツを雑巾として再利用するのも同様で、これらは「ダウンサイクル」と呼ばれます。これに対し、産業から出る副産物や廃棄物などを新たな価値を持った製品に生まれ変わらせるのがアップサイクルです。「創造的再利用」とも呼ばれるアップサイクルは、これまではアートやファッション、インテリアの分野が主でしたが、今や食品の分野にもこのアップサイクルの波が来ています。 食品のアップサイクルの流れはアメリカから アメリカでは、コーヒーの果実の皮を原料にした紅茶飲料や、ビール醸造の際に出る穀物廃棄物を原料としたプロテインバーなど、食品廃棄物を活用したアップサイクル食品への関心が高まっています。 米国企業を中心に70社ほどが参加して設立された業界団体「アップサイクル食品協会」(本部=コロラド州デンバー)は、こうしたアップサイクルの市場拡大を受け、2020年5月にアップサイクル食品の定義を定めました。「本来は人間の食用とならなかった食材を使用して、検証可能なサプライチェーンにより調達・生産され、環境に良い影響をもたらす食品」ということで、実際に食品廃棄物の削減につながるものだけを「アップサイクル食品」と定義しました。これには、アップサイクル食品という言葉の持つ良いイメージだけを利用して売り込む偽物との差別化を図り、フードロスを削減し持続可能な社会を実現したいという強い意図が感じられます。 世界では100兆円超す期待のマーケット 食品廃棄物による世界経済のロスは年間で100兆円を超えるという試算もあります。アップサイクル食品への取り組みにより、この膨大な経済損失を削減できる可能性があるのです。 日本には昔から「もったいない」という言葉がある通り、廃棄物削減の意識は比較的高いと言えるでしょう。しかし米国は廃棄物に寛容な風潮があり、供給された食料のうち3〜4割がロスとなっているとも言われているのです。 ただ、米国でも時代は動いてきているようで、ミレニアル世代(1980年代~1995年生まれ)やZ世代(1996年~2012年生まれ)は消費者としての意識が高く、芯のある理念やメッセージを発する企業・ブランドの商品を購入する傾向があるのだそう。今後、世代交代が進むにつれて、フードロス削減を掲げるアップサイクル食品市場はさらに拡大していくことが予想されます。 SDGs・食品ロスとの関係性 SDGs 12 「つくる責任 つかう責任」 日本語で「持続可能な開発目標」を意味するSDGsは、2015年の国連サミットで掲げられた、国際社会の環境問題、差別、貧困などのあらゆる問題と向き合い、解決していくための17の目標のことです。 2030年までの達成を目指しているSDGsですが、そのうちの12番目の目標「つくる責任 つかう責任」には、作る人=生産者も、使う人=消費者も、未来の地球を守れるように行動に責任を持っていきましょうという狙いがあります。限りある地球の資源を無駄にすることのないよう、少ない原料からより多くのものを作り出せるよう持続可能なやり方を追求していくことが求められています。 食品ロスの削減の必要性 「つくる責任 つかう責任」を達成するために、より具体的な目標として「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる。」というターゲットが設定されています。 まだ食べられる食料が捨てられてしまう食品ロスは、日本をはじめとした先進国で重大な問題になっています。こうした食品を捨てることなく、新たな食品や工業製品へと価値あるものに加工するアップサイクルは、食品ロス削減につながるだけでなく、その先のSDGsへの貢献にもなるのです。 出典:農林水産省公式HP 食品から食品への事例 アップサイクル食品は、日本でも続々と増えています。ここでは、食品アップサイクルの中でも、食品を食品へとアップサイクルする事例を紹介します。 余ったパンがビールなどの飲料製品に:CRUST JAPAN 2019年設立のシンガポールを拠点としたフードテック企業、CRUST Group(クラストグループ)は、まだ食べられるのに捨てられてしまう食材をビールなどの飲料製品にアップサイクルすることで、食品ロスの削減に貢献しています。クラストグループは、提携する飲食店から余ったパンや米といった穀物や、コーヒーやカカオの残りかすや殻、茶葉、野菜や果物の皮などを回収して、それらを飲料製品に生まれ変わらせてきました。主な製品には、パンやコーヒーかすを原料にした独創性あふれる風味豊かなクラフトビール「CRUST」や、果物や野菜の皮から作るノンアルコール飲料「CROP」があります。日本部門である株式会社CRUST JAPAN(クラストジャパン)では、みかんやパイナップルの皮やきのこの柄を利用したお茶やジュースの生産にも力を入れています。 参考:CRUST JAPAN公式HP 規格外野菜を食べられるシートに:VEGHEET 売れなくなった野菜をペーストにし、海苔のようなシート状に乾燥させた新食材「VEGHEET(ベジート)」へとアップサイクルしたのが、長崎県を拠点とする株式会社アイルです。地元九州の不揃いな大きさや傷などにより規格外となった野菜と寒天を使用しているベジートは、食物繊維やビタミンなどの栄養も豊富で、化学調味料や添加物を使わないアレルゲンフリーな食品であることが高く評価されています。そのまま食べても、野菜本来の味を楽しめるベジートですが、水分を含ませればジェルやスープにも応用して、様々な食べ方を楽しめます。開封前なら2年(防災用5年)という長期保存ができ、シート状で場所も取らないベジートは、非常食のような保存食として、世界の食糧危機の解決にも貢献できる見込みもあります。 参考:VEGHEET公式HP ​​食品から工業製品への事例 りんごが合成皮革に:りんごレザー 長野県のベンチャー企業である株式会社SORENAは、同県飯綱町と協力して、地元の名産品りんごを加工するときに出る副産物を利用したある取り組みが話題になっています。同社は、りんごジュースやシードル(りんご由来の醸造酒)の生産過程で得られるりんごの搾りかすから合成皮革「りんごレザー」のアップサイクルに成功し、この冬からバッグなどの商品を発売します。廃棄されるはずだったりんごの皮や芯などの原料とポリウレタン樹脂とを合成して作られる合成皮革は、アップルレザーと呼ばれ、海外では動物由来でないヴィーガンレザーとして人気を集めています。りんごレザーは、アップルレザーの製品化としては国内初ということで、地方創生やSDGsにも貢献する製品として期待が高まっています。 参考:株式会社SORENA HP まとめ アップサイクル食品の開発と発展は、これまでの廃棄を前提とした大量生産・大量消費の社会から、持続可能な循環型社会へと変化が生じていることの兆しとも言えそうです。本来、日本はもったいないの精神からアップサイクル含めリサイクルの文化を大切に育んできた国です。地元から出る廃棄食品を使ったアップサイクルの取り組みは、地方創生などの付加価値もあり、これからの日本でますます盛り上がっていきそうです。
食品ロス削減の切り札、アップサイクルとは?食品や日用品など具体事例を紹介
2022.12.07

国内ハラルマーケットを分析【食品ハラルビジネス進化論〜ハラル認証原料編vol.8】

こんにちは、ハラル・ジャパン協会の佐久間です。11月にタイ・バンコクに出張した日のことです。到着日には1米ドル150円でしたが、翌朝には142円!?ビックリです。急な円高でバーツ・日本円交換の金額差異を実感しました。ビジネスでは事前に契約がありますから、実際は急な反応ではないかもしれませんが、当分注視が必要です。タイでも日本食や日本製品は大人気です。インバウンド需要が戻れば、購買も増えると予想されます。国内もいよいよ本格的にリスタートです。 今回は「国内ハラル(ハラール)マーケットを分析」ということで解説していきます。国内をメインに今後の方向性を解説していきたいと思います。 国内はムスリムインバウンド対応で差別化を インバウンドが戻り、また国内の旅行支援策が活況で一見盛り上がっているように見えますが、ホントに持続可能でしょうか?継続が見込めますでしょうか?この機会に原材料成分の由来を確認して、「勝てる原材料にバージョンアップ」しませんか?実は特別なことではありません。「棚卸し」するだけです。しっかり調べてみたら動物性不使用・畜肉フリー原材料でヴィーガン(ベジタリアン)原材料とわかればウリになります。また「ノーポーク・ノーアルコール」や「ノーアニマル・ノーアルコール」の原材料であることが確認できれば、成分がハラル対応の原材料として同じくウリになります。ウリになることは差別化になります。一度当会にハラル原材料可能性診断(ハラル&ベジタリアン(ヴィーガン)対応版)を依頼してみてはいかがでしょうか?まずは今ある素材(原材料)を確認して、売上UPすることを考えませんか? ※ハラル原料可能性診断(ハラル&ベジタリアン(ヴィーガン)対応版)のお問い合わせはこちらへ。 ハラル業務用は学生・社員食堂を狙うべし 日本が鎖国でもしない限り、外国人が日本に増加することは明確です。観光(遊び)にくる人、学びに来る人(=留学生)、そして働きに来る人(=労働者・技能実習生)がいます。目的が違いますが、中〜短期で日本にいます。しかし日本は非イスラム教の国です。イスラム教徒にやさしい環境がないと長期にはいてもらえないのが現実です。日本の国益にとっても損失で、せっかく日本で学び、日本で就職したい優秀なイスラム教徒人材が定着しないのはもったいないです。そのためにもまずは観光客向けにソフトな対応で構いません、できることから始めるムスリムインバウンド対応を全国各地で整備することが重要です。また地方自治体や教育機関、企業レベルでは基礎研修や社内セミナー、ムスリム試食会やメニュー開発、商品開発などを行うことも大事です。そして社員食堂、学生食堂、近隣レストランやホテル・社員寮を含めた宿泊施設等の環境整備が大事であります。これら日常使いの食事はインバウンドと違い、生活しやすい価格帯に抑えることでイスラム教徒にも喜ばれ、行政もここにポイントを絞って支援することが大事であると当会は考えます。自国に帰国するときに「地元のおみやげ」戦略もとても大事です。でないと全国的に人気がある白い恋人や東京バナナ、抹茶味キットカットばかりになってしまいます。 9回目となる次回は原材料の「イスラム市場(南西アジア・中東)からハラルビジネス研究」を解説します。12月第4金曜日を楽しみにしてください。引き続きよろしくお願いいたします。 (佐久間朋宏/非営利一般社団法人ハラル・ジャパン協会代表理事)
国内ハラルマーケットを分析【食品ハラルビジネス進化論〜ハラル認証原料編vol.8】
2022.12.06

おコメでできたライスフィルムを利用!最も環境にやさしい米袋が誕生

地球環境に配慮して脱プラスチックの流れが強まる中、植物由来のバイオマス資源への注目度が高まっています。大阪市中央区の米袋等包材メーカー「株式会社マルタカ」は2022年10月、米を原料とする国産のバイオマスプラスチック「ライスレジン®」(※)を使用した「ライスフィルム米袋」の販売を開始しました。同社は、「ライスフィルム米袋を使用することは、お米の用途拡大につながり、日本の食文化や稲作農家の支援につながる」として新素材米袋の需要拡大に期待を寄せています。 国産の非食用米をアップサイクル、強度・コストはプラ並み 株式会社マルタカが新たに発売を開始した「ライスフィルム米袋」は、お米からできた100%国産のバイオマスプラスチック「ライスレジン®」を使用しています。 ライスレジンの原料となるのは、食用に適さない古米や、米加工メーカーなどで発生する破砕米、精米時に出る砕米など。飼料として使われることもなく廃棄されてきたお米です。バイオマスプラスチックの多くは、海外産のサトウキビやトウモロコシなどを主な原料としています。一方、ライスレジン®は米を原料としているため、製品化に至るまで一貫して国内生産することが可能です。海外情勢に左右されにくく安定供給が可能な上、食品ロス削減にも寄与するサステナブルな資源として期待が寄せられています。 ライスレジン®は、糊化させたお米に石油系樹脂を配合して作られます。米の配合比率は最大でなんと70%。従来100%石油系プラスチックとほぼ同等の強度と成形性、コストを保ちながら、石油系樹脂の含有量を大幅に減らすことができるのです。こうした観点からライスレジン®の市場規模は拡大傾向にあり、ストローや箸、スプーン、レジ袋、玩具などさまざまな新商品が続々と誕生しています。 カーボンニュートラルでCO2削減効果も 日本は持続可能なバイオマスプラスチックを積極導入する方針を打ち出しています。製造元のマルタカは、「お米からできたライスフィルム米袋を使用することは、地球環境に配慮するだけでなく、米の用途拡大と、日本の農業支援並びに耕作放棄地の活用などにもつながる有力な取り組みになる」としています。 また、植物由来のバイオマスプラスチックは、生育時の光合成でCO2を吸収するため、たとえ焼却したとしても結果的にCO2排出を抑えることにつながります。同社は「こうした製品を採用することで、企業活動にSDGs(持続可能な開発目標)を取り入れ、持続可能な社会の実現に向けて貢献できる」と呼び掛けています。 食べるだけじゃない、バイオマス資源としての日本のお米の可能性に注目です。 ※ライスレジン®は、株式会社バイオマスレジン南魚沼の登録商標です。 参考:株式会社マルタカ公式HP
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2022.12.01

植物性ミルクが選ばれる理由とは?おすすめを原材料別に紹介

地球環境や自身の健康を考えて、プラントベースの食事を選ぶ人が増えてきました。こうした状況において、さまざまなニーズに対応する植物性ミルクが登場しています。そこで、この記事では植物性ミルクの特徴について解説すると共に、豆乳やアーモンドミルクなど植物性ミルクの事例を紹介します。 この記事を読むことで、植物性ミルクを選ぶメリットに加えて、植物性ミルクの具体的な選択肢を把握することができます。 植物性ミルクとは 植物性ミルクは、その名前の通り、植物由来の原料で作られたミルクです。スーパーやコーヒーショップでは植物性ミルクを見かける機会が増えましたが、なぜこれほどまでに人気を集めているのでしょうか。ここでは、植物性ミルクの特徴とおすすめしたい人のタイプについて解説します。 植物性ミルクの特徴 別名「プラントベースミルク」 植物性ミルクは、別名「プラントベースミルク」と呼ばれます。豆やナッツ、穀物などの植物を主原料にして作られたミルクのこと。基本的な作り方は、食材を粉砕した後、水で成分を抽出するという方法です。 日本で古くから親しまれている豆乳は大豆から作られていて、植物性ミルクに含まれます。豆乳は「第二のミルク」として利用されてきましたが、近年ではアーモンドミルクやオーツミルク、ココナッツミルクなどさまざまな種類の植物性ミルクが出回るようになりました。 低カロリーで高栄養 植物性ミルクのカロリーや栄養価は種類によって異なるものの、牛乳と比べてカロリーが低く高栄養のものが多いです。植物性の原料から作られているためコレステロールは含まれていません。原材料によっては、抗酸化作用や便秘予防の効果が期待できるものもあります。 ただし、植物性ミルクの中には砂糖などの甘味料や添加物を多く含むものがあります。メーカーによって異なるので、カロリーや栄養が気になる場合は、表示をよく確認するようにしてください。 環境への負荷が少ない 一般的に、牛乳を生産・製造する過程で多くの資源が使われます。例えば、乳牛を飼育するためには広大な土地や大量の水が必要です。それに対して、植物性ミルクの場合、環境にかかる負荷が比較的少なく、温室効果ガスの発生量は牛乳の3分の1程度と言われています。 最近は、牛乳を飲める人であっても「環境への負荷が少ない」「動物を搾取したくない」という理由で、植物性ミルクを選ぶケースも増えています。 こんな人にオススメ 牛乳アレルギーや乳糖不耐症の方でも飲むことができる 植物性ミルクは、牛乳アレルギーや乳糖不耐症の人でも飲むことができます。乳糖不耐症とは牛乳に含まれる糖質「乳糖」を分解する酵素の働きが低下しているために、乳糖を消化吸収できず下痢や体調不良が起きる疾患のことです。古くから乳製品を食べてきた欧米人に比べて日本人はその割合が高く、「3人に2人が乳糖不耐症である」と言われています。 植物性ミルク5種類を種類別に解説 植物性ミルクには、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、代表的な植物性ミルクとして、豆乳とアーモンドミルク、オーツミルク、ココナッツミルク、ポテトミルクの5種類について解説します。 豆乳 豆乳は、大豆を水に浸してすりつぶし、水を加えて加熱した液体をこして作られます。豆乳は牛乳に匹敵するほどタンパク質が多く、食物繊維や鉄分、ビタミン、イソフラボンも豊富に含まれています。カルシウムの含有量は少ないものの、牛乳よりも脂肪分が少なく低カロリーです。コップ一杯あたり(200ml)のカロリーは、牛乳が約122kcalであるのに対して、豆乳は88kcalです。 豆乳の中には砂糖や油脂、保存料が入った「調整豆乳」もあります。カロリーや栄養価を気にする場合は、大豆と水だけで作られた「無調整豆乳」を選ぶようにするのがおすすめです。一般的に牛乳の賞味期限は数日程度ですが、豆乳は未開封の状態であれば常温で3ヶ月程度保存できます。 アーモンドミルク アーモンドミルクは、水に浸したアーモンドを潰してペースト状にした後、こして作ることが多いです。さらりとした口当たりで、アーモンド特有の香ばしさが特徴です。 アーモンドミルクには、ビタミンEを始めとするビタミン類やミネラル、オレイン酸、ポリフェノール、食物繊維を豊富に含有していて、高い抗酸化作用が期待されています。砂糖不使用のアーモンドミルクの場合、コップ一杯あたり(200ml)のカロリーは約39kcalで、牛乳の三分の一程度のカロリーです。未開封の状態であれば、常温で9ヶ月程度保存できます。 オーツミルク オーツミルクは、オートミールやグラノーラにも利用されている「オーツ麦」から作られます。別名「オートミルク」「オーツ麦ミルク」と呼ばれることもあり、優しい風味とクリーミーな味わいがあります。植物由来の食物繊維や不飽和脂肪酸を豊富に含有しているため、整腸作用や悪玉コレステロールの低下が期待されています。 オーツミルクは温かい飲み物に加えても分離しにくく、コーヒーとの相性が良いのが特徴で、大手コーヒーチェーン店では「オーツミルクラテ」として提供されています。植物性ミルクの中では糖質とカロリーが高めであるものの、濃厚な味わいが楽しめます。 ココナッツミルク ココナッツミルクは、熟したココナッツから白い胚乳を取り出し、水を加えて混ぜたものをこして作られます。濃厚な風味と甘さがあり、ベトナムやタイなどアジアの料理によく使われています。ココナッツミルクには、カリウムやマグネシウム、銅、鉄が多く含まれています。 ココナッツには「中鎖脂肪酸」が多く含まれていて、消化・吸収・分解しやすく、エネルギーになりやすいのが特徴です。食欲抑制効果も期待できるため、スポーツをしている人にもおすすめです。 ポテトミルク ポテトミルクは、ジャガイモを主原料として作られます。ポテトミルクは、ジャガイモ特有の香ばしさがあり、クセが少なく、飲みやすいのが特徴です。カルシウムや食物繊維などの栄養が豊富に含まれているにもかかわらず、糖質や脂質が少なく低カロリーです。 2021年10月にイギリスの高級スーパーマーケットが「2022年にポテトミルクが人気になる」と予測し、一躍注目を集めました。注目される大きな理由は、環境にやさしいということ。ジャガイモは栽培しやすく、大豆やアーモンド、オーツなどの他の植物性ミルクの原料と比較して、約2倍も効率よく土地が利用できるとされています。 まだある!植物性ミルク10種類 植物性ミルクの市場は世界規模で拡大していて、2020年の226億ドルから、2026年には406億ドルまで成長すると予測されています。ここでは、日本では販売されていないものも含めて、世界で出回っている植物性ミルク10種類について紹介します。 名称 特徴 ライスミルク 白米や玄米から作られている。自然な甘味とあっさりとした飲み口で、欧米で人気がある。 ヘンプミルク 植物性ミルクの中でも栄養が豊富で、欧米では別名「ミラクルドリンク」とも呼ばれている。すっきりとした風味で飲みやすい。 カシューナッツミルク ナッツ類の中でも脂質の含有量が少なく、低カロリー。口当たりが牛乳によく似ているため、アメリカでは次世代ミルクとして注目されている。 マカダミアミルク ナッツ特有の苦みやクセは少なく、クリーミーで甘味がある。良質な脂質のほか、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれている。 くるみミルク さらりとした口当たりでほのかな甘味がある。くるみには、ナッツ類の中でもオメガ3脂肪酸が多く含まれている。 ピーナッツミルク すっきりとした味わいと香ばしさがあり、アーモンドミルクにも似ている。ピーナッツはアレルギーの出やすい食材であるため、注意が必要である。 ピスタチオミルク ピスタチオ特有の濃厚なナッツの風味が楽しめる。油脂が多く含まれているためカロリーは高めだが、美容と健康に欠かせない栄養素が豊富に含まれている。 ピーミルク(えんどう豆ミルク) えんどう豆のタンパク質から作られている。クセが少なく牛乳によく似た口当たりで、コーヒーとの相性も良く、ラテメニューとしても利用されている。 フラックスミルク(亜麻仁ミルク) 亜麻仁という小さな種子から作られている。香ばしさとやさしい甘味があり、オメガ3脂肪酸が豊富に含まれている。他の植物性ミルクと比べてカロリーが低い。 キヌアミルク 栄養価が高いことで知られる穀物・キヌアから作られている。クセのない味わいで飲みやすい。消化しやすいことから、離乳食など子どもの食事にも使われている。   まとめ 今回は、植物性ミルクの特徴と具体的な事例について紹介しました。プラントベースの市場拡大や美と健康への意識の高まりから、植物性ミルクの種類は今後も増えていくと予想されます。実際に、大手コーヒーチェーン店をはじめ食品業界では、植物性ミルクを使った商品開発が進んでいます。植物性ミルクの特性を把握し、顧客のニーズに合った植物性ミルクを上手に活用することで、他社との差別化にもつながりそうです。
植物性ミルクが選ばれる理由とは?おすすめを原材料別に紹介
2022.11.29

ペスカタリアン(ペスカトリアン)とは?ベジタリアンとの食生活の違いやメリット・デメリットを紹介

自身の健康や地球環境のことを考えて、暮らしや食のスタイルを見直す人が増えています。こうした中、ベジタリアンやヴィーガンとは異なる「ペスカタリアン(ペスカトリアン)」と呼ばれる人々が数を増やしています。実践するハードルが比較的低く、健康にも良いことなどから、一つの有力な選択肢になるのではと、巷で話題になっています。そこでこの記事では、ペスカタリアンとはどのような人たちのことを指すのかを説明し、ペスカタリアンを選択するメリット・デメリット、そしてペスカタリアンの実際の食生活について解説します。 ペスカタリアン(ペスカトリアン)とは ペスカタリアンは、魚介類は食べるものの、肉類は食べない、菜食主義者を意味しています。肉類は一切食べないベジタリアンやヴィーガンと比べると、食べられる食材が多いため、実践するハードルが低いです。肉の代わりに魚を積極的に食べることによって、健康面でのメリットも期待されています。 ペスカタリアンの名前の由来 ペスカタリアンの正式名称は、ペスコ・ベジタリアンです。イタリア語で魚という意味がある「ペスカ」と、主義者の意味を持つ「タリアン」を組み合わせた言葉で、別名「ペスカトリアン」「ペスクタリアン」と呼ばれることもあります。 ペスカタリアンはベジタリアン、ヴィーガンとこう違う ペスカタリアンは菜食主義に該当しますが、お肉以外は何でも食べることができます。牛乳やチーズ、ヨーグルトなどの乳製品に加えて、卵も食べられます。 ベジタリアンとヴィーガンとの違いを表にまとめました。 カテゴリー 肉 魚 牛乳 卵 ペスカタリアン × 〇 〇 〇 ベジタリアン × × 〇 〇 ヴィーガン × × × × ベジタリアンの基本は「殺生により得られた食品を摂取しない」こと。肉や魚介類は食べないものの、乳製品や卵は食べるという人が多いです。ちなみに、乳製品は食べるが卵は食べないベジタリアンは「ラクトベジタリアン」、卵は食べるが乳製品は食べないベジタリアンは「オボベジタリアン」と呼ばれていて、さらに細かく分類されることもあります。 ヴィーガンは「暮らし全般において動物の搾取をできるだけ避ける人」を意味しています。食生活だけでなく、衣類や日用品を選ぶ際にも動物由来のものを避けるのが基本です。乳製品や卵を食べないだけでなく、はちみつも控えることがあります。 ペスカタリアンの食生活とは ペスカタリアンの食生活の主な特徴として、「魚介類は食べられる」「哺乳類と鳥類は食べない」という2つが挙げられます。ここでは、それぞれの特徴について確認しましょう。 魚介類は食べられる ペスカタリアンには、食べられる魚介類の制限はありません。たとえば、マグロやサーモンなどの魚類だけでなく、エビなどの甲殻類やアサリなどの貝類なども食べることができます。もちろん、煮干しやカツオから取った出汁も飲食可能です。 哺乳類と鳥類は食べない 肉類と一口に言ってもさまざまな種類がありますが、ペスカタリアンは、哺乳類と鳥類は食べることができません。豚肉や牛肉はわかりやすいNG食品例ですが、哺乳類に属するクジラや、鶏ガラスープや豚骨スープなど動物由来の原料で作られた食品も食べないとされています。 ペスカタリアンのメリット・デメリット メリット ベジタリアンやヴィーガンより始めやすい 食べられる食材についての制約が多いベジタリアンやヴィーガンに対して、ペスカタリアンが食べられる食材はたくさんあります。肉以外は何でも食べられるので、ベジタリアンやヴィーガンよりも始めやすいことが利点です。ベジタリアンやヴィーガンになるための、はじめの一歩としてペスカタリアンを選ぶ人も少なくありません。 体に必要な栄養素が豊富に含まれている 動物性食品を避けた食生活を続けていると、タンパク質やビタミンB12、亜鉛、カルシウムなどの体にとって必要な栄養素が不足しやすくなります。それに対して、ペスカタリアンの場合は魚介類を食べることができるため、必要な栄養素が不足しにくいのが特徴です。 また、青魚に含まれるオメガ3脂肪酸には、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防効果が期待されています。 島国・日本では最適な選択肢 海に囲まれた日本では、昔から人々は魚介類を食べて暮らしてきました。ペスカタリアンは魚介類を自由に食べられるので、島国の日本において最適な選択肢と言えるでしょう。ベジタリアンやヴィーガンに比べて、旅行や外食の際にメニュー選びで困ることも少ないです。 デメリット 不足しがちな栄養素に要注意 注意すべきは特定の栄養素が不足してしまうことです。でタンパク質や脂質、鉄が不足して、体調不良が起こりやすくなったり、カロリー不足のため体重が落ちたりするケースが想定されます。タンパク質は魚介類や卵、豆類、脂質は油の多い魚にたくさん含まれています。また、カツオやマグロなど赤身の魚は、鉄を多く含有しています。ペスカタリアンの食事法を実践する場合には、不足しやすい栄養素を意識的に摂取することが大切です。 魚介類への過度な偏りは環境破壊を招く恐れ 食肉を製造する過程では、牧場づくりのための森林伐採をはじめ、飼料や肥料の生産・搬送などにより、大量の温室効果ガスが発生します。ペスカタリアンを選択することにより、こうした環境負荷を減らすことができる一方で、魚介類への偏りから生じる海洋資源の不足をより深刻化させてしまう恐れもあります。 そのひとつが、乱獲による漁業資源の枯渇です。国連食糧農業機関(FAO)は、人間による魚介類の大量消費により、漁業が枯渇しているという報告を出しています。また、近年では養殖業による環境破壊が問題になっていて、養殖場で使われる防カビ材や抗生物質などの薬品による周辺の環境汚染も深刻です。日本のスーパーでも少しずつ、MSC(海洋管理協議会)の認証を受けた、より環境負荷の少ない商品の取り扱いが増えています。ペスカタリアンを選ぶからには、こうした動きにより一層注意を払う必要があります。 まとめ 魚を食べる菜食主義者である、ペスカタリアン。島国・日本では有力な選択肢であり、「実践しやすい」「必要な栄養素を摂取できる」というメリットがあります。一方で、やり方を誤ると栄養不足になったり、環境破壊を招く恐れもあります。食生活を見直すきっかけは人それぞれですが、環境への配慮としてペスカタリアンを選ぶ人も少なくありません。自身の健康と地球環境の両方改善していくことを目指して、食への意識を高めることが必要です。
ペスカタリアン(ペスカトリアン)とは?ベジタリアンとの食生活の違いやメリット・デメリットを紹介
2022.11.24

知らないとまずい?!タンパク質危機。20XX年までに肉や魚が足りなくなる?

地球の人口増加や環境問題により、食肉などのタンパク質が不足するのが「タンパク質危機」です。私たちの食卓に影響するかもしれない世界規模での課題であるにもかかわらず、一般にはそれほど広く認知されていません。こちらの記事では、タンパク質危機とはどのような問題かを解説すると共に、タンパク質危機を避けるための4つの選択肢について説明します。タンパク質危機という問題が生じている理由から取りうる対応策までを紹介し、プラントベースフードなどがにわかに注目を浴びている背景をお伝えしていきます。 タンパク質危機(タンパク質クライシス)とは タンパク質危機は、世界人口の急速な増加に由来する問題です。まずはその背景的な事情からみていきましょう。 少子化真っ只中の日本。でも世界の人口は? 日本では、出生率の低下に伴い若年層の人口が減少する「少子化」が急速に進んでいます。そのためあまり実感がわきませんが、一方で世界の人口は増え続けている状況です。国連の調査によれば、世界の人口は現在約80億人であるところ、2030年には約85億人、2050年には約98億人、2100年には約112億人になると推定されています。 2030年までにタンパク源が足りなくなる恐れ 世界規模での人口増加に伴って、近い将来、牛や豚、鶏などの畜産によるタンパク質が不足すると予測されています。この予測は「タンパク質危機」と呼ばれていて、欧米諸国を中心に話題になっています。現状のままだと早ければ2025年から2030年ごろまでに需要と供給のバランスが崩れ始めると言われています。 人間の身体を構成するのは、水分が約60%、タンパク質が約15~20%とされています。つまり、タンパク質は水分を除いて体の重量の約半分を構成する、生きていく上で大切な栄養素です。欧米では「プロテインチャレンジ2040」と題したコンソーシアムが立ち上がり、その中から複数のプロジェクトが始動しています。タンパク質危機をどう乗り越えていくのかは、人類が生きていく上で極めて重要な課題です。 タンパク質危機を避けるための4つの選択肢 タンパク質危機を回避するために、世界中でさまざまな検討が行われています。ここでは、その中から代替肉と培養肉、昆虫食、藻類という4つの選択肢について解説します。 代替肉 代替肉とは、牛肉や豚肉、鶏肉などの動物の肉の代わりに、植物性原料で作られた「肉のような食材」のことです。欧米諸国を中心とした健康への意識の高まりがきっかけで広がったとされていて、別名「プラントベースミート」と呼ばれることもあります。 代替肉の素材として最も有名なものは、大豆が主原料の「大豆ミート」でしょう。有名ハンバーガー店やコーヒーチェーンでも大豆ミートを使ったメニューが登場し、話題になっています。このほか、ひよこ豆、レンズ豆といった豆類も、代替肉の素材として注目されています。最近では、エノキタケを使った新しい代替肉「エノキート」も登場するなど、さまざまな研究・開発が進められています。 培養肉 培養肉は、牛などの動物から取った少量の細胞を、再生医療の技術により体外で増やして作られます。プラントベースの代替肉とは異なり「本物の肉を使った代用品」です。従来の食肉の生産方法と比べて、飼育・繁殖する過程における動物へのストレスや環境への負荷が少ないとされています。こうした特徴から、別名「クリーンミート」と呼ばれることもあります。 培養肉は、2013年にオランダの研究者が培養ミンチ肉を作ったのがその始まりです。日本でも培養肉の研究が進められていて、2019年には世界で初めてサイコロステーキ状の培養肉を作ることに成功しました。大きな肉を作るための技術の開発など乗り越えなくてはならないハードルが多いものの、持続可能な食材という意味で期待が寄せられています。 昆虫食 昆虫食とは、コオロギなどの昆虫を原料にした食品のことです。大豆ミートなどのプラントベースフードは植物性のタンパク質しか得られないのに対して、昆虫食の場合、肉や魚と同様、必須アミノ酸である動物性タンパク質を得ることができます、また、昆虫食は飼育・加工に必要なスペースや資源が最小限で済み、環境負荷が低いというメリットもあります。 日本にも貴重なタンパク源として昆虫を食べる地域の文化が残っていますが、世界で食べられている昆虫は1900種類にも及ぶとされ、アジアやアフリカ、中南米を中心に昆虫を食べる食文化が見られます。昆虫食には食品の安全性や見た目への抵抗感といった課題があるものの、環境負荷の少ないサステナブルな食材として注目を集めています。 藻類 細胞分裂をして増殖する藻類はタンパク質含有量が50~75%であり、新たなタンパク質源としての可能性を持っています。藻類は良質なタンパク質だけでなく、炭水化物や脂質、ビタミン、ミネラルなども豊富に含まれています。現在市場に流通しているのはタンパク質が豊富に含まれるクロレラやスピルリナで、藻類をそのまま乾燥させて粉末状にしたものが主流です。 藻類は栄養価が豊富であるものの、藻類を乾燥した粉末は独特の匂いがあることや、藻類バイオマスの生産コストが肉や大豆に比べて価格が高いことなどから、タンパク質源としてはこれまで積極的に利用されていませんでした。しかし、近い将来に訪れるとされるタンパク質危機を前に、藻類の利活用が見直され始めています。 まとめ 世界の人口増加に伴って、近い将来訪れると言われているタンパク質危機。この記事では、タンパク質危機を回避するために私たちが取りうる選択肢として、代替肉、培養肉、昆虫食、藻類の4つを紹介しました。食品としての安全性や抵抗感、生産コストなど、それぞれに乗り越えるべき障壁はありますが、タンパク質危機を避けるために、世界中でさまざまな研究・開発が行われています。これまでの常識にとらわれない、新しい食の選択肢が求められていると言えそうです。
知らないとまずい?!タンパク質危機。20XX年までに肉や魚が足りなくなる?
2022.11.22

昆虫食のメリットと注目の背景を深堀り!こんなにも話題になる理由とは?

コオロギなどの昆虫を原料にした食品「昆虫食」。日本にも、貴重なタンパク源として昆虫を食べる地域の文化が残っていますが、多くの人にとってはなじみの薄いものでしょう。しかし今、環境負荷の少ないサステナブルな食料として、世界が昆虫食に注目しています。 一体なぜ、これほどまで昆虫食が話題になるのか。この記事では、昆虫食が期待される背景を解説した上で、栄養価の高さなど注目の理由を解説します。他方で、「本当に安全性に問題はないの?」「昆虫を食べるリスクは」といった疑問や不安の声にもお答えします。 昆虫食が注目を集める背景 無印良品で話題となった「コオロギせんべい」をはじめ、日本では勢いのあるベンチャー企業が、昆虫食ビジネスを盛り上げています。そうした流れに至るまでに、どのような背景があったのでしょう。 増える世界人口、ひっ迫するタンパク源 日本は少子化に直面していますが、世界全体では人口は増加し続けています。このまま行けば、2050年に世界人口は100億人に達すると言われています。 近い将来、牛や豚、鶏などの畜産によるタンパク質が不足する恐れがあると言われています。「タンパク質危機(タンパク質クライシス)」を避けるために、大豆ミートをはじめとしたプラントベースフードの開発が進みました。しかし、植物由来の食べ物からは、植物性のタンパク質しか得られません。そこで、注目されたのが「昆虫食」。なぜなら昆虫は、肉や魚と同様、必須アミノ酸である動物性タンパク質を得ることができるからです。 転機の国連食糧農業機関(FAO)報告 2013年、国際連合食糧農業機関(FAO)が「ある報告書」を発表しました。それは、世界の食糧危機への対策として昆虫食を推奨するというもの。この報告書を契機とし、世界各地で昆虫食の研究・開発が加速しました。昆虫を食べる習慣のなかった欧州でも、2018年、欧州連合(EU)が昆虫を新規の食品として域内で販売することを認めました。 昆虫食を選ぶメリット さぁここから、他にはない昆虫食のメリットを深掘りしていきます。 非常に優れた環境負荷の低さ 狭いスペースで飼育・加工ができる 昆虫は牛や豚、鶏などの家畜よりも狭い場所で飼育できます。コオロギ1キロを生産するのに必要な農地は、鶏肉や豚肉の約3分の1、牛肉なら約13分の1しか必要としません。また、出荷用にパウダーなどに加工する場合でも、小規模な施設で行えます。飼育・加工に場所を取らないということは、それだけ効率的に生産できるということです。 飼育に必要な資源が少ない 昆虫の生産は、家畜に比べて少量の水や飼料で可能です。牛肉を1キロ生産するためにはおよそ8キロのえさを必要とするのに対し、昆虫1キロの生産には約2キロのえさを使うだけで済みます。生産に必要な水についても同様で、コオロギの生産に必要な水は、牛肉の場合の約2500分の1で済んでしまいます。 温室効果ガスの排出量が少ない 牛1頭がげっぷなどで出すメタンガスは1日160リットル以上で、地球温暖化を促進していると言われています。しかし、昆虫の飼育に伴う温室効果ガスの排出量はその10分の1以下。昆虫食は、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの削減にも効果があるというわけです。 丸ごと食べられて、食品ロスにも貢献 昆虫食は食品ロスの削減にも貢献します。牛1頭の可食部はおよそ4割ですが、昆虫はそのほとんどが食べられるので無駄がありません。また昆虫のえさには、残飯など本来なら捨てられてしまうものを利用できます。焼却コストのかかる生ごみの量が減り、一方で、貴重なタンパク質源になるというのですから、昆虫食の利点が際立ちます。 牛や豚に負けない栄養価の高さ それで終わらないのが、昆虫食のすごさです。ガやハチの幼虫の場合、体重の50%がタンパク質と言われています。牛や豚が1〜3%ですから、それに比べると非常に高い含有率です。昆虫は、良質なタンパク質だけでなく、食物繊維や、カルシウム、銅、鉄、亜鉛などのミネラルも豊富に含む上に、脂肪分は少ないという健康に良い食品です。 昆虫食のデメリット 栄養価が高く、環境にも良い昆虫食。その一方で、なじみの薄い昆虫食に対するネガティブな考えも少なくありません。今度は、考えられる昆虫食のデメリットを見ていきましょう。 安全面でのリスクは? 専門家の助言なしに、自然採集した虫を食べるのは、危険を伴う行為です。なぜなら、野生の昆虫には、毒を持つものや、寄生虫や病原菌を媒介するものもいるからです。一方で、管理された環境下で生産されたものは、昆虫とはいえ、他の食材と同様に安全です。 安心を担保する「コオロギ生産ガイドライン」 消費者により安心してもらえる環境を整えようと、2022年8月、民間団体が「コオロギ生産ガイドライン」をまとめました。研究機関や企業などでつくる「昆虫ビジネス研究開発プラットフォーム(iBPF)」が、コオロギの生産過程の衛生管理を中心に行動指針を決めました。公的なルール整備がない中で、民間主導で一定のルールを示すことで信頼性を高め、昆虫食のさらなる普及につながることを期待しています。 アレルギーリスクについて 昆虫食は、食物アレルギーを持つ人には注意が必要です。昆虫には、エビやカニなど同様の甲殻類アレルギーの原因となる「トロポミオシン」という成分が含まれているからです。昆虫に限らずすべての食材に言えることですが、これまで口にしたことのない食材を食べる時には、これまでアレルギーの自覚症状がなかった人でも、慎重を期すようにしましょう。 見た目への抵抗感 多くの人にとって、昆虫を食べることに対して、心理的なハードルがあります。初めて口にするものに対して拒絶反応が出るのは、動物的な本能として当たり前のことです。もしかしたら、これが昆虫食にとっての最大の問題かもしれません。日本でも昆虫食品の開発は大変盛んで、さまざまな商品ラインナップがあります。まずは、昆虫の姿を連想しづらいパウダー入りの菓子やパンなどから試してみるのがいいかもしれません。 そして、「まずいものをわざわざ食べたくない」というのが、大半の人の率直な気持ちだと思います。実際のところ、昆虫の味は実に多種多様で、思いきって食べてみると、おいしく感じるものもたくさんあります。バッタはエビやカニに似た食感、タガメは洋ナシや青リンゴのようなフルーティな香りだとか。セミに至っては、幼虫だとナッツのようなクリーミーな風味で、成虫になるとエビのような風味が楽しめます。 昆虫食とは 1900種類の食べられる昆虫 世界で食べられている昆虫は1900種類にも及ぶとされ、アジアやアフリカ、中南米を中心に昆虫を食べる食文化が見られます。昆虫学者である三橋淳氏の書いた『虫を食べる人びと』(平凡社ライブラリー)によれば、世界ではハチやイナゴに加えて、カブトムシ、カミキリムシなども食べられているそうです。 世界の昆虫食 タイ 昆虫食が住民生活に浸透しているタイでは、スーパーマーケットの食材コーナーに昆虫のサナギや幼虫が並んでいたり、昆虫の佃煮を売る屋台を目にしたりすることも珍しくありません。特に人気があるのはコオロギで、盛んに養殖されています。最近では、コオロギのスナック菓子やコオロギパウダー、コオロギオイルなど、コオロギを原材料にしたさまざまな加工食品が登場しています。特にコオロギパウダーは輸出用としての需要が高く、国もその動きを後押ししています。 ケニア アフリカ東部のケニアで最もよく食べられている虫は、シロアリです。日本でシロアリと言えば、住宅の床下で暮らすアリ(職蟻)を意味することが多いですが、現地で食べられているのは別の種類のアリ(羽蟻)です。このシロアリを使った「クンビクンビ(kumbikumbi)」という伝統料理があり、栄養失調を改善する効果があると言われています。実際、シロアリには、良質な動物性たんぱく質や脂質のほか、カルシウム、鉄分、アミノ酸などが豊富に含まれています。ケニアのシロアリはインターネット通販などでも販売されています。 日本の昆虫食 長野県に根付く昆虫食文化 日本で昆虫食文化が盛んな地域といえば、長野県です。信州でよく食べられている昆虫といえば、ハチノコやイナゴ、カイコ、ザザムシがあります。これら4種類を総称して「信州四大珍味」と呼ばれているそうです。 ハチノコはスズメバチの幼虫やさなぎ、イナゴは稲作の害虫とされるバッタのことです。長野県はかつて養蚕が盛んで、カイコは生糸の生産のために飼育されていた虫です。ザザムシは水生昆虫で、ヒゲナガカワトビケラなどの幼虫のことを指し、主に天竜川で採集できます。長野県の伊那谷地域で食べられていますが、世界的には食べる習慣がほとんどありません。イナゴやカイコは、稲作や養蚕を営む過程で副産物として発生するもので、昆虫食は、自然と共生する地域の暮らしに深く結びついていたのでしょう。 まとめ 昆虫食のメリットとデメリットを押さえてきましたが、環境負荷が低くて栄養価も高いという特徴を踏まえると、昆虫食がこれだけ話題になっていることもうなずけると思います。昆虫を食べるという行為に対して抵抗感はあるかもしれませんが、以前は「生で魚を食べるなんてありえない」と言っていた欧米人が、「Sushi(寿司)」を高級料理としてもてはやしているのを見ると、さほど大きな問題でないようにも思えます。先入観だけで昆虫食という選択肢を排除せず、機会があったらぜひともチャレンジしてみてください。
昆虫食のメリットと注目の背景を深堀り!こんなにも話題になる理由とは?
2022.11.17

代替肉とはどんな肉?大豆やきのこなど、原材料別に特徴を解説

世界中で「代替肉」のブームが到来しています。代替肉とは、その名前の示す通り、牛肉や豚肉、鶏肉などの動物の肉の代わりに、植物性原料で作られた「まるで肉のような食材」のことです。 では実際に、代替肉はどのような素材から作られ、どのように利用されているのでしょうか。この記事では、代替肉の定義を確認した上で、代替肉の原材料や原材料別の使用例について解説します。この記事を読むことで、代替肉の全体像を把握し、代替肉は具体的にどのようなものであるかを理解していただけます。 プラントベースミートと呼ばれることも 代替肉は、欧米諸国を中心とした健康への意識の高まりがきっかけで広がったとされています。代替肉は地球が抱える環境問題の解決や世界の人口増加に対する食料不足への対策、食の多様性への対応という側面においても大きな意味を持つと言われています。 代替肉の素材として最も有名なものは、大豆が主原料の「大豆ミート」でしょう。このほか、ひよこ豆、レンズ豆といった豆類も、代替肉の素材として注目されています。最近では、エノキタケを使った新しい代替肉「エノキート」も登場しました。いずれも「植物由来の肉」であることから、英語ではプラントベースミートと呼ばれています。 フェイクミート、オルタナティブミートとはどう違う? 代替肉はプラントベースミート以外に、フェイク(偽物の)ミートやオルタナティブ(代替の)ミートと訳されることもあります。呼び方はそれぞれ異なるものの、いずれも動物の肉に見た目や風味を似せた、植物性原料から作られた食材を意味しています。代替肉のどのような特徴を強調したいのかによって、フェイクミートやオルタナティブミート、プラントベースミートという言葉が使い分けされているようです。 大豆ミート:代替肉の定番でバリエーション豊富 大豆ミートとは 大豆ミートは、その名前の通り大豆で作られた代替肉のことです。ソイミートや大豆肉と呼ばれることもあります。大豆は別名「畑の肉」と呼ばれるほど栄養が豊富で、良質なタンパク質をはじめ、ビタミンやミネラルも多く含有しています。 大豆ミートは代替肉の定番であり商品の数も多く、最近はスーパーマーケットやコンビニエンスストアで見かける機会も増えました。 大豆ミートは水やお湯などで戻してから利用する「乾燥タイプ」が主流ですが、すぐに使える「レトルトタイプ」や「冷凍タイプ」もあります。また、形状は主に「ミンチタイプ」「フィレタイプ」「ブロックタイプ」という3種類で、用途に応じて使い分けできます。 あの有名ハンバーガー店やコーヒーチェーンでも 大豆ミートの需要の高まりを受けて、大豆ミートをメニューに導入する飲食店も増えています。大手ハンバーガーチェーン「モスバーガー」では「ソイパティシリーズ」と題して、大豆ミートを使ったハンバーガーのラインアップが登場しています。 また、大手コーヒーチェーン「スターバックス」はサマーシーズン第2弾として“Yori Dori Midori”をテーマにして、プラントベースという選択肢を提案。新しく加わったメニューのひとつ「スピナッチコーン&ソイパティ イングリッシュマフィン」では、肉の代わりに大豆を使ったソイパティを使用しています。 ひよこ豆の代替肉:味のクセが少なく使いやすい ひよこ豆とは ひよこ豆は大豆と同じくらいの大きさの丸い豆です。アジア西部が原産で、インドや欧米諸国、中近東などでは一般的によく流通しています。タンパク質が多く食物繊維が豊富で脂肪分が少ないことから、少し前から食肉に代わるヘルシーな食材として話題を集めています。 ひよこ豆は日本では馴染みの薄い豆ですが、味にクセが少ないため食べやすいのが特徴です。乾燥した状態の豆は水で戻して煮る必要がありますが、水煮されたレトルトタイプを使えば、手軽に利用できます。 使用例:カレーや揚げ物、おやつにも ひよこ豆の生産量はインドが世界一で、ベジタリアンの多いインドではカレーの具材に使われることも多く、日常的に食べられています。インドでは、ひよこ豆の外側の皮を取り除いて割った豆を「ダール」と呼び、カレーにもよく利用されています。また、ひよこ豆を粉末にした「ベサン粉」は、インド風天ぷら「パコラ」をはじめ、おやつや軽食にも用いられています。 この他にひよこ豆を使った料理としては、ひよこ豆のペースト「フムス」やひよこ豆のコロッケ「ファラフェル」も有名です。 ひよこ豆についてはこちら:ひよこ豆(ガルバンゾー)とは?ヴィーガンに人気なおすすめレシピを紹介 レンズ豆の代替肉:ひき肉代わりとして使える レンズ豆とは レンズ豆は、レンズのように平たい形状をしています。レンズ豆には緑色やオレンジ色、褐色などさまざまな色があり、3~6ミリ程度と非常に小さいことも特徴です。日本ではあまり知られていない豆ですが、欧州などでは日常的に利用されていて、特にヴィーガンやベジタリアンの人たちに親しまれています。 レンズ豆は「世界五大健康食品」の一つに数えられていて、ビタミンB群やタンパク質、鉄分、食物繊維を多く含有しています。特に、皮付きの茶色のレンズ豆には100グラム中に9.4ミリグラムの鉄分が含まれていて、これは大豆の含有量よりも多いと言われています。 使用例:カレーや煮込み料理、サラダに レンズ豆はインドやネパールではカレーの具材として、イタリアやフランスなどの国では煮込み料理やサラダなどによく使われています。代替肉としての使い方として、レンズ豆は粒が小さいので、ひき肉のような感覚で利用することができます。例えば、ハンバーグを作る際にレンズ豆で代用する方法があります。 レンズ豆には特有の匂いがあるので、気になる場合は、スパイスを加えたり濃い味付けをしたりするのがおすすめです。レンズ豆は水を吸収しやすいため、あらかじめ水で戻す必要がなく、料理にそのまま使うことができるのも魅力です。 エノキート:キノコの旨味でおいしさ追求 エノキートとは エノキートとは、エノキタケとミートを組み合わせた名前です。エノキートはエノキタケを主原料として作られた代替肉で、農業法人である株式会社小池えのき(以下、小池えのき)によって開発されました。小池えのきの本社がある長野県中野市は、日本最大のきのこの生産地として知られ、エノキタケの生産量は全国の約4割を占めます。地元の食材を使った、新しいタイプの代替肉として注目を集めています。 エノキートには、発芽大豆から作られた大豆ミート「ミラクルミート(DAIZ)」を使用しています。ミラクルミートには、大豆独特のくさみがほとんどありません。ミラクルミートにはうまみ成分「グルタミン酸」が含まれていて、エノキタケのグアニル酸を組み合わせることでうまみが格段にアップし、動物の肉に劣らない独特のうまみが実現できます。 使用例:ハンバーグ エノキートを使った代表的な料理は、ハンバーグです。原材料は、エノキタケとタマネギ、大豆ミート、パン粉、調味料。原材料の半分以上が、エノキタケとタマネギです。5ミリ程度のみじん切りにしたエノキタケを使用することで、肉によく似た食感が生まれます。エノキタケは加熱すると独特のぬめりが出るため、つなぎの代わりになるという点からハンバーグに使うのに適しています。 エノキートのハンバーグは合いびき肉を使った通常のものに比べて、脂質やカロリーが少なく食物繊維が多いとされています。大豆ミートを使用しているため、タンパク質の量は通常のハンバーグとほとんど変わりません。ヘルシーでありながらタンパク質がしっかり摂取できるので、ベジタリアンやヴィーガンの人たちだけでなく、健康への意識が高い人にも支持されています。 まとめ 世界中で需要が高まっている、代替肉。代替肉と一口に言ってもその種類は多く、今回紹介した4種類以外にもさまざまなタイプがあります。 代替肉には私たちの健康維持や地球の環境保全につながるメリットがある一方で、原材料の調達や製造プロセス次第では、環境に負荷を与える可能性もあると言われています。今後、こうしたデメリットにどのように対応していくのかが課題でしょう。代替肉の分野は成長過程にあり、これからの展開に注目したいです。 https://reports.shareshima.com/274/  
代替肉とはどんな肉?大豆やきのこなど、原材料別に特徴を解説
2022.11.15

ひよこ豆(ガルバンゾー)とは?ヴィーガンに人気なおすすめレシピを紹介

プラントベース食品への関心が高まる中、じわじわと人気を集めている「ひよこ豆」。では、どうしてひよこ豆が注目を浴びているのでしょうか。この記事では、別名・カルバンゾ―と呼ばれるひよこ豆の名前の由来や特徴とともに、プラントベースフードとしての位置づけ、調理方法(レシピなど)について解説します。 この記事を読むことで、ひよこ豆が注目されている理由や背景から、ひよこ豆の食材としての魅力まで、網羅的に理解していただけます。 どうして「ひよこ豆」?名前の由来と特徴を解説 注目度が高まっている、ひよこ豆。その一方で、ひよこ豆の名前は知っていても、「どんな豆なのかよく分からない」という人は少なくないでしょう。ここでは、名前の由来や歴史・特徴、栄養価・カロリーについて解説します。 ひよこ豆の名前の由来 ひよこ豆という名前は、突起や形がひよこに似ていることに由来しています。ひよこ豆は「ガルバンゾー」と呼ばれることもあり、これはスペイン語由来の名前です。また、英語でひよこを意味する「チック」に、丸い豆という意味の「ピー」を組み合わせて、「チックピー」と呼ばれることもあります。 ひよこ豆の歴史・特徴 ひよこ豆の原産はアジア西方で、そこからインドやヨーロッパに広まったと言われています。ひよこ豆はインドでの生産が最も多く、世界の生産量の3分の2以上を占めています。 ベジタリアンの多いインドでは、ひよこ豆は日常的に使われています。ひよこ豆を割った豆をスープやカレーなどに使ったり、粉状にしたものを小麦粉の代わりに利用したりしています。日本ではひよこ豆はなじみが薄いかもしれませんが、インドや欧米諸国、中近東などでは一般的によく知られた豆です。 低カロリーなのに良質なタンパク源に ひよこ豆には、良質な炭水化物とタンパク質が含まれています。ひよこ豆の植物性タンパク質は、肉や魚などの動物性タンパク質と異なり消化にも良いとされています。また、ひよこ豆には水溶性食物繊維が多く、その量はごぼうの約2倍と言われてます。この他、ビタミンやミネラル、マメ特有のイソフラボンも含有しています。 ひよこ豆の100gあたりのカロリーは、乾燥した状態では336kcal、茹でたものは149kcal(※)です。大豆に比べて、カロリーと脂肪分が少ないのが特徴です。 出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂) 海外ではヴィーガンの間で人気も ひよこ豆はタンパク質が多く食物繊維が豊富で脂肪分が少ないことから、昨今では食肉に代わるヘルシーな食材として話題を集めています。ここでは、卵白の代用品「アクアファバ」とひよこ豆が注目を浴びる背景について解説します。 卵白の代用品の「アクアファバ」とは アクアファバはAqua(水)とfaba(豆)を組み合わせた言葉で、豆の煮汁を意味しています。ひよこ豆の煮汁を使う場合が多く、乾燥した豆の茹で汁はもちろん、市販の缶詰の煮汁を利用することもできます。ひよこ豆の煮汁を半分の量になるまで中火で煮詰め、とろみが出てきたものを冷蔵庫で冷やせば、アクアファバの完成です。 卵白を使う場合と同様に、アクアファバをツノが立つくらいまでしっかりと泡立てると、メレンゲができあがります。クッキーやパンケーキなどのお菓子づくりだけでなく、ヴィーガンマヨネーズなどにも幅広く活用できます。 ベジタリアン需要で注目度アップ ある調査によれば、ひよこ豆の市場は2020年に162億米ドルに達し、2021年から2026年の間にCAGR(年平均成長率)5.2%で成長する見込みとされています。もともと、ひよこ豆はベジタリアンやヴィーガンの人たちにとって貴重かつ経済的なタンパク質源です。それに加えて、昨今では欧米諸国を中心に世界各地でベジタリアンやヴィーガンの人口が増加し、プラントベースの食品への注目が高まっています。こうした流れを受けて、ひよこ豆の需要が増えています。 また、健康志向の高まりの中、タンパク質の重要性が多方面で言われるようになり、高タンパク質の食品を選ぶ消費者が増加しています。日本においてもプラントベースや高タンパク質の食品への関心は年々高まる傾向にあり、将来的なひよこ豆の市場の拡大が期待されています。 本場のレシピ!おいしい食べ方をご紹介 海外では広く親しまれているひよこ豆。ここでは、本場のレシピをヒントに、ひよこ豆の下準備(下茹で)の方法と、中東の定番「フムス」やインドで人気な「ひよこ豆のカレー」などのおいしい食べ方を紹介します。 ひよこ豆料理の下茹での方法 乾燥したひよこ豆はそのままでは食べられません。以下の流れで下準備(下茹で)を行います。 <下茹での流れ> ひよこ豆は、水で軽く洗って水気を切る。 ひよこ豆が浸るくらいの水を加えて、一晩おく。 鍋に2のひよこ豆を水ごと入れて、中火で加熱する。 沸騰したらアクを取り除き、好みの硬さになるまで弱火で30~40分煮る。 海外発!おすすめレシピ①:フムス フムスはひよこ豆をペースト状にした料理で、中東や地中海地域の定番料理です。材料は、下茹でしたひよこ豆、にんにく(すりおろしたもの)、練りごま(白)、オリーブオイル、塩・胡椒、ひよこ豆のゆで汁です。 下茹でしたひよこ豆をすりつぶして、すべての材料を混ぜ合わせます。調味料やゆで汁の量を調整して、好みの滑らかさと味に仕上げます。味のなじみ方を良くするために、下茹でしたひよこ豆が温かいうちに調理するようにしてください。パンや野菜などに乗せたり、肉や魚料理に添えたりするなど、幅広い料理に活用できます。 海外発! おすすめレシピ②:ひよこ豆のカレー インドでは、ひよこ豆はカレーの具材として日常的に使われています。ひよこ豆を使ったカレーは「チャナマサラ」と呼ばれ、北インドを代表する家庭料理です。ひよこ豆をメインに玉ねぎやトマトを組み合わせた、スパイシーなカレーです。各家庭によってさまざまなタイプがありますが、汁気が少なくドライカレーのようなものも多いです。 ひよこ豆を使ったカレーを気軽に作りたい場合には、ドライカレーの具材として、肉の代わりにひよこ豆を使ってみてはいかがでしょうか。もっと手軽な使い方としては、肉の半量をひよこ豆に置き換えるのもおすすめです。 市販品の水煮缶を使えば簡単 乾燥したひよこ豆を食材として使う際には「水で戻して煮る」という工程が必要ですが、市販の水煮缶を利用すれば、調理の手間を大幅に省くことができます。ひよこ豆の水煮缶はスープやサラダ、カレーにそのまま利用でき、フムスにも気軽に挑戦することができます。 まとめ 世界の人々に愛され、しかも、栄養豊富なひよこ豆。素朴な味わいでさまざまな料理に使いやすいことが魅力の食材ですが、昨今の健康ブームやプラントベースフードへの関心の高まりが、その人気を後押ししています。 日本ではまだなじみの薄い食材ですが、海外ではよく知られた食材のひとつであり、使い方次第でまだ多くの可能性を秘めていると言えそうです。
ひよこ豆(ガルバンゾー)とは?ヴィーガンに人気なおすすめレシピを紹介
2022.11.11

SDGsって何の略?知ればその意味や目標がわかる!企業やNPOの取り組み事例も解説

近年、SDGs(エス・ディー・ジーズ)という言葉が多くの場面で使われるようになり、食品業界ではさまざまな取り組みが推進されています。一方で、何となく言葉は知っていても、正確な意味や目指す姿がわからないという声も少なくありません。 そこでこの記事では、SDGsが掲げる17の目標や169のターゲットについて説明し、さらには企業やNPO/NGOの取り組み事例を知っていただくことで、SDGsの目指す姿を解説していこうと思います。 SDGsは持続可能な開発目標のこと SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、2015年9月の国連サミットにおいて決められた世界共通の目標です。2016年から2030年までの15年間の開発の指針として「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択され、その中心となる開発目標をSDGsと呼んでいます。 ちなみに、SDGsの前身である「MDGs(エムディージーズ)」では、2015年までの開発目標として8つのゴールを掲げていました。この目標が達成期限を迎えたことを受けて、次に決定されたのがSDGsです。 SDGsの17の目標とは SDGsでは、17の大きな目標が設定されています。その目標とは、「1.貧困をなくそう」「2.飢餓をゼロに」「3.すべての人に健康と福祉を」「4.質の高い教育をみんなに」「5.ジェンダー平等を実現しよう」「6.安全な水とトイレを世界中に」「7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「8.働きがいも経済成長も」「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」「10.人や国の不平等をなくそう」「11.住み続けられるまちづくりを」「12.つくる責任 つかう責任」「13.気候変動に具体的な対策を」「14.海の豊かさを守ろう」「15.陸の豊かさも守ろう」「16.平和と公正をすべての人に」「17.パートナーシップで目標を達成しよう」です。 貧困や飢餓といえば「開発途上国が対象」というイメージがあるかもしれませんが、日本の子どもの「7人に1人が貧困」とも言われていて、日本においても重要なテーマとなっています。17の目標の特徴は、開発途上国だけでなく先進国も対象にしていることです。気候変動や働きがい、経済成長など多岐に渡るテーマが盛り込まれています。 SDGsの169のターゲットとは 17の目標を達成するために設定されているのが、169のターゲットです。すべてのターゲットは、農林水産省のサイトから確認できます。一つの目標に対して平均して10個程度のターゲットが存在する計算になります。 ターゲットの内容としては、具体的な指標を示しているものもあれば、漠然とした表現のものもあります。そこで、169のターゲットをより具体化して数値目標を盛り込んだ232の指標が策定されました。SDGsの全体像として、17の目標、169のターゲット、232の指標で構成されています。 SDGsの大きな特徴は、目標を掲げるだけでなく達成状況を定期的にモニタリングすることにあります。「国連ハイレベル政治フォーラム」という枠組みを使って、毎年7月ごろに各国の進捗状況を共有しています。 食品企業が取り組む事例 SDGsの17の目標は食品業界食品業界に関わるものも多く、さまざまな取り組みが推進されています。たとえば、「2.飢餓をゼロに」では、アジアやアフリカを中心に深刻化している飢餓や栄養不良といった問題解決に取り組む企業や、「12.つくる責任 つかう責任」では、従来の大量生産・大量消費から持続可能な仕組みへと変化していく企業の姿もあります。「4.質の高い教育をみんなに」では、大手食品産業を中心に食育や環境教育が実践されています。 ここでは、食品業界における「企業が取り組むSDGs」として、いくつか事例をご紹介します。 ハナマルキ ハナマルキ株式会社は、イオンアグリ創造株式会社とのコラボレーションで「液体塩こうじ×青いトマトプロジェクト」を2022年7月にスタートさせました。食品ロスの削減につながるだけでなく、「青いトマトがおいしく変身する」と多方面から注目を集めています。 このプロジェクトは、これまで廃棄処分されてきた青いトマトを液体塩こうじと組み合わせて、青いトマトの特徴を生かしたおいしい料理に変身させるというもの。イオン農場ECサイトにて、液体塩こうじと青いトマト、ミニレシピリーフレット付のセット販売を行っています(1セットにつき液体塩こうじ1本と青いトマト6個入りで税込1000円、送料別)。 関連記事: https://reports.shareshima.com/2335/ 森永乳業 森永乳業株式会社では「笑顔を未来につなぐプロジェクト」と題して、サステナブルな社会の実現に向けて、さまざまなプロジェクトを展開しています。プロジェクトの紹介サイトでは、クイズやゲーム、漫画などのコーナーがあり、SDGsの意味や森永乳業の取り組みを子どもから大人まで楽しく理解できます。 同社の商品では、2020年度から「認証カカオ豆」を使用し、カカオ豆を生産する農家の支援や貧困問題、地球温暖化などの解決に取り組んでいます。また商品の包装には、FSC認証紙や再生紙、環境に配慮した紙を使用し、森林資源の保護を目指しています。この他、お菓子の原材料となるパーム油や印刷に使うインキなども環境にやさしいものを使うよう配慮しています。 敷島製パン 敷島製パン株式会社(Pasco)では「ゆめちから栽培研究プログラム」を行っています。このプログラムは、中学・高校生が自ら国産小麦を育て、収穫した小麦でパンを作ることにより、日々食べているものや人とのつながりに対する意識や関心を高めることを目指しています。 日本の小麦の食料自給率は約15%とされ、特にパン用小麦は、そのほとんどを輸入に頼っています。こうした状況を改善すべく開発されたのが「ゆめちから」という品種で、日本の高温多湿な環境でも栽培しやすいという特徴があります。本プログラムには、日本の小麦の生産量を増やして日本の小麦で作ったパンを広めるという想いも込められています。 NPO/NGOが取り組む事例 SDGsに取り組んでいるのは、企業だけではありません。ここではNPO/NGOの取り組みとして、TABLE FOR TWOの事例を紹介します。 TABLE FOR TWO NPO法人「TABLE FOR TWO」は、飢餓と飽食という世界規模で起きている食の不均衡を解決することをミッションにした団体です。2007年に日本で設立して以来、先進国で健康的な食生活を提供しながら、開発途上国の子どもたちに学校給食を届ける活動を行っています。 「TFTプログラム」は、先進国で食事やサービスを受け取ると、その売上の一部が寄付金となって、開発途上国の学校給食になるというものです。この仕組みは大企業の社員食堂などにも採用され、設立から15年間で学校給食数は累計9,000万食以上も届けられています。 まとめ 食品業界では、多様な視点からSDGsの取り組みが行われています。取り組み事例を見ていると、食の分野には、貧困や飢餓、健康状態の改善だけでなく、環境保全やまちづくり、教育の質の向上、パートナーシップなどさまざまな可能性があると感じました。 実は、国連サミットで193ヵ国が全会一致で採択した文書の正式名称は、SDGsではなく「Transforming Our World(我々の世界を変革する)」とされています。SDGsは、この文書の一部に書いてあったものです。 SDGsの本質を考えたとき、「食には世界を変革するための大きな可能性がある」と言っても、過言ではないでしょう。食に関わる者として、あらゆる主体が自ら考え、取り組んでいくことが大切なのかもしれません。
SDGsって何の略?知ればその意味や目標がわかる!企業やNPOの取り組み事例も解説
2022.11.08

規格外の野菜を有効活用で「隠れ食品ロス」を削減

消費者の食品ロスへの関心が高まる中、規格外野菜を有効活用する動きが進んでいます。今回の記事では、ちまたで「隠れ食品ロス」と呼ばれる問題について言葉の意味を解説し、そうした問題をビジネスで解決しようとする事例を紹介します。 「隠れ食品ロス」とは? 色や形、大きさが市場出荷の規格を満たしていない野菜は「規格外野菜」と呼ばれます。規格外野菜の多くは「外観が基準から外れている」というもので、味は通常販売されている野菜と変わりません。 規格外野菜はカット野菜やジュース、加工食品に利用されているものもありますが、約3~4割は廃棄されている現実があります。しかし、規格外野菜は市場に出回る前に廃棄されるケースが多いため、農林水産省が発表する食品ロスの統計には含まれていません。 多くの人が知らないところで規格外野菜が捨てられてしまう問題は「隠れ食品ロス」と呼ばれ、食品ロスと共に解決が求められています。 ビジネスで規格外野菜の活路を見出す 隠れ食品ロスを削減するために、これまでとは異なる方法で規格外野菜の加工や販売に取り組むビジネスが盛んになっています。いくつかその事例を見てみましょう。 最初の事例は、「おやさいクレヨン」。グラフィックデザイナーが開発したクレヨンで、優しい色合いが魅力的です。規格外を理由に廃棄されてしまう野菜で作られていて、小さな子どもも安心して使えます。 次に紹介するのは、「VEGHEET(ベジート)」。同社が展開している規格外野菜を使った野菜シートは、料理を巻いたり飾ったりする時に使えるだけでなく、水に溶かして野菜スープにするなど、料理の材料として活用することもできます。原材料は野菜と寒天のみで、国際基準の安全性を満たしています。また、規格外野菜を定価で買い取ることにより、農家の支援にも貢献しています。 最後の事例は、「UP FOOD PROJECT(アップ・フード・プロジェクト)」。規格外野菜など食のアップサイクルに関する情報が豊富に掲載されているウェブサイトで、フードロス削減に取り組む、生産者、食品製造業者、外食・流通事業者、小売業者、メディア事業者など、多種多様な事業者が参加しています。 本来は流通を促進するために設定された「規格」ですが、規格外野菜が廃棄されるなど、解決すべき課題が見えてきます。今回紹介した3つの事例を参考に、今一度あるべき姿を考えてみる必要があるかもしれません。
規格外の野菜を有効活用で「隠れ食品ロス」を削減
2022.11.04

本格化する国産コオロギ生産 ~コオロギ生産ガイドラインを作成~【昆虫食普及ネットワーク・ニュースレターVol.5】

この数年、国内でコオロギ等昆虫を食用又は飼料用に生産する企業の動きが本格化しています。しかし、事業者が個々の価値観やルール、方法で生産・販売する結果、様々な情報が錯綜して、消費者はどの情報を頼りにすれば良いのかわからないほど、良いも悪いも一緒くたになっています。日本では、山菜採りやキノコ狩りと同様に昆虫を採取して食べる食文化があることから、昆虫に特化した規制はなく、他の食品や飼料と同様に、食品衛生法や飼料安全法(通称)が適用されます。一方で、人間の管理下で、昆虫を大量に養殖(飼育生産)することは、これまでに経験がなく、人工飼育生産の過程に潜むリスクやその対策について正しく理解するものがないので状況は異なってきます。集約して大量飼育する過程で、病原菌や有害化学物質、異物の混入、あるいは特異な生理作用を引き起 こす物質が生じる可能性がゼロではありません。また、万が一にも飼育している昆虫が自然界に散逸して、自然生態系等環境へ及ぼす影響も懸念されます。そのような観点からも、健康影響、環境影響等に配慮した生産管理が求められます 1)。昆虫食に対しては、奇異な姿形のため否定派も多く 2)、1 社でも好ましくない事態を起こすと、業界全てが同じにみられて、風評等で大きな痛手を受ける恐れがあります 3)。国は産業としての実績やリスクが顕在化しないうちは法整備には動きません。そこで、昆虫ビジネス研究開発プラットフォーム(iBPF)が、民間自主ルールの第 1 号として“コオロギの食品及び飼料原料としての利用における安全確保のための生産ガイドライン(コオロギ生産ガイドライン)”を公表しました(図)。 http://www.kannousuiken-saka.or.jp/ibpf/guideline/index.html このガイドラインでは難しいことを求めるのではなく、「当たり前のことをしっかりと守って、安全に健全なコオロギを生産しましょう。」と提唱しています。ただ、販売ありきのプロモーションが溢れる中で、「人が口にするものは安全確保が最優先ですよ」とメッセージを送ることで、ゲームチェンジャーになると考えています。本ガイドラインに生産者が集まり、管理方法を定めてお互いに点検・評価することで、国産コオロギの安全確保を図ることが期待できます。ガイドライン遵守事業 者を公開する(表)ことで、消費者の皆様が購入される際の選択肢のひとつになるとともに、生産者の真摯な姿勢が国産コオロギ市場への信頼獲得と普及拡大につながることを期待しています。 <参考文献> 1) FAO : Looking at Edible Insects from a food safety perspective – Challenges and opportunities for the sector 2021、(2021) 2) 櫻井蓮、飯島明宏 : 生物工学会誌、100(6)、320–322、 (2022) 3) 藤谷泰裕 : JATAFF ジャーナル、10(7)、42-46、(2022) (藤谷泰裕/大阪府立環境農林水産総合研究所 食と農の研究部 審議役 昆虫ビジネス研究開発プラットフォームプロデューサー補佐)   ニュースレターは、NPO法人昆虫食普及ネットワークの公式HPで配信中です。
本格化する国産コオロギ生産 ~コオロギ生産ガイドラインを作成~【昆虫食普及ネットワーク・ニュースレターVol.…
2022.11.01

日本最大の青果市場で生まれた食品ロス削減のサービス

日本最大の青果市場である「大田市場」(東京都)の仲卸業者が抱えていた悩みから生まれた、ある食品ロス削減のウェブサービスが消費者から好評を得ています。その名は「みたあじ」。「みためとあじはちがう店」という直球のネーミングでユニークなサービスを展開しており、規格外野菜を有効活用する画期的な仕組みとして、注目を集めています。 「規格外野菜をおいしく届けたい」 従来、野菜の選別や出荷作業をする過程で市場の規格に該当しないものが発生すると、その多くは廃棄されていました。けれど実際には、サイズが異なっていたり、多少の傷があったりしても、味はほとんど変わらずおいしく食べられるものばかりです。そこで、仲卸業者は「規格外野菜を消費者においしく届けられないか」と頭をひねりました。そこで彼らが考え出したのが「みたあじ」です。 みたあじでは、ネットショップを経由して野菜を市場から直送しています。小売を経由する通常の販売ルートとは異なるため、収穫したばかりの新鮮な野菜を消費者に届けることができます。2021年2月にサイトの運用が開始されてから、口コミやSNSなどで話題になり、ファンを集めています。 一般消費者向けに販売している商品の中で最も人気があるのは「みたあじ・野菜おまかせ2,000円パック」。野菜と果物が10~12種類程度入っていて、2~3人の家族向けです。市場の様子を見て品目が決まるため、中身はその日によって異なります。 飲食店や流通・小売事業者向けの大量セットのラインアップもあります。「食べ物を大切に、フードロスをなくす」というみたあじのコンセプトに共感する企業が参加し、利用している事業者は、みたあじのホームページで「食の輪サポーター」として紹介されています。 利用者に寄り添い、課題を乗り越え みたあじには「自分では買わない野菜や果物に出合える」「手軽にSDGsや社会貢献に取り組める」といった魅力があります。 一方でサイトをオープンしてから、利用者の声などを通じて見えてきた課題がありました。それは、規格外の野菜や果物は通常のものに比べてデリケートであるということです。形状に凹凸があるため配送時に傷が付きやすかったり、傷口から傷みやすかったりという問題がありました。この課題を解決すべく、みたあじでは昔ながらの知恵をヒントに、野菜や果物に応じた梱包方法を採用しています。 また、利用者が野菜や果物の状態を適切に判断できるように「どこまで食べられるのか」を見極めるポイントを伝授しています。利用者に寄り添ったサービスであることも、みたあじが人気を集める大きな理由となっています。
日本最大の青果市場で生まれた食品ロス削減のサービス
2022.10.28

インドネシアのハラル認証BPJPHとは【食品ハラルビジネス進化論〜ハラル認証原料編vol.7】

こんにちは、ハラル・ジャパン協会の佐久間です。10月は記録的な円安・原料高騰と原料メーカーにとっては暗く厳しい話題が多い1か月となりました。一方、明るい話題としては、個人向けのインバウンド解禁と共に外国人旅行客が増えてきました。対応に追われる事業者も多いと思いますが、人手不足もまた深刻化しています。まずは足元の原料価格の安定を期待しつつ、新商品開発(?!)または円安を活用した輸出進出にもチャレンジしていきたいものです。 今回は、インドネシアのハラル(ハラール)認証「BPJPH」について解説していきます。インドネシアのハラル認証を学ぶと、ハラル認証ビジネスの本質が見えてきます。 2024年問題勃発?!インドネシアのハラル認証が大きく変わる インドネシアのハラル認証制度はジョコ大統領が就任した2014年から大きく動き出しました。延期・移行期間を経て、2024年には完全実施されると公式に政府コメントが出ています。 では、現在のハラル認証機関・監査機関などはどうなるのか? LPPOM MUI(インドネシアウラマー評議会の食品・医薬品・化粧品研究所)などは認証機関から監査のみの団体になると言われています(LPPOM MUIを含めて3団体程度)。したがって認証を発行するのは、国の機関であるBPJPHのみになります。 もう一つが、マレーシアが推進してきたハラル認証のアライアンス制度であり、世界中の国の機関や団体と締結して普及させてきた「相互認証制度」をインドネシアBPJPHでは基本的に用いない、としています。そこでインドネシアはハラル品には認証取得を、ハラル品ではないものはハラルでないことを記載することが必要になります。 【参考】ハラル・ジャパン協会ホームページ 日本と海外のハラル認証機関 [caption id="attachment_2518" align="alignnone" width="512"] BPJPHロゴ商品[/caption] BPJPHでハラル認証は「標準装備」に まずは原料について。今後ハラル認証は標準装備になるような予感がします。前回もお話しましたが、食品・健康食品だけでなく、「肌につけるもの」の分野に当たるハラル製品は今、インドネシアで大きく進化しようとしています。ハラル化粧品の分野は、インドネシアで現在、多くの原材料にハラル認証が要求される分野のひとつでもあります。 「身に着けるもの」である衣料品のハラル認証も、インドネシアで大きく変わろうとしています。例えば、紙おむつ類はインドネシアではほとんどハラル認証がついています。おしりふき、粉ミルクといったベビー用品には特に多いのが特徴です。 その他、冷蔵庫・テレビ・眼鏡・綿棒・浄水器・リップクリーム・目薬など、多くの関連商品にもハラル認証がついて販売されています。こうした新種のハラル認証商品は特にインドネシアで増えていて、必然的に原料にもハラル認証、ハラル性を要求されます。 また最近では、飲食チェーンの農林水産品の原料にハラル認証を要求されるところが増えつつあります。 【参考】ハラル・ジャパン協会ホームページ 【速報】インドネシアハラル認証BPJPHのロゴがついに決定!! [caption id="attachment_2519" align="alignnone" width="345"] BPJPHの元気寿司[/caption] 次回は原材料の「国内ハラルマーケット分析」について解説したいと考えます。11月第4金曜日を楽しみにお待ちください。2022年も残り2か月ですが、引き続きよろしくお願いいたします。 (佐久間朋宏/非営利一般社団法人ハラル・ジャパン協会代表理事)
インドネシアのハラル認証BPJPHとは【食品ハラルビジネス進化論〜ハラル認証原料編vol.7】
2022.10.25

セブンカフェ、マイボトル利用の実証実験。実店舗導入へ課題探る

セブン-イレブン・ジャパンは2022年9月1日、セブン-イレブン店舗内「セブンカフェ」でのマイボトルの利用促進に向けた実証実験を始めました。同社が推進するサステナビリティ活動の一環として行われていて、参加者からは前向きな感想が寄せられています。同社は実店舗での本格運用を視野に、今回の実験結果を生かしていく方針です。 本部ビルで検証、従業員の意識変革から 実証実験は、東京都内にあるセブン-イレブン・ジャパン本部ビルの5階に、カフェマシン2台とボトル洗浄機を設置して行われました。約500人の従業員が対象で、期間は9月30日までの30日間。社員にリユース可能なボトルを配布し、「金銭的な負荷があるほうが実用化に向けて有効な効果が得やすい」との理由から有料で実施しました。 カフェマシンは、店頭で利用されているセブンカフェ自販機をマイボトルが入るように富士電機が改良しました。コーヒー豆は、味の素AGF社が提供したブラックコーヒーのホットとコールド(それぞれR・Lサイズ)の4種類を使用しました。 主な目的は、従業員の環境への意識向上や紙カップやプラスチックカップなどの産業廃棄物の削減効果を検証することです。マイボトルの底に付けられたタグが読み取り機で認証されることにより、利用頻度などが分かる仕組みになっていて、このデータを基に分析が行われます。 「コーヒーが冷めにくい」と好評の声 社員に配布されたボトルはリユースが可能で、真空断熱構造でコーヒーのおいしさを長時間保温・保冷でき、密閉構造のふたにより持ち運びにも便利な仕様です。 また、パナソニックは、同社が開発したマイボトル専用の高速自動ボトル洗浄機を提供。高温水の高圧水流により、洗浄機にボトルをセットすれば約45秒でボトル内部とふたの洗浄を行うことができます。コーヒーを淹れる前に洗浄機を使えるので、ボトルを清潔に保つことができます。 参加した社員からは「取り組みに参加できて非常にうれしい」「マイボトルだとホットが冷めにくい」「洗浄機とセットになっているのはうれしい」という声が挙がっていて、特に「便利さ」について高い評価が集まっています。 実店舗での運用時期は現時点では未定ですが、将来的な導入に向けて、利用状況を確認しながら課題を抽出していく予定です。
セブンカフェ、マイボトル利用の実証実験。実店舗導入へ課題探る
2022.10.18

昆虫食のミライを語ろうvol.1【ゲスト:太田信吾さん(映画監督)】

昆虫食は「奇食」「物好き」「一部地域の食文化」として特殊性をもって語られてきました。それが2013年、FAO(国際連合食糧農業機関)の報告を機に、昆虫は急増する世界人口を支える「タンパク源=食料」としてみなされるようになり、もっとカジュアルかつポジティブに「昆虫を食べよう」という流れが日本でも一気に広がっています。 「かつて宇宙食といえば誰もが錠剤を想像していたが、今や宇宙ステーションでもおいしい食事ができるというイメージが定着した」と話すのは、昆虫料理研究家の内山昭一さん。昆虫食も「グロテスク」「おいしくない」という印象を脱却し、もっと身近に感じてもらいたいーー。そんな流れをつくっていくために、個性豊かなゲストを迎えて「昆虫食のミライ」を語ります。 自己紹介 内山)内山昭一です。毎日ではないんですが、結構頻繁に虫を食べながら暮らしています。季節的に今はセミが一番おいしい季節です。ミンミンゼミやアブラゼミなど、いろんなセミによって味が違います。そのほかにも最近はタケオオツクツクというかなり大きめな外来種のツクツクボウシが竹林で見つかることもあり、そんな新しい昆虫の食材を出会うことの楽しさに取りつかれてしまった20年です。昆虫食ってこんなにおいしくて環境的にもいいので、できるだけ大勢の方においしさや良さを知ってもらいたく、昆虫食普及ネットワークというNPO法人を5、6年前に立ち上げました。 太田)太田信吾です。映画の監督をはじめ、テレビ番組などの映像のディレクターをしています。2017年にNHKのドキュメンタリーで東南アジアの昆虫食を巡る旅を番組化したのが昆虫食との出会いです。このとき東南アジアの昆虫食を食べたことをきっかけとして、今に至るまですごく新しい食の魅力に引き込まれています。出身が長野県千曲市なので、振り返ると小さい時にイナゴを取った記憶がありまして、「どこか昆虫の味って懐かしいな」という昔の記憶が食を通じて蘇ってくることもあります。 昆虫食との出会い 内山)東南アジアでNHKの番組って、どのような番組でしたか。 太田)「旅旅しつれいします」という、世界各地を旅する旅人たちがどんなテーマを持って旅しているかを紹介する番組です。リサーチをしている段階で、昆虫食をテーマにしている佐藤裕一さんという旅人に出会いまして、なんだこれは!?と思って出ていただきました。タイの東北部、イサーン地方のコーンケンでしたね。 内山)あの辺りは今でも昆虫食が結構残っていますね。 太田)コーンケン大学のユパ教授という昆虫食を専門とされている先生を訪問して、いろいろとタイの昆虫食事情を教えていただきながら、バンコクとコーンケンを中心にいろいろな昆虫食を食べました。番組ではコーンケンのコオロギ養殖農家さんを訪ねるところをドキュメントにしました。佐藤さんはすごい活発な方で、昆虫エネルギー研究所というNPOを主宰されています。 内山)まさに昆虫エネルギーを一身に吸収した人ですよね。すごい頑張っていらっしゃる。太田さんは長野県出身ですが、昔から昆虫食に対してはある程度興味があったんですか。 太田)そうですね。小さい時にイナゴの佃煮が実家で出たなとか、そういう記憶もあってあまり抵抗もなかったんですが、東京に出てきてからはあまり食べる機会がなくなっていて、その番組を機にまた思い出したという感じです。 映像作品『エディブルリバー』について 内山)本格的に昆虫食を掘り下げてみようと思ったのは、佐藤さんと出会ったその番組以降ということですか。 太田)はい。2020年、コロナでロックダウンの期間中に、実家のある長野県千曲市に半年ほど戻りました。映像の仕事も一時延期になり時間があって、長野県中を一人で旅した時にザザムシとか蜂の子とかいろいろな昆虫食を食べさせてもらえまして。 始まりはザザムシ漁の漁師さんでした。中村さんと今年引退された菅沼さんという漁師さんがいらっしゃるんですけど。まず漁師の高齢化が課題だと知り、そこからどうやってその食文化が今後継承されていくのかと。ザザムシも食べたらすごくおいしかった。 内山)ザザムシは確かにすごくおいしいし良いんですけど。非常に(漁師は)高齢化してきているし、川が護岸工事されて漁が非常に難しくなってきているというのが現状です。そうした中であの上伊那農業高校の高校生はすごいですね。情熱がものすごい。 太田)去年(2021年)半年ほどかけて、上伊那農業高校の皆さんがザザムシを食べやすくふりかけにする取り組みをドキュメンタリー化しました。大月さんという主人公の女子高生は駒ヶ根出身で小さい時から給食でザザムシが出ていたそうで、ザザムシを食べるということが身近な体験としてベースにあったのだろうなと取材していて感じました。 この高校には、食を切り口に生徒の皆さんが自発的にいろいろなプロジェクトを立ち上げて運営するグローカルコース(グローバルとローカルをかけたユニークなコース)があります。例えばこうじを利用した甘酒など、地域の食品や食文化を扱っていろいろな商品開発をしようという取り組みをしていて、その一つがザザムシでした。 内山)給食というのはかなり大きなインパクトがあると思うんです。ただ、今ではなかなか給食で虫が出る学校ってそんなにはありません。いろんな人の意見を聞くと、小さい頃から経験した方がいいので、一番手っ取り早いのがまず給食だろうと。給食に出れば子供の頃から昆虫食に慣れてくるので、大人になっても継続していくんじゃないか、食品として捉えることができるんじゃないかという意見がかなり多いんですが、今では給食の安全面などから導入がかなり厳しくなってきていて、給食で虫を出すのは難しいようです。 この映画を見ると、伊那谷だけの文化っていうのを強調されていて、そういう局地的な文化って今もう消滅しそうなんですけど、ザザムシを養殖することまで考えている。これからの昆虫食に期待できる一つの方向性があるんじゃないかなと思いまして、この映画が非常に参考になりました。 新作『イナゴンピック』の撮影背景 内山)イナゴンピックの映像を撮られて、どうでしたか。 太田)僕も昆虫食の魅力に取りつかれてしまったところがあって、どうやったら広げていけるかなっていう思いはずっと持ってます。環境にいいからという切り口では自分でもそんなに食べたいなとは思えないので、やっぱり娯楽性とかおいしさを切り口にしないといけないなと。楽しくておいしいってところにまず出会いたいなというところで、ザザムシのふりかけと出会いました。 イナゴンピックに関しては、オリンピックとイナゴンピックをかけて、イナゴ取りをゲーム、行事としてみんなで楽しく捕ろうっていうイベントの趣旨がすごく良い。親子の交流の時間でもあり、都会の子どもたちがなかなか経験できない田んぼで自然とふれあう時間でもあり、そのエンターテインメント性にすごく引かれました。 内山)僕も同感です。これは群馬県の中之条町が始めて、もう10年以上やってると思うんですけど、前に一度参加しました。すごくみんな楽しそうにやってるんですよ。親子でとても仲が良くて、親子のつながりや触れ合い、話もたくさんできてすごく面白いんだけど、なかなか東京じゃ難しいかなと思っていたら、たまたま家の近くに田んぼがあって、そこでやれちゃった。イナゴがいないとできないわけですから、本当に幸運でした。東京でできたことは本当に良かったなと思います。 映画の中にもありましたが、毎年優勝する男の子、シュン君に「捕まえるコツは?」って聞いた時に、彼は「感じること」だと答えていたんですよね。確かにそうだなと思って、すごく印象に残りました。やっぱり五感をフルに活用して捕まえることが狩猟の原点だけれど、そういう五感というものが全然使われない環境になっている中、人間が本来持っている動物的な勘をもう一度自分で感じ直していく機会があることはすごく良い。しかも子どもの頃のこの経験が強く印象に残って大人まで継続していくとしたら、イナゴンピックはすごく意義があるんじゃないかなって。有機の田んぼっていろんな生き物があふれてるじゃないですか。世界にはこんなにも生き物があふれているということを実感する楽しさ、それから捕って食べるという命をいただくような実感。そういう喜びが、あのコンパクトな映像の中にきっちり詰まっていて、昆虫食にとっては最高のドキュメンタリーじゃないかなと思っています。 映像作品として伝えたいこと 内山)太田さんにとって、昆虫食を映画にする意味とは何ですか。 太田)一つは食の新しい可能性です。小さな時から慣れた食事が当たり前の食事という風に思ってしまっていますけれど、まだまだ世界を見渡すといろんな食文化があって、さまざまな感覚の体験、食の多様性、可能性、そういったものが秘められています。旅する中で食べたことがないいろんなものを食べることが好きなので、そういう新たな体験としての可能性を伝えていきたい。また昆虫食文化を知ることで、地球環境の持続可能性も再認識できればいいのかなって思いますね。入り口はやっぱり美味しかったり楽しかったりというところを軸に伝えていきたいです。
昆虫食のミライを語ろうvol.1【ゲスト:太田信吾さん(映画監督)】
2022.10.13

冷え対策におすすめのスパイス「ヒハツ」とは

冷え対策におすすめのスパイスとしてメディアにも取り上げられ、昨今話題を集めている「ヒハツ」。コショウの一種で、インドの伝統医学・アーユルヴェーダには欠かせないスパイスの一つです。沖縄では「島コショウ」「ヒバーチ」「ピパーツ」などと呼ばれることもありますが、現地で栽培されているものは「ヒハツモドキ」という別の品種だと言われています。 味の特徴とおすすめの食べ方 ヒハツはコショウの仲間なので、ピリッとした辛味があります。シナモンや山椒などのように独特の香りがあるのが特徴です。パウダー状になったものは料理や飲み物などに手軽に利用することができて便利です。 おすすめの使い方は「チャイ」に、ヒハツを一振りするというものです。チャイは紅茶の葉とスパイスをミルクで煮出したインドの飲み物ですが、ヒハツを加えるとよく合います。また、カレーや麻婆豆腐といったスパイスの効いた料理に、ヒハツを使うのも相性バッチリです。 ヒハツには独特の香りがあるため、慣れるまでは抵抗を感じる人もいるかもしれません。スパイシーな飲み物や料理に少量プラスすることから始めると、無理なく活用できるでしょう。このほか、麺類やスープなどの仕上げに使うのもおすすめです。 血管の老化防止や美肌効果も ヒハツに含まれる「ピペリン」という辛味成分には、血管を広げて血流を促進する働きが期待できます。また、「Tie2(タイツ―)」という成分には、酵素を活性化する作用があると言われています。毛細血管などの小さな血管にも働くため、血管の老化防止や美肌効果なども期待できます。 ヒハツの温め効果を期待するなら、一日に約1グラム(小さじ1/2程度)を目安に食べるとよいと言われています。同様に、体を温める効果があると言われるショウガの場合は、1日10g程度を摂取することが理想とされていますが、ヒハツであれば少量でその効果が期待できます。 話題のスパイス・ヒハツを上手に活用して、体の内側から温かく過ごしたいですね。
冷え対策におすすめのスパイス「ヒハツ」とは
2022.10.07

イエバエに魅せられて【昆虫食普及ネットワーク・ニュースレターVol.4】

我々は群馬県でおからを原料にイエバエを生産している養虫®農家です。 私がイエバエと初めて出会ったのは、もう8年ほど前でしょうか。千葉県でイエバエの生産工場を見学する機会がありました。豚糞を原料にして、イエバエの幼虫は観賞魚の餌として、残渣は肥料として販売していました。日本で初めての昆虫を使った民間の事業だったのではないでしょうか。しかし、豚糞由来だから汚いという言われなきイメージがあって、 世に受け入れられず、ビジネス的には難しい状況でした。4年前に、その会社の技術者と再会し、イエバエの優秀さ、可能性を再認識しました。その人と共に、豚糞ではなく、おからを原料にイエバエを生産する会社を作りました。おからというきれいな原料で、きれいな虫を育てる。それがフライハイです。 おからは人も食べるきれいな食材ですが、豆腐製造時の副産物として年間70万トンも排出され、その半分は焼却処分されています。焼却される前にいくばくかでも、タンパク質や肥料に変換して活用できれば。イエバエは成長が速く、また、タンパク質としても優秀です。なにより、昆虫食の中でも指折りの食べやすさ、おいしさです。初心者向けでもあり、 様々な料理に使える上級者向けでもあります。イエバエがコオロギに続く昆虫食の新しい柱になるといいなと思っています。もちろん、コオロギに比べてハードルがさらに高いのは承知の上です。だから、 挑戦する価値があるのです。 (左より冷凍幼虫、乾燥幼虫、乾燥さなぎ) (木下敬介/株式会社フライハイ 代表取締役)   「バタピー」ならぬ「バッタピー」【おススメの一皿】 バッタの季節になりました。というわけで、今回は バッタを使った一品をご紹介しようと思います。まずはバッタ捕りを楽しむところから始めましょう。 捕ってきたバッタは 1,2 日糞抜きをしたほうがよりおいしくいただけます。袋(洗濯ネットが便利です) に入れて物干しの隅にでもぶらさげておけばいいでしょう。それから、殺菌消毒と洗浄を兼ねて熱湯でさっとゆでます。エビやカニのように赤くなるのを見ると、それだけで食欲がわいてきます。ここでもうひと手間かけて、これを乾燥させるととても食べやすくなります。天日で干すといかにも自然食品といった感じで健康的ですが、私はいつも食品乾燥機で 70℃、4時間乾燥させています。ゆでるときに塩味をつけておけばもうこれだけで立派なおつまみになりますが、今回は味付けなしで乾燥させたものをバター適宜で炒めて塩を振って、市販のバターピーナッツと混ぜ合わせました。「バタピー」ならぬ「バッタピー」の出来上がりです。写真はトノサマバッタ等を使ったもの。これがもう、子どものおやつにもよし、お酒のお供にもよし。「みんなのバッタピー」とでも名付けましょうか。ぜひお試しあれ。 (小貫浩一)   夏に行った数々のイベントも無事、無事故で終える事が出来ました。予想以上に多くのお子さんや親御さんが参加して頂き、昆虫食への関心の高さを改めて感じることが出来ました。きっと昆虫に親しんだ今の子供が大人になる頃には、昆虫食=高タンパク食品が常識になっている事でしょう。 (須賀亮二)   ニュースレターは、NPO法人昆虫食普及ネットワークの公式HPで配信中です。
イエバエに魅せられて【昆虫食普及ネットワーク・ニュースレターVol.4】
2022.10.04

ヴィーガン待望!卵不使用の「マヨネーズ」が登場

プラントベースの市場が拡大する中、いま注目を集めているのが植物性の素材だけで作られたマヨネーズです。「ヴィーガンマヨネーズ」や「豆乳マヨネーズ」など、さまざまな名称の商品が登場しています。そこで今回は、植物性マヨネーズの魅力やバリエーションについて紹介します。 植物性の原材料でできたマヨネーズ 一般的なマヨネーズの主な原材料は、油と卵、酢です。ここに塩や香辛料などを加えて作られます。これに対して、ヴィーガンマヨネーズは「卵を使わない」というのが大きな特徴です。卵アレルギーのある人やヴィーガンの人も安心して食べることができます。 卵不使用のマヨネーズは、実は1970年代ごろから存在していましたが、ごく限られた商品しかありませんでした。昨今ではアレルギーがある人の増加やプラントベース食品のニーズ拡大を受けて、さまざまな商品が開発・販売されるようになりました。 ヴィーガンマヨネーズは厳密に言えば「マヨネーズ風の調味料」ですが、普通のマヨネーズと同様、ポテトサラダやサンドイッチ、ディップなどの料理に幅広く活用できます。 豆乳マヨネーズとマヨドレタイプ ヴィーガンマヨネーズには多様なラインアップがありますが、豆乳を使った「豆乳マヨネーズ」と、植物性の油と調味料で作られた「マヨドレタイプ」の2種類に分けることができます。 豆乳マヨネーズの主な原材料は、豆乳、菜種油などの植物性の油、酢です。白みそやメープルシロップなどで味付けをしている商品もあり、食べやすくやさしい味わいが特徴です。中でも、オーサワジャパンの「オーサワの豆乳マヨ」や、CHAYA(チャヤ)マクロビオティックスの「卵を使わずに国産大豆でつくった豆乳マヨ」が人気。どちらもマクロビオティックや自然食品に精通するブランドから発売されていて、味に定評があります。 マヨドレタイプのマヨネーズとしては、日清オイリオの「日清マヨドレ」やキューピーの「エッグケア(卵不使用)」、BOSCOの「BOSCOオリーブマヨドレ」などがあります。いずれも油やマヨネーズを製造する大手食品メーカーから発売されているもので、「従来のマヨネーズとほぼ変わらない味」として好評を得ています。 ヴィーガンマヨネーズは、普通のマヨネーズに比べて価格はやや高めという印象ですが、幅広いニーズに応える商品として人気を集めています。
ヴィーガン待望!卵不使用の「マヨネーズ」が登場
2022.09.27

食品の「無添加」表示に規制強化。煩雑化やコスト増の懸念も

2022年3月30日、消費者庁は「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」を策定しました。これにより、食品の包装などに「無添加」「不使用」と記載する際の規制が厳しくなります。今回の記事では、その背景と共に、ガイドラインの概要や現場での対応について紹介します。 分かりやすい表示を、添加物にガイドライン 消費者庁が今回のガイドラインを策定した理由として、「消費者の誤解を招くような表示の多さ」が挙げられます。これまで「無添加」「不使用」という表記について明確なルールはなく、食品メーカーの判断に委ねられていました。 そのため、パッケージに「無添加」と書かれていても「具体的に何が不使用なのか分からない」という声もありました。食品を加工する際に添加物を使わない「無添加食品」の場合、原材料には添加物を使っていることもありました。 このような分かりづらい食品表示を改善するために、消費庁が発表したのが今回のガイドラインです。ガイドラインの策定にあたり2021年3月から計8回の検討会が開催され、消費者や事業者に対するヒアリングや、食品添加物の使用状況の調査が行われました。 パッケージ変更を求められる食品メーカー ガイドラインでは、禁止事項に該当する可能性がある不使用表示を10個の類型に分けて示しています。その中には「何が無添加なのか分からない単なる『無添加』の表示」「健康や安全と関連付ける無添加や不使用の表示」が含まれています。 今回のガイドライン策定を受けて、食品メーカーなどではパッケージの変更が必要となり、製造コストや情報管理などの手間が増えることが懸念されています。不適切かつ過度な食品表示を減らし、食の安全を担保することができる一方で、無添加表示が煩雑化していく可能性も否定できません。 2024年(令和6)年3月末までの移行期間が設けられており、ガイドラインに沿った分かりやすい食品表示への移行が求められています。
食品の「無添加」表示に規制強化。煩雑化やコスト増の懸念も
2022.09.23

ハラル認証の対象商品とは【食品ハラルビジネス進化論~ハラル認証原料編vol.6】

こんにちは、ハラル・ジャパン協会の佐久間です。9月は台風シーズンです。日本列島に毎年いくつかの台風が上陸して大きな影響が出ます。日本は梅雨前線が停滞したり台風の通り道だったりしますが、おいしい水や農作物など恵みもあります、そんな島国ニッポンの原料を世界に発信していきたいですね? 今回は第6回となり、全体の折り返しになりますが、よろしくお願いします。シルバーウィーク中の皆さんも多いと思いますが、夏の疲れをしっかり取って、リフレッシュしてください。そして食欲の秋ですから、全国のおいしいものも食べてください!! 今回は「ハラル(ハラール)認証の対象商品は?」を解説していきます。イスラム諸国でも国によって対象商品が違うことをまずは理解してください。 時代と共に変わるハラル認証の対象商品 イスラム教が誕生して約1400年、ハラル認証ができて約60年ですから、時代によりハラルの対象範囲が違うことは理解できると思います。 また、昔はなかったけれど今あるモノやサービスについては常にハラル性が議論されています。例えば、遺伝子組み換え商品はハラル?それともハラルではない?はたまた、携帯電話の電磁波は?と、ハラル認証は時代によって変化し、進化するものだと考えるといいと思います。ただし、畜肉が一丁目一番地であることはイスラム諸国共通で変わりません。 ハラル認証のメインは「口に入れるもの」、つまり食べ物です。「食品・健康食品」などがメインに展開されています。そして、その次に来るのが「肌につけるもの」。化粧品や生活用品などの製品群になります。最後に、肌着などの「身に着けるもの」。体に触れるハブラシや製品のパッケージ、包装なども対象になると言われています。そうした完成品に使われる原材料は、今後ますますハラル認証の取得を要求されることが多くなってくると考えられます。 前回解説した東南アジア、南西アジア、そして中東の一部の国が主な対象で、特にマレーシア、シンガポール、インドネシアを筆頭に、タイ、ベトナム、フィリピンでもハラル認証が必要とされています。 インドネシアやマレーシアで広がるハラル認証商品 インドネシアやマレーシアのハラル認証商品の例を見てみましょう。この2か国では従来のハラル認証商品(畜肉、調味料、加工食品など)に加え、こんなものまでハラル認証が必要なの?と思えるモノにまで、ハラル認証商品が広がっています。ある意味、新種ともいえるハラル認証がモノ・サービスの分野で、さまざまなパターンで増加しているのです。 「口に入れるもの」の食品では、最近は農水産物の一次加工品にもハラル認証があります。例えば、米、牛乳、卵、キノコの一次加工品のほか、リンゴジュース、カットした魚のフィレなどがあります。穀物・果物・野菜・水産品のそのものはそもそもハラルであるとされますが、ハラル認証工場で使用する場合の原材料としてハラル認証が求められることが増えてきました。 「肌につけるもの」の分野では、ハラル化粧品は今、インドネシアで大きく進化しようとしています。ハラル化粧品の分野は現在、インドネシアのトップランナーで、多くの原材料にハラル認証が要求されるようになっています。 「身に着けるもの」である衣料品のハラル認証も、インドネシアで大きく進化しています。例えば、紙おむつの類はインドネシアではほとんどハラル認証がついています。おしりふき、粉ミルクといったベビー用品には特に多いのが特徴です。 その他、冷蔵庫、テレビ、めがね、綿棒、浄水器、リップクリーム、目薬など、多くの身近な商品にハラル認証がつくようになりました。こうした新種のハラル認証商品はインドネシア、マレーシアなどハラル認証先進国に多いような気がしますが、国により大きく違うのが特徴です。 次回は原材料の「インドネシアハラル(ハラール)認証BPJPHは」について解説したいと考えます。10月の第4金曜日を楽しみにしてください。引き続きよろしくお願いいたします。 (佐久間朋宏/非営利一般社団法人ハラル・ジャパン協会代表理事)
ハラル認証の対象商品とは【食品ハラルビジネス進化論~ハラル認証原料編vol.6】
2022.09.22

ドール初!バナナの量り売り。目指すは食品ロス削減と脱プラスチック

2022年6月から、株式会社ドールはバナナを量り売りする企画を始めました。フルーツロス削減と脱プラスチックに役立つ新しい試みとして話題を集めています。人にも環境にも優しいエシカルな行動を体現する同社の取り組みを紹介します。 プラスチック袋で1房包装の常識を覆す 通常のバナナは、1房ごとにプラスチック袋に包装されて販売されることが一般的です。1房につき4~5本入っていて「食べきれずに廃棄している」という消費者の声の他、「少ない本数で購入したい」「熟成度合の異なるバナナの食べ比べをしたい」といった要望が、以前からドールに寄せられていたそうです。 こうした背景から、バナナを必要な分だけ購入できる「量り売り企画」が店頭でスタート。この取り組みにより、食品ロスとプラスチックゴミの削減が期待されています。 量り売りでの購入方法は、まず、袋詰めされていないバナナを買いたい量だけはかりに載せます。すると、重さに応じて価格が表示され、機械から出てきたラベルを紙袋に貼って、レジで代金を支払うという流れです。 今回の企画は、イトーヨーカ堂やヤオコーなどの量販店と提携して行われています。購入方法を店頭で説明するスタッフを配置するなど、消費者が利用しやすいように工夫が施されています。 「エシカルバリューチェーンプログラム」として展開 ドールではこの量り売り企画を第一弾として、「バナナエシカルバリューチェーンプログラム」を展開しています。このプログラムは、バナナを生産から消費者の食卓に上るまでのプロセスを通して、人や社会、地域、環境に優しい取り組みを行い、その価値をつないでいく試みです。 量り売り企画と併行して、バナナの皮などの生ごみを分解・熟成して堆肥を作る「コンポスト企画」も実施しました。この企画は、量り売りでバナナを購入した人の中から参加者を募り、当選者にコンポストをプレゼントして家庭での生ごみの堆肥化のプロセスを体験してもらうというものです。 こうした一連の取り組みが注目され、同プログラムは、環境省の「令和4年度 地方公共団体及び事業者等による食品廃棄ゼロエリア創出の推進モデル事業等」に採択。食品ロス削減と食品リサイクルを実効的に推進するための先進事例と評価されています。
ドール初!バナナの量り売り。目指すは食品ロス削減と脱プラスチック
2022.09.13

環境意識で割高感をカバー!脱ペットボトルで消費者の心をつかむ

ペットボトルは非常に優れた使い勝手のよい容器ですが、プラスチックごみ問題という環境への影響を考えると、脱ペットボトル・脱プラスチックという方向性を無視することはできません。今回は脱ペットボトルの動きを、大塚製薬のポカリスエット瓶、無印良品のアルミ缶飲料という2つの事例から紹介します。 ポカリスエットはガラスのリターナブル瓶に 2022年7月12日、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、群馬県、茨城県、京都府のイオン・イオンスタイル66店舗で、大塚製薬「ポカリスエット リターナブル瓶」の販売が開始されました。爽やかな水色のガラス瓶は、おなじみのロゴが入っていながらもペットボトルや缶とは異なるガラスの質感が新鮮です。原材料などの表示は王冠への印字で対応しており、ラベルレスで余分なごみも出ません。空き瓶は売り場に併設された循環型ショッピングプラットフォーム「Loop(ループ)」を利用して回収・洗浄・再利用されます。容器を使い捨てにしないことで容器製造にかかる環境への負荷を低減できるほか、リターナブル瓶の循環を消費者が認識することで循環型社会に参加しているという当事者意識をもたらすメリットもあります。内容量は250mlとペットボトルの半分ながら、価格は248円。この248円にはデポジットの瓶代が含まれており、空き瓶を専用ボックスに返却すると77円が戻ってくるシステムです。ペットボトルに比べると高いのですが、リターナブル瓶という話題性、ガラス瓶のデザイン性の高さ、環境への配慮などから売り切れ続出の人気となっています。 無印良品は全ての飲料をアルミ缶へ 1980年のブランド創生時から環境に配慮した商品開発を続けている無印良品は、2021年4月23日から全ペットボトル飲料をアルミ缶へと容器変更しています。アルミ缶は日本国内のリサイクル率がおよそ98%と非常に高い循環型資源です。しかも、再生アルミはバージン素材からアルミを製造するよりも97%もエネルギーを削減でき、省エネルギー効果に優れています。加えて、アルミ缶を採用したことで遮光性が高く炭酸の抜けにくい容器となり、賞味期限が長くなってフードロスの削減にもつながるといううれしい効果もありました。お茶の賞味期限は270日から310日へと40日間、炭酸飲料では180日から270日へと90日間も伸びました。ただ、アルミ缶は中身が見えないため、ペットボトルの透明感に比べると購買意欲をかき立てる力に欠けます。そして、コスト面から内容量が減り、実質的な値上げになりました。しかしながら、無印良品の環境に配慮する姿勢への共感や、SDGsへの配慮から購入する人も多く、ペットボトルで販売していた時と比べても好調な推移を見せているといいます。 消費者も歓迎する環境配慮の意識 どちらの事例も、ペットボトルよりも実質的に高いというデメリットをはねのけて話題を呼び、好評を博しているのが印象的です。価格は購入要因として重要ではありますが、それだけが決定打となるわけではありません。環境への取り組みやペットボトルとは異なる容器の魅力をアピールすることで、価格面でのデメリットははねのけることができると、これら2つの事例が証明してくれています。SDGsという言葉が広く使われるようになり、社会全体の環境意識が年々高まる中、環境に配慮する企業の姿勢は消費者の共感を呼び、高く評価されているといえそうです。
環境意識で割高感をカバー!脱ペットボトルで消費者の心をつかむ
2022.09.08

プラントベースの新メニュー続々と。スタバはソイパティのマフィンを発表

2022年6月1日、スターバックスが「プラントベース」フードメニューを拡充しました。プラントベースの需要が高まりつつある昨今。市場の変化をいち早く捉えた大手企業の動きに、注目が集まります。 スタバの定番「シュガードーナツ」も新登場 スターバックスはサマーシーズン第2弾として“Yori Dori Midori”をテーマにして、おいしい「“ミドリ」”、楽しい「“ミドリ」”、サステナブルな地球の未来に想いを込めた「“ミドリ」”が感じられる商品やサービスを展開しています。その一つとして、プラントベースという選択肢が提案されています。 プラントベース商品は、主な原材料に動物性食材を使わず、植物性食材を使用したものです。今回発表されたフードメニューは、5つあります。朝食や昼食にも適した「スピナッチコーン&ソイパティ イングリッシュマフィン」と「トマト&ソイボール 石窯フィローネ」、「シェイクンミール ソイボロネーゼ」に加えて、コーヒータイムにぴったりの「シュガードーナツ」と「アーモンドミルクの抹茶ムース」です。 イングリッシュマフィンには肉の代わりに大豆を使ったソイパティ、石窯フィローネには豆から作られたソイボールとプラントベースのチーズ(乳不使用)を挟んでいます。どちらも風味が豊かで、食べ応えのある商品です。また、スターバックスの定番商品「シュガードーナツ」は、プラントベースにリニューアルして再登場。「長年愛されてきた従来品に負けないおいしさ」と好評のようです。 カゴメやミツカンもプラントベース商品を展開 スターバックスだけでなく、プラントベース商品の開発に取り組む企業は増える傾向にあります。 カゴメは、プラントベースのレトルトカレーやパスタソース、エスニック料理用のソースなどを販売しています。手軽に利用できるように、一人分のサイズで提供しているのも特徴です。 ミツカンでは、素材本来のおいしさと栄養を最大限に引き出したプラントベース食品「ZENB(ゼンブ)」を展開。野菜を丸ごとペースト状にした「ZENB PASTE(ゼンブペースト)」や黄エンドウ豆100%の麺「ZENB NOODLE(ゼンブヌードル)」など、さまざまなバリエーションがあります。SNSを中心に「おいしい」「身体にやさしい」といった口コミで話題になっています。
プラントベースの新メニュー続々と。スタバはソイパティのマフィンを発表
2022.09.06

植物由来のえびが話題に。肉から魚に拡大する代替食品

2021年10月、スイス食品大手ネスレがエビ代替食品を開発したことを発表し、一躍注目を集めました。植物由来の原料で肉を代替するプラントベース商品は魚介類にも広がり、ますます勢いを増しています。今回の記事では、植物由来のエビの原材料や特徴と共に、各国で開発が盛んに行われているプラントベースフードの現況を紹介します。 ネスレが植物由来のエビを開発 ネスレはエビの代替食品を開発し、スイスとドイツの一部店舗でテスト販売を開始すると発表しました。同社では植物由来食品の開発に力を入れていて、すでに肉や魚、牛肉の代替品を販売しています。シーフードについては商品ラインナップの拡充を進めている段階で、エビだけでなくヴィーガン用ツナ缶の販売をスタートしました。 今回開発された植物由来のエビは、海藻やえんどう豆、こんにゃくなどの原材料から作られています。エビ独特のジューシーな食感と風味を再現するべく、原材料の選定や加工を行いました。植物由来のエビの利用シーンとして、サラダやパスタ、ピザなどへの展開が想定されています。 30年で100倍に拡大するマーケット 植物由来の代替食材に対する需要は年々高まっていて、世界中で新商品が登場しています。金融大手クレディ・スイスが2021年6月に実施した調査によれば、世界の肉類や乳製品の代替食品の市場規模は2050年までに1兆4000億ドルにも上ると言われています。2021年時点での市場規模は140億ドルなので、約30年間で100倍の規模に拡大するという計算になります。 現時点では代替シーフードの売り上げは少ないものの、植物由来食品の人気は、魚介類にも今後広がっていくと予想されています。こうした流れを受けて、ネスレだけでなく、他の企業も植物由来のシーフードの開発に着手しています。 世界最大規模のタイのシーフード食品加工会社「Thai Union Group」では、「植物由来のエビで天ぷらを提供する」と発表。同社では、カニのハンバーグや点心などをすでに発売していて、今後の展開に注目が集まります。 この他、数々のヴィーガン商品を手掛けてきた「Upton’s Naturals」では、バナナの花を使った魚肉の代替食品を発表する予定。バナナの花は、東南アジアやインドなどでは食材として用いられることも多く、料理すると魚によく似た食感になります。また、米大手スーパー「Trader Joe's」では、プラントベースのシーフードの入荷を検討するなど、シーフードの代替食材の市場規模は確実に拡大しつつあります。
植物由来のえびが話題に。肉から魚に拡大する代替食品
2022.09.02

タイ産コオロギの魅力【昆虫食普及ネットワーク・ニュースレターVol.3】

初めまして、私は昆虫食の生産、製造に携わっているタイ国 BRICKET社のタナプーンと申します。タイ国は昆虫食の伝統を活かし、生産・製造に関する法令等も整備し、安全で安心な商品をタイ国 ばかりでなく世界に提供しています。又、「美味しい食品」を目指して昆虫を使った数々の商品を開発・提供し ています。 弊社 BRICKET 社は2021年4月にアジア初のバーガ ー・レストランをオープンしました。このレストランで はバーガーだけでなく、コオロギを使用したパンも、調味料も、飲み物も提供しています。 バーガーのパティは先ず、新鮮なコオロギを茹で、脚, 羽、触手を丁寧に取り除き、細かく擦りおろしたうえで 厳選した牛肉と混ぜ合わせて製造しています。ハンバー ガーには欠かせないパンにもコオロギのパウダーを使用し、開発しました。調味料にもコオロギパウダーを使用 しています。コオロギパウダーを混ぜることにより、従 来の調味料の「うま味」が増しました。大きな驚きでした。 弊社は最近、新しいプロジェクトをスタートしました。 従来の“バウンスバーガー”から“BOUNCE to the Taste of Thailand’s Cricket”に拡大しました。従来のバーガー だけでなく、コオロギを使ったあらゆる食品を一堂にご 提供することにしました。フラッペ、クロッフル、タイ の伝統的なミニライスクラッカー、クリスピーアーモン ドトゥイル等々。又、コオロギばかりでなくタイ国で生 産されるサゴワーム、エリサン等各種昆虫ベースの食品 も一堂に集めてお客様に提供しています。勿論、すべて 安全、安心な食品です。「オール・イン・ワンプレイス」 を目指しています。 お客様個々のご関心に応え、常に私どもは新しい昆虫 食品の開発・提供を心掛けています。昆虫食の美味しさ を、そしてその将来性、可能性を信じ、タイ国全土に、 そして世界中の皆様に弊社の食品を提供するという大き な夢に向かって!! ( タナプーン/RICKET 社マネージング・ディレクター) 「TAKEO」と「ニチレイ」で 昆虫のいちばんおいしい瞬間を食卓へ 2022 年 7 月、TAKEO㈱は㈱ニチレイと資本提携にいたりました。TAKEO は昆虫食専門企業として、昆虫が野菜、魚、肉などと同じような食として楽しまれるより豊かな食卓の実現に向けて様々な事業に取り組んできました。今回の提携を通じてニチレイが持つ食品開発力を活用し、昆虫食品の開発、製造、販売を強化していきます。 昆虫の「いちばんおいしい瞬間」は、きっと採れたてのフレッシュな状態です。TAKEO が築いたお客様との信頼関係とニチレイの冷凍食品技術が組み合わせれば、近い将来、昆虫の「いちばんおいしい瞬間」を届けることができるようにはずです。今後のTAKEO にご期待ください。(ニチレイのプレスリリースはこちら) (三橋亮太/TAKEO 株式会社) TV ではこの時期になると、カブトムシやクワガタなどを取り上げた番組が数多く放映されます。日本では当たり前になっている、昆虫を採集して飼育する文化は世界でも稀なことの様です。日本には昔から昆虫と共に生活 をしてきた文化が根付いているのでしょうね。 ニュースレターは、NPO法人昆虫食普及ネットワークの公式HPで配信中です。
タイ産コオロギの魅力【昆虫食普及ネットワーク・ニュースレターVol.3】
2022.08.26

ハラル認証が有効な国、そうでない国【食品ハラルビジネス進化論~ハラル認証原料編vol.5】

こんにちは、ハラル・ジャパン協会の佐久間です。残暑お見舞い申し上げます。といってもまだまだ暑い日が続きます。今回は第5回になりますがよろしくお願いします。夏休みがある人もない人も、今年は規制が少ない夏だったと思います。コロナが拡大傾向で第7波も警戒水準を超えて心配ですが、「アフターウィズコロナの時代」を見据えて、前向きに国内、海外を含めたマルチバンド対応にシフトしておきたいものです。 今回は「ハラル(ハラール)認証が有効な国、でない国」を解説していきます。ハラルビジネスにはハラル認証を使う方法と、使わない方法があることは以前に学んだと思います。そのハラル認証が有効な国、有効ではない国があることを今回はもう少し具体的にお話したいと思います。 ハラル認証が「有効な国」はどこ ハラル認証が有効なイスラム市場の国は多くありますが、やはり、東南アジア、南西アジア、そして中東の一部の国が有効と言われています。特に肉由来や原材料そのものにハラル認証が必要とされ、イスラム市場へ輸出・進出するのに重要な要素となります。高経済成長中である東南アジア・イスラム市場のマレーシア、シンガポール、インドネシアを筆頭に、タイ、ベトナム、フィリピンでも、ハラル認証が商談で有効だとバイヤーからは話が出ます。 南西アジアのインド、パキスタン、バングラデシュ等も同じです。少し東南アジアと違いますが、総じてハラル認証は有効性があると思います。 そして中東、UAEドバイやイランなどもハラル認証制度を東南アジア同様、またはそれ以上に進化させようと躍起になっています。(ハラル認証は時代とともに状況が遷移しますので、あくまでも現時点での考察になりますので、ご理解ください。) ハラル認証が必要な国を挙げると、マレーシア、シンガポール、インドネシア等の国々を中心とした東南アジア・イスラム市場をコアに、その他東南アジア、南西アジア、中東と広がっているようです。 [caption id="attachment_2171" align="alignnone" width="300"] マレーシア、インドネシア、シンガポールのハラル認証ロゴマーク[/caption] ハラル認証が「有効でない国」はどこ アフリカ・イスラム諸国(※1)を筆頭に、中央アジア諸国(CIS諸国、※2)などの国々は、肉以外のハラル認証制度が確立していない国も多いため、幾分ハラル認証制度の普及が遅れているようです。経済の発展と比例して、多数のイスラム諸国のハラル認証制度は発達すると言われていますので、時間の問題かもしれません。 また発展途上国が多く経済的な理由から、まずは「生きるための食糧確保」が第一になっている印象もあります。今後は経済の発展と共に、ハラル認証制度が普及するかもしれません。人口爆発のエリアでもありますので、今後の動向に注目したいところです。 ※1:アフリカ・イスラム諸国(市場)はアルジェリア、イエメン、ウガンダ、エジプト、オマーン、ガイアナ、カタール、ガボン、カメルーン、ガンビア、ギニア、ギニアビサウ、コートジボワール、コモロ、シエラレオネ、ジブチ、スーダン、スリナム、セネガル、チャド、チュニジア、トーゴ、ナイジェリア、ブルキナファソ、ベナン、マリ、モザンビーク、モーリタニア、モロッコ、リビア、中央アフリカなど ※2:CIS諸国とは、正式加盟国はロシア・モルドバ・アゼルバイジャン・ベラルーシ・カザフスタン・アルメニア・ウズベキスタン・キルギス・タジキスタンの9か国。 トルクメニスタンが準加盟。 独立国家共同体 [caption id="attachment_2172" align="alignnone" width="300"] ハラル認証の肉[/caption] ハラルビジネスを学習して柔軟に対応する 要は「郷に入れば郷に従う」理論です。輸出・進出のルールは、簡単に言えば1か国1ルールです。アウェイでの戦いは相手国のやり方(ルール)で柔軟に対応する。ハラル認証がいる場合といらない場合、そして数か国で共有する場合としない場合など、準備しておくことがとても重要になります。この準備がハラルビジネスの社員研修や可能性診断、認証団体選定などになるかもしれません。 次回の6回目は原材料の「ハラル認証の対象商品は?」を解説したいと考えます。9月第4金曜日を楽しみにしてください。少しだけ朝夕は秋を感じる場面もちらほら。季節は秋に向かっています。引き続き、よろしくお願いいたします。 (佐久間朋宏/非営利一般社団法人ハラル・ジャパン協会代表理事)   シェアシマ ハラル特集:こちら  
ハラル認証が有効な国、そうでない国【食品ハラルビジネス進化論~ハラル認証原料編vol.5】
2022.08.23

肉の代わりになるスゴイ豆!その可能性に注目

レンズのように平たい形状をした「レンズ豆」。欧州などではよく知られた豆であり、特にヴィーガンやベジタリアンの人たちに親しまれています。というのも、近年はレンズ豆が代替肉として使われることが多く、あらためてその活用法に注目が集まっています。レンズ豆の特徴や魅力、代替肉としての活用法に迫ります。 レンズ豆ってどんな豆? レンズ豆はマメ科ヒラマメ属の植物であり、実の部分がレンズ豆と呼ばれています。和名は「ヒラマメ」、英語では「レンティル(lentil)」です。レンズ豆には緑色やオレンジ色、褐色などさまざまな色があり、3~6ミリ程度と非常に小さいことも特徴です。 日本ではあまり親しみがありませんが、レンズ豆はインドやネパールではカレーの具材として、イタリアやフランスなどの国では煮込み料理やサラダなどによく使われています。レンズ豆は石器時代から食べられてきたと言われ、マメ類の中で最も古い歴史を持つとされています。 菜食主義者の人たちから根強い人気のあるレンズ豆ですが、その大きな理由は「栄養が豊富に含まれている」ことです。レンズ豆の栄養としては、ビタミンB群やタンパク質、鉄分、食物繊維を多く含有しています。特に、皮付きの茶色のレンズ豆には100グラム中に9.4ミリグラムの鉄分が含まれていて、これは大豆の含有量よりも多いと言われています。レンズ豆は世界五大健康食品(※)のひとつとされていて、健康的な食材であることが世界的に認められています。 ※世界五大健康食品……インドのレンズ豆のほか、日本の大豆、韓国のキムチ、スペインのオリーブオイル、ギリシャのヨーグルトが選ばれている 手軽で便利な代替肉の素材に レンズ豆は粒が小さいので、ひき肉のような感覚で利用することができます。例えば、ハンバーグや煮込み料理、カレーなどに使ってみてはいかがでしょうか。レンズ豆には特有の匂いがありますので、気になる場合は、スパイスを加えたり、濃いめに味付けをしたりしてみましょう。また、肉独特のうまみを再現するために、きのこ類や発酵調味料などと組み合わせるのも良いでしょう。 レンズ豆は水を吸収しやすいのであらかじめ水で戻す必要がなく、そのまま料理に使うことができます。また、乾燥した状態であれば長期保存が可能です。 料理に使いやすく、栄養がたっぷり含まれているレンズ豆。代替肉と言えば大豆を使った製品をよく見かけますが、新しい食材としてレンズ豆に注目してみてはいかがでしょうか。
肉の代わりになるスゴイ豆!その可能性に注目
2022.08.18

食品の3分の1が捨てられる世界、解決方法は「フードシェアリング」

少子高齢化が問題となっている日本では実感できませんが、世界の人口は増え続けています。2050年にはなんと97億人にまで増えると言われていて、さらに多くの食品が必要になることが見込まれます。すでに現在、8億人が飢えに苦しんでいる状況で、対策は急務です。その一方で、世界で作られる食料品のおよそ3分の1が捨てられています。世界の食料品廃棄量は年間13億トンにも上ります。どのくらいの量かイメージがつかないと思いますが、飢えに苦しむ人たちが必要とする食料品の数倍分に当たる、実に20億人分の食料品が失われているのです。 食べ切る・使い切ることを目標に 日本での食品廃棄物のうち、まだ食べられるものを「フードロス」というのですが、その量は約646万トン、そのうち製造・卸・小売・外食事業者による廃棄が357万トンと半分以上を占めています。ちなみに世界全体の食料援助が320万トンですから、どれほどの食料品がムダになっているのかお分かりいただけると思います。日本でも「食品リサイクル法」などを制定して廃棄量を減らす方向に進んでいますが、根本的な解決には至っていません。やはり食料品は食べ切る!使い切る!ということを第一の目標にしなければならないでしょう。そこで注目されているのが「フードシェアリング」です。 買い手・売り手の双方にメリット フードシェアリングは、使わなかったり、余ったりした食料品を、事業者や個人の間で取引する新しい仕組みです。社会貢献ができる仕組みだと思う人も多いと思いますが、これを上手く使いこなせば企業にとっても大きなメリットがあります。例えば、今までなら余らせてしまった食料品は廃棄するしかなく、経営的な損失となっていました。しかし、この仕組みを利用することで、売り手は損失を抑えることができ、また買い手は仕入れコストを抑えることができます。つまり、フードシェアリングは食料品の新しい取引方法なのです。 フードシェアリングの仕組みは世界各国で始まっていますが、まだスケールの小さいものがほとんどです。この仕組みが国全体、ひいては世界全体へと広がっていけば、廃棄される食品が大きく減るのは間違いないでしょう。
食品の3分の1が捨てられる世界、解決方法は「フードシェアリング」
2022.08.09

えのき生産者が開発!新しい代替肉「エノキ―ト」って何?

さまざまな種類の代替肉が登場する中で、えのきたけ生産者が開発した「エノキ―ト」が話題です。今回は、エノキートの原材料や食べ方と共に、エノキートの魅力について解説します。 えのきが主原料、エノキートのハンバーグ エノキート(えのきたけ+ミート)は食肉を使わずに、えのきたけを主原料として作られた代替肉です。農業法人である株式会社小池えのき(以下、小池えのき)によって開発されました。小池えのきの本社がある長野県中野市は、日本最大のきのこの生産地として知られ、えのきたけの生産量は全国の約4割を占めます。地元の食材を使った、新しいタイプの代替肉として注目を集めています。 エノキートを材料とするハンバーグは、えのきたけと玉ねぎ、大豆ミート、パン粉、調味料で作られます。原材料の半分以上が、えのきたけと玉ねぎです。5ミリ程度のみじん切りにしたえのきたけを使用することで、肉によく似た食感が生まれます。えのきたけは加熱すると独特のぬめりが出るため、つなぎの代わりになるという点からハンバーグに使うにはピッタリというわけです。 エノキートには、発芽大豆から作られた大豆ミート「ミラクルミート(DAIZ)」を使用しています。ミラクルミートには、大豆独特のくさみがほとんどありません。ミラクルミートに含まれるうまみ成分「グルタミン酸」とえのきたけのグアニル酸を組み合わせることで、うまみが格段にアップします。このように原材料の加工や選定に工夫をこ凝らすことによって、肉や卵などの動物性の素材を使わなくても、おいしいハンバーグを作ることができるのです。 エノキートのハンバーグは合いびき肉を使った通常のものに比べて、脂質やカロリーが少なく食物繊維が多いそうです。大豆ミートを使用しているため、タンパク質の量は通常のハンバーグとほとんど変わりません。ヘルシーでありながらタンパク質がしっかり摂取できるので、ベジタリアンやヴィーガンの人たちだけでなく、健康への意識が高い人にもおすすめと言えるでしょう。 おいしさの決め手は食感と3種類のソース エノキートのハンバーグが支持される理由は、まだまだあります。そのひとつが、食感へのこだわりです。えのきたけは水分量が多く独特の香りがあるため、大量に使用すると食感が悪くなったり、ハンバーグの風味を損ねたりすることがあります。こうした欠点を克服するべく、2年以上の開発期間を経て、えのきたけの使用量の黄金比を発見。おいしさを追求して試行錯誤を繰り返した結果、商品化に至りました。 ハンバーグのパティと併行して、「デミソース」「チリトマトソース」「てりやき」という3種類のソースも開発されました。温めるだけで食べられるという手軽さだけでなく、食べ比べをする楽しさも魅力的です。 2021年11月に新潟市で開催された「フードメッセinにいがた2021」では、エノキートは初登場ながら「準グランプリ」を受賞。代替肉への関心が高まっている昨今、エノキートの今後の展開に注目が集まっています。  
えのき生産者が開発!新しい代替肉「エノキ―ト」って何?
2022.08.05

昆虫食王国タイにおける 昆虫食の魅力【昆虫食普及ネットワーク・ニュースレターVol.2】

トロピカルフルーツや鶏肉の産地として名高いタイですが、実は昆虫食王国の一面も併せ持っています。高温多湿の気候が昆虫資源の宝庫を生み出し、追求された美味しさや栄養価の高さによって、昆虫食は身近な食材として地位を確立させています。 昆虫食を伝統食文化として親しみをもつタイは、早い時期から産業化へと舵を切り、産官学で研究開発を重ねて、国際基準に準拠する生産レベルを高めることに成功しました。かつては屋台で見かけることが多かったですが、現在では、多様な昆虫食の商品がスーパーやコンビニの店頭に並ぶ光景は決して珍しくありません。 タイ農業・協同組合省は昆虫食を推進するために、2017 年にコオロギ養殖場の生産工程管 理 (GAP) TAS8202(G)-2017 を制定しました。近い将来、他の昆虫食の規格も公表する予定です。また、「世界の昆虫食ハブ」という目標を設定し、チェンマイ大学、 メジョー大学、コンケン大学、カセサート大学に昆虫食分野を特化した農業イノベーションセンターを設立して、 昆虫産業をさらに盛り上げようとしています。現在では、 昆虫養殖農家が全国に約2万戸にも上り、昆虫食の生産と輸出が目覚ましい成長を遂げています。一方、民間企業でも「タイ昆虫産業協会」を年内に立ち上げるために最終調整に入っています。豊かな資源、蓄積されたノウハウ、そして、連携の取れたステークホルダーを強みにもち、タイ昆虫食産業が今後更に加速化することに違いありません。  (サコン・ワナセッティー/タイ大使館農務担当官事務所)   「セミ会」【今月のトピック】  当NPO理事長の内山昭一が始めた「セミ会」は昆虫食界の夏の風物詩となって各地に拡がっています。現代では難しい「自分で狩って。料理して、食べる」、この当たり前を体験できる魅力がセミ会にはあります。しかし、それに勝る魅力はセミが美味しいという事実です。どんな味と聞かれますが、説明は難しいので是非ご自分の舌で体験していただきたいと私は思います。勇気をもって参加した時、アリストテレスが「きわめて甘美なり」と 表現したセミの味、あなたならどう感じるでしょう?心 に残る夏の体験になること間違いないです。  (増田隆紀/NPO法人昆虫食普及ネットワーク副理事長)   どんな味?香りも楽しむ昆虫メニュー【おススメの一皿 】   5 月14 日、米とサーカス高田馬場店にて皆さんと昆虫料理を。この日は夏野菜と昆虫をテーマにレシピを考案。 タガメの香りを楽しむキャロットラペ、ジャイミル入り のペペロンチーノ、オオスズメバチの洋風じゃが、そし て試作メニューの山梨名物ほうとう(ミックス昆虫入り)でお腹いっぱい! 毎回違うメニューで参加スタッフ一同も楽しみにしています。コロナ禍が落ち着いたら、一緒に調理に参加してもらえる形で開催できるといいですね。  (阿南)   ニュースレターは、NPO法人昆虫食普及ネットワークの公式HPで配信中です。
昆虫食王国タイにおける 昆虫食の魅力【昆虫食普及ネットワーク・ニュースレターVol.2】
2022.08.04

賞味期限の年月表示化と「食品ロス」削減に向けた取り組みとは

賞味期限の年月表示化の意味とは 数年前より、食品や飲料などの賞味期限の表示を「年月日」から「年月」に変更する動きが進んでいます。年月で表示する場合、賞味期限は「表示された月の末日」です。たとえば、「21年12月」という表示があれば「2021年12月31日」までおいしく食べられるということになります。 こうした変更の背景には、2015年9月に国連で採択された「SDGs(持続可能な開発目標)」における17の目標のうち「12 つくる責任 つかう責任」が大きく関係しています。目標のなかのターゲットには「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる」というものがあります。 賞味期限を年月で表示することにより、おいしく食べられる期限が延長し、その結果として食品ロスの削減に貢献できるのではと期待されています。 物流の効率化にもつながる 賞味期限の年月表示による大きなメリットとしては、「物流が効率化する」ことも挙げられます。小売店に商品を納める場合の商習慣として、「賞味期限がそれ以前に納品したものと同じか、新しいものでなければならない」というルールがあります。年月日による表示の場合、メーカーや業者は1日刻みで商品の在庫を管理する必要が発生します。 さらに、メーカーと小売店が取り引きする際には「3分の1ルール」というものもあります。これは、賞味期限の3分の1以内の期間に小売店に商品を納めて、店頭では残り3分の1になる期間まで販売することができるというルールです。つまり、賞味期限が9カ月の商品の場合、製造してから3カ月を経過すると出荷できず廃棄され、食品ロスになってしまいます。つまり、賞味期限の年月表示は食品ロス削減とともに、物流の効率を改善することにもつながります。 日本の食品ロスは、年間約600万トン(平成30年度)といわれており、これは東京ドーム5杯分にあたる量です。日本は食料自給率が低く、多くの食料を海外から輸入しています。それにも関わらず、大量の食品ロスを出しているという現状があります。 2019年10月に「食品ロス削減推進法」がスタートし、食品ロスに対する関心も高まりつつあります。賞味期限の年月表示など大きな流れを把握するとともに、私たちが身近にできることを考えてみませんか。
賞味期限の年月表示化と「食品ロス」削減に向けた取り組みとは
2022.08.02

昨今話題の「16時間断食ダイエット」ってどんなもの?

16時間断食ダイエットとは 数ある食事法やダイエット法のなかで、少し前から話題を集めているのが「16時間断食ダイエット」。昨今、食べ過ぎによる不調が多方面で指摘されています。断食の健康効果に関する研究が進むとともに、断食への注目も高まっています。しかし、長時間の断食はハードルが高いと思っている人も多いでしょう。 16時間断食ダイエットは「プチ断食」のようなものであり、初心者でも取り組みやすいという特徴があります。このダイエット法は、文字通り空腹時間を1日あたり16時間つくるという意味です。つまり、食事を1日2食摂取することができます。たとえば、夜8時に夕食を済ませたら、次の日の朝食はなしで昼食を12時以降に食べるという流れになります。 では、16時間の断食をすることでどんなメリットが期待できるのでしょうか。それは大きく3つあります。まずは「胃腸を休ませることができる」ということです。1日3食の生活では、胃腸は常に稼働している状態ですが、胃腸に休息を与えることで弱っていた消化器官が回復するといわれています。 2つ目のメリットは、「脂肪が燃えてダイエットや生活習慣の予防ができる」ということです。空腹の状態が続くと、体の脂肪が分解されます。これによりダイエットだけでなく、生活習慣病の予防にもつながります。 最後に「アンチエイジングになる」というメリットもあります。16時間の断食により、アンチエイジングにも役立つ「オートファジー」が活性化するといわれています。オートファジーとは、古くなったたんぱく質を除去して細胞が新しく生まれ変わる仕組みのことです。東京工業大学の大隅良典教授がオートファジーの研究により、2016年ノーベル生理学・医学賞を受賞したことでも知られています。細胞が生まれ変わることで、若返りや病気の予防にもつながります。 16時間断食ダイエットの注意点 16時間断食ダイエットには注意点もあるので、押さえておきましょう。まず、一般的に1日3食から2食になることで、1日の摂取カロリーが減る傾向があります。そのため、成長期の子どもや妊娠中の人、体力のない人、闘病中の人などは控えるようにしてください。どうしても試してみたい場合には、医師に相談するようにしましょう。 また、16時間断食ダイエットの効果を高めるためには、断食後に何を食べるかも大切です。お腹が空いたからといって、高カロリーのものを食べたり、量を食べ過ぎたりすると逆効果になってしまいます。栄養バランスをしっかり考えてから、スタートするようにしたいですね。  
昨今話題の「16時間断食ダイエット」ってどんなもの?
2022.07.29

ハラル認証がいるハラルビジネス、いらないハラルビジネス【食品ハラルビジネス進化論~ハラル認証原料編vol.4】

こんにちは、ハラル・ジャパン協会の佐久間です。今年は暑い日が続いた後で雨の日が続いたりと、梅雨明けと梅雨時期がテレコになったような「異常気象」ですが、その異常が通常になることがとても怖いです。コロナ禍も含め、新しい課題の原料高、資源高、さらには燃料高などがありますが、人間の叡智で何とか乗り越えていきたいものです。 今回は「ハラル認証がいるハラルビジネス、いらないハラルビジネス」を解説していきます。ハラルビジネスに取り組むには大きく2通りの方法があります。一つはハラル(ハラール)認証を取得して対応する方法、もう一つはイスラム教やハラルなどをきちんと学び、原材料成分や扱い方で対応する方法です。今回はこのことについて具体的にお話していきます。 ハラル認証取得は「パスポート」⁈ ハラル認証が必要なハラルビジネスは、多くの原材料メーカー様が直面している、現在進行形の課題です。イスラム諸国のバイヤー等にハラル認証取得を要求され、指定のハラル認証を取得して、輸出します。日本では原材料メーカーのハラル認証取得はここからスタートしたといっても過言ではありません。 最近は高い経済成長の東南アジアのイスラム市場で、マレーシア、シンガポール、インドネシアを筆頭に、タイ、ベトナム、フィリピンからもハラル認証原材料の引き合いが多いと思います。今後もこの傾向は続き、ハラル認証を取得しての輸出も増えますが、現地製造のために海外進出する企業も並行して増えていくと見ています。輸出するものか?現地で製造するものか?の種分けの時代に入ったと考えられます。 エビデンスハラル(成分ハラル)の有効性 ハラル認証がいらないハラルビジネスでは、ハラル認証を取得してはいないが、「原材料はハラルですよ」「作っている工場やラインはこんな状況ですよ」ということをバイヤーと確認しながら輸出を進める、いわゆる「エビデンスハラル(成分ハラル)」という手法があります。 海外へ輸出するには、原材料を輸出したい国の「輸出可否」をそれぞれ確認する必要があります。原材料の詳細スペックを確認する必要があるので、事前に社内の研修やセミナーでイスラム教ないしはハラルの基本を学習しておけば、プラスアルファで「エビデンスハラル(成分ハラル)」を確認することができます。その情報を商談でバイヤーに伝えることで、ハラル認証は取得していないが、実質ハラル原料だから使用可能だったり、マレーシアやインドネシアなどで製造するハラル認証食品の原料として扱われたりします。 インバウンド対応はソフトに 国内のインバウンド対応に目を向けると、これからはアフターコロナ時代に入ります。日本に働きに来る外国人、学びに来る外国人、そして遊びに来る外国人はこれからもどんどん増えます。しかし、日本は非イスラム教の国ですから、本格的なイスラム教対応は難しく、国内で展開される手法の多くは、ハラル認証に頼らないマーケティングになると考えられます。ただし、素材や物にもよります。畜肉そのもの、または畜肉由来、油脂及び油脂由来などの原材料には、日本国内であってもハラル認証取得が有効な場合がありますので、対応を準備しておくといいと思います。国内は基本的な対応を学べば、ハラル認証に頼らない方法で問題ないと考えています。 次回は原材料の「ハラル認証が有効な国、そうでない国」について解説したいと考えます。8月の第4金曜日を楽しみにしていてください。また、夏バテや熱中症にも留意ください。引き続き、よろしくお願いいたします。 (佐久間朋宏/非営利一般社団法人ハラル・ジャパン協会代表理事)   シェアシマ ハラル特集:こちら
ハラル認証がいるハラルビジネス、いらないハラルビジネス【食品ハラルビジネス進化論~ハラル認証原料編vol.4】
2022.07.28

発展途上国の子どもを救う「ゴールデンライス」、期待の裏で続く議論

2021年、遺伝子組み換え米「ゴールデンライス」の商業栽培がフィリピンで初めて認可され、話題になりました。ゴールデンライスは、発展途上国の子どもたちの健康を守るために開発された作物ですが、環境への負荷や人体への影響を巡る議論が続いています。この記事ではゴールデンライスが生まれた経過から、商業栽培認可の各国動向までを解説します。 ビタミン不足を防ぐ遺伝子組み換え米 ゴールデンライスは、ビタミンAを強化した遺伝子組み換え米です。発展途上国では、「ビタミンA欠乏症」による子どもの失明や死亡が相次いでいます。ビタミンAには目などの粘膜を正常に保つ働きがあるとされています。ビタミンAが慢性的に不足した状態が続くと、目が見えなくなり、最悪の場合は死に至ることもあります。ビタミンAを含む食品は数多くあり、先進国では不足しづらい栄養素です。しかし、世界では5歳未満の子どもの約3分の1は、ビタミンAの不足により失明の危険性があると言われています。 この問題を解決するために生まれたのが、ゴールデンライスです。ドイツのフライブルグ大学の教授とスイスの植物科学研究所の職員によって、約8年間の研究を経て生まれました。アジアの貧困地域では、おかずなしでごはんだけを食べるケースが少なくないため、ビタミンAを多く含む食材として米が選定されたのです。 議論を呼ぶ中、商業栽培認可へ 発展途上国の子どもたちを救う目的で開発された、ゴールデンライス。その一方で実用化に至るまでには、自然環境や地域住民への影響、安全性などの面からさまざまな議論がありました。一般的に遺伝子組み換え作物の栽培には、農薬や化学肥料が必要であり、土の質が悪くなる場合があります。また、種子を入手するために多額の費用がかかることから、農家にとっては負担が大きく、生活が厳しくなる場合があります。さらに、ゴールデンライスを食べた場合の人体への影響についても懸念の声が挙がっています。 こうした状況の中で、フィリピン政府がゴールデンライスの商業栽培を世界で初めて認可しました。バングラデシュも認可を目指していて、その動向に注目が集まっています。オーストラリアや米国、カナダの食品安全規制当局ではゴールデンライスを安全と評価しているものの、商業栽培の認可はしておらず判断が分かれています 私たちの食事は世界の問題、そして人間の健康と深く関わっています。簡単に答えを導くことのできるような課題ではありませんが、ゴールデンライスの事例はそのことを私たちに示してくれています。
発展途上国の子どもを救う「ゴールデンライス」、期待の裏で続く議論
2022.07.26

大豆ミートに代わる食卓の新定番「大豆チップス」のポテンシャル

大豆を主原料として作られる、大豆チップス。植物性の素材から作られているため、グルテンを含まない「グルテンフリー」が基本で、動物性の食材を控えている人達も安心して食べられます。低糖質でタンパク質が多く、ヘルシーなおやつとして人気を集めています。大豆チップスの魅力から簡単なアレンジ方法までを紹介します。 現代人に不足しがちな栄養素が豊富 大豆チップスはたんぱく質のほかに、亜鉛や鉄、マグネシウム、食物繊維などを含有しています。現代人に不足しがちな栄養素が豊富なのが人気の理由です。また、糖質が少ないのも大きな特徴です。大豆チップスの糖質量は、一般的なポテトチップスの4分の1程度とされています。 大豆チップスと一口に言っても、いろいろな種類があります。例えば、油で揚げているものと揚げていないもの(ノンフライ)、味や香りが付いているものなど。カレー味や青のり味などの味が付いたタイプは、大豆特有の匂いが和らぎ食べやすいものが多いです。 購入できる場所は、以前は自然食品店や輸入食材店、インターネット通販が主流でしたが、昨今の人気を受けて、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどでも入手できるようになりました。 大豆ミートの代わりにも!簡単アレンジで食卓に 大豆チップスはそのまま食べられますが、ひと手間加えることで、さらにおいしく味わうことができます。 例えば、大豆チップスにトマトソースやサルサソース、アボガドをつぶしたものなどを添えると、おつまみや軽い食事としても楽しむことができます。味が付いていない大豆チップスか薄味のものを使うのがおすすめです。大豆ミートのような感覚で食卓に並べることができるのでご家庭でも重宝します。 こうしたアレンジを加えると、食べ方のバリエーションが広がってお客様をもてなす際にも喜ばれるかもしれません。ぜひ参考にしてみてください。  
大豆ミートに代わる食卓の新定番「大豆チップス」のポテンシャル
2022.07.22

すぐに捨てるのはもったいない!日本で深刻化しているフードロス問題の原因と対策

皆さんは「フードロス」や「食品ロス」という言葉を聞いたことはありますか。人が食べるために作られたはずの食品が、作りすぎや食べ残し、期限間近という理由でまだ食べることができるのに、廃棄をしてしまうことを「フードロス」といいます。国連の食糧農業機関(FAO)によれば、世界で廃棄されている食品の量は13億トンにも及びます。環境省が発表した日本における食品廃棄物は2759万トンで、そのうち本来食べられるのに捨てられてしまった食品は643万トンにも伸びります。フードロスはさまざまな影響を及ぼします。無駄に廃棄することによって、ゴミの処理コストが大幅にかかってしまったり、作っても食べない食品やその原材料を作るための多くの肥料や水が無駄になってしまい、自然環境に悪影響が出ます。また、今現在地球上で9人に1人(約8~9億人)が飢餓に苦しんでいます。もしフードロスの原因である廃棄量分を分配することができれば、飢餓に苦しむ人がいなくなるとさえ言われています。 フードロスを招く「3分の1」ルール フードロスが起こる原因は、さまざまな段階で発生しています。例えば、過剰生産した原材料の廃棄や加工段階での不良品の処分など。ところが中でも大きな原因として、「3分の1ルール」という日本の商慣習が挙げられます。3分の1ルールとは、食品を製造してから賞味期限までの3分の1の期間が経過するまでに小売企業のもとに納品できなかった食品は製造会社に返品されるというものです。この3分の1ルールが原因となって、多くの食品が廃棄されてしまっているのが現状です。他にも、パッケージの印字ミスやレストランや店舗などでの食べ残しのほか、消費者のもとで食品が賞味期限切れとなってしまうこともフードロスを発生させる原因となっています。 フードロス対策は家庭でも 最近ではフードロスをなくすための対策や改善していくための働きが増えています。日本を含む世界では、これらの事情により廃棄せざるを得なくなった食品や、規格外で販売することができなくなった食品を買い取り、インターネット上や地域イベントなどで販売することによって、無駄をなくしていく活動があります。 他にも、企業間で必要な材料、食品を必要な分だけ買い取ることにより、過剰製造や食べ残しを減らすサービスも増えています。 一般家庭でも十分フードロスをなくす対策をすることができます。食品を購入する際に、賞味期限の近いものから必要な分だけ購入し、期限が切れる前に使い切りましょう。外食の際に頼みすぎによる食べ残しを減らすだけでもだいぶ変わってきます。こうした1人1人の心掛けからフードロス改善につながっていくからです。
すぐに捨てるのはもったいない!日本で深刻化しているフードロス問題の原因と対策
2022.07.21

食べられる炭?豊富な栄養にダイエット効果も

炭は古くから私たちの暮らしに密接な関わりがありますが、最近「食べる炭」の人気が高まっていることをご存知でしょうか。炭を食べる習慣は昔からあったものの、その栄養や効果が再び注目され、さまざまな商品や食事法などが登場しています。この記事では、食用炭の歴史や栄養と、簡単な活用法について紹介します。 食用炭の歴史と使われ方 炭と一口に言っても、備長炭や竹炭、木炭(白炭・黒炭)など材料や焼き方によってさまざまな種類があります。一般的な用途として、燃料や水の浄化、土壌改良、調湿・脱臭などがあります。そこに加えて、昨今注目を集めているのが「炭を食べる」という使い方です。 炭を食べる習慣は最近始まったものではありません。「炭職人に胃腸の悪い人はいない」と昔から言われていて、炭職人たちは調子が優れない時に炭を食べていたとされています。また、忍者が解毒剤として炭を携帯していたという話もあります。これは炭の持つ吸着効果を利用したもので、腸内にたまった老廃物を排出する働きが期待されています。 また、炭には細かい穴がたくさん開いていて、そこに地中のカルシウムやカリウム、鉄分などのミネラルが豊富に含まれています。つまり、炭を食べることによって、ミネラルを手軽に摂取することができるのです。 セレブに話題のダイエット活用術も 最近の食用炭はパウダー状になったものが多く、耳かき2~3杯分を1日の摂取量の目安として、料理やデザート、飲み物などに加えます。食用炭を加えると黒色になるので、コーヒーなどに加えて混ぜたり、ソースやドレッシング、焼き菓子などにアクセントとして加えたりするのがおすすめの使い方です。どうしても色や風味が苦手という場合は、サプリメントを利用するという方法もあります。 炭は英語で「チャコール」と呼ばれ、海外では美と健康に欠かせない食材として注目を集めています。セレブ達の間で話題の「チャコールクレンズダイエット」は、炭のパウダーを水やジュースなどで割って飲むだけの食事法です。寝る前に飲むことで、翌朝にデトックス効果が期待できるとされています。炭の作用により、厳しい食事制限をすることなく、体を内側から整えることができるのも人気の理由のひとつです。 食用炭を使ったお菓子やドリンクは、見た目のインパクトもあり、SNSでも話題になっています。ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
食べられる炭?豊富な栄養にダイエット効果も
2022.07.19

食べてSDGsを実践!サステナブルチョコレートって何?

SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)では2030年までの達成を目標として、17のゴール・169のターゲットが設定されています。こうした流れを受けて、食品業界でもさまざまな取り組みが進められています。この記事では、昨今注目を集める「サステナブルチョコレート」とは何かについて、事例を交えて解説します。 チョコレート原産国が抱える課題に対応 私たちが普段食べているチョコレートの原産国では、生産者の貧困や児童労働、森林減少などたくさんの課題が山積みになっています。こうした課題を解決するために生まれたのが「サステナブルチョコレート」です。サステナブルとは「持続可能な」という意味の英語で、サステナブルチョコレートは人権や環境、経済課題に配慮した方法で製造されています。つまり、消費者はこのチョコレートを選ぶことで、生産地や生産者を間接的に支援することができます。 サステナブルチョコレートは昨今、人気が高まっています。自然食品店や輸入食材店、インターネット通販だけでなく、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどでもよく見かけるようになりました。美味しくてお洒落なパッケージのものが多いので、自分で食べるのはもちろん、プレゼントにもおすすめです。 サステナブルチョコレートの人気商品2選 サステナブルチョコレートは海外のものも含めると数多くの商品がありますが、ここでは国内で人気の商品を2つピックアップして紹介します。 ピープルツリー フェアトレード&オーガニックをテーマにしたチョコレート。フェアトレードとは、「公正な取引」という意味で、発展途上国の生産者・労働者の生活を改善し、自立を支援する仕組みのこと。カカオ豆だけでなく、砂糖やトッピング素材もすべてオーガニックの素材を使っていて、おいしさにも定評があります。ミルクチョコやビターチョコ、植物性ミルクを使用したベジシリーズなどもあり、定番商品から個性的なものまで幅広いラインナップです。 meiji THE Chocolate(明治ザ・チョコレート) 日本の老舗ブランド「meiji」が手掛けていて、ベネズエラやブラジル、ペルー、ドミニカ共和国という生産地別に、4種類のチョコレートが展開されています。meijiは以前からカカオ農家の支援を行っていて、生産地の井戸の整備や環境に配慮した農法を教える取り組みをしてきました。スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどでも販売されているので、手軽に試すことができるのも魅力です。   チョコレートをおいしく食べて生産者も幸せになるのであれば、これほど素晴らしいことはないでしょう。これだけSDGsの考え方が広まったことを考えると、消費者にとってもこうした選択肢が当たり前の世の中になるのかもしれません。    
食べてSDGsを実践!サステナブルチョコレートって何?
2022.07.14

食品や原材料の相次ぐ値上げ、その理由とは?

2021年秋ごろから、大手食品メーカーによる商品価格の値上げが相次ぎ発表されています。食品や食品原材料の値上げが続いていますが、これにはどのような理由があるのでしょうか。そして、なぜこれほどまでに話題になっているのでしょうか。 原油高や円安によるコスト増 食品や食品原材料の価格は、年々上昇し続けています。これは、世界規模での人口の増加や人件費の高騰、地球温暖化や天候不順による収穫量の減少などが主な理由とされています。これに加えて、最近の値上げは脱炭素化の動きやロシアのウクライナ侵攻により原油価格が跳ね上がったことや、急速に円安が進んだことも大きく関係しています。原油高が進むと物流コストが上昇し、円安が進むと輸入コストが増大するためです。 ほかにも、値上げの背景には、コロナ禍での生産規模の縮小や中国の食糧需要拡大などさまざまな要因が絡んでいます。原材料によって値上げの理由は少しずつ異なりますが、食品の原材料の多くを輸入に頼っている日本では、深刻な問題となっています。 特に、小麦粉や植物油脂、大豆、砂糖の値上げが目立っていて、小麦粉を主原料とするパンや、食用油を使ったマヨネーズの価格改定が相次いでいます。これらの原材料の値上げは、冷凍食品や醤油、食肉や魚の加工品、豆乳の価格にも影響します。食品メーカーでは、調達コストの削減や商品のリニューアル、仕入れ量の管理による食品ロス削減などの対策を講じているものの、値上げが止まらないというのが現状です。 値上げが話題になっているのは、なぜか? 値上げや物価上昇自体は、必ずしも悪いものではありません。物価上昇は景気拡大と同調しているケースも多く、商品の値上げにより企業の売上高が増加すれば、社員の給料アップと消費活動の活発化につながるからです。これにより、景気が好調になる可能性もあります。 しかし問題なのは、物価が上昇しているにもかかわらず給料が増えない状況です。不況であるのに物価上昇が進むことを「スタグフレーション」と呼び、昨今の値上げラッシュはこちらに傾いていると言えそうです。1970年代のオイルショック後の日本の状態と似ていて、暮らしやビジネスに大きなダメージを与えます。これは、値上げが話題になっている理由に大きく関わっています。 日本の食品業界だけでなく、食品の値上げは世界規模で進行しています。  
食品や原材料の相次ぐ値上げ、その理由とは?
2022.07.07

世界初!味をデータ化する「フードNFT」とは

最近、いろいろな分野で「NFT(エヌエフティー)」という言葉を聞くようになりました。食品業界では「フードNFT」が登場し、注目を集めています。とはいえ、まだ一般にはなじみの薄いフードNFT。その言葉の意味や現状について、こちらの記事でわかりやすく解説していきます。 フードNFTって何? フードNFTとは、誰もが「食べてみたい」「作ってみたい」「伝えたい」と思う世界中の魅力的な料理のレシピや味をデータ化したものです。、株式会社味香り戦略研究所(東京)が有する味覚データ分析技術を活用しています。 フードNFTという名称は、料理や食品という意味を持つ「Food」と、「Non-FungibleToken」の略称である「NFT」を組み合わせたものです。NFTは直訳すると「非代替性トークン」で、「世界にひとつしかない物やデータ、技術」「作成者や所有権などを証明できる仕組み」という意味を持ちます。 フードNFT市場を創出するために設立された「NFTコンソーシアム」には、企業や学校、個人などさまざまな主体が参加しています。同コンソーシアムのホームページによれば、ミッションは「レシピ味をデータ化した『フードNFT』市場を世界に創出すること」。彼らは「世界中の味の記憶遺産(資産)」、「未来に残すべき伝統の味」、「文化として価値ある味」を後世に残していくことをヴィジョンに掲げています。 「味の著作権」の運用が可能に レシピや味をデータ化した「レシピデータ」と「味覚データ」を、強固な安全性を誇るブロックチェーンの技術を活用して保存し、NFT化します。こうすることで、データが永久的に保存・証明され、効果的な活用が可能になり、「味の著作権」の運用が可能になります。 そして日本で2022年4月、世界初のフードNFTが誕生しました。セディカル株式会社(山口県周南市)が同年発売した健康志向と食の楽しさを両立するチョコレート「ケトサポート」のレシピデータと味覚データがNFTコンソーシアムに提供され、海外からも注目を集めました。 フードNFTはまだ新しい概念ですが、その先にはさまざまな可能性が広がっています。今後もその動向に注目していきたいものです。
世界初!味をデータ化する「フードNFT」とは
2022.07.06

伝統から革新へと脱皮する昆虫食【昆虫食普及ネットワーク・ニュースレターVol.1】

哺乳類の祖先ラオレステスから始まり、猿人、原人、旧人、新人と進化するなかで、人類は 400 万年の間身近で採集しやすい昆虫を日々の糧としてきました。日本でも 1919(大正8)年の調査で 55 種類もの昆虫が食べられていましたが、その後の食の西欧化で一部地域を除き昆虫は食べ物とみなされなくなってしまいました。世界は急速な人口増加と工業化による環境悪化が顕在化し、気候変動対応や生物多様性保全などの「環境」「持続性」が農業政策の最重要項目になってきています。 FAO が 2013 年に出した昆虫食を推奨するレポート『食用昆虫:食料と飼料の安全保障に向けた将来の展望』はこうした背景から生まれたものでした。世界的な趨勢を受けて農林水産省は 2020 年、完全資源循環型の食料供給と高い QOL の実現に向けて「フードテック官民協議会」を設立。そのなかに作業部会「昆虫ビジネス研究開発 WT」が設置されました。 哺乳類誕生とともに食べられてきた伝統食の昆虫が、新たな革新的な価値を付与された食材に脱皮しようとしています。受容傾向(食物新奇性嗜好)の高い消費者への働きかけ、そのための喫食機会の拡大や新たなメニュー開発が急務です。このたび発刊に至ったニュースレターが、昆虫の社会受容性を推進する情報発信ツールとなることを切に願っています。 (内山昭一/NPO法人昆虫食普及ネットワーク理事長)   夏はセミがおすすめ!【7月のトピック】 夏、昆虫食好きの私たちにとって待ち焦がれた狩りのシーズンです。今夏ぜひ狩って、食してもらいたいのは「セミ」。狩って楽しく、食べておいしい食材です。成虫を明るいうちに網で、日没後に羽化のために地面から出てくる幼虫を手で捕らえます。ミンミン、アブラ、ニイニイ、クマゼミ、外来種タケオオツクツク等のセミ種、幼虫と成虫、性別によって味、食感がかなり違いますので食べ比べの楽しみもあります。セミ食に興味が動いたなら、セミ会や昆虫食を楽しむ会等イベント参加をお勧めしたい。そこで得た新しい経験が今もなお私にとって昆虫食の最大の魅力だからです。 (増田隆紀/NPO法人昆虫食普及ネットワーク副理事長)   スズメバチ幼虫・蛹とピーマン、松の実の炒め物【7月の一皿】 スズメバチ幼虫と蛹は 巣から抜いて湯通しし、幼 虫は糞抜きしておく  細切りピーマン、乾燥松 の実、スズメバチをサラダ オイルで炒め、麺つゆで味 付け、最後に擦りごまを振 りかける 食材メモ: スズメバチ幼虫 は丁寧に糞抜きすると臭み も少なく、あっさりした甘味と旨味があります。野菜と炒め物や煮物にするなど何の料理にも使いやすい食材です。成虫の形になっているものは、オオスズメバチの場合は殻が硬く炒める程度では口当たりが悪いので別な料理に使いますが、コガタスズメバチ等では幼虫や蛹と一緒に料理してもまた違った 食感が楽しめます。  (樋口素子)     ニュースレターは、NPO法人昆虫食普及ネットワークの公式HPで配信中です。  
伝統から革新へと脱皮する昆虫食【昆虫食普及ネットワーク・ニュースレターVol.1】
2022.07.05

樹木由来の蜂蜜「甘露蜜」に注目!栄養はマヌカハニー以上

健康志向が高まる中、蜂蜜の効能が注目を集めています。いろいろな種類の蜂蜜がありますが、その中でも「甘露蜜」はトップクラスの栄養があるとされています。この記事では、樹蜜ハニーの概要と、味や香り、栄養について紹介します。 ハチミツの種類と甘露蜜の定義 蜂蜜には花由来のものと樹液によるものの大きく2種類があります。前者の対象となるのは、野山や樹木の花、ナッツや果物の花、ハーブの花などいろいろな花々の蜜です。一種類の花から採蜜されることもあれば、蜜蜂が複数の花の蜜を集めてブレンドした「百花蜜」もあります。花の種類によって色や香り、味などに違いがあります。また、同じ花であっても採れる場所や気候によって少しずつ変化が生じます。 これに対して、後者の樹液からつくられる蜂蜜は「甘露蜜」「甘露蜂蜜」「ハニーデューハニー」と呼ばれます。ヨーロッパでは「森の蜜」と呼ばれることもあります。利用される主な樹木は、松やオーク、菩提樹、アカシア、レザーウッド、トチなどです。 一般的に「蜂蜜」と言うと、花由来の蜂蜜を指すことが多いです。花由来の蜂蜜に比べると甘露蜜は希少品であるため、日本ではあまり知られていないかもしれません。しかしヨーロッパでは、甘露蜜は「栄養が豊富で体に良い」「抗酸化作用が高い」とされ、高い人気を誇っています。樹液が昆虫の体内を通過する際に虫の酵素と合わさるため、ミネラルを豊富に含有しているといわれています。 ギリシャでは兵士の元気の源だった ギリシャの小さな町・スパルタは、甘露蜜の生産地のひとつです。特定の木の枝に付いているカイガラムシが分泌する糖度の高い液を蜜蜂が吸い、蜂蜜が作られます。雨の日はカイガラムシが動かないので採れる量が減ることもあり、希少な蜂蜜です。ここで採れる蜂蜜は優しい甘さがあり、かつては「兵士の元気の源」とされていました。2400年ほど前のスパルタはアテネと並ぶ強い都市として知られていましたが、甘露蜜も関係していたのではと言われています。 豊富な栄養があり、古代ギリシャでは元気の源とされてきた甘露蜜。日本ではまだ親しみの少ない食材ですが、マヌカハニーに続いて、今後人気が高まっていくかもしれません。ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。 ※蜂蜜は、ボツリヌス菌が含まれている場合があるため、1歳未満の子どもには食べさせないように注意しましょう。  
樹木由来の蜂蜜「甘露蜜」に注目!栄養はマヌカハニー以上
2022.06.30

「電子レンジ対応」で広がるレトルト食品の可能性

疲れていたり、時間がなかったりするときに便利なレトルト食品。簡単に短時間で美味しく食べられることから、災害時の備蓄としてストックしている人も多いかもしれませんね。近頃では電子レンジ対応のレトルト食品も増えてきました。パウチをそのまま電子レンジで温められるので、お湯を沸かす手間すら必要なく、より便利で時短にもなります。今回はそんな電子レンジ対応のレトルト食品について、登場の背景や今後の展望を考察します。 レトルト食品の特徴は何といっても湯せんで温めるだけで食べられる点です。「食べたいその時にお湯さえ沸かせばお腹を満たせる。なんという魅力!」レトルト食品の黎明期にはそんな感激があったに違いありません。しかしレトルト食品が普及するにしたがって、簡単手軽な湯せんという調理法も当たり前のものと受け止められるようになっていきました。それどころか、一から食材を準備して調理するのに比べれば圧倒的に簡便なのに、お湯を沸かすことすら手間だと感じられてしまうようになってきました。 その背景には電子レンジの存在が見え隠れします。現在電子レンジの家庭への普及率は100%に近く、まさに「一家に一台」が現実のものとなっています。作り置きの料理や冷凍食品などを電子レンジで温めて食べることが一般的となった今では、湯せんは簡単ではあるけれども一手間かかる調理法となってしまったのかもしれません。 食品メーカーは電子レンジの可能性を強く意識しました。2003年には大塚食品から世界で初めての電子レンジ対応レトルトカレーが登場。湯せんではなく電子レンジ対応になったことで、調理はより簡単かつ短時間で済むようになりました。それだけではなく、電子レンジ調理の方が湯せん調理に比べて二酸化炭素の排出量が少ないので、環境負荷も軽減されます。簡便、時短かつエコな電子レンジ対応レトルト食品は多くの食品メーカーにより開発が進み、カレーだけでなくパスタソースやスープ、丼やお惣菜などバラエティに富んだラインナップが展開されています。 コロナ禍で外食機会が減った代わりに、調理済み食品を購入し家で食べる「中食」市場は拡大し、冷凍食品やレトルト食品の利用も増加しています。食品メーカーの努力と技術の進歩により、レトルト食品はよりおいしくなり、今や「おいしいから」とレトルト食品の多彩なメニューを楽しむ人も増えてきています。 食生活のニーズは多様化しています。以前の「おいしくない」「手抜き」といったマイナスイメージは払拭されつつあり、個食化や高齢化などからも電子レンジ対応レトルト食品の需要はさらに高まるでしょう。またコロナ禍をきっかけとした健康意識の高まりもあり、塩分制限やタンパク質制限などに対応した治療食、成人病予防食などの分野への進出も考えられます。電子レンジ対応レトルト食品は私たちの未来の食卓の選択肢を広げ、より健康で豊かな食生活を支えてくれそうです。
「電子レンジ対応」で広がるレトルト食品の可能性
2022.06.28

古くて新しい昆虫食、日本のルーツは郷土料理にあり

タンパク質危機の課題解決のひとつとして、「昆虫食の普及」が推進され始めています。昆虫食と聞くと新しい食事法のように感じるかもしれません。実は、信州など日本の郷土料理には昆虫を使ったものも多く、世界的にも注目を集めています。この記事では、昆虫を使った郷土料理について解説します。 タンパク質危機で脚光浴びる昆虫食 2025~2030年頃に起こるとされている「タンパク質危機」。タンパク質危機とは、増加し続ける世界人口に対して、牛肉や豚肉を主とするタンパク質の供給が追い付かず大幅に不足してしまうこと。この課題を解決するためのひとつの方法として、昆虫食が注目を集めています。 昆虫食の魅力としては、タンパク質が豊富に含まれることや育てるための水や飼料が少ないこと、飼育の過程で発生する温室効果ガスの排出量が少なくて済むことなどが挙げられます。国連食糧農業機関(FAO)は昆虫食を推奨していて、環境負荷の少ないサステナブルな食料として話題になっています。 その一方で、一般の人たちの間では昆虫食に対するネガティブな意見も少なくありません。ある調査で昆虫食に対するイメージを尋ねたところ、「気持ち悪い」「おいしくなさそう」という声も多く出ていました。 信州の暮らしに根付いた昆虫食文化 日本では、昔から昆虫を食べる地域があります。ここでは、昆虫を使った郷土料理が多いことで全国的に有名な信州の事例を紹介します。 信州でよく食べられている昆虫といえば、蜂の子やイナゴ、カイコ、ザザムシがあります。これら4種類を総称して「信州四大珍味」と呼び、カイコを除いた3種類は「信州三大珍味」とされています。この中で初心者にも比較的食べやすいのは蜂の子とイナゴで、佃煮(つくだに)にして食べることが多いです。 蜂の子はスズメバチの幼虫・さなぎ、イナゴは稲作の害虫とされるバッタのことです。カイコは生糸の生産のために飼育されていた虫で、一昔前までは長野県では飼育が盛んでした。ザザムシは水生昆虫でありヒゲナガカワトビケラの幼虫のことで、主に天竜川で採集できます。長野県の伊那谷で食べられていますが、世界的には食べる習慣がほとんどありません。 自然と共生する暮らしの中で生まれた、昆虫食。イナゴやカイコなどは、稲作や製糸業を営む過程で副産物として発生するもので、人々の生活に深く結びついていました。昆虫食をより身近なものとして捉えるために、信州の郷土料理に目を向けてみてはいかがでしょうか。  
古くて新しい昆虫食、日本のルーツは郷土料理にあり
2022.06.24

ハラル認証取得の基本を学ぶ【食品ハラルビジネス進化論~ハラル認証原料編vol.3】

こんにちは、ハラル・ジャパン協会の佐久間です。6月中旬、マレーシア、シンガポールに2年ぶりに出張に行きました。現地で見て聞いて、食品原材料のハラル(ハラール)ビジネスはますます盛んになると確信を持ちました。3回目となるこちらの回では、本丸のハラル認証について解説します。 国際認証のハラル認証に世界統一基準がない!? ハラル認証は「国際認証のひとつ」ですが、世界統一基準がありません。世界中に350以上のハラル認証団体(機関)が存在しています。国が運営する機関から、各種団体、株式会社、個人が運営する団体まで、さまざまです。この多くのハラル認証機関・団体等々の中から、自社の目的に合わせて選ぶ必要があることを、まずは念頭に置いてください。 特に日本はイスラム教徒の国ではないことから、ハラル認証団体は許認可団体ではありません。したがって輸出国、製品、目的により、話の前提となるハラル認証の有無から、取得すべきハラル認証も違うことを理解する必要があります。自社でハラル認証団体を選択することが最も大切な点です。 ハラル認証は、大きな部分ではイスラム教のハラルが原理原則ですが、多少の差異があります。具体的には、5つのカテゴリーを確認してハラル認証の発行がされています。1つ目は商品の選定で、最終製品であればネーミングなども関係することがあります。2つ目は原材料がハラルかどうか?です。入口の原材料がハラルでなければハラル認証は取得できません。3つ目は工場の確認で、製造工場の建屋、製造ラインの確認をします。ヴィーガン認証等は少し違い、現地で接触コンタミ(コンタミネーション:混入)がないか?の確認を行います。4つ目は原材料、中間製造物、最終製品の倉庫(置場)がハラル品とレギュラー品(一般品)とできちんと分けられているか?の確認もあります。5つ目はイスラム教徒の従業員等がいなくてもハラルチーム(他のFSSC、HACCPなど国際基準と同様)を作り、内部規定で管理することなどを満たしているか?これらのチェックを経て、ハラル認証の証明書やハラルロゴマークを発行しています。 東南アジアイスラム市場ではハラル認証が輸出パスポートに ハラル認証団体(機関)により難易度、料金、取得期間、対応言語、申請種類等が違います。ピンキリとは言いませんが、大きく違うことを理解しておくといいと思います。まずは初期費用、更新費用などを照会し、見積書をもらうこと、そして実際にハラル認証商品の効果測定ができる3年間のトータル金額をハラルビジネスの専門家に助言を受けるといいと考えます。最近は高経済成長の東南アジアイスラム市場で、マレーシア、シンガポール、インドネシアを筆頭に、タイ、ベトナム、フィリピンからもハラル認証原材料の引き合いが多くなっています。 それぞれの国でハラル認証商品を作り、東南アジア域内や南西アジア、中東等に輸出していると考えられます。ハラル認証原材料が他の国際認証と同様、一般品に付与される、一種の輸出時のパスポート的な国際認証の一つになる勢いです。 次回の4回目は原材料の「ハラル認証がいるハラルビジネス、いらないハラルビジネス」を解説したいと考えます。7月第4金曜日を楽しみにしていてください。 (佐久間朋宏/非営利一般社団法人ハラル・ジャパン協会代表理事)   シェアシマ ハラル特集:こちら
ハラル認証取得の基本を学ぶ【食品ハラルビジネス進化論~ハラル認証原料編vol.3】
2022.06.23

それってマーガリン?「植物性バター」とは

タンパク質危機や健康志向の高まりに合わせて、植物性の代替食品が次々と登場しています。そんな中、話題を集めている「植物性バター」をご存知でしょうか。植物性の素材で作られたバターのことで、じわじわと支持を集めています。この記事では、マーガリンとはまた異なる、植物性バターについて解説します。 バターなのに乳製品は不使用 植物性バターは、乳製品不使用の植物性油脂食品です。別名「ヴィーガンバター」と呼ばれることもあります。大豆やオリーブ、アボガド、ココナッツなどの植物性の油をベースにして、そこに水や香料、保存料などを加えて作られます。固形またはペーストの状態をしていて、硬さは通常のバターにそっくり。乳製品特有の香りがなくさっぱりとした口当たりですが、植物性とは思えないほどのコクや濃厚な味わいがあります。 植物性バターは、通常のバターと同じように利用できます。パンに塗って食べるのはもちろん、料理やお菓子づくりに使うのもおすすめです。植物性バターは大手スーパーやインターネット通販で入手できます。植物性バターと一口に言ってもいろいろな商品があり、添加物が含まれていないものやそのまま食べてもおいしいものもあります。購入する前に原材料などのラベルをしっかり確認するようにしましょう。 マーガリンとの違いは?  バターによく似た植物性の食材と言えば、マーガリンもよく知られています。マーガリンは、バター不足を解消するための代替品として生まれたもので、バターの代用として使われることもあります。では、植物性バターとマーガリンの違いはどんな所にあるのでしょうか。  マーガリンの定義は「日本農林規格(JAS規格)」に定められており、「油脂が80%以上含まれるもの」とされています。一般的なバターは牛乳の脂肪分からできていますが、マーガリンはコーン油や大豆油、パーム油、なたね油、実油などをベースに、乳や乳製品、食塩、ビタミンA、乳化剤などを加えて作られます。  一昔前までは「バターよりもマーガリンはヘルシー」と言われていましたが、最近はトランス脂肪酸の危険性が指摘されることもあります。それを受けて、トランス脂肪酸を極力減らしたマーガリンの開発に取り組む企業も出始めています。 用途や目的によって選択する幅が増えるのは、消費者にとってはうれしいことです。植物性バターを店頭で見つけたら、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。 シェアシマ/プラントベースフード関連原料特集 上記バナーをクリックすると、シェアシマの原料検索ページに飛びます。
それってマーガリン?「植物性バター」とは
2022.06.21

食事も個別最適化の時代へ、味のデジタル化の先は

視覚や聴覚は、音や光という物理的刺激を量で測定できる、シンプルな感覚だと言えます。対する味覚は、食品に含まれる数百種類もの化学物質の絡み合いの中で捉えられる繊細で複雑な感覚です。味覚センサーは1990年代に実用化され、進化してきました。現在では香りや複雑な味わいを数値で示し、それをデータベース化して解析することもできるようになっています。主観的感覚とも言える味覚を測定し、客観的な数値として表す「味覚のデジタル化」。急速に発達してきたこの技術は、私たちの食を巡る身近な風景にどのような変化をもたらすことになるのでしょう。 味覚のデジタル化により、既にある味を再現するだけではなく、意外な組み合わせで生じる新しい「おいしさ」も発見されています。プリン+醤油=ウニ、牛乳+たくあん=コーンスープといった組み合わせによる味の変化を耳にしたことはありませんか。これらは味をデジタル化し、分析したことで分かった新しい味の組み合わせの一例です。 そもそも味を測定するという概念は、ここ10年ほどの考え方です。それまでは味わいとは一人ひとりの主観的感覚で、測定できるとは考えられていなかったのです。味覚センサーは急速に進化してきています。さまざまな味を測定して数値化するだけでなく、かなり正確に味や香りを再現できるようになってきました。九州大学特任教授の都甲潔氏は、音楽を視覚化して再現可能にする楽譜と同じように、味や香りを再現する「食譜」を作り出すことも夢ではない、と言います。味をデータとして蓄え、再現できるようになれば、あまたある味の中から好きな味を選択することもできるようになるでしょう。 味のデジタル化により、消費者は自分の好みを見つけやすくなるでしょう。すでに現在でも、お茶やコーヒー、アルコール類などでは味の特徴を示したチャートが存在しますが、ゆくゆくは食品全般にこのようなチャートが活用されることが考えられます。そして、グルメ番組のレポーターによる料理紹介にも、食レポと共にチャートや食譜が使われるようになるのかも?  
食事も個別最適化の時代へ、味のデジタル化の先は
2022.06.16

香港発のエッグワッフル、ウィズコロナ時代の新定番に?

香港の屋台で大人気のローカルスイーツ「鶏蛋仔(ガイダンチャイ)」。日本ではエッグワッフルやバブルワッフルの名で知られていて、今、人気が急上昇しています。店舗だけではなくキッチンカーでも販売できることから、その機動性はまさに「ウィズコロナ時代向け」。SNS映えするその見た目も相まってファンを獲得し続けています。 香港で1950年代から広く親しまれているという鶏蛋仔は、タピオカ粉を使用したボリューム満点のワッフル。本場ベルギーで使われる格子状の型ではなく、小さな卵が並んだような独特の型を使うことで、ぷくぷくとしたインパクト抜群の形になります。作り方のポイントは手早く焼き上げた後、金網に乗せて自然の風で乾かすこと。この一手間が外はカリカリ、中はモチモチの食感を引き出す鍵なのだそうです。 香港では生地そのものを味わう「プレーン」が主流のようですが、ニューヨークのチャイナタウンでは、アイスクリームやフルーツを豪華にトッピングするアレンジが発展しました。このニューヨークの流れから、日本でも豪華なアレンジバージョンが人気となっています。ボリューミーでSNS映えする形状が好評で、インスタグラムでは#バブルワッフルで3万件、#エッグワッフルで1.9万件もの投稿があります。 エッグワッフルは店舗だけでなく、全国津々浦々のキッチンカーでも販売されています。昔からキッチンカーの王道商品と言えばクレープですが、エッグワッフルは同じような原材料と設備で作ることができます。定番であるがゆえに目新しさがなくなったクレープから、次なるブームへの期待が高まるエッグワッフルに成り代わる選択肢は十分あり得ます。 移動式のキッチンカーは、ウィズコロナの社会との親和性が高い販売形態です。コロナ禍の終息がいつになるかはいまだ見通せないものの、SNS映えするトレンドスイーツを食べ歩きしたいという欲求は、コロナ禍の2年間で蓄積されていることでしょう。街角やイベント会場などでエッグワッフルのキッチンカーが増えたら、その人気に火がつくかもしれません。ウィズコロナ時代の新しいトレンドに注目したいところです。
香港発のエッグワッフル、ウィズコロナ時代の新定番に?
2022.06.14

最古の植物「スピルリナ」。その豊富な栄養に熱視線

地球上に存在する最古の植物とも言われる、「スピルリナ」。最近はサプリメントなどでもよく見かけるようになり、その豊富な栄養が注目を集めています。この記事では、スピルリナの概要と栄養、簡単な活用法を紹介します。 スーパーフードのスピルリナとは? スピルリナは塩水湖に生息する藍藻類の一種であり、約30億年前から地球に生息しているとされています。その形は円を描くようならせん状になっており、スペイン語でらせんを意味する「Spira」からスピルリナと命名されました。 スピルリナには、質の良いたんぱく質やベータカロテン、ビタミンB群、鉄などのミネラルなどの栄養を含有しています。たんぱく質には、人体では合成されない必須アミノ酸がすべて含まれています。また、日本人女性に不足しがちといわれる鉄は、スピルリナ4gを摂取すると一日摂取量目安の半分をとることができます。 このほか、高血圧予防に効果が期待されるカリウム、骨を丈夫にするために必要とされるカルシウムやマグネシウムなどのミネラルも豊富に含んでいます。こうしたことから、「スーパーフード」と呼ばれることもあります。昨今の研究などにより、スピルリナが糖尿病や高血圧などの生活習慣病の予防に役立つという論文なども出ています。 スピルリナの簡単な活用法 スピルリナを摂取する方法はいくつかありますが、スピルリナのパウダーを利用すれば、手軽に摂取することができます。このパウダーはきれいな緑色をしていて、独特の香りがあります。青汁のパウダーを使うような感覚で、お湯などで割ったり、ヨーグルトにかけたりして食べることができます。スムージーやドレッシングを作る際に加えたり、パンケーキや焼き菓子などに混ぜたりするなど、いろいろな料理に活用することができます。 「香りが苦手」「一定の量を毎日摂取したい」という場合には、スピルリナのサプリメントを活用するのもおすすめです。サプリメントであれば、簡単に決まった量を毎日摂取することができます。サプリメントには錠剤やカプセルなど、いろいろな形状があるので好みにあったものを探してみるといいでしょう。 昨今注目を集めているスピルリナには、栄養が豊富に含まれていることが分かりました。気になる人は、食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
最古の植物「スピルリナ」。その豊富な栄養に熱視線
2022.06.09

塩麹の次は「玉ねぎ麹」がくる!簡単でおいしい作り方と活用法

発酵食ブームとともに、塩麴やしょうゆ麹などの発酵調味料の人気が続いています。では、昨今にわかに注目度が高まっている「玉ねぎ麹」をご存知でしょうか。塩麴のように、日々の料理に活用することができる万能調味料です。ここでは、玉ねぎ麹の魅力と作り方、簡単な活用法を紹介します。 万能調味料「玉ねぎ麹」とは? 玉ねぎ麹の材料は、玉ねぎと麹、塩です。玉ねぎ麹には旨味がたっぷりと含まれているので、コンソメやうま味調味料の代わりに活用することができます。玉ねぎ独特の甘さや香りがあり、10分ほどで簡単に仕込めるのも大きな魅力です。「料理を簡単に作りたい」「化学調味料に頼りたくない」という人にぴったりです。 また、玉ねぎ麹を使うことで玉ねぎの健康成分を摂取することもできます。玉ねぎの匂いの素である「硫化アリル」という成分には、血液をサラサラにしたり冷えを緩和したりする効果があるとされています。この成分は熱に弱いため、生の状態で食べる場合に有効と言われています。 玉ねぎの健康成分としてはポリフェノールの一種「ケルセチン」も有名です。アレルギー症状の緩和や脂肪分解酵素の働きを促進するなどの効果が期待されています。この成分は、油との相性がよく熱に弱いとされています。 麹には、30種類以上の酵素が含まれており、消化促進やビタミンB群の生成を促す働きがあるのだとか。つまり、玉ねぎ麹を日々の料理に使うことによって、料理の味がワンランクアップするとともに、体に良い効果も期待できるということです。 玉ねぎ麹の作り方と活用法 玉ねぎ麹を作るための材料は、玉ねぎ(すりおろしたもの)300g、乾燥した麹100g、塩35gです。麹は板状のものであれば、事前に手で細かくしておきましょう。すべての材料をよく混ぜ合わせて、清潔な保存瓶に入れて常温で1週間~10日程度寝かせれば、できあがりです。 おいしく作るポイントは、2点あります。ひとつめは、1日1回混ぜるようにすること。こうすることで、発酵が促進されます。もうひとつは、蓋は軽くかぶせておくようにすること。密閉してしまうと空気が入らないため、発酵が進みにくくなってしまいます。 玉ねぎ麹の簡単な活用法としては、お湯で溶いて即席スープにしたり、サラダのドレッシングや和え物に使ったりするのがおすすすめです。また、塩麴と同様に魚や肉の下味として素材にもみこんでおくと、加熱しても柔らかい食感に仕上げることができます。 簡単に作れて、体にもうれしい効果が期待できる玉ねぎ麹。一度試してみてはいかがでしょうか。  
塩麹の次は「玉ねぎ麹」がくる!簡単でおいしい作り方と活用法
2022.06.07

お土産により多くの情報を、QRコード活用術

スーパーで普段用に買うお菓子なら高いと感じる価格でも、お土産品のお菓子であればそうは思わず、つい手が伸びてしまいませんか。お土産には普段食べるお菓子とは異なる魅力があります。旅の記憶、旅してみたいという願望が詰まっているからかもしれません。そんなお土産のパッケージに旅の余韻、あるいは旅への期待を膨らませる情報につながるQRコードを印刷し、アクセスしてもらうことで、現地への訪問者やお土産の売上を増やす可能性が広がります。 入口としてのQRコード スマートフォンの普及はあっという間に進みました。総務省の調査によると、2020時点での世帯保有率は86.8%。もはやスマートフォン、そこから世界へとつながるインターネットは、もはやインフラと言っても過言ではないでしょう。そして、QRコードを使えば長いURLを入力する手間もなく、目的のサイトへ簡単にアクセスすることができます。 しかし、アクセスしてもらわなければ、QRコードはただの模様です。何の情報も伝えることはできません。記号やマークでも何らかの意味を持ちますが、その点QRコードは単なる入口でしかないのです。 いかにしてアクセス率を高めるかが、QRコード活用の鍵となります。 長崎銘菓として親しまれている小浜食糧株式会社の「クルス」には、「景観クルス」というお土産向け商品が展開されています。絵葉書サイズで税込314円。長崎の代表的な観光地や、長崎市の祭り「長崎くんち」がパッケージに印刷されていて、手軽におすそ分けできるお土産として好評なのだそう。裏面にはQRコードが付いていて、地元菓子メーカーだからこその詳細で興味深い情報にアクセスできるようになっています。 QRコードの先に広がる世界 旅先の観光情報などを動画や画像、テキストで見られれば、現地を訪れる前の予習、あるいは逆に一度訪れた地をより鮮やかに思い出す一助となります。さらに、メーカー独自の商品についての豆知識や創業秘話を伝えたり、通信販売サイトへと誘導する機能を持たせたりすることもできます。食べるという行為は味を楽しむだけでなく、そのものにまつわる情報まで含めて味わう体験でもあります。何も知らずに食べるよりも、多くの情報を知って食べる方がより深く味わえるとすれば、パッケージへのQRコード掲載はとても有効な手段だと言えるでしょう。パッケージの限られた面積で伝えられる情報量には限りがありますが、QRコードのアクセス先にはその制限がありません。特にお土産というジャンルでは地域の印象を残すことができるかが鍵を握っており、その影響はリピート率にまで及ぶと考えられます。 毎月、あるいは季節ごとに現地の様子や新製品などの情報を更新していけば、「食べるたびにQRコードにアクセスする楽しみ」が生まれ、これまでにないお土産品の魅力をアピールすることもできそうです。
お土産により多くの情報を、QRコード活用術
2022.06.03

食品ロスの発生元をたどる─行き着く先は事業者?一般家庭?

日本では1年間にどれほどの食料が出荷されているかご存知でしょうか。農林水産省の発表によれば、2016年度は8,088万トン(※1)もの食料が出荷されたそうです。ところが、そのうち約34%に当たる2,759万トンが食品廃棄物として処分され、さらには廃棄された食品のうち約23%にあたる643万トンがまだ食べられるものだと言うのです。こうした食品ロスはさまざまな場所で発生しており、全体の55%が食品関連事業者から、残る45%が一般家庭からとおよそ半分ずつ。それぞれの立場でこの現状と向き合う必要があることが分かります。 食品ロスの現状を知る 食品関連事業者は大きく4つに分けられ、食品ロスの大部分を占めているのは食品製造業と外食産業、次いで食品小売業、食品卸売業で、それぞれの発生要因は以下の通りです。 食品製造業:製造工程のロス(パンの耳や畜水産物の骨など)、返品など 外食産業:食べ残し、仕込みロスなど 食品小売業、食品卸売業:過剰生産、売れ残り、破損品、納品期限切れなど 食品廃棄物の業種別内訳でみると食品製造業が約82%と圧倒的に多いですが、大豆粕や米ぬか、パンくず、おからなど均質で量が安定していることから分別が容易で、飼料や肥料へのリサイクルに適しているとされています。一方、分別が困難なのは外食産業から排出される廃棄物。調理くずや食べ残しは家畜に対して有害なものが混入する可能性があり、飼料へのリサイクルには不向きなものが多いとされています。代わりに、他のリサイクル手法に比べて分別が多少粗くても対応できるメタル化が行われています。   それでは、一般家庭の食品ロスの現状はどうでしょうか。家庭の食事(世帯食)における食品ロス量は、2014年度の世帯調査によると一人1日当たり40.9g。食品別で見ると、最も多いのは野菜類(19.5g)で、次いで果実類(7.3g)や調理加工食品(4.2g)などが続きます。一人1日当たりの食品使用量は約1.1kgなのでそこまで多く感じませんが、これが何百人、何千人、何億人…と増えていくと莫大な量になるのは明らかです。また、食品使用量の世帯員構成別では単身世帯が約1.5kgと最も多く、2人世帯は約1.3kg、3人以上世帯は約950gという結果が出ており、これと比例して食品ロスが発生しています。要因としては過剰除去(※2)や食べ残し、直接廃棄(※3)などが挙げられます。 食品ロスは食品関連事業者と一般家庭、どちらかが気をつければいいという問題ではありません。まずは現状を理解し、その上で双方が食品ロス削減のためにできることを考え、対策に動き出すことが必要です。   (※1)粗食料と加工用の合計。粗食料とは、1年間に国内で消費に回された食料のうち、食用向けの量を表す。 (※2)調理技術の不足や過度な健康志向により廃棄すること。例えば野菜や果物の皮を厚く剝き過ぎるなど。 (※3)買いすぎや長持ちしない保存方法により廃棄すること。
食品ロスの発生元をたどる─行き着く先は事業者?一般家庭?
2022.06.02

話題のえんどう豆プロテイン、素材を生かした味が人気の秘訣

 プロテインブームが続くなか、甘さやフレーバーの入ったタイプではなく、素材そのままの自然な味を求める人も増えていています。今回の記事では、こうした人たちに支持されている「えんどう豆プロテイン」について解説します。 えんどう豆プロテインとは?  たんぱく質の重要性が注目されており、美と健康など多方面から指摘されるようになりました。プロテインとはたんぱく質のことで、不足しがちなたんぱく質を手軽に補うアイテムとして人気を集めています。  えんどう豆プロテインは、えんどう豆を原料とする植物性たんぱく質のこと。乳製品や卵、大豆などのアレルギーの心配がない、アレルゲンフリーの食材です。また、牛などを育てる場合に比べてえんどう豆は栽培しやすく、大量の水やエネルギーを必要としません。動物性プロテインに比べて、環境にやさしいという特徴もあります。  栄養面では、えんどう豆プロテインにはアミノ酸の一種「BCAA(分岐鎖アミノ酸)」や「アルギニン」が多く含まれています。いずれのアミノ酸も筋肉づくりに効果が期待できると言われており、筋トレや運動との相性が良いとされています。また、えんどう豆プロテインは、大豆などのほかの植物性プロテインに比べて、消化・吸収しやすいという性質もあります。 えんどう豆プロテインの活用法  えんどう豆プロテインと一口に言っても、いろいろな種類があります。店頭で見かけることはまだ少ないですが、インターネット通販では手軽に購入できます。素材をそのまま使ったものだけでなく、鉄やカルシウムなど女性に不足しがちな栄養をプラスしたものもあります。また、砂糖などの甘味料やココア味などのフレーバー入りのものもあるので、好みに合わせて選んでみてはいかがでしょうか。  えんどう豆プロテインを手に入れたら、まずはシンプルに水かお湯で割って飲んでみましょう。えんどう豆特有の風味があるため「飲みにくい」と感じることもあるかもしれません。その場合は、豆乳や牛乳などで割ると飲みやすくなります。クッキーやパンケーキなどを作る際に、粉類に混ぜるのもおすすめです。  砂糖などが添加されていないえんどう豆プロテインは、料理にも活用できます。カレーやシチューなどに振りかけたり、ハンバーグなどの生地に混ぜ込んだりしてみましょう。  昨今話題を集めている、えんどう豆プロテイン。気になる人はぜひ試してみてください。
話題のえんどう豆プロテイン、素材を生かした味が人気の秘訣
2022.06.01

紙ストローの定番化へ、乗り越えるべき課題は

プラスチック製ストローの代替品として注目されているのが「紙製ストロー(以下、紙ストロー)」です。その名の通り、主にクラフト紙で作られたストローのことで、土に還る点が魅力です。外資系企業ではすでに紙ストローの導入を始めており、スターバックスでは世界中の全店舗でプラスチック製ストローを廃止し、紙製ストローや堆肥化可能なプラスチック製ストローを使用すると発表。加えて、ストローを使う必要のないフタを提供する予定だとしていました。またディズニーでは、世界中で運営する全ての施設において、プラスチック製ストロー及びマドラーの使用を禁止することを決定しました。 日本企業はというと、「ロイヤルホスト」を展開するロイヤルホールディングスが2018年11月中旬より、同社グループ内の一部店舗においてプラスチック製ストローを廃止し、客から要望があった場合は紙ストローを提供すると発表。また、飲食店などの経営、開発及びコンサルティングを行うゼットンが、自社で運営する複数のレストランで紙ストローを導入すると発表し、日本製紙の紙ストローを飲食業界で初めて採用するとあって話題になりました。 ストローから考える環境問題 世界的な環境問題に発展している廃棄プラスチックによる海洋汚染。これを受けて近年、使い捨てプラスチック製品の使用を規制・廃止する動きが急速に広まっており、中でもプラスチック製ストローがクローズアップされています。きっかけの一つとなったのは、2015年に撮影されてSNSで広まったある動画でした。米テキサスA&M大学でカメを研究しているチームが、コスタリカの沖合で助けたウミガメの鼻孔からくしゃくしゃに潰れて茶色くなったストローを取り出す、という痛々しいものでした。ストローをすべて取り出すまでの所要時間は約10分。動画は瞬く間に拡散され、世界中の人々に衝撃を与えました。 ところが紙ストローには課題も残っています。まずプラスチック製に比べて5~10倍の製造コストがかかるといわれており、にもかかわらず耐久性の低さが指摘されています。また、原紙をらせん状に巻いて製造していることから、接着剤の使用や紙の粉が生じる可能性も懸念点として挙げられています。消費者側の視点でいうと口当たりに不快感を覚える人もいることから、紙ストローが定番化するまでにはまだ少し時間がかかると思われます。 とはいえ時代の流れは紙ストローに向いており、今後導入する企業も少なくないでしょう。ただ一つ忘れてはならないのは、こうした問題は企業側だけの責任ではないということ。そもそも本当にストローを使って飲む必要があるのか。まずは自分に問いかけてみる必要があるかもしれません。
紙ストローの定番化へ、乗り越えるべき課題は
2022.05.31

話題のスーパーフルーツ「マキベリー」とは

スーパーフルーツとして昨今注目を浴びている、マキベリー。ポリフェノールが多いことで知られ、その含有量は少し前に人気を集めた「アサイー」を超えるといわれています。ほかにもさまざまな美と健康に意識の高い人たちの間で話題になっています。今回の記事では、マキベリーとは何かと簡単な食べ方を紹介します。 マキベリーとは マキベリーとは、チリのパタゴニア地方に自生するホルトノキ科の植物の果実です。この地域で暮らす先住民族が昔から食用や民間療法などに使用してきたといわれています。食用としてはジュースやジャムに、民間療法としては解熱剤などに利用されてきました。また、結婚式や出産などの儀式に神さまにお供えする食材として使われており、神聖な木として認識されています。 ポリフェノールの含有量が多いことで知られるマキベリーですが、その量はアサイーの5.4倍、ブルベリーの14倍にもなるといわれています。ポリフェノールのなかでも特に多く含まれているのが、アントシアニンです。アントシアニンは、眼精疲労の予防に効果が期待できるとされています。 このほか、マキベリーにはビタミンAやビタミンC、ミネラル、鉄分、カリウムなども多く含まれています。強い抗酸化作用を持つとされ、アンチエイジングなどにも効果が期待されています。また、栄養が豊富に含まれることから「スーパーフルーツの王様」とも呼ばれています。 マキベリーの簡単な活用法 日本では、生の状態のマキベリーはほとんど見かけることがありません。乾燥させてパウダー状になったものやサプリなどが多く、インターネット通販などで入手できます。マキベリーは、その名前からも想像できるように、ベリー系の味わいがあります。甘酸っぱい香りがあり、比較的食べやすいのが特徴です。 マキベリーパウダーの手軽な使い方としては、ヨーグルトやアイスクリームの上に振りかけたり、スムージーなどに加えたりする方法があります。また、パンケーキや焼き菓子などの生地に加えるのもおすすめです。 栄養価が高いことから話題を集めている、マキベリー。普段の食生活にぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。    
話題のスーパーフルーツ「マキベリー」とは
2022.05.27

食品原材料とハラルビジネスの親和性【食品ハラルビジネス進化論~ハラル認証原料編vol.2】

こんにちは、ハラル・ジャパン協会の佐久間です。5月20日まで3日間、食品原材料の展示商談会「ifia JAPAN 2022(アイフィア・ジャパン)第27回 国際食品素材/添加物展・会議」に協賛団体として出展していました。期間中、多くの事業者との新たな出会いに恵まれました。そこでシリーズ第2回の今回は、この折に改めて感じた原材料とハラル(ハラール)ビジネスの親和性についてお話していこうと思います。 原材料の「由来の担保」の現状 「日本の原材料」という、日本でしか作れないメイドインジャパンの原材料が、海外とりわけアジアで重宝されていることは十二分にご存じだと思います。海外生産の日本食品で、その味を再現するのに使われるフレーバーや添加物などはその代表です。東南アジア諸国や南西アジア等の経済発展により、そうした食品の自国流通が増えるようになると、イスラム教徒への対応、つまりハラル認証商品も必然的に多くなります。そこで、原材料の「ハラル性」も要求されます。 これまでは原材料の規格書とアンケートなどで「成分(エビデンス)ハラル」の原材料であれば、問題なく輸出ができていました。当協会も、自社で成分ハラルの推奨マークやエビデンスの証明書発行を行っています。現状は「由来の担保」はハラル認証でなくとも東南アジアのタイ、マレーシア、シンガポール、インドネシアなどに輸出できていますが、その流れが今後も続くかどうかは不透明です。 東南アジア諸国ではハラル認証商品が今後ますます増えることが予想されます。原材料にもハラル認証を要求されることを念頭に、今から準備を始めておくことをお勧めします。   日本の原材料はハラル認証がスタンダードに [caption id="attachment_1695" align="aligncenter" width="744"] ※こちらの画像はハラル認証やヴィーガン認証ではありません[/caption] 東南アジアで、食品のハラル認証商品は、増加の一途をたどっています。つまり、ハラル認証商品がスタンダード化している傾向があります。そのような国々に輸出をするには最低でもノーアニマル、ノーポーク/ノーアルコール、ノーアニマル/ノーアルコールの3種類のいずれかを示すことができると有効です。 しかしながら、この2、3年で特に顕著な傾向として、当協会に相談される原材料メーカー様のほぼすべてが買い手からハラル認証を要求されています。米、卵、きのこ、魚といった農林水産品にもハラル認証が付き始めた現状を考えると、加工度が高い物の原材料は当然ハラル認証を要求されると考えておくべきでしょう。 そのために準備しておくことが大きく3つあります。1つはハラル認証を取得したい製品は原材料の規格書ベースでそもそもハラルかどうか?2つ目はハラル認証は国際認証ですが、世界統一基準がなく自社で選ぶ必要があります。そのためどの国に輸出するのか、ターゲットを明確にしておくこと。そして3つ目は自社の工場がそもそもどこのハラル認証を取得できるかのか可能性を診断し、事前に対策を立てておくことです。これらの準備をしておけば怖いものはありません。 まずは自社の原材料を規格書ベースで確認してください。二次原料までの追跡、確認は現時点では必要ありません。ハラル認証機関(団体)によって指導が違うからです。次回は「ハラル認証取得の基本を学ぶ」についてもう少し詳しく解説したいと思います。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。 (佐久間朋宏/非営利一般社団法人ハラル・ジャパン協会代表理事)   シェアシマ ハラル特集:こちら 前回の記事はこちら: https://reports.shareshima.com/1520/
食品原材料とハラルビジネスの親和性【食品ハラルビジネス進化論~ハラル認証原料編vol.2】
2022.05.26

青汁に使われることも!長寿の薬草「長命草」とは

 沖縄の伝統的農産物であり長寿の薬草ともいわれる、長命草(ちょうめいそう)。青汁やお茶、サプリメントに使われており、健康志向の人たちの間で注目を集めている食材のひとつです。この記事では、長命草の栄養や活用法を説明します。 長命草の栄養 長命草は、沖縄などの温暖で海に近い場所に自生する、セリ科カワラボウフウ属の常緑多年草です。その名前の通り「長寿につながる草」として料理や民間薬として古くから珍重されてきました。「一株食べると一日長生きする」という言い伝えも残っています。別名「ボタンボウフウ」と言われたり、沖縄の方言では「サクナ」と呼ばれたりすることもあります。 長命草は、ビタミンやミネラル、カルシウム、食物繊維などを豊富に含んでいます。また、アンチエイジングに効果が期待される「クロロゲン酸類」や「ルチン」などのポリフェノールも多く含有しています。強い日差しを浴びて育つことから生命力の強い植物として知られ、高い抗酸化作用や血行促進作用などが期待されています。 長命草の簡単な活用法 長命草は気候などの条件が合えば比較的栽培しやすいことから、沖縄諸島などでは家庭でも育てられています。現地の直売所やファーマーズマーケットなどで売られていることも多く、和え物や天ぷら、刺身のツマなどとして利用されています。独特の香りがあるため、魚料理や肉料理の臭み消しとして使われることもあります。 もっと手軽に入手したいという場合には、長命草の青汁パウダーを利用するのがおすすめです。こちらは、インターネット通販などで入手できます。長命草の青汁は、他の青汁と同じように、水やお湯に溶かせばすぐ飲めて便利です。温めた牛乳や豆乳で溶いて、ラテ風にして味わうのもいいですね。他にも、長命草の青汁をスープやカレーなどに加えて楽しむのもよく合います。 青汁の味が苦手という人は、長命草のサプリメントなどを活用するという方法もあります。沖縄の健康長寿の秘訣とも言われる、長命草。沖縄では古くから食べ物のことを「ぬちぐすい」と呼び、医食同源の考え方が大切にされてきました。気になる人はぜひ試してみてはいかがでしょうか。  
青汁に使われることも!長寿の薬草「長命草」とは
2022.05.25

「3010(さんまるいちまる)運動」で食べ残しを減らそう

国内で発生している食品ロスは年間約640万トンを超えますが、そのうち約5分の1を外食産業が占めています。大きく分けると食堂・レストラン、結婚披露宴、宴会の3つですが、中でも宴会の割合が高く、2015年度の調査ではおよそ7皿に1皿が食べ残しされているという結果になりました。こうした宴会での食べ残しを減らそうと、各地の自治体で行われているのが「3010(さんまるいちまる)運動」です。2011年に長野県松本市で始まった運動で、以下の項目が提唱されています。 ・「乾杯後30分間」は、席を立たずに料理を楽しむ ・「お開き10分前」になったら、自分の席に戻り、再度料理を楽しむ 環境省では「3010運動」を推進するため、飲食店向けの卓上三角柱POPを作成し、無料ダウンロードできるようにするなど、認知の拡大に取り組んでいます。 また、「3010運動」をはじめ、食品ロス削減に取り組む自治体間のネットワークとして2016年に設立されたのが「全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会」。2019年5月の時点で389自治体が参加しており、「3010運動」も各自治体に合わせてアレンジされています。例えば北海道札幌市の「2510(にこっと)スマイル宴(うたげ)」。終了前10分間は「3010運動」と同じですが、開始後の食事時間を25分間としています。他にも、千葉県館山市では終了前15分間とした「30・15(さんまる・いちご)運動」、長野県駒ヶ根市では開始後20分間とした「駒ヶ根2010(にーまるいちまる)運動」をそれぞれ推進しています。 残さない意識、食べる人も 宴会や会食、結婚披露宴など一度に大量の料理が提供される場では、消費者と事業者の双方が食べ残しを防ぐために意識する必要があります。消費者側は予約の際に料理内容や注文する量を店側に相談したり、料理を食べきるように参加者同士で声掛けするといいでしょう。他方、事業者側にとっては、食べ残しが発生することは損失です。食べきってもらえるように提供する量を調整したり、小盛りや小分けの商品を採用するなどの工夫が求められます。 食べ物を無駄にしない意識がみんなに広がるよう、「3010運動」のさらなる広がりに期待したいところです。
「3010(さんまるいちまる)運動」で食べ残しを減らそう
2022.05.24

アレルギーでも安心な「ヴィーガンエッグ」、気になる原料は

100%植物性の素材を原料とする「ヴィーガンエッグ(代替卵)」をご存知でしょうか。もともとはアメリカの食品会社が作ったもので、最近は日本でも入手できるようになり、注目を集めています。この記事では、ヴィーガンエッグとは何かをご紹介したうえで、気になる味やその原料、栄養価などに迫ります。 ヴィーガンエッグと卵の違いは 見た目も味も鶏卵にそっくりのヴィーガンエッグ。卵焼きなどの卵料理はもちろん、お菓子づくりにも幅広く活用できます。植物性の原料から作られているので、卵にアレルギーのある人や、動物性の食品を避けているヴィーガンの人も安心して食べられるのも大きな魅力です。また、ヴィーガンエッグにはコレステロールが含まれていないので、コレステロールの摂取を控えている人にもおすすめです。 「卵が使われていない卵」と聞いて、原料が気になる人もいるでしょう。商品によって原料は少しずつ異なりますが、主な原料は海藻の粉や海藻由来のプロテイン、豆乳の粉、セルロース(食物繊維の一種)、ゲランガム(ゼラチンの代替製品)、乳酸カルシウム(凝固剤)、カラギーナン(安定剤)などです。そこに、ニュートリショナルイースト(酵母)と塩で、卵らしい風味や色を加えます。 ヴィーガンエッグの多くはパウダーの状態で売られていて、卵の香りがほのかに感じられます。水を加えて混ぜ合わせると溶いた生卵のようになるので、鶏卵の代わりとして活用できます。パウダー状になっているので生卵よりも保存性が高く、簡単に調理でき、ストック食材として利用するのも良さそうですね。 栄養豊富なのにヘルシー ヴィーガンエッグには、動物性に比べて消化しやすいとされる植物性のタンパク質が豊富に含まれています。また、食物繊維を豊富に含有しているため、腸内環境を整える働きが期待できます。このほか、鉄やヨウ素、ビタミンA、亜鉛などの微量栄養素も含まれています。 ヴィーガンエッグのカロリーは通常の卵よりも少なく、ダイエット中の人にもぴったりの食材です。鶏卵1個(約60g)が91kcalに対して、ヴィーガンエッグ1食分は33kcalです。 アメリカではいろいろな場所で販売されていますが、日本ではまだ見かけることの少ないヴィーガンエッグ。健康志向や環境への配慮などにより、動物性から植物性の食材を代替利用する流れが強まっています。ヴィーガンエッグが身近な食材のひとつになる日もそう遠くないかもしれません。  
アレルギーでも安心な「ヴィーガンエッグ」、気になる原料は
2022.05.18

廃棄予定の食品を販売するスーパー:世界の食品ロス対策(2)

通常なら廃棄されてしまう食品のみを取り扱うスーパーマーケットが、イギリス、デンマーク、オーストラリアにあることをご存知でしょうか。いずれも賞味期限が切れてしまったり、パッケージに傷や汚れがあったりする品を販売していますが、設立の趣旨やお国柄の違いがあり、各店には異なる特色が表れています。   イギリス:Community Shop イギリスで2013年にオープンした「Community Shop」。店舗から一定のエリア内に住む福祉手当受給者を対象に、別のスーパーで余った商品を定価の3割ほどの値段で販売しています。当時すでに、ヨーロッパ各地では低所得者向けのスーパーはありましたが、フードロス対策の試みという観点で脚光を浴びました。また、スーパーの目的は“援助ではなく救済”であることから、利用者が次のステップへ進めるよう、債務処理や料理の方法、履歴書の書き方などをアドバイスする窓口も設けています。   デンマーク:We Food 続いて、デンマーク。2016年にオープンした「We Food」は、賞味期限切れまたは消費期限内でも不要になった商品をはじめ、傷のついた野菜や果物などが定価の3~5割ほどの値段で並びます。スーパーはホームレスを支援する非営利団体とキリスト教系の慈善団体が共同運営しており、オープンセレモニーにはデンマーク王室の皇太子妃殿下も参列するなど、大きな話題となったそうです。このことが追い風となり、デンマークの食料廃棄量は徐々に減少していると言います。   オーストラリア:OZ HARVEST MARKET 最後に紹介する、オーストラリアの「OZ HARVEST MARKET」は、何と言っても最大の特徴が“すべて無料”であることです。店内には値札やレジが一切なく、利用者は買い物かご1つ分の商品を自由に選び、持ち帰ることができます。運営しているのは、オーストラリア各地で食事提供事業を行う市民団体。店内の食品を無料で提供する代わりに利用者に寄付を募り、集まった資金を運営費に充てています。オープン時には5週間で約170万円も集まったとか。店のスタッフはボランティア、家賃や光熱費はビルのオーナーの厚意で無料など、この場所だから実現できた取り組みかもしれませんが、この店がきっかけとなり食品ロスの問題に関心を持つ人が増えることでしょう。   さて、日本ではこれからどんな活動が広がっていくのでしょうか。   つづきを読む: https://reports.shareshima.com/150/
廃棄予定の食品を販売するスーパー:世界の食品ロス対策(2)
2022.05.17

SDGs達成へ、食品ロス削減にAIを活用

AIを活用した食品ロス削減の取り組みが進んでいます。SDGs(持続可能な開発目標)の目標のひとつである「つくる責任 つかう責任」では食品ロス問題が提起されており、AIの活用はこうした課題解決の手法としても期待されています。この記事では、その具体的な取り組みを紹介します。 コンビニやスーパーでのAIの活用事例 大手コンビニチェーン「ローソン」では、それぞれの店舗の販売実績などを基に、AIを活用して食品がどのくらい売れるかを予測するシステムを導入しています。この予測に応じて値引きや仕入れの量の調整を行うことで、結果として食品が売れ残って廃棄されるのを防ぐことができます。 値引きは、賞味期限に合わせて「50円引き」「30円引き」などと段階的に設定。食品ロス削減に向けて値引きをしていることを、貼り紙などで掲示しました。こうした取り組みの相乗効果によって、食品の廃棄費用は1年間で約3割削減。従来、こうした対応は店舗担当者の判断に頼っていました。AIを活用した仕組みを導入することで、より高い成果へと導くことができます。 飲食店におけるAIの活用事例 飲食店でのAIの活用事例として、天候や直近の客数などを分析して、来客数を予測する動きがあります。これにより無駄の少ない食材調達とともに、スタッフの適正配置による人件費削減を実現することができます。コロナ禍での人の密集を回避できる、というメリットもあります。さまざまなパターンを分析していくことによって、AIが学習し精度が高まるというのも大きな強みです。 AIを活用することは、食品ロスの削減だけでなく、企業の業績向上にもつながると期待されています。今後も最新の動向に注目していきたいと思います!   コンビニだけでなく、大手スーパーなどでもAIの活用が進んでいます。そのひとつが、AIの需要予測に基づいた商品の発注です。これにより、必要な分量だけ注文できるとともに、発注作業時間の短縮にもつながります。 また、レジの混雑を回避するためにAIを活用しているスーパーもあります。一般的な傾向として、コロナ禍では人が密集するのを防ぐために「買い物の頻度を減らす」「利用する時間帯をずらす」などの取り組みが推奨され、実践していた人も多いと思います。混雑を避けるために「スーパーではなくコンビニを利用する」という人もいました。AIにより混雑の予測を行うことで、多くのスーパーが問題視するレジ周辺での密集を避けることができます。  
SDGs達成へ、食品ロス削減にAIを活用
2022.05.13

対応を急ぐヨーロッパ:世界の食品ロス対策(1)

世界の食品廃棄量、いわゆる食品ロスは年間約13億トンにも上ります。これは、生産された食料の約3分の1に相当するのだとか。今や世界全体で解決すべき課題となった食品ロス。日本では2019年10月に「食品ロスの削減の推進に関する法律」が制定されましたが、他国ではどのような対策が行われているのでしょうか。3回にわたってご紹介します。まずはヨーロッパの取り組みから。   対策先進国のヨーロッパ諸国 世界でいち早く食品ロス対策に乗り出したのはヨーロッパです。EU(欧州連合)の立法機関である欧州議会が2014年を「ヨーロッパ反食品廃棄物年」とし、期限表示や包装の適正化、フードバンク活動の優遇などを実施しました。さらに、欧州委員会は2025年までに食品ロスの30%削減を提案しています。ヨーロッパ各国でも独自の取り組みを行っていますが、今回はその中からフランスとイタリアの「食品廃棄禁止法」、スペインの「連帯冷蔵庫」を紹介します。   フランス・イタリア:食品廃棄禁止法 フランスでは2016年2月、「食品廃棄禁止法(通称:反フードロス法)」が施行されました。流通業者や小売業者は食品を意図的に廃棄することを禁じられ、違反した場合は罰金を支払わなければなりません。 また、売場面積400平方メートル以上のスーパーマーケットは、慈善団体との食品寄付の契約を締結するよう義務付けられました。実はこれに先立ち、2013年に国の行政機関と事業者間で「2025年までに食品廃棄を50%削減する(2013年比)」といった目標を掲げる協定が策定されていましたが、より規制を強める必要があるとの声が上がり、食品廃棄禁止法の施行に至ったと言われています。 イタリアではフランスと同年に食品廃棄禁止法が成立しましたが、フランスと異なるのは、違反した場合でも特に罰則がないこと。ただし食品寄付をした際には税控除を受けられます。いずれにしても、法制化によって国全体で食品ロス問題と向き合う姿勢が感じられます。   スペイン:連帯冷蔵庫 他方、スペインの食品ロス対策として代表的なのは「連帯冷蔵庫」。2015年5月、バスク州のガスダカオの街中に設置された冷蔵庫のことで、残り物や賞味期限切れなどで今まで廃棄していた食品をシェアし、誰でも自由に持ち帰ることができるというものです。 設置したのはフードバンクを運営する地元のボランティア団体。生活困窮者への食糧支援と廃棄物削減を目的としています。冷蔵庫に入れるものは生ものを除き、何でもOK。自宅で余らせてしまった食品を入れる近隣住民や、店で余った料理を入れるレストランのオーナーなどがいるそうです。冷蔵庫の中身は運営団体が定期的にチェックしていますが、持ち帰りはあくまで自己責任。持ち帰った食品を口にして食中毒になった場合でも、設置者が責任を問われることのない特別な取り決めが設けられています。   このように各国で進んでいる食品ロス対策。日本で取り入れられるもの、できないものとがありますが、他国の取り組みを参考にしながら問題解決に臨みたいものです。   つづきを読む: https://reports.shareshima.com/144/
対応を急ぐヨーロッパ:世界の食品ロス対策(1)
2022.05.12

使いやすくて美味!「もち米玄米」とは

玄米の豊富な栄養は広く知られていますが、「炊くのが難しい」「パサパサして美味しくない」という声も少なくありません。そんななか、注目を集めているのが「もち米玄米」です。もち米玄米は、料理しやすくて食べやすいことから人気が高まっています。今回は、もち米玄米とは何かと簡単な食べ方を紹介します。 もち米玄米ってどんなもの? もち米玄米とは、精米していないもち米のこと。もち米は、赤飯やおこわ、お餅などを作るときに使われるお米です。私たちが通常「玄米」と呼んでいるのは、精米していないうるち米のこと。一般的な玄米は、独特の香りがあり食感が硬いのが特徴です。それに対して、もち米玄米はもっちりとしておりプチプチとした食感があります。「噛むほどに甘さが出る」というのも大きな特徴です。 こうした食感の違いは、「アミロース」と「アミロペクチン」というデンプンの割合によって生じます。この比率が、うるち米は2:8であるのに対して、もち米にはアミロースは含まれておらず、アミロペクチンだけを含有しています。アミロペクチンには、水と組み合わせることで粘りが出る性質があり、これがもちもち感につながっています。 もち米玄米の栄養としては、ビタミンB1やマグネシウム、食物繊維などが豊富に含まれています。白米と比べて玄米は、ビタミンB1やマグネシウムは約5倍、食物繊維は約6倍含有しています。食物繊維は現代人に不足しがちといわれていますが、もち米玄米には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が含まれており、効率よく摂取することができます。 もち米玄米のおいしい食べ方 はじめに、もち米玄米の基本の炊き方を紹介します。水加減は、白米を炊く場合よりも多めで玄米を炊く場合よりも少な目です。炊飯器におこわやもち米などのモードがある場合は、その目盛りに合わせて水の量を調整してください。 炊き方の手順は、もち米玄米をさっと水洗いした後、最低1時間以上(できれば3時間)水に浸します。その後、水加減をして白米のモードで炊飯します。早炊きモードで炊いてしまうと、パサパサとした食感になってしまいます。また、玄米モードで水加減して炊くとベチャッとした仕上がりになるので、注意するようにしましょう。 炊きあがったら、しゃもじで底から混ぜて蒸らせばできあがり。蒸らすことで、もちもちとした粘り気が出てきます。冷めてもおいしいので、お弁当のごはんに使ったり、おにぎりを作ったりするのもいいですね。保温モードで長時間置いておくと味が落ちてしまいます。すぐに食べない場合は、小分けにしてラップなどに包んで冷凍保存するのがおすすめです。 「完全食」とも呼ばれるほど、栄養を豊富に含む玄米。食感や香りが苦手という理由で玄米を敬遠していた人は、ぜひもち米玄米を試してみてはいかがでしょうか。    
使いやすくて美味!「もち米玄米」とは
2022.05.11

プラントベースフードとは?ヴィーガンやベジタリアンとの違いを解説

最近、「プラントベースフード」という言葉をよく聞くようになりました。ヴィーガンやベジタリアンなどを支持する人の中には、ご存知の方も多いかもしれません。プラントベースフードというのは、動物性の原料を使わずに、植物由来の原材料で作った食べ物のことです。1940年代のイギリスで起こった動物性の食品への反対運動が、「プラントベース」という言葉が生まれるきっかけになったと言われています。現在では食べ物や飲み物に使われることの多い言葉ですが、衣食住の全てに関わる言葉としてライフスタイルを表す際にも使われます。 プラントベースの定義 よく似た意味を持つものとして、ヴィーガンやベジタリアンといった言葉があります。ベジタリアンは一般に、「肉や魚などを食べない」という意味で使われます。ヴィーガンは、動物愛護や環境保護といった考え方に基づき、より厳密に菜食主義を実践している場合が多いです。食べ物だけでなく、衣類など身の回りのものについても、動物性のものを避ける傾向にあります。 これに対してプラントベースは、「動物性のものをできるだけ減らす」ではなく、「植物性のものを増やす」というのがコンセプトになっています。厳しいルールがあるわけではなく、部分的に取り入れることができます。そのため、気軽に実践できる健康法として注目を集めています。 肉や卵、乳製品も では、具体的にどのようにプラントベースを取り入れることができるのでしょうか。プラントベースの考え方を取り入れた食べ物には、例えば「肉や卵を使わないハンバーガー」や「動物性原料を使わないカップラーメン」などが登場しています。 また、代表的な乳製品のひとつ「ヨーグルト」も、牛乳を使わずに豆乳やアーモンドミルクなどを使った製品が開発されています。これらはスーパーやコンビニでも販売されていています。 実践あっての「プラントベース」です。まずは身近な食べ物を通して、体や地球のことを考えてみませんか。
プラントベースフードとは?ヴィーガンやベジタリアンとの違いを解説
2022.05.10

韃靼(だったん)そばの驚くべき栄養と食べ方とは

そばの健康効果が多方面で取り上げられています。なかでも韃靼そばは、普通のそばに比べて栄養価が高いことで知られています。では、実際にどのような栄養が含まれているのでしょうか。この記事では、韃靼そばの栄養と簡単な食べ方について紹介します。 韃靼そばに含まれる栄養 韃靼そばには、ポリフェノールの一種「ルチン」が極めて多く含まれています。その量は普通のそばの120倍ともいわれており、中国では健康食や漢方薬として古くから知られてきました。ルチンは強い抗酸化作用のほか、毛細血管を丈夫にする作用や動脈硬化などを予防する作用が期待されています。ビタミンCの吸収を促す作用もあるとされ、美容への効果も期待できるといわれています。 韃靼そばは別名「苦そば」とも呼ばれ、独特の苦みがあるのが特徴です。この苦みは、ルチンが分解されて生成される「ケルセチン」によるもの。韃靼そばには豊富にルチンが含まれているため苦みがありますが、普通のそばではほとんど感じられません。 ちなみに、韃靼そばの「だったん」はモンゴルの遊牧民族「タタール人」に由来するといわれています。 彼らはこのそばをよく食べていたことから、この名前が付いたそうです。 韃靼そばの食べ方 韃靼そばは、普通のそばと同じように乾麺で売られています。ざるそばなどの冷たい麵料理にしたり、鶏肉や長ネギなどと組み合わせて温かくしたりして食べることができます。独特の苦みが気になる場合には、香りのよい具材を組み合わせたり、そば汁を甘くしたりするなど工夫してみてはいかがでしょうか。 韃靼そばの健康効果を期待するなら、「韃靼そばの実」もおすすめです。そばの実に熱湯を注いで少し待てば、韃靼そば茶ができあがり。香ばしさがあり口当たりが良いので、日常的に飲むことができます。雑穀を使うような感覚で、そばの実を白米などに混ぜて炊くという食べ方もあります。目安は米1合に対して、そばの実を大さじ1程度です。独特の香りが食欲をそそる一品になります。 そばの実は、そのままポリポリと食べることもできます。サラダやスープなどにトッピングしたり、デザートの盛り付けに使ったりするのもいいですね。韃靼そばをおいしく食べて、健やかに過ごせますように。  
韃靼(だったん)そばの驚くべき栄養と食べ方とは
2022.04.29

ハラルの基礎とイスラム教徒マーケット分析【食品ハラルビジネス進化論~ハラル認証原料編vol.1】

はじめまして、ハラル・ジャパン協会の佐久間です。今回ハラルビジネスで業務提携を結んでいるシェアシマの新メディア「シェアシマinfo」で連載することになりました、よろしくお願いします。 (一社)ハラル・ジャパン協会はハラルビジネスのコンサルティング会社で、ハラル(ハラール)認証団体ではありません。現在一般会員150社、情報会員24,000人(約8,500社)で主にイスラム教徒向け(東南アジア・南西アジア・中東等)市場の輸出・進出及び国内・インバウンド対応に特化したコンサルティングを行っています。ハラルビジネスは原材料メーカー様にとっても相性抜群の事業領域です。第1回目の今回は、ハラルという言葉が初めての事業者のための入門的な話として、「ハラルの基礎とイスラム教徒マーケット分析」をテーマとしました。   ハラルを正しく理解する イスラム教のHALAL(ハラル)の基本がわかるとハラルビジネスのポイントがわかります。ハラルの意味は「やっていいこと」、つまり食べ物でいえば、「食べていいもの」を意味します。イスラム教も宗教なので、仏教同様に食の禁忌があるということです。ライフスタイル全般にやっていいことを意味しますが、口に入れるもの、肌に触れるもの、身に着けるものが広く対象になると覚えておくといいと思います。 代表的なものは動物(畜肉)由来のコントロールで、豚肉・由来のモノは使用できません。また牛・鶏・羊は食べられますが、イスラム教徒のルールに従った方法で屠畜(とちく)しなくてはなりません。特に油・ゼラチン類・ショートニング・乳化剤などの添加物にも注意が必要です。アルコールは考え方がいろいろありますが、基本は酔わせるアルコールが禁止と覚えてください。消毒用アルコール、工業用アルコールなどは個人差がありますが、問題ではありません。酔わせる可能性がある種類のアルコールが問題と考えてください。 その他の水の中、土の中から採れる食べ物そのものは基本ハラル(「やっていいこと」)ですので、野菜・果物・穀物及び水産品は基本問題ないと考えてください。日本にある食べ物及び由来原料はハラルが多いと思います。特に明治時代までの日本の食べ物は穀物中心とした仏教(精進)料理で基本的にはハラルですね? 結局ハラルは動物由来とアルコール由来のコントロールが大事であり、ノーアニマル、ノーポーク、ノーアルコールの組み合わせの原材料で成立します。原材料の由来がとても重要です。   イスラム教は未来あるマーケット イスラム教徒は世界に約19億人いる世界人口の1/4のマーケットです。砂漠や熱帯雨林だけで信仰されているのではありません。世界宗教の1つと覚えてください。そして人口が増えていて、若年層が多く、これから経済発展する国が多いことも特徴です。未来あるマーケットで今世紀末には世界人口の1/3になるという予測データもあります。日本は超少子高齢社会で、人口も胃袋の大きさも減少しますが、イスラム教徒の国の多くは人口も増え、胃袋も大きく増加します。 特に東南アジアのマレーシア・シンガポール・インドネシア、南西アジアのインド・バングラデシュ・パキスタンなど、また中東はUAE(アラブ首長国連邦、ドバイは首長国の一つ)・サウジアラビア・イラン・トルコ、中央アジア、アフリカ、EUや北アメリカにも多くのイスラム教徒(ムスリムと言います)が生活しています。 このマーケットは日本にとってはブルーオーシャンですが、海外は何年も前から取り組んで日本は地球1周半遅れのスタートです。次回は「原材料のハラルビジネス」についてもう少し詳しく解説したいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。 (佐久間朋宏/非営利一般社団法人ハラル・ジャパン協会代表理事)   シェアシマ ハラル特集:こちら つづきを読む: https://reports.shareshima.com/1693/
ハラルの基礎とイスラム教徒マーケット分析【食品ハラルビジネス進化論~ハラル認証原料編vol.1】
2022.04.28

昨今話題の「ヘンププロテイン」の栄養と食べ方とは?

健康志向の高まりにあわせて、プロテインの人気が続いていますね。そんななか、昨今注目を集めているのが「ヘンププロテイン」。SNSや輸入食材店などで時々見かけるようになりましたが、「どんなものなのかわからない」という声も少なくありません。そこで今回は、ヘンププロテインの栄養と味、おすすめの食べ方を紹介します。 ヘンププロテインの栄養と味 ヘンププロテインは、ヘンプシード(麻の実)から作られる植物性のプロテインです。別名「麻の実タンパク」と呼ばれることもあります。ヘンプは生命力が強い植物として知られ、種をまいてから約90日で収穫できます。農薬や肥料を使わずに育てられる、環境にやさしい植物です。 ヘンプの種子は硬い殻があり、これを除去したものがヘンプシード。質のよい植物性のタンパク質とともに、オメガ3やオメガ6などの必須脂肪酸、食物繊維、マグネシウムや亜鉛などのミネラルをバランスよく多く含んでいます。味はクセが少なくて香ばしさがあり、きなこやナッツなどにも似ています。 ホエイプロテインやソイプロテインなどのプロテインとの大きな違いとして、「フレーバーや甘味料などが入っていないものが多い」ということがあります。一般的なプロテインは「ココア味」「バニラ味」「ストロベリー味」といった香り付きのものが多く、「独特の香りが苦手」という人もいるでしょう。ヘンププロテインは人工的な香りがなく、素材そのものの味が楽しめます。従来のプロテインになじめなかったという人にもぴったりです。 ヘンププロテインのおすすめの食べ方 ヘンププロテインはごまやナッツを使うような感覚で、いろいろな料理に活用できます。たとえば、味噌汁やスープなどに少量加えたり、カレーや煮込み料理の隠し味として使ったりするのもおすすめです。このほか、きなこを使うような感覚で、ヨーグルトやお団子などにふりかけるのもいいですね。パンやホットケーキ、焼き菓子の生地に混ぜたり、スムージーなどに加えたりするのもよく合います。 「朝食はパン派」という人は、バターやはちみつなどと混ぜたものをトーストに塗るのも使いやすいです。いつもの料理に加えて、少量でも継続して味わうようにしてみましょう。いろんな料理やお菓子、飲み物に加えて、お気に入りの味を見つけてみてはいかがでしょうか。
昨今話題の「ヘンププロテイン」の栄養と食べ方とは?
2022.04.27

映画で学ぶ食の課題、おすすめドキュメンタリー3選

食の未来を考える機運が高まる中、大阪や名古屋、九州など各地で「オーガニック映画祭」が開催されているのをご存知でしょうか? 例えば「なごや国際オーガニック映画祭」は、有機農業の意義を伝え、より多くの人に関心を持ってもらうことを目的に活動しています。有機農業に関わる有志により、2011年に実行委員会が設立されました。以来、2012年2月、2014年2月、2016年4月に計3回の映画祭が開催され、多くの人に食の未来を考えるきっかけを提供してきました。 食の安全・安心への関心は年々高まっており、こうした映画の与える影響は大きいです。そこで今回は、映画祭などで話題になったものを中心に、食の未来を考えるためには必見のドキュメンタリー映画3本をご紹介します。   1.未来の食卓 南フランスの小さな村で実際に起こった1年間の物語をつづっています。子どもの未来を守るために「学校の給食と高齢者の宅配給食をオーガニックにする」という村長の提案に挑戦!最初は戸惑っていた村民たちでしたが、子どもの味覚から始まって、小さな村が少しずつ変化していきます。この映画の公開後、フランスでは一大オーガニックブームが起き、多くの人が自身の食生活を見直すようになったと言われています。   2.フードインク 食品業界の裏側に潜入し、食の安全について疑問を投げ掛ける米国のドキュメンタリーです。サブタイトルは「ごはんがあぶない」。値段は高いけれど安全でおいしいオーガニック食品と、スーパーに並んでいる安価な食材を比較し、その価格差の背景にあるさまざまな状況を明らかにします。大規模工場で飼育される食肉産業の実態や、飛行機で大量に農薬を散布する様子なども映し出されています。「第82回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門」にノミネートされ、米国では映画公開後に大反響を巻き起こした映画です。   3.ありあまるごちそう 世界で生産されている食料は120億人分あるにもかかわらず、飢餓に苦しんでいる人は10億人もいると言われています。この「食の不均衡」をテーマにしたオーストリアの映画です。大量のパンが毎日捨てられているウィーンと、小麦を輸出していながら2億人もの人が食料に飢えているインド。食品を扱う世界最大級の企業や、漁師・農家・家畜業者といった生産者へのインタビューを通して、飢餓が生まれるメカニズムをまとめています。   食の未来に向けて、私たちは何をすればいいのか。そのことを考えるきっかけとして、まずは映画を鑑賞してみては?
映画で学ぶ食の課題、おすすめドキュメンタリー3選
2022.04.26

オンラインで広がるフードツーリズムの可能性

ビデオ会議システムの登場で、移動にかかる時間を省く=場所に拘束されないというオンラインのメリットが広く認知されるようになりました。オンライン飲み会などに参加し、集合して顔を突き合わせなくても楽しく飲食できることを実感している人も多いでしょう。 この流れは旅行業界にも押し寄せています。オンラインツアーでも、リアルツアー同様に参加者は単に食事を食べるにとどまらず、食と参加者個人との間の物語(ナラティブ)を楽しめるのです。 コロナ禍を機に高まるフードツーリズムの可能性について考えてみます。 フードツーリズムの醍醐味 旅行の楽しみは何でしょうか。絶景や名跡を見たりさまざまなアクティビティを体験したりもできますが、食事も大きな楽しみの一つですよね。この「食」が旅行の主役であるものが「フードツーリズム」です。単なる食べ歩きから郷土料理教室体験、生産者訪問ツアーまで「食」を多様に楽しむことができます。 地域差を表すものの代表といえば、言葉がまずイメージされがちですが、食も非常に大きな地域差があります。好きなご当地料理を聞けば、出身地が分かってしまう可能性もありますよね。 このように料理は地域によって大きく異なる食材や調理法、味付けで調理され完成します。これを料理そのものの味わいに加えて、料理の裏側で語られている「物語」まで丸ごと楽しむのがフードツーリズムの醍醐味と言えます。 「物語」といっても古くからの伝説や言い伝えなどに限りません。ご当地食材の栽培法、シェフのプロフィール、トレンドで話題、一度食べてみたいと思う自分の気持ち、食事の代金。これらはすべて目の前の料理を意味づける物語です。食を楽しむ主体と食との間で交わされる物語=ナラティブが紡がれるほど、その食は貴重な体験として深く記憶されるでしょう。 オンラインツアーの可能性 コロナ禍もあり、フードツーリズムはオンラインでも行われるようになりました。事前に参加者に飲食物を配送しておいて、スマホやパソコンでガイドを見たり、ビデオ会議システムで現地とつないでガイドや生産者、シェフと交流したりしながら食を楽しんでもらうという形で行われています。 もちろん現地を訪れその空気感を感じながら食べる素晴らしさは揺るぎません。しかしオンラインツアーではその土地の観光情報、詳細なガイドが展開されます。単に情報量という意味では、ガイドなしのリアルツアーよりもガイドの付いたオンラインツアーに軍配が上がるでしょう。 現地購入あるいは現地飲食と同等の味わいが気軽に再現できる新商品の開発などが進めば、オンラインツアーをきっかけに実際に足を運ぶ旅行者と通信販売のリピーターの両方を獲得できる可能性があります。また、観光情報、ガイドの充実も重要ですし、そもそも地域を知ってもらうための情報発信も欠かせません。 コロナ禍で観光業界にとっては厳しい日々が続いています。ただ、コロナ後でもオンラインツアーに一定の需要が残ると考えると、今はその基盤を整える仕込み期間と言えそうです。5Gが普及するころまでには、アイデアあふれる新しいオンラインツアーも登場するかもしれません。
オンラインで広がるフードツーリズムの可能性
2022.04.22

注目のサーキュラーエコノミー、原点は江戸時代に

エコな暮らしを考える時によく登場する言葉が、「循環型社会」です。これは、大量生産・大量消費という仕組みに代わるものとして登場した考え方です。大きな流れとしては2000年に「循環型社会形成推進基本法」が発表され、資源の有効活用や環境への負荷軽減の取り組みが行われるようになりました。近年では「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」という言葉も定着しつつあります。そうした中、古くて新しい取り組みとして改めて注目されているのが、江戸時代の社会です。 現代日本では、エネルギーや食糧、木材などの大部分を海外からの輸入で賄っています。それに対し、鎖国をしていた江戸時代には、輸入に頼ることなくほぼ全てを国内で自給自足していました。例えば、当時は「ゴミ問題」もあまり存在しなかったのだとか。理由として、物を大切に扱う習慣が社会に浸透しており、ゴミが発生することが少なかったと言われています。子どもたちが「寺子屋」で使う教科書は、子どもの所有物ではなく、学校の備品として扱われていました。中には1冊の本が100年以上使われたという記録も残っているそうです。 また、「陶磁器の焼き接ぎ」や「古着屋」など、今で言うところのリユースやリサイクルをする業者も数多くあり、一つの物を大切に使い続ける仕組みも整っていました。   江戸時代の精神を受け継いで 江戸時代の循環型社会をモデルとして生まれた事例として、岐阜県中津川市の「ちこり村」をご紹介したいと思います。「後継者不足」や「休耕地の増加」などの農業を取り巻く厳しい状況、それに加えて「日本の低い自給率」を何とか改善したいという想いのもと始まった取り組みです。 まず「地域で出来ることから始めよう」とスタートしたのが、西洋野菜「チコリ」の国産化。チコリには血糖値の上昇を抑えるといった健康効果があるとされていますが、現状ではそのほとんどを輸入に頼っています。そこで、「チコリが国内で生産できれば、自給率アップに貢献できるのでは」という考えから取り組みが始まりました。 ちこり村のもう一つの特徴は、お年寄りが生き生きと働ける場所になっていることです。ここでは農業の活性化と共に、地域とそこに住む人を元気にしています。 地球温暖化をはじめとした環境問題の深刻化により、私たちは従来の大量生産・大量消費のスタイルから、循環型社会へと舵を切らなければならない時が来ています。そのヒントの一つとして、改めて江戸時代に注目してみてはいかがでしょうか。   【参考】ちこり村公式HP:https://www.chicory.jp
注目のサーキュラーエコノミー、原点は江戸時代に
2022.04.21

コロナ禍で節約レシピが人気上昇!その真相とは

コロナ禍での暮らしが長期化するなかで、人気が高まっている「節約レシピ」(または「節約料理」)。料理に関する雑誌やテレビ番組、SNSなどでは、食費を抑える方法や節約レシピなどが多数投稿され、多くの支持を集めています。ここでは、その背景と節約レシピの概要とともに、食費の節約がフードロス削減にもつながる理由を解説します。 コロナ禍で節約レシピが人気の理由とは コロナ禍では自宅で過ごす時間が増え、「おうち時間」という言葉もよく聞くようになりました。自炊をしたり家族で食卓を囲む機会が増えたりするのに伴って、「(こんなときだからこそ)食事を楽しみたい」という声だけでなく、「食費がかさむようになった」という悩みの声も増加しています。 これらを背景とし、昨今人気が上昇しているのが「節約レシピ」や「節約料理」です。食費を抑えるといってもストイックになるのではなく、見栄えもよくておいしい料理が数多く登場しています。たとえば、ほかの肉に比べて比較的安価な「鶏むね肉」や「豚こまぎれ肉」などを使った、少し目先の変わった料理もよく見かけます。 また、手の込んだものではなく簡単に作れる料理が多いのも、人気の理由です。節約するために料理を作ろうと思っても、時間がかかりすぎて長続きしないようであれば、あまり意味がありません。たとえば「フライパンひとつで料理できる」など、仕事や子育てなどで忙しい人にも作りやすいレシピがそろっています。 食費の節約は、フードロス削減にもつながる 食費を抑えるためには、一日単位ではなく、1週間単位で献立を考えることも大切です。その週の献立を決めたら、1週間分の食材をまとめて購入します。こうすることで、どれだけ食費がかかっているかが明瞭になり、食材を効率よく準備することができます。余計な買い物をしてしまう可能性を大幅に減らすことができるでしょう。 食費の節約と聞くと「安い食材を買う」というイメージも強いですが、「食材を余らせない」ことも重要です。たとえば、買い物に行く前に冷蔵庫に何があるかを確認したり、買い物リストを書いたりする方法もおすすめです。まとめて購入する方がお得な場合には、必要に応じて小分けにして冷凍するといった方法もあります。 必要な分だけ食材を購入することは、食費が節約できるだけでなく、フードロス削減にもつながります。上手に食費を節約することで、家計にも環境や社会にもやさしい暮らしを目指してみてはいかがでしょうか。
コロナ禍で節約レシピが人気上昇!その真相とは
2022.04.20

食品ロスが「先進国の問題」は間違い?視点を変えて考えてみる

全世界で生産されている食料は毎年40億トンもあり、実は地球上の全人類が生きていくための必要量を上回っています。けれど、生産された食品の3分の1がさまざまな理由で捨てられているのです。こういう話をすると必ず、「先進国がムダにしているんだ!贅沢しているんだ!」という食の不均衡の話になります、しかしそれは理由のひとつ。実際には、発展途上国でも別の理由で食品ロスが発生しているのです。食品ロスの先進国と発展途上国での違いとは一体何でしょうか。 先進国では流通や保存技術が進歩しており、食品が長持ちするという特徴があります。また家庭では、家計に占める食費の割合が比較的低いため、食べる以上に食品を買い、ムダにしてしまうということがあります。事業者側では、仕入れのミスや需要の変更、ブームによって、食材を使いきれなくなり廃棄する場合も多くあります。それに見た目が良くないと消費者に売れないという現実があることから、食べられるものでも色や形で選別し、販売さえできないということもあります。 先進国ではこうした食品ロスをなくすために、売りに出せないけれど食べられる食品を加工し、売れる商品を新たに開発しています。最近では余った食品を業者や個人の間でシェアする取り組みも盛んです。少しずつではありますが、食品ロスを減らす対策は進んでいるのです。 一方、発展途上国側では、別の原因で食品ロスが発生しています。それは、先進国では克服されている、流通や保存の問題です。例えば、農家の生産物を保存する技術や施設がないため、食品が廃棄されています。その廃棄を防ぐために加工すればいいという話もありますが、加工食品を作る技術も設備もないのです。さらに、交通手段が未発達の場合、市場まで食品を運ぶことができず、また運んでいる最中に痛んでしまって、食べられるものが減ってしまうのです。これを解消するための開発が進み、自然環境を犠牲にしたことで、砂漠化が進んでしまった地域もあります。だから、先進国は発展途上国に食料を援助しましょうというだけでなく、技術や設備を提供し、世界全体が豊かになる支援をしていく必要があります。 食品ロスの問題は、まずは自分たちの周りのムダをなくしていくことから解決しなくてはなりません。しかし、自分たちがムダを減らせば世界の人々が救われるという単純な話でもないわけです。世界の人口はこれからますます増えていきます。未来のためにどう行動すべきか、一人一人が考えなければならない時代を、私たちは生きています。
食品ロスが「先進国の問題」は間違い?視点を変えて考えてみる
2022.04.19

インパクト抜群「虫糞茶」の魅力

 生きていることの証とも言える排泄。フンは汚いものというのが一般的な認識ですが、世の中は広く、動物のフンを利用した飲食物もあります。有名どころではジャコウネコのフンを利用したコーヒー「コピ・ルアク」が思い浮かぶ人もいるかもしれませんね。 今回ご紹介したいのは、同じくフンを利用した飲み物ですが日本ではあまり知られていない、「虫糞茶(ちゅうふんちゃ)」です うま味と善玉菌を多く含む健康茶 虫糞茶は特定の植物の葉を特定のガの幼虫に食べさせ、そのフンを利用して作られるお茶の一種です。1578年に完成した中国の薬学書「本草綱目」にも記載があり、歴史あるお茶と言えますね。虫糞茶のほかに「虫屎茶(ちゅうしちゃ)」、「龍珠茶(りゅうしゅちゃ)」「茶精(ちゃせい)」等とも呼ばれ、中国の一部で珍重されてきました。現在は湖南省や四川省、貴州省で製造され、一部は東南アジアなどにも輸出されています。 フンというと汚いもののように感じてしまいますが、ガの幼虫はお茶の原料である葉だけを食べ、異臭もありません。それどころか、葉が幼虫により消化吸収される過程で分解されてうま味成分や善玉菌が増えるのだそうです。 使用する植物とガの種類によって味わいが異なり、中国ではブドウ科のトウチャやバラ科のコナシなどをコメシマメイガ、ソトウスグロアツバなどに食べさせて虫糞茶を製造しています。 日本でも先日京都大学の大学院生が虫糞茶の普及を目指して研究に取り組んでいると話題になりました。 SDGsにも合致 一般的に飲まれている煎茶・紅茶・コーヒーなどは、その製造過程において熱処理が必要です。しかし虫糞茶は葉を幼虫に食べさせ、そのフンを自然乾燥させるだけというシンプルな製造法なので資源を節約でき二酸化炭素の排出も抑えられます。まさに持続可能性に満ちていて、SDGsの理念にも合致していると言えるでしょう。 幼虫やそのフンと聞くとまずそのビジュアルがイメージされてしまいがちですが、正体を隠して試飲すれば「おいしいお茶」と感じられそうな虫糞茶。幼虫、フンというイメージを逆にインパクトとして活用したり、SDGs時代の新しい選択肢というブランド構築をしたりといった工夫を凝らして、日本でも商業ベースに乗せられる製品が現れてくるでしょうか。今後に注目です。
インパクト抜群「虫糞茶」の魅力
2022.04.15

フードロス(食品ロス)って何が問題なの? 私たちにもできること

売れ残りや食べ残しなど、本来食べられるはずの食品が廃棄されてしまう「フードロス(食品ロス)」。今、このフードロスを削減していこうという取り組みが広がっています。 「646万トン」。ある年に日本国内で1年間に出たフードロスの量です(※)。何万トンの食べ物と言ってもちょっと想像しにくいですが、これを国民一人あたりに換算すると、毎日お茶碗1杯分のご飯を捨てているという計算になります。これは世界中で行われている、途上国などへ向けた食糧援助の量のおよそ2倍に当たるのだそうです。日本の食料自給率はおよそ40%。大半を輸入に頼っています。そうした状況下で大量に食べ物を捨ててしまっているのが、日本の食の現状なのです。 廃棄食糧を大量に処分するには、それだけ資源やエネルギーを使うことになります。燃やすのであれば、二酸化炭素を排出することになりますし、埋めるのであれば、土壌や水質への悪影響が懸念されます。これらのこともフードロスが問題視される理由の一つとなっています。 フードロスの問題は、日本だけではなく、先進国の間でも共通の課題になっています。G7(カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国)の環境相会合でも、2030年までに世界全体の1人あたりの食品廃棄量を半減することを目指し、各国が協調して取り組むことで一致しました。 フードロスを減らすことは、食べ物がもったいないからということだけにとどまらず、企業にとってはコストの削減、消費者にとっては無駄な支出を減らすことにつながります。食品を廃棄すれば、原材料費などが無駄になりますし、廃棄するにも費用がかかります。これらのコストは、最終的には価格に上乗せされ、消費者が負担することになります。 こうした中、企業と消費者の間で意識を変えて向き合おうとする動きが起きています。見直しの対象となっているのが、フードロスを生み出す原因になっている「3分の1ルール」と呼ばれる商慣習です。これは、例えば賞味期限が12カ月の食品の場合だと、賞味期限の3分の1、つまり製造から4カ月までに小売店に納品されない食品は廃棄に。さらに、4カ月先の8カ月までに売れない場合も廃棄になるというものです。そもそもは、消費者に新鮮な食品を届けるためのルールでしたが、フードロスを減らすために食品業界ではこのルールを緩和し、一部で廃棄のタイミングを遅らせるようにしています。   まずは身の回りから、消費のあり方を見直す。 消費者の間でも、これまで捨ててしまっていた食品を大切にして見直していこうという意識が広がっています。近年、人気を集めているのが「サルベージ・パーティー」です。サルベージとは、「救い出す」という意味。家庭の余り物の食材を持ち寄って、プロの料理人のアドバイスをもらい、ひと味違った料理を作って、みんなで楽しもうというパーティーです。 全国各地で開催され、リピーターが増えているようです。例えば、大量のマロニーはちゃんこ鍋用スープでチャンポン風に。冷蔵庫にしまわれていた缶チューハイはデミグラスソースの隠し味に。また、缶詰の豆はフードプロセッサーでつぶしてクラッカーに乗せてお酒のおつまみに、お麩(ふ)は乾燥したまま春雨サラダに乗せれば、食感にアクセントが加わります。参加者は調理を手伝いながら持参した食材がおいしい料理に生まれ変わっていく様子に驚き、完成するそばから食べて、ワイワイと会話を楽しみます。食べて、飲んで、楽しんでいるだけのように見えて、参加者のフードロスへの意識は確実に高まります。 フードロスと言うと、節分の後に恵方巻きが大量に売れ残ったり、飲食店で予約が直前にキャンセルされたりすることがニュースになるなど、商業シーンで起こっているイメージが強いかもしれません。ところが、実際のフードロスは食品事業者が全体の55%を占めるのに対し、45%は家庭からのものです。フードロスを削減するには、事業者と消費者双方の意識の変化が必要です。   ※平成27年度推計。消費者庁「食品ロス削減関係参考資料」(平成30年6月21日版 )より
フードロス(食品ロス)って何が問題なの? 私たちにもできること

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NEW 2023.02.07

よるのひるねに集うムシクイたち【昆虫食普及ネットワーク・ニュースレターVol.8】

1998 年に取引先の出版社に在籍されていた内山さんに誘われて多摩動物公園の昆虫食シンポジウムに参加しました。その年か翌年、また内山さんに誘われて多摩川沿いでバッタを採集し、その場で揚げて食べる実践的昆虫食を始めました。2001 年頃には私の自宅で昆虫食をしたこともあります。その時のメニューはコオロギかアリの牛乳かんなどだったような。 [caption id="attachment_3363" align="alignnone" width="720"] 河川敷の草原でバッタを捕る[/caption] 2002 年に夜のブックカフェ的店舗「よるのひるね」を開いてからしばらくは多忙で昆虫食から離れていたのですが、時々内山さん在籍の出版社に顔は出していたので、続けられているなーと思っていました。そして2006年にふと当店でのイベントを打診してみました。第 1 回はやはりシンポジウム的な、内山さんによる昆虫食の説明会のようになりましたが、コロナ禍では考えられないですが、30 名くらいのお客さんがいらっしゃいました。 手ごたえを感じ、2 回、3 回と徐々に間隔をつめ、店内で料理をする実践形式にしてからイベントとして定着し、10 年以上、月に一度のペースで続くことになりました。取材に来られる方も大変多かったです。最初の頃はテレビのバラエティで罰ゲーム的な目的での打診もいくらかあり、鄭重にお断りをしていました。スペース的に料理とお客さんが収まりきらず店の外での調理になることが続きました。 [caption id="attachment_3364" align="alignnone" width="720"] 店頭で調理を楽しむ参加者のみなさん[/caption] 近年は内山さんが他のスペースでも昆虫食に関わるイベントに出演されることも増え、やや参加者が落ち着いてきましたが、相変わらず反応はあり、長きに渡っての当店の重要なコンテンツになりました。コロナ禍の 2021 年前後は ZOOM で開催し、改めて昆虫食に関わる方々の広がりを実感しました。実食としての昆虫食の普及はまだまだこれからだとは思いますが、引き続き発信場所のひとつとして続けていきますので、ご興味のある方は是非、ご参加ください。 (門田克彦/よるのひるね店主)
よるのひるねに集うムシクイたち【昆虫食普及ネットワーク・ニュースレターVol.8】
NEW 2023.02.06

【解説】オーツ麦とは【食品業界用語】

この記事では、オーツ麦とは何か、オーツ麦の種類や効果、調理方法、研究結果や摂取する際のリスクについて解説します。 オーツ麦とは? オーツ麦はイネ科に属する穀物の一種で、穀物の中で最も広く栽培されている種です。ヨーロッパ、北アメリカ、オーストラリアなど、主に温帯地域で栽培されています。オーツ麦は、全粒のまま収穫されるものと、糠、胚芽、胚乳に分離され、さらに他の形態に加工されるものがあります。 オーツ麦の種類 オーツ麦はいくつか種類があります。オートグローツは、殻を取り除いたオート麦の全粒粉です。スティールカットオーツはアイリッシュオーツとも呼ばれ、オーツ麦を細かくカットしたものです。また他にも、オーツ麦の殻を細かくした、オーツブランなどがあります。 オーツ麦の効果 オーツ麦には多くの栄養素が含まれています。例えばβ-グルカンと呼ばれる水溶性食物繊維が含まれており、コレステロール値を下げる効果があります。 またオーツ麦には抗酸化物質が含まれており、酸化によるダメージから身を守るのに役立ちます。 さらに、オーツ麦は心臓の健康をサポートするマグネシウムが多く含まれていて、高血圧の抑制に役立つと考えられています。 オーツ麦の調理法 オーツ麦は汎用性の高い食材で、様々な方法で調理することができます。オーツ麦を調理し、食事用に加工したものは「オートミール」と呼ばれ、ロカボ食の一つとして注目されています。 一般的な食べ方は、水や牛乳で煮てお粥状にする方法です。フルーツをのせたり、はちみつをかけたりして、甘めに仕上げるのがスタンダードです。しかし、近年ではレンジで「米化」させおにぎりにしたり、お好み焼きや餃子に入れてヘルシーに仕上げたりする調理法もあり、幅広く用いられています。 オーツ麦のリスク オーツ麦の多くは小麦製品を扱う施設で加工されていることが多いため、セリアック病やグルテン過敏症の方は、グルテンフリーと明記されていない限り、オーツ麦を避けた方が良いでしょう。
【解説】オーツ麦とは【食品業界用語】
NEW 2023.02.03

【解説】モリンガとは【食品業界用語】

この記事ではモリンガとは何か、モリンガの種類や効能、調理法、研究結果についてご紹介します。 モリンガとは? モリンガはインド原産のワサビノキ科の植物で、その葉を乾燥させて粉末にしたものが食用になります。ポリフェノールやビタミンなど健康的な栄養素を豊富に含み、数多くの健康効果をもたらすスーパーフードとされてます。その数多くの健康効果から「ミラクルツリー」と呼ばれていて、モリンガの葉は地球上で最も栄養価の高い植物のひとつとされています。 モリンガの種類 モリンガにはいくつかの品種がありますが、一般的に流通しているのは「モリンガオレイフェラ」と「モリンガステノペタラ」です。モリンガオレイフェラは最も広く栽培されている品種であり、モリンガステノペタラは観賞用としてよく栽培されています。 モリンガの効能 モリンガの葉にはカルシウム、鉄分、食物繊維、マグネシウム、ポリフェノールなどの栄養素が豊富に含まれています。カルシウムは牛乳と比べ約20倍、鉄分はほうれん草の約5倍、食物繊維はごぼうの約5倍、マグネシウムは卵の約36倍、ポリフェノールは赤ワインの約8倍の量を含んでいます。 これらの豊富な栄養素から、モリンガには生活習慣病の予防や炎症の抑制、デトックス作用などの健康効果が期待されています。 モリンガの調理法 モリンガは粉末状で苦みや匂いが少なく、普段食べている料理や飲み物など、何にでも混ぜることができます。 サラダやスムージー、スープ、カレーに加えたり、パンに塗ったりと、モリンガは様々な料理に使われます。 モリンガの研究成果 モリンガは炎症を抑え、肝臓の健康を増進し、免疫システムを高め、特定の病気から身を守るのに役立つことが研究で分かっています。また、モリンガには抗真菌・抗菌作用があり、皮膚の感染症に効果があることも研究により明らかにされています。  
【解説】モリンガとは【食品業界用語】
NEW 2023.02.01

【解説】MCTオイルとは【食品業界用語】

この記事では、MCTオイルとは何か、MCTオイルの種類、MCTオイルを含む食品の例やその効果、研究結果、摂取する際の注意点について解説します。 MCTオイルとは? MCTオイルは、中鎖トリグリセリド(Medium Chain Triglycerides)と呼ばれる種類の脂肪酸を含むオイルです。これらの脂肪酸は、体内で燃焼されやすく、エネルギー源として利用されます。また、脂肪を燃焼する能力を促進し、食欲を抑える効果があるとされています。MCTは、ココナッツオイルやパームオイルなどに含まれています。 MCTオイルの構成 MCTオイルは単一の油ではなく、さまざまな種類の脂肪酸が組み合わされたものです。 MCTオイルを構成する脂肪酸は4つの種類があり、含まれる炭素原子の数で分類されます。C6(カプロン酸)、C8(カプリル酸)、C10(カプリン酸)、そしてC12(ラウリン酸)です。 これらの脂肪酸にはそれぞれ固有の性質があります。例えばC6は最も早くエネルギーに変換され、C12は健康な肌や髪に最も有益な脂肪酸です。 MCTオイルに分類される食品 有名なものにココナッツオイルやパームオイルがあります。 ココナッツオイルはMCT含有率が高く、特にC8とC10を多く含みます。 パームオイルはMCT含有率はココナッツオイルよりも低いですが、C12が多く含まれています。 MCTオイルの効果 MCTオイルには、消化促進から体重管理まで、様々な効果が期待されています。 MCTオイルは脂肪を燃焼する能力を促進し、エネルギー源として利用されやすいため、ダイエットやスポーツ選手にとって有用な栄養素とされています。 また食欲を抑えて食事量を減らし体重を減らす効果や、脂質代謝を改善して血糖値やコレステロール値を下げる効果があります。 そのため、MCTオイルは、健康食品やダイエット食品などにも利用されています。 MCTオイルの研究結果 MCTオイルは、肥満や糖尿病、心臓病などの慢性疾患に対して有益な効果があることが、研究で明らかになっています。また、脂肪の代謝を促進して体重や体脂肪を減少させたり、インスリン抵抗性の改善や、グルコースの代謝を改善させたりすることで、糖尿病の治療に有効であると研究で示されています。 MCTオイルの注意点 MCTオイルは適度に摂れば健康に良い効果が期待できますが、高カロリーのため、過剰な摂取は体重増加や脂肪蓄積の原因になる可能性があります。またMCTオイルは消化酵素によって分解されるため、摂取量が多い場合には消化不良や胃の痛みなどの不快感を引き起こす可能性があります。
【解説】MCTオイルとは【食品業界用語】