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NEW 2021.06.14

食文化を活用して地域ブランティング! 福井県小浜市の事例を解説

食文化を活用した地域活性化とは 少子高齢化や核家族化、人口減少などの社会を取り巻く変化により、古くから続いてきた地域のコミュニティが失われつつあります。大都市と地方での地域間格差が深刻化し、過疎化が進んでいる地域もたくさんあります。 こうした状況を受けて「地域活性化」「地域おこし」という言葉を昨今よく聞くようになりましたが、そのなかで地元の食文化を活用した取り組みが注目を集めていることをご存知でしょうか。 地域の食文化には、その土地に伝わる郷土料理などもあります。例えば、郷土料理は、観光客にとって魅力的なものであるだけでなく、「地域らしさ」を表現していく上でも有効です。郷土料理を上手に生かして、地域のブランディングにつなげている事例もあります。 農林水産省では「日本食文化ナビ」という冊子を制作し、ホームページで公開しています。食文化を活用した地域活性化に関心のある方は、ぜひチェックしてみてくださいね。 (参考:https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/vitalization/) 福井県小浜市の事例「食のまちづくり」 食文化を生かして地域づくり・まちづくりを進めている成功事例のひとつに、福井県小浜市が挙げられます。小浜市は飛鳥~奈良時代から続く「御食国」という伝統的な食文化を持っており、自然環境や食材にも恵まれた地域です。 平成13年9月に「小浜市食のまちづくり条例」を制定し、翌年から施行。「地産地消」や「身土不二」という視点を大切にしながら、子どもから大人まで幅広い世代を対象に、ライフステージに合わせて食を学ぶことができる仕組みづくりも行っています。例えば、保育園・幼稚園を対象にした食育事業も実施しています。 また、食のまちづくりを実際に体験できる「街並みと食の館(たて)」という施設もスタート。この施設は、地域活性化を目指して伝統的な建造物を再生したものです。この他、「御食国シンボルロゴマーク」制定や「御食国大使」による広報活動、食のガイドブックの制作などにも取り組んでいます。 小浜市では、こうした一連の取り組みを通して、さまざまな主体が連携して、食のまちづくりを推進しています。食や食文化をテーマにしたまちづくりの方法として、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
食文化を活用して地域ブランティング! 福井県小浜市の事例を解説
NEW 2021.06.09

有機農業の未来とは?農林水産省の発表「農地の25%まで拡大」の概要を説明!

農林水産省が発表した、有機農業の新戦略案 2021年3月5日、農林水産省が発表した有機農業の新戦略案が話題になっています。その内容とは「2050年までに、有機農業の農地を100万ヘクタールまで拡大する」というもの。面積だけを聞いてもピンと来ない方も多いかもしれませんが、この数字は国内の農地の約25%にあたります。 ちなみに2018年時点では、有機農業の農地は2万3700ヘクタール程度であり、国内の農地の約0.5%にとどまっています。つまり、今回の新戦略は、2050年までに40倍以上に増やすという目標です。 この新戦略と並行して、2050年までに農薬の使用率を5割、化学肥料の使用率を3割減らすことも目指しています。それに伴い、農業従事者のフォローアップや、病気などに強い品種の開発、AIを活用した技術力アップにも力を注ぐ予定です。 こうした一連の技術開発に関しては、補助金による支援も検討されています。この他、有機農産物を取り扱う食品会社などへの税制面での優遇など、関連法律の整備や税制改正なども2022年度を目途に進める予定です。 有機農業の拡大を進める背景とは 有機農業の定義は「有機農業の推進に関する法律」により定められています。この法律によれば、有機農業とは「化学的に合成された肥料及び農薬を使用しない」「遺伝子組み換え技術を利用しない」「農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減する」ものとされています。 有機農業は、化学肥料や農薬を使用する従来の農業に比べて、環境への負荷が少ないことが分かっています。例えば、温室効果ガスの排出量を減らし、地域の自然環境を守ることにもつながります。今回の新戦略は、国内外での環境意識の高まりに応じたものとも言えそうです。 また、新戦略の背景には、米国やEUなどを中心に世界中での有機農産物の需要が高まりも関係しています。日本においても、有機農産物やその加工食品の生産量を増やすことで、農産物の輸出を強化することができるでしょう。 具体的な進め方など政策については、農林水産省で検討を行い、2021年5月頃に決定されるとのこと。今後もその動向に注目していきたいですね!
有機農業の未来とは?農林水産省の発表「農地の25%まで拡大」の概要を説明!
NEW 2021.06.07

インドカレーと欧風カレーって何が違うの?

「カレー」と言っても、その種類はさまざま! 子どもから大人まで幅広い年代から人気を集める「カレー」。カレーと一口に言っても、さまざまな種類があります。例えば、日本の「カレーライス」を取り上げてみましょう。具材は、ジャガイモやにんじん、玉ねぎなどの野菜に肉を加えたものが多く、どこか懐かしいお母さんの味を連想する方も多いかもしれません。 また、エスニック料理が好きな方の間で好まれている「グリーンカレー」は、タイカレーの一種です。材料には、レモングラスや唐辛子などのスパイスとココナッツミルク、ナンプラーなどが使われており、何とも言えない爽やかな辛味が特徴です。 いろいろなカレーを味わってみたいという方は、「カレーの街」としても有名な東京の神保町へ足を運んでみましょう。カレーライスやタイカレーなど各国のカレー店が軒を連ねており、たくさんの種類を楽しむことができます。 インドカレーと欧風カレーの違いとは? 数あるカレーのなかでも多くの支持を集めているのが、インドカレーと欧風カレー。では、その違いはどんなところにあるのでしょうか。今回は、知っているようで知らない「インドカレーと欧風カレーの違い」について3点ご紹介します! まず、両者の大きな違いは「発祥地」です。その名前の通り、インドカレーはインド、欧風カレーはヨーロッパに由来します。 インドでは、地域ごとにいろいろなカレーの種類があり、使用する具材やスパイスも異なっています。インド南部で使われているタミル語「カリ」が変化して、「カレー」と呼ばれるようになったという説があります。インドでカレーを食べた外国人が「インドカレー」と名付けたことがその由来ともされています。 また、欧風カレーという名前は、日本人が名付けたものとされています。一般的には、スパイスとバターなどの風味を生かしたまろやかなカレーのことを欧風カレーと呼ぶことが多いようです。。 次に、「トロミの付け方」の違いが挙げられます。欧風カレーは小麦粉とバターなどを使いますが、インドカレーは小麦を使わずに作るのが基本です。欧風カレーはまろやかですが、インドカレーはサラサラとしたものも多いです。 最後の違いは、何と言っても「味わい」です。インドカレーでは多種多様なスパイスを使用するため、スパイスが好きな方に好まれる傾向があります。それに対して、欧風カレーは、野菜や肉などの素材から出る旨味を生かして、スパイスは抑えめにして仕上げることも多いです。そのため欧風カレーは、スパイスが苦手な方や子どもにも好まれています。 幅広い世代に人気のカレー。まずはインドカレーと欧風カレーの違いを理解して、自分の好みのカレーを見つけたいですね!
インドカレーと欧風カレーって何が違うの?
NEW 2021.06.02

乳酸菌入りの漬物ってキムチだけ? 日本の伝統食にも含まれていた!

キムチに含まれる乳酸菌とは 乳酸菌を含む食べ物と聞くと、ヨーグルトを思い浮かべる方も多いかもしれません。でも実は、韓国生まれの漬物「キムチ」にたくさんの乳酸菌が含まれていることをご存知でしょうか。 キムチは、アミエビや野菜を乳酸発酵させることで作られます。いろんな食材が乳酸発酵することにより、独特の旨味が生まれます。キムチを手作りすると、時間が経過するにつれて酸味と旨味が増していきますが、これも乳酸発酵している証拠です。 乳酸菌の健康効果や腸への影響は各方面から注目されており、「腸活」という言葉も人気を集めています。韓国には肌の美しい女性が多いことで知られていますが、一説には「キムチを毎日のように食べて乳酸菌を摂取しているから」とも言われています。 日本の伝統食「ぬか漬け」は乳酸菌の宝庫! 乳酸菌を含む漬物は、キムチだけではありません。日本の伝統食であるぬか漬けにも、乳酸菌が豊富に含まれています。 ぬか漬けは、米ぬかと塩などを混ぜて熟成した「ぬか床」に野菜を漬け込んだもの。乳酸菌だけでなく、酵母や微生物などが混じり合い、独自の味わいを生み出しています。 ぬか漬けと聞くと「匂いが気になる」「管理が難しそう」というイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。最近はぬか漬けが手軽に作れる「ぬか漬けキット」なども登場しており、匂いを気にしないでぬか漬けを手軽に楽しむことができます。 ぬか漬けキットにもいろいろな種類がありますが、一人暮らしにもおすすめの小さいタイプや冷蔵庫で保存できるタイプなどもあり、若い世代にも人気を集めています。 ぬか漬けは私も大好きですが、旬の野菜を切って漬け込むだけで、翌日には野菜が美味しく大変身!手間をかけずに身体にやさしい一品ができあがるので、忙しい人にもおすすめです。 乳酸菌の健康効果を引き出す食べ方 キムチやぬか漬けの乳酸菌の健康効果を期待するなら、ぜひ意識したい食べ方のポイントが2点あります。ひとつ目は、「毎日続けて食べること」。乳酸菌に限ったことではありませんが、継続して摂取することが大切です。 ふたつ目は、「(加熱しないで)生のまま食べること」です。乳酸菌は熱に弱いという特徴があるため、加熱しないでそのまま食べるようにしましょう。 キムチやぬか漬けを美味しく食べて乳酸菌を摂取し、身体の内側から健やかに過ごしたいですね!
乳酸菌入りの漬物ってキムチだけ? 日本の伝統食にも含まれていた!
NEW 2021.05.24

食卓の魚離れ~いつから魚は食べられなくなったのか?

魚、食べていますか? 最近いつ食べましたか? 家庭内での食卓で魚離れが進んでいます。 豊かな海の幸に恵まれた日本の食卓から魚料理が激減している。文章にすると不思議にも思えるこの状況は、どのようにしてもたらされたのでしょうか。 肉を食べて育った世代は肉を食べさせて子を育てる 肉が貴重品かつ高級品だった昭和30年以前、家庭の食卓の主役は魚でした。 これに対して昭和30年以降生まれ育った世代は、肉を日常的に食べて育ちました。昭和30年生まれは現在66歳。比較的高齢と感じる世代でも、魚よりも肉を食べて育ったと聞くと、少し不思議な気持ちにもなりますね。 そこから2世代ほど後になる現在の子供たちでは、もはや家庭内で丸ごと一尾の魚をさばいてる姿を見たことがない子のほうが多いかもしれません。魚を丸ごと一尾で購入し、自分でさばいて調理できる世代というのは、思ってるよりもずっと上の世代なのです。 これは良し悪しではなく、そのような時代の流れなので、再び家庭内で一尾丸ごとの魚を調理する時代には戻らないでしょう。 魚をさばくには技術も必要ですし、臭みのある内臓の処理の問題もあります。親から子へとこの技術が伝わらなかったのを、学校教育で補うのは難しいでしょう。また、魚は鮮度の落ちが早いので、昔のように大家族ではない現代では大きな魚は食べきれないという事態にもなりがちです。 このような高いハードルの割に、価格は高く、食べなれない子供たちはさほど喜ばず、気をつけて食べないと骨がのどに引っかかる、となると魚よりも肉を選んでしまうのも納得してしまいますね。 外食・中食・加工食品 しかし、四方を海に囲まれ、これだけ豊かな海の幸に恵まれていながら肉ばかりを食べているというのももったいない話です。 では活路はどこにあるのでしょうか。 ポイントは「外注」です。大きな意味の調理の外注、つまり「外食・中食・加工食品」ですね。 自宅であまり食べないけれども、外食では魚を食べる可能性があります。回転寿司店の盛況を見るに、リーズナブルにおいしい寿司を食べたいという需要は大きそうです。 同じように、家で寿司を握ることはなくても、スーパーでパック詰めされたお寿司がずらりと並んでいます。鮮魚コーナーに比べると、お寿司コーナーのほうが活況に見えますね。 また、今後大きく伸びる期待の分野がレトルト・チルド・冷凍・缶詰といった加工食品です。 実は魚か肉かに限らず、家庭での調理は徐々に減っていくのではないかと考えられています。シンガポールのように食費の3分の2が外食・中食というところまでいくかどうかは分かりませんが、この先は家庭内で自ら調理しない流れは加速していくように感じられます。その流れに乗り、買い置きできて日持ちする加工食品が重宝されるようになるという予想です。 特に注目なのは、魚の缶詰です。大規模災害が頻発する昨今、非常用保存食にもなり普段の食生活にも活用できる缶詰は、流行の味付けやおしゃれなデザインのものへと進化してきており、消費拡大が期待されます。 久しぶりになるでしょうか。今日の夕飯は魚を食べませんか。 需要があれば、魚は消えません。逆に言えば、需要がなくなったとき、魚は食べたくても食べられないものになってしまうかもしれないのです。 「魚を食べたい」というその欲望に忠実に従い、ちょっと面倒でも高くても、外食でも中食でも加工食品でも、ぜひ魚を食べてくださいね。
食卓の魚離れ~いつから魚は食べられなくなったのか?
NEW 2021.05.17

ローカカオパウダーの魅力と栄養とは?簡単な活用法をご紹介!

ローカカオパウダーとは? 多くの人を魅了して止まない「チョコレート」。仕事や家事の合間などに、チョコレートを食べる習慣がある方も多いと思います。 チョコレートの主原料である「カカオ」は栄養価が高いことで有名ですが、「スーパーフード」として、昨今注目を集めていることをご存知でしょうか。 カカオ豆を砕いて使いやすく加工した「カカオパウダー」のなかでも、特に栄養価が高いとされているのが「ローカカオパウダー」です。ローカカオパウダーは、純粋なカカオで全く加工されていないもの、もしくは、低温で加工されたものを指します。 通常のカカオパウダーは、加熱など加工の工程により栄養価が減りますが、ローカカオパウダーにはこれらの工程がないため、カカオ豆の栄養を十分に摂取できるとされています。例えば代表的な成分として、ローカカオには鉄分が豊富に含まれています。 ローカカオパウダーは、輸入食材店や自然食品店などで見かけることがあります。インターネット通販にもいろいろな種類のローカカオパウダーが並んでおり、手軽に購入することができます。 余分な添加物なし!ローチョコレートを作ってみよう ローカカオパウダーの活用法として、まずおすすめしたいのが「ローチョコレート」です。ローカカオパウダーの他に用意するのは、ココナッツオイルとメープルシロップ、自然塩少々です。熱を加えて溶かしたココナッツオイルに、全ての材料を入れて混ぜ、冷蔵庫で固めます。美味しくて身体にやさしいチョコレートが、あっという間にできあがり! 一般的なチョコレートとは異なり、乳製品や白砂糖、添加物などを使わずに作れるのも、食生活や健康に意識の高い方にとっては大きな魅力です。 ローカカオパウダーの簡単な活用法とは? ローカカオパウダーは、熱を加えていない、もしくは低温で加工されているのが大きな特徴です。そのため、ローカカオパウダーを使う際には加熱しない、または、加熱する場合でも最小限にすることがポイントです。 例えば、バナナやりんごなどの果物と組み合わせて「ローカカオ入りスムージー」にするのも、おすすめです。もし「ホットココアを作りたい」という場合には、ローカカオの栄養がしっかりと摂取できるように、温め過ぎないように気を付けましょう。 栄養豊富なローカカオパウダーは、ヘルシー志向の方々を中心に注目を集めています。消費者に対して、その栄養価を最大限に引き出す食べ方も一緒に提案すれば、とても喜ばれることでしょう。食事に気を配って、健康を保っていきたいですね。
ローカカオパウダーの魅力と栄養とは?簡単な活用法をご紹介!
2021.04.27

コロナ禍でも売り上げ好調。焼き肉店が人気を集める理由とは?

飲食店の厳しい状況とは? 新型コロナウィルス感染拡大防止による外出自粛や自炊ブームなどを受けて、外食産業が大きな痛手を受けています。帝国データバンクの調査結果によると、2020年の飲食店の倒産件数は780件であり、過去最高の数値となっています。 営業を継続しているものの苦戦している飲食店も多く、前年に比べて売り上げは平均7~8割程度。特に、夜間の外出や宴会を自粛する人が増えた結果、居酒屋の売り上げは前年比5割以下とも言われ、大変厳しい状態に置かれています。 焼き肉店が好調なのはなぜ? 飲食店全般が苦境に立たされている状況のなかで、焼き肉店の売り上げが伸びていることをご存知でしょうか。焼き肉店を新たに出店したり、焼き肉店へ業態を転換したりする店も増えています。例えば、外食産業の「ワタミ」では、2020年10月に新事業として「焼肉の和民」を展開。2022年3月末までに同社の居酒屋店舗の3割を焼き肉店に転換すると発表し、注目を集めています。 焼き肉店が人気を集める大きな理由のひとつに、「換気が十分にされていること」が挙げられます。「換気が十分にされている空間では、感染リスクが低い」と言われています。そのため「(他の飲食店に比べて)焼き肉店は安心して利用できる」というイメージを持っている方も多いのかもしれません。 また、飲食店側としては「焼き肉店の場合、運営経費が抑えられる」というメリットもあります。焼き肉店では基本的にお客様自身が料理をするため、調理や接客などの人件費が少なくなります。また、新型コロナウィルスの影響により食肉の価格が下がっているため、従来に比べて食材費も抑えることができます。 焼き肉店をオープンするための換気設備や調理用のテーブル設置などの初期のコストはかかりますが、人件費や食材費などの運営コストが最小限で済むため、利益が比較的出やすいというのも魅力のひとつです。 新型コロナウィルスが収束すれば、人々の行動も変わり、それに伴って飲食店の状況も変化します。今後、焼き肉店へのニーズはどのように変化していくのでしょうか。飲食店に限ったことではありませんが、社会情勢や消費者のニーズをしっかりと把握して事業展開をすることが、今まで以上に求められそうですね。
コロナ禍でも売り上げ好調。焼き肉店が人気を集める理由とは?
2021.04.08

給食今昔物語

学校給食は1889年(明治22年)山形県鶴岡市の私立小学校でおにぎりと焼き魚、漬物などを貧困児童に提供したのが始まりと言われています。 1932年(昭和7年)には国による貧困児童救済のための学校給食が初めて実施され、それから徐々に規模・対象児童を拡大していきました。 戦時中には中断した時期があるものの、1946年(昭和21年)冬には首都圏で試験的に再開。1952年(昭和27年)春にはついに全国の小学校で給食がスタートしました。 昭和20年生まれと言えば、令和3年で御年76歳。 今の小学生の祖父母世代から学校給食は存在していたのです。 思ったよりも歴史のある学校給食制度について、親世代と子世代で比較しながら考えてみましょう。 現役小学生と親世代の給食ギャップ 親世代を30代から40代あたりと仮定すると、学校給食は自校方式が多かったころでしょう。休み時間に給食室を覗くのを楽しみにしていた人も多いかもしれません。 現在では主に効率化の面から給食センター方式や外部委託方式へと変わってきています。あのドキドキワクワクの大量調理を目の当たりにできる小学生は少なくなっているのが現状です。 次に好きなメニューを比較してみましょう。 親世代で人気だったのは揚げパン、カレーライス、ソフト麺。 これに対して現役小学生には、から揚げ、ハンバーグ、カレーライスが大人気。 ちなみに祖父母世代では鯨の竜田揚げを挙げる人がとても多いのだとか。 親世代と子世代のどちらにもカレーライスが入っています。今も昔も大人気というその実力ぶりも、給食のカレーの味を思い出せば納得ですね。 ここで豆知識を一つ紹介します。 1982年(昭和57年)1月22日に学校給食創立35周年を記念して、全国の小中学校の児童約800万人にカレーライスの給食が出されました。 これを読んでいるあなたも、もしかしたらこの一斉カレー給食を食べていたかもしれませんね。 これにちなみ、現在では1月22日はカレーライスの日とされています。 バラエティ豊かな現在の学校給食 1980年代からは「食育」という言葉が現れ、食事を教育的側面からも捉えるようになりました。 季節感や年中行事を意識したメニューや、郷土料理、異文化理解につながる給食が求められるようになったのです。 地産地消も盛んになり、結果としてバラエティ豊かな郷土メニューが提供されています。 有名どころを挙げてみると、北海道のいかめし、秋田のきりたんぽ鍋、石川の治部煮、愛知の味噌きしめん、香川の卓袱うどん、沖縄のそーき汁などそうそうたるメニューが並びます。 そのほかにも冷凍食品やレトルト食品を利用することで、世界各国の食事を給食で体験することもできるようになりました。 友好都市や姉妹都市のメニューが選ばれることが多いようです。 給食の話は親子で盛り上がる話題の一つです。 時代の変化に合わせて、給食も進化し続けてきました。 今日の夕飯のメニューに悩んだら、ネットで「給食だより」と検索してみるのも良いかもしれませんね。各校自慢の献立を参考にすることができます。
給食今昔物語
2021.03.18

大手食品産業はSDGsにどう向き合う?各社の取り組み事例をご紹介

SDGsと食品業界の関わりとは? 2015年9月25日に国連サミットが採択した「SDGs(持続可能な開発目標)」では、17項目のゴール(国際目標)が掲げられています。そのなかには、食品業界に関わるものも多くあります。例えばゴール2「飢餓をゼロに」には、特にアジアやアフリカを中心に深刻化している飢餓や栄養不良などの問題も含まれています。また、ゴール12「つくる責任 つかう責任」では、大量生産・大量消費という仕組みから、持続可能な仕組みへと変わっていくことを目指しています。 さらにゴール12では、資源の効率的な利用、廃棄物の発生防止・削減などの他に、「食品ロスの削減」が挙げられています。廃棄手前の食品を必要とする消費者とマッチングさせる「フードシェアリング」や、必要な人々に届ける「フードバンク」などの取り組みがスタートし、注目を集めています。この他、賞味期限や消費期限をする食品メーカーなどもあり、各方面から食品ロスを減らすための動きが始まっています。 大手食品産業の取り組みとは? ゴール4「質の高い教育をみんなに」に対しては、大手食品産業では食育や環境教育などの取り組みが行われています。(参考:農林水産省ホームページhttps://www.maff.go.jp/j/shokusan/sdgs/goal_04.html) 例えば、森永乳業株式会社では「未来をつくる子どもたち」というプログラムを作成し、食育や野外教育などの活動を行っています。2015年から実施している野外教育活動「森と食の探検隊」では、小学生4~6年生がキャンプ場で4泊5日の共同生活を行い、自然体験により生きる上で大切なものを見つけることを目指しています。この他、中学・高校生向けには、実践的な企業インターンワークのプログラムを用意し、子どもたちのキャリア教育に活用されています。 別の事例として、敷島製パン株式会社(Pasco)の「ゆめちから栽培研究プログラム」をご紹介しましょう。このプログラムは、中学・高校生が自ら国産小麦を育て、収穫した小麦でパンを作ることにより、日々食べているものや人とのつながりに対する意識や関心を高めることを目指しています。 このように、SDGsに対して食品業界が関わることのできるテーマはたくさんあります。大手食品産業の事例などをヒントにしながら、まずは身近にできそうなことを考えてみてはいかがでしょうか。
大手食品産業はSDGsにどう向き合う?各社の取り組み事例をご紹介
2021.03.11

おいしい!最近進化中の「青汁」はどんな味?その栄養とは?

おいしい青汁が増えている! 一昔前までは、青汁と言えば「まずいもの」というイメージが強くありましたが、最近はおいしいものも多く出回るようになりました。緑黄色野菜「ケール」を使ったものだけでなく、大麦若葉やよもぎ、桑の葉など使用する材料もさまざまです。また、青汁としてシンプルに飲むだけでなく、料理やお菓子に活用するレシピも人気を集めています。そこで今回は、現在進化中の青汁の魅力と青汁の飲み方、簡単な活用法についてご紹介したいと思います。 青汁の主な栄養として、ビタミンやミネラル、ポリフェノールが豊富に含まれています。製品によっては原材料にこだわったり栄養分を添加したりすることで、食物繊維や酵素、乳酸菌などが摂取できるものもあります。 実際に、ドラックストアやスーパーなどで青汁の売り場に行くといろいろな種類があり、値段もさまざまで選ぶのに困ってしまう方も多いかもしれません。国産や有機、無農薬などといった素材の種類や添加物、加工方法なども製品ごとに少しずつ異なるので、パッケージをよく確認してから購入するようにしたいですね。 基本の飲み方と簡単な活用法 青汁はお湯や水などで割って飲むこともできますが、独特の香りや風味が気になる場合もあります。初めての方や子どもなどには、牛乳や豆乳などを加えて「青汁ミルク」「青汁ラテ」のように飲むことをおすすめします。あるいは、りんごジュースなどの果物のジュースやヨーグルトなどに混ぜて飲む方法も、青汁の苦味や雑味がマイルドになりおいしく楽しめます。 その他、スムージーにブレンドしたり、ホットケーキやクッキーの生地に混ぜ込んで使ったりする方法もあります。青汁の量が多いとダマになってしまったり風味を損ねたりする場合があるので、最初は少量から始めてみてくださいね。 おいしい青汁が続々と登場しています。野菜不足が気になる方はもちろん、美と健康に気を使う方はぜひ青汁を手に取ってみてはいかがでしょうか。いろいろなタイプの製品が出回っているので、自分で試しながら好みのものを探してみたいですね。
おいしい!最近進化中の「青汁」はどんな味?その栄養とは?
2021.02.23

ネットデリバリーの仮想専門店「ゴーストレストラン」とは

感染症対策から以前に比べて集まって会話しながら食事やお酒を楽しむ機会が激減してしまったという声を多く耳にします。 しかし人間の「おいしいものを食べたい」という欲求は、感染症が拡大してもとどまることはありません。 それに応じるかのように、テイクアウトやデリバリーが急成長しています。 そこで今回はネットデリバリーで増えている仮想専門店「ゴーストレストラン」について解説します。 仮想「専門店」? ゴーストレストランとはイートインスペースを持たずデリバリーサービスに特化した飲食店です。 リアルでは一つの店舗である居酒屋などがメニューごとの専門店として別々の看板を掲げ、ネットからのデリバリー注文に応じる形態のほか、そもそもリアルの店舗を持たず、自社キッチンやシェアキッチンなどを拠点に複数のネットデリバリー専門店として展開している場合もあります。 どちらもネット上に複数店舗を擁しているのが特徴的ですが、それぞれの店舗はデパートのように「何でもそろっている」ことを売りにするのではなく、ショッピングモール内のテナント店のような「ターゲットを絞った専門店」として打ち出されるのが一般的です。 というのも、「専門店」という言葉は魅力的で、店名に「専門店」が付くか否かで売り上げも大きく変わるのだとか。 いかに私たちが日ごろ「専門店」という言葉に吸い寄せられ、商品選択の参考にしているかということが如実に示されているとも言えますね。 逆に言えば、ネットデリバリー界隈ではもはや「専門店」であることはスタートラインなのかもしれません。 味で勝負する前に、キャッチコピーや写真といったウェブ上の情報で勝負する必要があるのです。 ゴーストレストランのメリット リアルレストランと比較した、ゴーストレストランのメリットは、なんといっても開業資金を抑えられる点です。 リアル店舗の開店には、すくなくとも数百万円かかるのが一般的です。 しかしゴーストレストランでは物件の立地に制限がないばかりか、シェアキッチンを利用すれば設備投資費用も掛かりません。あるいはすでにリアル店舗を経営しているのならば、追加でかかるのはウェブサイト関連の費用だけで済みます。 つまり、ゴーストレストランは安ければ数十万円程度で開業することも夢ではないのです。 さらには運営コストも劇的に抑えられます。高い物件賃料や人件費を節約することで、低価格を追求することもできますし、逆に材料費をかけて「味」を追求することもできます。 ただ、高い値段に見合うだけの魅力的な情報を満載して、注文者に「食べたい!」と思わせるのは難しいことかもしれません。 初回限定割引、少量でのお味見メニュー設定など工夫を凝らして初回注文を取ることができれば、高い値段でもその味を魅力に感じるリピーターが付くことも十分に考えられます。 リアル店舗では採算が取れないような個性的な店、こだわりの店などもゴーストレストランなら人気店になる可能性もあるわけで、そう考えるとワクワクしますね。 新型コロナウィルスの感染予防と外で集まって食事をする形態がマッチしない以上、今後ともデリバリーサービスは今後大きく成長していくでしょう。 ゴーストレストランという飲食業の新しいスタイルに今後とも注目です。
ネットデリバリーの仮想専門店「ゴーストレストラン」とは
2021.01.21

フレッシュなクラフトビールを自宅で飲みたい!前編

その歴史新型コロナウィルス感染症により、おいしいお酒を皆と楽しむ「宴会」や「飲み会」が激減しました。 機会損失を嘆いても仕方ないので、ここはひとつ前向きに考えてみましょう。 飲み会の楽しさの二大柱が会話とお酒だとすると、現段階では感染予防を考えるに友人や同僚との会話は難しそうです。 しかし、おいしいお酒は自宅でも独りでも飲むことができるのです! そこで今回はお酒の中でも特にクラフトビールに焦点を当ててみましょう。 クラフトビールの歴史 1994年4月以前、ビールメーカーは大手数社しか存在しませんでした。しかし酒税法が改正され、事態は一変したのです。 従来ビール醸造の免許を取得するためには、年間2000キロリットルの最低製造量をクリアしなければなりませんでしたが、これがなんと60キロリットルにまで大幅に引き下げられました。結果、1995年には15社程度の地ビールメーカーが誕生することとなりました。 そうです。このころはまだ「クラフトビール」ではなく「地ビール」と呼ばれ、観光地のお土産として瓶詰で売られる形態が一般的でした。 瞬く間に地ビールブームは広がり、1998年にはメーカーも300社に届く勢いだったと言います。 しかしまちおこしや観光客を呼び込むための側面が強かったため、「本当においしく品質のいいビール」を目指すには気概が不足していたのかもしれません。2000年頃には残念なことに「高くてまずい地ビール」といったマイナスイメージがついてしまい、メーカーは半減してしまいました。 こうした中、アメリカでは職人がこだわって醸造したビールが「クラフトビール」と呼ばれるようになり、このブームはイタリアやフランスなどにも広がりを見せ始めます。 実はこの間、日本でも志高く良い品質のビールを作りたいと願うブルワリーは努力を重ね、醸造を続けていました。この努力は着実に実り、国際大会で日本産クラフトビールが入賞したといった報告が相次ぐまでになりました。 ついに「客寄せのためのビール」は、「客を惹きつける良いビール」へと変化を遂げたわけです。 2010年代にはクラフトビールブーム隆盛となり、2020年現在、全国には小規模なものまで含めると500程度ブルワリーが存在しています。 クラフトビールが認知されるにつれビアバーという形態も一般的となり、さまざまなクラフトビールの個性的な味わいを気軽に楽しめるようになりました。 ここでコロナ禍となってしまい、なかなか外にのみに行くこと自体が難しく感じられるようにもなってしまいました。 しかし、クラフトビールの味わいをあきらめることはありません。実はクラフトビールを自宅で楽しむ方法があるのです。 次回後編では、クラフトビールのテイクアウト事情についてレポートします。
フレッシュなクラフトビールを自宅で飲みたい!前編
2021.01.19

料理がもっと美味しくなる!「塩」の種類と使い分け方法とは?

塩の種類は、大きく「3種類」ある どこの家庭にも常備している、基本の調味料「塩」。スーパーなどに行くといろいろな塩が置いてあり、種類も値段も多種多様なので、どれを選んでいいか迷っているという方も少なくないと思います。塩は私たちの命や健康を保つためになくてはならない存在ですが、知っているようで知らないことが本当に多いもの。そこで今回は、普段の料理がもっと美味しくなる、塩の種類と使い分け方法についてご紹介したいと思います。 まず基本的なこととして、塩は大きく3種類に分けることができます。その原料の違いによって「海水塩」「岩塩」「湖塩」と呼ばれます。日本で作られる塩の多くは海水塩で、ミネラルが豊富に含まれていることが大きな特徴です。 岩塩は、ヒマラヤのピンクソルトなどが有名です。海水塩に比べると「しょっぱさ」を強く感じ、鉄分を多く含むとされています。ウユニ塩湖などがよく知られており、湖塩は海水塩や岩塩と比べて生産量が少ないです。もちろん、同じ種類の塩であっても作られる環境や製塩方法などにより、色や形状、成分などが変化します。 「いくつかの塩を食べ比べてみたい」という場合には、海水塩、岩塩、湖塩のなかから1種類ずつセレクトしてみると、その違いをよく実感することができおすすめです。 料理を美味しくする、塩の使い分け方法とは? 塩を選ぶ際には、原料の違いだけでなく粒の大きさも意識することがポイントです。粒子の細かい塩はどんな料理にも使いやすくて便利ですが、粒子が粗い「粗塩」を準備していると料理の幅がぐっと広がります。 例えば、ステーキや焼き鳥、焼き魚などに粗塩をパラリと振ると、素材の味を上手に引き立てることができます。お酒の好きな方であれば、日本酒と一緒に少量の粗塩を味わうのもいいですね。その他、煮込み料理やスープなどじっくりと味を引き出したい料理にも、粗塩はよく合います。 数種類の塩を常備して、素材に合わせて塩を使い分けると料理の味がとても美味しくなります。ぜひ自分の好みに合った塩を探してみてくださいね。
料理がもっと美味しくなる!「塩」の種類と使い分け方法とは?
2020.12.21

食品業界におけるブロックチェーンの可能性とは?③

①ではブロックチェーンの簡単な仕組み、②では国内における実証実験の事例を紹介しました。 最終回となる今回は、海外における具体的な事例を紹介します。 ネスレ 日本では主にコーヒーでお馴染みのネスレは、実は飲料・食品業界で売上世界トップを誇る食品メーカーです。 IBMが開発した食品サプライチェーンの追跡ネットワークである「IBM Food Trust」に立ち上げ初期から参加するなど、ブロックチェーンを積極的に活用しています。 2020年4月には、スウェーデンで展開するコーヒーブランド「Zoégas(ゾエガス)」の「Summer 2020」シリーズを「IBM Food Trust」上で追跡できるようにするという発表がありました。 パッケージにあるQRコードをスキャンすると、収穫されたコーヒー豆が店頭に並ぶまでどのような経路をたどったかが確認できるといいます。 ブロックチェーン上に書き込む情報については、正確な情報提供を行う役割を第三者である信頼のおける認証機関が担うことで、ブロックチェーン上に虚偽の情報が書き込まれないようになっています。 「IBM Food Trust」は2018年に商用提供が始まっており、Nestlé(ネスレ)だけでなくウォルマートやドール、ユニリーバなどを含む80社以上が参画しています。 スターバックス 世界最大手のコーヒーチェーン企業であるスターバックスも、ブロックチェーンを利用した「農園からカップまで」のコーヒー豆追跡プロジェクトを2020年8月から展開しています。スターバックスはマイクロソフト社と提携しており、利用しているのは上のIBMとは異なるプラットフォームです。 全米のスターバックスで購入したコーヒー豆のパッケージに記載されているコードをウェブ上に入力すると豆の原産地や焙煎業者の情報を追跡でき、また逆に生産者側も豆が最終的にどこで買われていったのかまでわかるといいます。 フェアトレード品にコーヒーが多く見られるように、コーヒー豆生産の現場は雇用環境が劣悪であったり、賃金が低かったりすることが少なくありません。 生産者がコーヒー豆の流通経路に関して、この追跡プログラムなどを通じて知識を得ることで、経済的により独立し、活路を見出せる可能性も十分にあります。 アンハイザー・ブッシュ・インベブ 聞きなれない企業名のように感じられるかもしれませんが、アンハイザー・ブッシュ・インベブは「バドワイザー」や「ヒューガルデン」ブランドで知られる酒類メーカーで、ビール飲料の世界シェアは3割にも達します。 サプライチェーン内の製品追跡にブロックチェーンを利用し、主としてアフリカ農家の生活水準向上を目指しています。 システム導入以前は、現地の農家は収入証明の書類を持たず、銀行口座の開設もままならなかったといいます。 しかし農作物をサプライチェーンで管理することで、現地の農家はアンハイザー・ブッシュ・インベブのサプライヤーであることを証明できるようになり、銀行口座を開設できるようになったそうです。 このように、海外では消費者向けだけではなく、生産者に向けてもトレーサビリティシステム活用が期待されています。 現在は開発中のものも含めて多数のプラットフォームが併存しています。 この先ブロックチェーンプラットフォームは一つのものに標準化されていくのか、あるいは複数サービスがうまく住み分けて共存していくのか。 数年単位でどんどん進んでいくと期待される食品業界におけるブロックチェーンを利用した追跡システムに、今後とも注目していきます。
食品業界におけるブロックチェーンの可能性とは?③
2020.12.17

食品業界におけるブロックチェーンの可能性とは?②

前回は「ブロックチェーン」の簡単な仕組みと、食品トレーサビリティへの活用可能性を紹介しました。 今回は実際に実証実験として行われた具体的な事例を紹介します。 食品トレーサビリティプラットフォームの実証実験 2019年1月に株式会社ベジテック、カレンシーポート株式会社、株式会社三菱総合研究所の3社は、合同で開発したブロックチェーンプラットフォームを用いた食品トレースの実証実験を行いました。 販売ルートについては、アマゾンジャパン合同会社と株式会社日本アクセスの両社が協力しました。もしかしたら、この記事を読んでいるあなたも、この実験に参加していた商品を購入していたかもしれませんね。 私たちが知らない間に、ブロックチェーンによる食品トレーサビリティシステムは実用化一歩手前の実証実験の段階にまで到達してきているのです。 またこの実証実験は、農林水産省補助事業「平成30年度食品流通合理化・新流通確立事業」を活用したものです。国も食品流通の合理化・高度化を強力にバックアップしていることが分かります。 リコールコスト大幅減の可能性 この実証実験では、国内生産者→仲卸→小売と海外生産者→輸入商社→国内流通商社という2ルートで、実際の商取引に関連する物流情報の書き込みや参照が行われました。 この2ルートでそれぞれ事故商品が流通したと仮定し、商品の特定と出荷停止及び回収について、ブロックチェーンプラットフォームを使用した場合と使用しなかった場合の比較検証も実施されています。 結果は、驚くべきものでした。 ブロックチェーンプラットフォームを活用した場合、商品回収までの時間はおよそ3分の1、回収対象品の量は最大180分の1に削減可能であることが確認できたというのです。 特に、輸入品における事故商品の特定は、従来では2日かかっていたところがブロックチェーンプラットフォームを使用している場合にはわずか数秒で完了するとのこと。 各現場での情報入力の手間やコストはかかりますが、事故発生時のリコールコストが激減することは間違いありません。 ブロックチェーンプラットフォームは急速に開発競争が進んでおり、欧米では今後国際的に標準化されていくことを見据えた動きも出始めています。 国内でも、これまでの特定のサプライチェーンによる商品差別化のための食品トレーサビリティから、業界全体のインフラとしての食品トレーサビリティシステムへの転換が進んでいくことでしょう。 ブロックチェーンプラットフォームは、まさにこの食品流通のインフラと言えるわけです。 次回③最終回では、海外での事例を紹介します。皆さんご存じのあの企業も、ブロックチェーンを活用しています。
食品業界におけるブロックチェーンの可能性とは?②
2020.12.14

食品業界におけるブロックチェーンの可能性とは?①

ブロックチェーン」という言葉を聞いたことがありますか。「 仮想通貨の根幹を支える技術を表す言葉として語られることの多いブロックチェーンですが、実はその可能性は仮想通貨だけにとどまりません。 今回は、ブロックチェーンは食品業界において一体どのような可能性を持っているかについて探っていきましょう。 ブロックチェーンの特徴 ブロックチェーンとは、データのまとまりを入れる箱(ブロック)を鎖(チェーン)で繋いでいく仕組みで、ネットワークに接続している複数のコンピュータで共有されるという特徴があります。 特定のコンピュータで運用されるわけではないのでリアルタイム性には乏しいものの、システムダウンが起こりにくく、またブロックが時系列にそって繋がっていくため、ある一部分だけを切り取って改ざんすることは難しいと言われています。 ブロックチェーンは信用や透明性に強みを持ち、金融はもちろんのこと、医療をはじめとするその他の分野でも活用が期待されているのです。 食品トレーサビリティとブロックチェーン 食品業界でまずブロックチェーンの活用が期待されるのは、食品トレーサビリティの分野です。 トレーサビリティはトレース(trace:追跡)とアビリティ(ability:能力)による造語で、日本語では「追跡可能性」とも言われます。食品の移動の把握という意味で使われ、生産から流通、消費あるいは廃棄まで追跡できることを指します。 現在でもスーパーなどで特定の商品について「この商品の生産者は誰々です」といったポップなどを目にすることがありますね。しかしこれは生産から販売まで管理された限定的なサプライチェーンでのトレーサビリティであり、商品の差別化を目指した付加価値としての情報です。 一方ブロックチェーンによる新しいトレーサビリティでは、食品業界全体を網羅する複雑なサプライチェーンをも追跡できるトレーサビリティが期待できます。特定の商品を差別化するためではなく、食品業界全体を支えるインフラとしての役割が期待されているのです。 どのように生産され流通して販売されたのか、その複雑な経路をあるがままに記録できる可能性がブロックチェーンにはあります。 逆に言えば、食中毒や食品偽装など問題のある商品の来歴を正確に把握できるということになります。問題が起こっても迅速かつ適切に対応することができれば、食の安全性はより高まりますね。 購入しようとする食品にスマホをかざすと生産・流通の情報がいとも簡単に入手できる。SFの世界ではなく、ほんの少し先の未来には実現するかもしれない光景です。 次回は、実際に実証実験として行われた国内外の事例を紹介します。
食品業界におけるブロックチェーンの可能性とは?①
2020.11.19

生産者を応援!コロナ禍で話題の「オンラインマルシェ」

コロナ禍でも人気を集める「オンラインマルシェ」 マルシェとは、フランス語で「市場」の意味。食べ物や雑貨、手作りアクセサリーなどを扱う店が並ぶイベントのようなもので、週末などに公園やお寺などのスペースを利用して全国各地で開催され、人気を集めています。私の自宅近くでもマルシェが定期的に行われていますが、生産者と消費者が顔を合わせて、会話をしながら商品を直接購入できるのが大きな魅力です。 しかしながら2020年の新型コロナウィルスの影響により、各地で予定されていたマルシェが続々と開催中止になっています。また、こだわりを持って作られた商品が売れ残っている現状を解決したいという想いのもと、「マルシェの魅力を維持しながら、コロナ禍でも安心して買い物ができるように」という考えから始まったのが、オンラインマルシェです。 農家・漁師直送の「ポケットマルシェ」 新鮮な野菜や魚・肉類などを農家や漁師などの生産者から直接購入できるサービスとして人気を集めているのが「ポケットマルシェ」。コロナ禍でも着実に売り上げを伸ばしていることからも、話題になっています。 こちらのホームページでは、野菜・果物・米といった「商品カテゴリ」と北海道・東北・関東などの「エリア」に加えて、「生産者」のリストからも商品を検索することができ、希望に合った商品を探しやすいのも特徴のひとつです。遠方になかなか足を運べない状況だからこそ、故郷の味や思い出の味をオンラインマルシェで見つけてみるのもいいかもしれません。 中小企業が集結「茨城まごころオンラインマルシェ」 茨城県内の中小企業や小規模事業者のスタートアップのために東京で開催予定だったマルシェを、急遽オンラインで実施することにした「茨城まごころオンラインマルシェ」。開催に向けて、より多くの方にマルシェの存在を知ってもらうために、クラウドファンディングを行いました。 コロナ禍では、多くの生産者や事業者を含めてたくさんの人たちが予期していなかった状況下に置かれています。そのなかで、オンラインマルシェは、従来のマルシェの魅力を保ちながら、生産者と消費者がつながる貴重な場として今後さらに人気を集めていくのではないでしょうか。今後の展開も、ぜひチェックしていきたいですね。
生産者を応援!コロナ禍で話題の「オンラインマルシェ」
2020.11.12

フードロス削減に向けて「量り売り」が加速中⁉その理由と取り組み事例

「量り売り」「ばら売り」が今注目される理由 コロナの影響を受けて一部の農産物や加工品などが売れ残っており、新聞やテレビなどのニュースなどでもよく取り上げられています。こうした背景を受けてさまざまな取り組みが加速していますが、そのなかでも「量り売り」「ばら売り」への注目が集まっていることをご存知でしょうか。 まず前提として、日本の大手スーパーなどでは新型コロナウィルスへの対策のなかで、従来の量り売りやばら売りを中止し、パック詰めのものを販売するスタイルへと切り替わりつつあります。その一方で環境先進国と呼ばれるドイツでは、現在も量り売り販売をする店が支持されているそうです。もちろん、お客さんの手の消毒や、量り売りに使用するカップなどの消毒、試食の中止などは徹底して行っています。これらの事項をまとめた「量り売り専門店における感染防止対策のガイドライン」なども定められました。ウィズコロナのなかでも、ゴミ削減などの問題に取り組む強い姿勢の現れとも言えそうです。 また国内の事例として、東京都世田谷区にある食品専門のミニスーパー「アイアイマーケット」では、廃棄処分を目前に控えた商品を通常の半額以下の価格で販売しており、女性客を中心に人気を集めています。この店の人気の秘密は安さだけでなく、「フードロス」「持続可能」というコンセプトに共感する人たちを惹きつけていることにもあります。これまでは飲食店向けとしていた商品を、個人客向けに少量ずつ販売することで、食品の廃棄量を減らすことに貢献しています。 地域レベルでの取り組みも加速中 フードロス削減に向けて、行政による地域レベルでの取り組みも加速しています。例えば兵庫県加古川市では「加古川市おいしい食べきり運動」を実施し、飲食店や宿泊施設、小売店から発生する食品ロスの削減を目指しています。また、「小盛りやハーフサイズの設定」「食料品の量り売りやばら売りの実施」「規格外品の安売りや有効利用」などを行う店舗も支援しています。 フードロス削減に向けた解決方法としても、注目されている「量り売り」「ばら売り」。コロナウィルスの感染防止対策をどう進めるのかなど課題はたくさんありますが、海外や国内での事例をもとに具体的な進め方を考えてみるのもいいかもしれません。
フードロス削減に向けて「量り売り」が加速中⁉その理由と取り組み事例
2020.11.09

「エシカル消費」することで世界の問題は解決される?

「エシカル消費」という言葉が世に出始めて、10年ほどが経つでしょうか。 一過性の爆発的なブームなどではなく、良い形で少しずつ少しずつ浸透してきているように感じます。 今後ますます、商品選択にあたって品質や価格以外に「エシカル」という要素が重要になっていく時代へと社会は進んでいくのか。 今回は「エシカル消費」について解説します。 エシカル消費は社会問題解決への第一歩になる 「エシカル(ethical)」は「倫理的」「道徳的」を意味します。 倫理的な消費と言われても、消費活動と倫理が結びつかない方も多いかもしれません。 しかし実は、衣食住といった生きていく上で欠かせない消費活動だけに限っても膨大なエシカル消費の選択肢があります。 その商品を生産するにあたって、人・環境・地域に過度な負担を強いない、むしろ貢献することを目指すのがエシカル消費です。 具体例については後述しますが、エシカル消費を実行することで、深刻な世界の問題解決の第一歩を踏み出すことができるのです。 普段食品や衣類を買うときに、その商品が目の前に届くまでの過程を想像することはないかもしれません。 しかし購入しようとしているその商品が、多少なりとも児童労働をはじめとする人権問題・森林伐採などの環境問題・貧困といった犠牲の上に成り立っているかもしれない可能性に思いを馳せてほしいのです。 消費は生きることそのものです。止めることはできません。 だからこそ、消費するモノやサービスの背景まで考え、環境負荷の低いものや生産者からの過度な搾取のないものを選択する、倫理道徳に則って選択することが大切だと言えます。 エシカル消費の具体例 エシカル消費だと自覚していなくても、実はすでに皆さんもエシカルな消費行動をしているかもしれません。 ・エコマーク ・フェアトレード ・カーボンオフセット ・グリーン購入 ・オーガニック 購入するモノやサービスにこれらのキーワードがあればそれはエシカル消費を実行していると言えます。 「エシカル消費」という言葉よりも、具体例の方が耳なじみのある人も多そうですね。 これらは環境や人・社会に配慮された例ですが、地域への配慮という面からは ・地産地消 ・応援消費 などもエシカル消費の一例と言えます。 無理のない「エシカル消費」を続けていく 消費活動は生きている限り続きます。 同じようにお金を払うならば、社会問題を解決する生きたお金を使う。 そう心掛ければ、価格だけを比較した時よりも、より広い目で商品選択をできるような気がしますね。 「より安い」を追求した商品は、得てしてエシカルではない、弱い立場の生産者の犠牲の上に成り立っている場合も多いのだということを心の隅に置いてください。 商品選択に「より安い」だけではない、「より良い」という指標を持てば、企業側にも価格一辺倒ではない商品やサービスの開発を促すことができます。 実際に、寄付つき商品などは価格が高いにもかかわらずよく売れるというデータもあります。 このようなデータが蓄積すれば、企業としてもマーケティング戦略に「エシカル消費」を意識しないわけにはいかなくなります。 もちろん明日から生活のすべてでエシカル消費を実行するのは不可能です。 しかし1つのものからでもエシカル消費は実行できます。 いつでもエシカル消費を実行することができる、実行するほどに社会問題解決の一歩を重ねられるという「気持ち」をまずは持ってみましょう。
「エシカル消費」することで世界の問題は解決される?
2020.11.05

これまだ食べられる? 消費期限と賞味期限を正しく知ろう

食品を購入するとき、消費期限や賞味期限といった期限表示を気にしていますか。 期限が近い商品は割引価格で販売されることもあり、節約上手な人ではこういった商品を上手に購入していることもあるようです。 しかし中には、日付が書いてあるのは知っていても、その日付が何を意味するのか正確に理解していない人もいるかもしれません。 今回はそんな食品の「期限表示」について学んでみましょう。 期限表示の歴史 昭和から平成の初期は、期限表示ではなく「製造年月日表示」だったことを覚えている方はいるでしょうか。あるいは、製造する側として記憶している方もいらっしゃるかもしれません。 期限表示は昭和23年、牛乳等への製造年月日表示が義務付けられたことに始まります。その後、国際規格との整合性をとって、製造年月日表示から期限表示に変更されたのが平成7年。さらに品質保持期限(食品衛生法)と賞味期限(JAS法)が「賞味期限」に統一されたのが平成15年です。 現在の形になったのは意外にも、ほんの5年ほど前のことなのです。 消費期限と賞味期限の違い 消費期限は、食肉・お惣菜・生菓子類などの品質劣化が早めの商品の期限表示です。おおむね製造日から5日以内となっていて、「期限を過ぎたら食べない方が良い期限」を年月日で表示します。 消費期限を超えている場合には、品質劣化が進んでしまっていて安全に食べられない可能性がありますので、食べることはお勧めできないということになります。 対して賞味期限は品質劣化が比較的緩やかなスナック菓子・カップめん・缶詰・ペットボトル飲料などに表示されます。 意味するところは「おいしく食べることができる期限」ということで、適切に保存されていれば、この期限を過ぎてもすぐに食べられなくなるというわけではありません。製造日から期限までが3か月以内の場合には年月日、3か月を超える場合には年月で表示されます。 同じように日付が表示されていても、消費期限と賞味期限では意味するところは大きく異なりますね。 この違いをしっかりと理解しておきましょう。 またどちらの期限も適切な保存かつ未開封での期限となっていますので、一度開封したらこの期限表示は意味を成しません。 開封後は早めに食べきるように心がけるとともに、においや見た目、味など自分の五感をフル活用して食品の品質劣化具合を見極めましょう。そもそも適切に保存されていなければ、期限内でも品質劣化が進んでしまっている場合もあります。 視覚触覚嗅覚味覚を駆使して、食品の品質劣化を判定し、食べるか食べないかを最終的に決めるのは自分自身なのです。 期限表示のない商品もある? 多くの加工食品に期限表示が行われていますが、実は期限表示のない商品もあることをご存じですか。 砂糖や塩、うま味調味料、冷菓やアイスクリーム類、酒類、氷といった長期間保存しても品質の変化が極めて少ないとされる一部の食品は、賞味期限の表示を省略することができるとされています。 これらについてはいつまでも食べられる、と言うと語弊がありますが、未開封で適切に保存されている場合には基本的に安全に食べることができると言えます。 砂糖や塩の特売に遭遇したら、保管スペースと相談の上、まとめ買いをするのも良さそうですね。 そしてもう一つ大切なこととして、期限表示は「おいしく安全に食べられる期限」の目安であり、新しいほど良いという性質のものではないということを知っておきましょう。 今日買って今日食べるのであれば、消費期限が今日のものでも安心安全なのです。 販売店も割引シールを貼るなどして期限間近の商品の販売促進を図っていますが、これは逆に言えば古い日付になるほどに売れにくくなるということを意味し、売れ残ってしまえば廃棄され、食品ロスにもつながっていきます。 むやみに新しい日付のものを選ぶのではなく、手前に陳列されている商品から順に手に取るよう心掛けたいものですね。 ほんの些細な心掛けが、食品ロスを減らす小さいけれども着実な一歩になります。
これまだ食べられる? 消費期限と賞味期限を正しく知ろう
2020.11.02

一匙のハチミツの力に驚き!マヌカハニーの実力とは

ニュージーランド原産の高級ハチミツ「マヌカハニー」をご存じですか。 マヌカはフトモモ科の常緑低木で、1年のうちたった1か月だけ白い可憐な花を咲かせます。その花から集められたハチミツがマヌカハニーです。 高い殺菌・抗菌作用を持つと言われ、コロナ禍という情勢も相まって大人気のマヌカハニー。 その実力に迫ります。 マヌカハニーの機能性 そもそも、ハチミツには過酸化水素という殺菌成分が含まれています。過酸化水素と言うよりもオキシドールと言った方が分かりやすいかもしれません。 古くからハチミツの殺菌作用は知られており、古代エジプト人はミイラ作りの防腐剤としてハチミツを使っていたのだそう。 マヌカハニーにはそういった一般的なハチミツ以上に効能があり、抗菌作用をもたらす何らかの物質が含まれていると考えられました。しかしその物質を特定することができず、便宜的に「UMF(Unique Manuka Factor)」と呼んでいたのです。訳すと「マヌカに特異的な因子」という意味ですね。 2008年、ついにドイツのトーマス・ヘンレ博士が、このUMFがメチルグリオキサール(MGO:Methylglyoxal)であることを突き止めました。 このMGOの働きにより、マヌカハニー特有の機能にピロリ菌や大腸菌の抑制があるのではないかと言われています。その他にも、整腸作用、口内環境の改善や風邪症状の緩和のほか、外用では傷口の炎症緩和などに効果的であることが経験的に知られています。 購入するなら正規品がおすすめ マヌカハニーはその希少性から大変高値で取引されるため、全世界のマヌカハニーの取引量は年間生産量の数倍にもなるのだとか。残念ながら模倣品や混ぜ物をした粗悪品も多く出回っているのが現状です。 模倣品や粗悪品を購入しないためには、買おうとする商品にUMFやMGOの数値が示されているかどうかを確認するのが大切です。 UMF、MGOなどはニュージーランド政府が認定した正規の規格ですので、これらがついているマヌカハニーならば、安心して購入してよいと言えそうです。 数値に伴って、作用が強いほど価格も高くなりますので、予算と数値でどうバランスをとるかを慎重に検討したいところですね。 残留農薬は心配ない? 先ごろ、ニュージーランドにおいてマヌカハニー製品からグリホサートという発がん性が疑われている農薬成分が検出されたという報道がありました。 グリホサートとは日本でも一般的に広く使われている除草剤の成分です。日本人の尿を検査したら多くの人からグリホサートが検出されるという話もあるほど。 しかしここで注意したいのは、「検出」という言葉だけではそれが危険かどうかはわからないということです。 高濃度では毒性があるものも、低濃度であれば無害であるのが化学物質における「用量作用関係」の通例であり、グリホサートにも当てはまります。 今回のニュージーランドの報告書でも、市販品で基準値を上回ったものはないことが結果づけられています。 農薬=悪のイメージを持つ方も多いかもしれませんが、その農薬のおかげで今日の農作物供給が維持されている現実から目をそらすことはできません。 マヌカハニーの販売店ではこの報道のあと、扱っている商品ではグリホサート検出の心配がない旨のお知らせが相次ぎました。健康被害の心配はないとはいえ、やはり「検出」というだけでも消費者が衝撃を受けてしまうという現実がここからも見て取れます。 マヌカハニーは食品でありながら、さまざまな健康効果が期待できると言われています。 偽物や粗悪品を避けて、信頼できる販売店から正規品を購入したいものですね。 食べるだけでなく、傷の手当てにも使えるマヌカハニー。一家に一瓶あれば心強そうです。
一匙のハチミツの力に驚き!マヌカハニーの実力とは
2020.10.29

あなたは何を基準に買っている? 情報という付加価値を考えてみよう

今日はあなたの買い出しデー。あれもこれもたっぷりと買います。 そういえばバターがなくなってしまったので買わなくてはいけませんね。 ・国産、有塩、お手頃価格 ・外国産、無塩、発酵バター、グラスフェッド、奮発価格 おや、棚の前で手が止まりました。隣り合う、ずいぶんと価格差のある商品で迷っているようです。 同じバターなのになぜでしょう? 答えは、同じバターではあるけれども、ある意味では全く別物のバターだからですね。 特にあなたの気を引いたのは「グラスフェッド」という耳慣れない言葉です。 商品前のポップによると、grass=牧草 fed=育てられた を意味し、人工飼料ではなく牧草を食べて育った牛の乳で作られているバターとのこと。 緑広がる放牧場でのんびりと草を食む乳牛の姿があなたの目に浮かんでいるようです。 あ、あなたは外国産のグラスフェッドバターを手に取りました。「外国産」「発酵バター」「グラスフェッド」という情報にお手頃価格品との価格差を埋める魅力を感じたのでしょうか。 「情報」には価値がある 食品売り場に品物だけが並んでいて、価格以外に情報がないことを想像してみましょう。 外見からは推測できない価格差があると、選ぶ基準がなくて困ってしまいますね。 では逆に、少し未来を想像します。あらゆる商品にスマホをかざすと生産者からのメッセージ、生産方法、品質、その他さまざまな情報が画面に映し出されるとしましょう。情報が多すぎて逆に選べなくなってしまうかもしれませんが、情報がないことに比べると贅沢な悩みに思えませんか。 極端な例で考えてみましたが、「食べてみておいしかったからお金を払う」というシステムではない以上、その商品に対する情報は商品価値を左右するといっても過言ではありません。 オーガニック(有機栽培)、ケージフリー(平飼い)、NON GMO(非遺伝子組換え)などあまり詳しく意味は分からないけれども魅力的に聞こえるような付加情報をもつ商品も増えてきています。 あるいは生産者の顔写真が入っていたり、伝統製法を謳ったり、商品パッケージやポップには魅力を高めるための各種情報が記載されているのを目にしたことがあるはずです。 規制やルールが情報を守る 情報には価値がある、とすると、実際とは違うウソの情報を付加した商品を高く売ろうという悪い輩が現れるかもしれません。とんでもないことですが、昨今のニュースを見聞きするに皆無とも言い切れないのが現状というところでしょうか。 そのようなことがないよう、規制やルールが存在します。 代表的なものが食品表示法で、表示すべきこと、表示できる内容などが事細かに決められています。これにより、消費者が知りたい情報が同じ土俵の上に出そろいますので、比較選択が容易になると言えるでしょう。 しかしこれで万事解決というわけにもいきません。 法整備追いつかないまま、言葉だけが独り歩きしている場合もあります。 ITの発達により、外国の情報にも誰でもが一瞬でアクセスできる時代。 これからの時代は、消費者自身にも情報の真偽を見極めたり分析をしたりするメディアリテラシーの力が求められると言えそうです。 生産者・販売者の側から考えれば、情報を味方につけることが戦略上重要になってくることは間違いありませんね。
あなたは何を基準に買っている? 情報という付加価値を考えてみよう
2020.10.26

ブームからカルチャーへ 定着するノンアルコールドリンク

一日の疲れをその一口で癒やす、風呂上がりのビールや酎ハイ。いやいや、和食ならやっぱり日本酒。あるいは、しっとりと長い夜に寄り添うカクテル。 皆さんそれぞれ好きなお酒、好きな飲酒シチュエーションがあると思いますが、いつの間にか飲食店でもお酒売り場でも「ノンアルコール」という選択肢が増えてきたことにお気づきでしょうか。日本国内でのノンアルコール市場は10年間で4倍に拡大するという急成長を遂げており、今後もさらなる伸びが期待されます。 飲み会=アルコールを飲む会、という認識はもう古い? 「大人ならばお酒を楽しんで一人前」一定以上の年代の方には根強いこの価値観。実はこの考え方はもはや古臭く、一部の若者世代にとってはなじまなくなりつつあるようです。アメリカでは夜更かしして深酒するよりも、飲まずに質の良い睡眠をとり朝に運動する生活様式の方がクールだと感じる人も多くいるのだとか。 しかし、これはもちろん飲酒が好きという個人の嗜好を否定するものではなく、飲む人にも飲まない人にも「ノンアルコールドリンク」という選択肢が広がっていると捉えるべきでしょう。 一過性のブームからカルチャーへと定着しつつあるノンアルコールドリンクについて紹介します。 ノンアルコールドリンクはビールだけにとどまらない! 休肝日やハンドルキーパーにノンアルコールビールはお馴染みですが、ノンアルコールドリンクはビールだけにとどまりません。酎ハイ・サワーなどのほか、ワインやスピリッツ、モクテルと呼ばれるノンアルコールカクテルなど、種類は大変豊富です。 海外・国内ともノンアルコール専門ブランドや専門ECサイトが展開されるなど、今後の成長への期待が見て取れます。 有名ショットバーではモクテルも人気なのだそう。アルコールが苦手だったり車で来ていたりといった理由以外に、美味しいから、健康に気を付けているからといったポジティブな理由からも選ばれていると言います。 ちなみにモクテル(MOCKTAILS)とは「MOCK(似せた)」と「COCKTAIL(カクテル)」を組み合わせたイギリス発の造語です。身近なところではファミリーレストランのドリンクバーでドリンクアレンジとして配合が紹介されていますが、これも一つのモクテルの形と言えるかもしれませんね。 選択肢が増えて、飲む人にも飲まない人にも嬉しいノンアルコールドリンクですが、日本の酒税法ではアルコール分が1%未満であればノンアルコールを表示できるという規定になっています。 商品によっては微量のアルコールが含まれる場合もありますので、アルコール分が0.00%で全く含まれないのか、0.1%以上1%未満で微量に含まれているのかに注意しましょう。 また、アルコール分が0.00%であってもアルコール飲料の味わいを再現し、あくまでも成人を対象とした商品となりますので、20歳未満の子どもさんには飲ませないように気を付けてくださいね。
ブームからカルチャーへ 定着するノンアルコールドリンク
2020.10.15

最近よく聞く「ゼロ・ウェイスト」とは?身近な事例と参考図書もご紹介

ゼロ・ウェイストとは? レジ袋有料化などに伴いゴミを減らす動きが加速するなかで、最近よく聞く言葉のひとつが「ゼロ・ウェイスト」。これは、ゴミなどの廃棄物をどう処理するかではなく、ゴミそのものを出さないようにしようとする考え方です。 日本のリサイクルは先進的な技術力を持っていますが、リサイクルするためには大量のエネルギーが必要となります。またリサイクルを繰り返すことによって素材の質が悪くなり、新しい資源を投入しなければならなくなるという現実もあります。つまり、リサイクルによって「資源が元に戻る」わけではありません。リサイクルをしながらも、資源を消費し続けているということになるのです。 ゴミの削減の分野では、リデュース・リユース・リサイクルの頭文字を取った「3R(スリーアール)」の考え方が浸透しつつありますが、実際はゴミの量はなかなか減らないという状況があります。例えば、昨今問題視されている「食品ロス」などは、むしろ増加しているというデータも出ています。 取り組み事例と参考図書は? こうした背景を受けて、ゼロ・ウェイストの取り組みは世界各国に広がりつつあります。例えば、ブータンでは毎月2日に「ゼロ・ウェイスト・アワ―」を定めています。2030年までに「廃棄物ゼロ社会」を実現することを目指して、この日に約1時間清掃をするというものです。 国内では、2003年に日本で初めて「ゼロ・ウェイスト宣言」を発表した徳島県上勝町が注目を集めています。地域固有の課題と向き合いながら、ゴミ削減に向けた数々の取り組みを行っています。 国や地方自治体だけでなく、飲食店や空港、小売店、イベントなどにもゼロ・ウェイストの動きは広がっています。また昨今では、家庭から気軽に始められる取り組みを紹介した本として「ゼロ・ウェイスト・ホーム―ゴミを出さないシンプルな暮らし(ベア・ジョンソン著)」や「プラスチック・フリー生活―今すぐできる小さな革命(シャンタル・プラモンドン著)」などの本も出版されています。 ゼロ・ウェイストの概要を知るとともに、取り組み事例や参考図書なども参考にしながら、身近にできることを考えてみてはいかがでしょうか。
最近よく聞く「ゼロ・ウェイスト」とは?身近な事例と参考図書もご紹介
2020.09.03

Stay Homeで「ハレ」を演出する、ウィズコロナの食生活様式

2020年、想像だにしていなかった新型コロナウィルスによるパンデミックにより、生活様式は一変しました。より正確を期するならば、私たちの意思とは無関係に、一変せざるを得なかったと表現するべきでしょうか。とにかく、もうコロナ前の生活には戻れない、戻らない時間というのがこの先長く続いていくようです。 このウィズコロナの新しい生活様式について、食の面から考えてみたいと思います。 <食事におけるハレとケの考え方> 「ハレとケ」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。厳密には民俗学や文化人類学で使われる用語です。曰く、「ハレ」は儀礼や祭り・年中行事などの非日常を、「ケ」は普段の生活である日常を表し、衣食住などをハレとケでは区別したのだとか。 お正月に晴れ着を着ておせち料理を食べ初詣に行くことなどは分かりやすい「ハレ」の例でしょう。 ここでは大きく捉えて、「ハレ」を「特別」、「ケ」を「普段」という意味で使用し、ウィズコロナの食生活を考察してみます。 <自粛生活により「ハレ」の需要が減少したのか> 感染拡大防止のため、不要不急の外出や3密を引き起こす営業を自粛する動きが広がり、観光やレジャー、外食などの消費は一気に落ち込みました。感染拡大が落ち着いたかに見える局面もありますが、だからといってコロナ前と同じように自由に移動し集い消費するという生活スタイルに戻るという動きは見られません。ワクチンや特効薬が広く行きわたるまでこの傾向は続きそうです。 旅行やレジャー、外食などの、日常生活に潤いをもたらす小さな「ハレ」は、コロナ前に比べると段違いに実現が難しくなってしまいました。ここで注目したいのは、実績は激減しているものの、その需要まで減少してしまったのか? という点です。 答えはノーでしょう。人々にとって、「特別を楽しみたい」という需要がなくなったわけではないのです。以前のような形で気軽に「ハレ」を楽しめなくなってしまっただけで、その需要は依然として存在しています。考えてみれば、これは当然のことですね。気軽に「特別」を楽しめないのであれば、むしろその欲求は増していくのが自然な流れかもしれません。 この需要をピンポイントに満たす供給先は、今まさに探られている真っ最中でしょう。新しい「ハレ」が形作られていく進化の渦の中を生きていると考えると、少しワクワクしてきますね。 <食生活における新しい「ハレ」の模索> そもそも昭和の時代に比べると家庭での食事も豊かになり、寿司や天ぷら、すき焼き・焼き肉などの現在の中高年が子供のころに「ごちそう」と感じた献立ですら特別に食べるものという意識もなくって、もはや何が「ごちそう=ハレ」なのか、メニューから区別することは難しくなっていたというのが実情です。 自炊を「ケ」として、買ってきたものを食べるのを「ハレ」と考えるのも難しいようです。というのも、スーパーでお惣菜を買ってきて食卓に並べる「中食」は一般的となり、これは分類するならば「ケ」に近いように思われるからです。 そこで第三の観点、食べる場所で「ハレ」を演出していたと考えてみましょう。 コロナ前には自宅ではなく外食という形で「ハレ」を実現していたのだとしたら、自粛生活で「ハレ」と「ケ」を明確に区別することは困難です。 ではウィズコロナの世界で「ハレ」を演出する新しい基準は何でしょうか。 出かけて行って非日常を楽しむタイプの「ハレ」よりも、Stay Home の中で「ハレ」を演出することが望ましく感じられる時代。 この時代の「ハレ」を演出するキーワードは「高級食品」「テイクアウト」です。 「高級食品」は普段では購入しないような高価な食材やお取り寄せをイメージするとわかりやすいでしょう。 「テイクアウト」はその名の通りで、これまでテイクアウト営業をしていなかった飲食店の持ち帰り商品であればより特別感が増し「ハレ」を演出してくれます。 (まとめ) Stay Homeという大きな流れは今後も続くでしょう。その中で「家で楽しむ」「家を楽しむ」ことは新しい「ハレ」を生み出す可能性に満ちています。企業は新しいビジネスチャンスをものにしようと試行錯誤し、新しいトレンドが次々と生まれるでしょう。 今後時代が進むと、「高級食品」「テイクアウト」も「ケ」に分類される日がやってくるかもしれませんが、そのころには新しい「ハレ」が現れているかもしれません。何しろ、特別な食を楽しみたいという人間の欲求は消えることはないのです。 このダイナミックな変化の渦中を楽しむという姿勢こそ、ウィズコロナをうまく過ごしていく小さな秘訣の一つかもしれませんね。
Stay Homeで「ハレ」を演出する、ウィズコロナの食生活様式
2020.08.27

今こそ活用したい! 冷凍野菜の真の実力

スーパーではまとめ買いをしたいと思うものの、すぐに萎れる葉物野菜などは頻繁に買いに行かざるを得ないと嘆いている方にこそ知ってほしい「冷凍野菜」。冷凍食品コーナーを休日の昼食とお弁当のおかずにしか使わないなんて、もったいない! 実は優秀な、冷凍野菜の真の実力をお伝えします。 <冷凍野菜の栄養価は生野菜よりも劣るって本当?> 冷凍野菜に生野菜よりも栄養素が減っているイメージを抱く人は多いのではないでしょうか。しかし実のところ、冷凍野菜だからと言って極端に栄養素が損失しているわけではなく、勝負は互角です。 冷凍野菜に使われるのは、旬の一番いい時期に計画的に収穫された野菜です。スーパーで売られている野菜よりもむしろ新鮮で栄養価の高い野菜を、鮮度が落ちないうちに加工します。 加工は工場で手早く行われます。選別・洗浄などの前処理を施した野菜は、ほとんどの場合ブランチング(軽い湯通し)され、急速冷凍されます。このブランチングによって野菜の持っている酵素を不活性化させて変色を抑えたり、食品表面の殺菌効果が得られたり、冷凍耐性が向上したりします。 冷凍保存するということで特筆して栄養価が損なわれることはありません。 例えば、ご家庭で買ってきたほうれん草を明日食べよう、明日食べようと3日も冷蔵庫に入れっぱなしにしておくとみるみるうちに萎れてきますよね。見た目だけでなく、味も栄養価も日に日に落ちていってしまいます。 しかし冷凍野菜ならばそこまで焦る必要はありません。食べたいときに食べたい量を便利に使うことができ、しかもその栄養価は生野菜と遜色ないのです。 一つだけ注意したいのは、すでに半加熱されているので、加熱し過ぎないようにするということ。風味や歯触りの面では、生野菜に分があることは否定できません。 <キノコは冷凍した方がおいしさも栄養素もアップする!> キノコ類に限っては、冷凍した方がおいしさも栄養素も断然アップします。常温のキノコを買ってきた場合、翌日までに食べる予定がない場合には冷凍保存一択!と言い切っていいほど。 冷凍することで水分が凍って体積が膨張することにより、細胞壁が破壊されます。キノコのうまみ成分である「グアニル酸」はキノコの細胞が壊れて初めて出てくるほか、うまみ成分を作り出す酵素の働きでアミノ酸が3倍にも増えるので、おいしさも栄養価も高まるというわけです。 調理するときには凍ったまま使うのがポイント。複数のキノコを混ぜて冷凍しておくミックス冷凍キノコはとても便利です。自家製で冷凍した場合には1か月を目安に使い切りましょう。 水分の多い野菜は冷凍には適さないので、すべての野菜を冷凍野菜で賄うことは現実的ではありません。サラダで食べる野菜はやはり生野菜のイメージですよね。 しかし、ほうれん草やブロッコリーなどの葉物野菜を冷凍野菜で常備しておけば、毎日の食事に大活躍すること間違いなし! 張り切って購入したけれど調理する段階で力尽きてしまう人、量が多すぎて食べきれず腐らせてしまいがちな人にとっては救世主ともいえます。 いつでも旬で手間いらず、栄養価も保存性も高く、コストパフォーマンス抜群な冷凍野菜。上手に活用してみてくださいね!
今こそ活用したい! 冷凍野菜の真の実力
2020.07.06

仕入れコストに削減に効果的!?完全養殖マグロとは?

現在、飲食業界では仕入れコストが高騰していて、そのコストが経営を圧迫しているといったケースが増えています。そういった流れの中で、安定的にコストを抑えながら食料を供給できる「養殖」にいま注目が集まっています。 特に日本は、諸外国に比べて「養殖」に対して高いレベルの技術を持っています。2002年に近畿大学水産研究所がクロマグロの完全養殖を世界で初めて成功させました。そして、2010年にマルハニチロさんが民間企業で初めてクロマグロの完全養殖を成功させます。 その後も大量生産、商業出荷と順調に軌道に乗せて、2016年にはマルハニチロの完全異色クロマグロのブランド「BLUE CREST」を誕生させます。マグロなどの魚の漁獲規制が年々強化されるているなかで、天然資源に頼らずに安定的にマグロを供給する手段として「完全養殖サイクルの確立」を作り上げたのは大変素晴らしいですね。 このクロマグロの完全養殖とは、人工ふ化をさせたクロマグロを親魚に育て、その親魚が生んだ受精卵を孵化させ、幼魚から成魚にまで育てることになります。これまで一番の課題とされていたのは、卵が孵化してから稚魚に育つまでの生存率です。マルハニチロさんでは、生育環境の改善や餌の工夫などを繰り返し積み重ねて、着実にその生存率を高めてきました。 そして、事業開始当初には0.1%に満たなかった生存率を3%にまで高めることに成功したのです。 マルハニチロさんの「BLUE CREST」だけではなく、新たな養殖ブランドも続々と誕生しています。例えばJR西日本が鳥取県の新たな特産品を作ろうと陸上養殖をした「お嬢サバ」。このサバは青魚独特の臭みなどがなく、上質な脂が味わえることと、食中毒の原因にもなってしまうアニサキスを付きにくくしたことが特徴になります。 マルハニチロさんやJR西日本さんの取り組みだけではなく、こういった養殖ブランドが増えていくことを期待しながら今後も注目していきたいと思います。
仕入れコストに削減に効果的!?完全養殖マグロとは?
2020.05.25

ごまアレルギーって何?安心・安全なごま油の選び方

少し前から、アレルギーを持つ人が増えていますね。小学校の給食などでは、アレルギー対応のものを用意するのが大変という声もよく聞きます。三大アレルゲンとも呼ばれる「卵」「乳」「小麦」の他に、ソバ・落花生・エビ・カニなどを含めたものが、「アレルギー表示義務」のある7品。それに加えてアレルギーを起こしやすい食材には、「推奨表示」と言われるアワビ・イカ・イクラ・オレンジ・キウイなどがあります。 「こんな食材にもアレルギーがあるの?」と思ってしまうくらい、アレルギーの発生源となる食材の種類も増えていて、何も知らないとビックリしてしまいます。では皆さんは「ごまアレルギー」というものを聞いたことはありますか? 実はごまは、2013年9月から加工食品のアレルギー表示において推奨表示品目に加わっています。そもそもアレルギーとは、何かの食物を食べた時にそれを身体が異物として認識し、自分の身体を守るために過敏な反応を出すことです。アレルギーに対する健康被害を防ぐために、消費者庁での調査などからその程度や発生件数などを考えて、加工食品への特定原材料の表示を義務付けしています。 ごまには、他の豆やナッツなどとは違ったアレルギ―の特徴があり、特に練りごまやすりごまを食べると発症することが多いようです。逆に、ごま油や皮付のごまを食べても何も症状が出ないことが多いのだとか。症状は、口のなかから始まり、呼吸器や消化器などに及びます。香ばしくて料理にコクを出してくれることから、子どもも大好きなごまですが、離乳食期などの子どもにごまを与える際には、少量から慎重にあげた方が良いかもしれません。 ちなみにこのごまアレルギーは、一説によれば、ごまの生産方法や大量生産する際の人工的なプロセスなども関係していると言われています。ごまは日本での生産量は極めて少なく、その多くを輸入に頼っています。ごまは虫が付きやすい植物です。「有機」などの表示がされていないものは、どの位の農薬や化学肥料が使われているのか知る由もありません。また、ごまからごま油を作る際には、大量生産するために薬剤などを使うことも多いのだとか。安く売られているものには、必ずその理由があるということですね。 知っているようで知らない、ごまアレルギー。よく使う食材だからこそ、できるだけ安全なものを選びたいですね。
ごまアレルギーって何?安心・安全なごま油の選び方
2020.05.18

食品ロスを削減するWEBサービス(後編)

前回に引き続き、食品ロス低減に向けた取り組みと新しいWEBサービスを紹介します。 前編はこちらです⇒食品ロスを削減するWEBサービス(前編) 農林水産省と環境省による平成29年度(2017年度)の推計によると、年間2550万トンの食品廃棄物等が出されています。このうち、“まだ食べられるのに廃棄される食品”=「食品ロス」は約612万トン(事業系328万トン・家庭系284万トン)。これは、国民一人あたりにすると、1日約132 g(ごはん茶碗1杯分)、年間で約48 kgとなります。推計を開始した平成24年度以降では最少となり、取り組みの効果が出始めているといえるかもしれません。 一方で、食料自給率(カロリーベース)が37 %しかないわが国の現状をみると、さらなる削減の取り組みや事業者と消費者双方の意識を高めるためのコミュニケーションが大事になるでしょう。海外にも広く紹介された「もったいない」という日本の言葉を思い出しながら、必要な分だけを買う、使い切るための工夫をしていきたいですね。新型コロナウイルス対策と同様に、食品ロス低減もみんなで取り組むことで進んでいきます。 恵方巻などの季節・行事食ついては、コンビニ・スーパーなどが予約制を採用しながら、当日の店頭販売数を抑えることで廃棄される量も減って改善が進みつつあります。また加工食品では、賞味期限の延長の検討や賞味期限の「年月日」表示から「年月」表示への変更(3カ月以上のもの)に加え、小売店への納入期限ルール変更などが行われています。さらに、賞味・消費期限まで“安全においしく”食べられるようにする観点から、食品添加物の適切な利用も有効な選択肢の一つです。 ●フードシェアリングサービス「TABETE」 【株式会社コークッキング】 https://www.cocooking.co.jp/  予約客のキャンセルや悪天候による来客数の減少などの理由により、廃棄される恐れのある商品を抱える飲食店等と消費者をつなぎ、フードロス削減を目指すフードシェアリングのマッチングサービス。 ●「Otameshi」 【株式会社SynaBiz】 https://otame4.jp/  品質には問題はないが通常の流通が難しく時間の経過と共に処分されてしまう、従来廃棄されていた商品を消費者がお得に購入でき、かつ購入者が選んだ社会貢献活動団体に売上の一部を寄付できる社会貢献型ECショッピングサイト。 ●「ロスゼロ」 【株式会社ビューティフルスマイル】 https://www.losszero.jp/  食品メーカーの規格外品・1/3ルールにより販路不足となる食品を買い取り、一般消費者や法人(定期購入含む)に、作り手のストーリーとともに届けるWEBプラットフォームを運営。またオフラインでは、規格外食材を当該地域で消費できる食事会を開催する。 ●「No Food Loss」 【みなとく株式会社】 https://www.nofoodloss.com/  小売店において販売期限や季節限定パッケージなどの理由からまだ食べられるのにやむなく捨てられてしまう商品がクーポン形式にて発行されお得なお買い物が楽しめるアプリ。 ●割引・特売・詰め放題ショッピングサービス「Render」 【Render株式会社】 https://www.render.co.jp/  食品の生産・製造・販売に関わる傷モノや規格落ち品、B品、訳あり品などを、販売時設定した連打ゲームにトライすることで「楽しく、おトク」を感じられる販売方法により今までにない新しい買い物の仕方を提供するwebショッピング。 これからもどんどん新しいサービスが始まると思います。 皆さんも手軽に始めれるWEBサービスを利用して食品ロス問題の解決にご協力ください!
食品ロスを削減するWEBサービス(後編)
2020.05.15

食品ロスを削減するWEBサービス(前編)

食品ロスという言葉は、食品業界に携わる人だけでなく、一般にも浸透してきています。恵方巻などの行事食の売れ残りが廃棄される様子がSNSで拡散されたり報道されたりしたことで関心が高まりました。そこで本稿では、食品ロスの現状と削減に向けた新しい取り組みとして、WEBサービスを2回にわたって紹介します。 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で学校給食や外食店、宿泊施設が休業したことにより、牛乳や野菜を中心とした素材や商品が大量に行き場を失いました。ネット販売や地域ごとの取り組みなどの素早い対応で一部が消費者の手に届きましたが、残りは流通ルートがすぐに確保できずに廃棄せざるを得ない状況になっています。これからは行政と事業者などがアイデアを出しながら、緊急事態の状況下でも食品の流通が柔軟に対応できるようになると食品ロスがより一層減らせるようになるでしょう。 このような中で、農林水産省は「新型コロナウイルス感染症の影響で発生する未利用食品の活用促進について~新たな販路の確保やフードバンクへの寄附の推進~」として食品ロスの発生防止につなげるためのビジネスを紹介しています。スマホのアプリを使って楽しみながら食品ロス削減に貢献するといったアイデアもあり、多くの人がお得に参加できそうです。本サイト「シェアシマ」もB to Bのソリューションとして掲載されています。 ●食品原料WEBマッチングサービス「シェアシマ」 【ICS-net株式会社】https://shareshima.com/ 食品メーカー(工場)が調達する食品原料 分野において、webで商品情報が共有されることにより、今まで廃棄される選択肢しかなかった食品原料を新たに探しているユーザーとマッチングするビジネス。シェアシマは、食品ロス対策だけでなく、普段の食品開発に役立つ加工食品原材料の情報が掲載されています。買う側のユーザーは登録(無料)するだけで材料の検索が可能です。 ●食品ロス削減を目指すサービス 「ecobuy」 【株式会社NTTドコモ】 消費/賞味期限が間近となった対象商品を購入した消費者にポイントを付与し、購入商品の期限間近になると通知やレシピ提案を行う社会貢献型アプリ。登録した小売店で対象商品を購入することでポイントを得ることができる。獲得ポイントは他社ポイントと交換可能。2020年夏頃サービス開始予定。 ●社会貢献型フードシェアリングプラットフォーム 「KURADASHI.jp」 【株式会社クラダシ】 https://www.kuradashi -mottainai.com/ 食品ロス削減への賛同メーカーより協賛価格で提供を受けた商品を消費者へ販売し、売上の一部を社会貢献団体へと寄付する社会貢献型フードシェアリングプラットフォーム。飲食店店舗においてのクラダシ商品の販売支援や長期在庫化した加工食品をクラダシが買い取りオンラインでの再流通、飲食店の空き予約をクラダシが仲介して集客の支援を行う。 ●「temite(テミテ)」 【Creation City Lab株式会社】 https://temite.net/busi ness/ 顧客体験の促進をゲームの様に展開できるプラットフォーム。小売店や食品メーカー等がアプリ掲載者となり、消費期限間近の商品購入や販売期間限定パッケージの購入等をタスクに設定し、アプリ利用者はそのタスクをクリアする事によりリワードを獲得することができる。 他にもまだまだ多くのサイトが開発され、サービスが開始されています。続きは後半の記事でお伝えします! 後編はこちらです⇒食品ロスを削減するWEBサービス(後編)
食品ロスを削減するWEBサービス(前編)
2020.04.08

納豆は大丈夫?「遺伝子組み換え食品」の見分け方

ごはんのお供として朝食などに登場することも多い「納豆」。タレをかけるだけですぐに食べられる健康的な一品ですね。冷蔵庫に常備している家庭も多いことと思います。この納豆の原材料名を見ると、「大豆(遺伝子組み換えではない)」と書かれていることがほとんどですが、これは本当なのでしょうか。 と言うのは、日本国内での大豆の消費量のうち約9割が輸入に頼っているとされています。輸入量は「アメリカ」「ブラジル」「カナダ」の順に多く、この3ヵ国で輸入大豆のほとんどまかなっています。アメリカの農務省のデータによれば、大豆の9割以上が「遺伝子組み換え」であり、遺伝子組み換えでない大豆はごくわずか。それにも関わらず、納豆などを始め日本の大豆食品の原材料表示が「遺伝子組み換えでない」ばかりなのには、何だか疑問が残りますよね! 実は食品表示法によれば、原材料名として表示義務があるのは「重量に占める割合が5%以上のもの」のみなのだとか。つまり、仮に遺伝子組み換え食材を使っていたとしても、5%未満であれば表示しなくても大丈夫ということになります。また「重量順で上位3品目」という表示義務のルールもあり、重量が4番目以降であれば表示しなくてもよいということに。ということは、原材料名としては「遺伝子組み換えではない」と書いてあっても、知らず知らずのうちに遺伝子組み換え食品を口に入れている可能性があるかもしれないということです。 そもそもの話として、「遺伝子組み換え食品は危ないのか」ということも気になるところです。遺伝子組み換え食品が登場し始めたのは1970年代。その主な目的は、病虫害に強い作物を作るためでした。人や環境への安全性に配慮し研究などが繰り返し行われた上で、遺伝子組み換え食品が世界的にも広まっていきました。その意味では「遺伝子組み換え食品が危険だという根拠はない」と言われています。ただし同時に「安心であるという根拠もない」というのが、現実的なところです。 「絶対に、安心安全な食」というものを求めるのは難しくても、原材料の表示ルールなどはしっかりと把握し、意識して食材を選びたいですね。例えば、「遺伝子組み換え大豆は一切使用していない」という納豆も時々見かけますが、こうしたものを選ぶというのもひとつの方法かもしれません。
納豆は大丈夫?「遺伝子組み換え食品」の見分け方
2020.03.30

最近よく聞く「ネオニコチド系農薬」ってどんなもの?

「ネオニコチド系農薬」という言葉を、どこかで聞いたことはありますか?ニコチンによく似た「ニコチノイド」を主体として作られた殺虫剤のことで、1990年頃から使われるようになりました。世界でも使用量の多い農薬のひとつで、ネオニコチドと言われる7種類の物質を含む農薬や殺虫剤は、現在いろいろな製品として市場に出回っています。 もともと「ネオニコチド系農薬は人への毒性は低い」「脊椎動物ではなく昆虫に対して強い神経毒性を持つ」ということで2000年頃から使用が拡大されてきました。また、散布された農薬には水に溶けるという性質があり、植物の根から葉の先端まで浸透することから「虫の被害から植物全体を守ることができる」と言われ、農業などの現場では広く使われてきました。 しかし、ネオニコチド系農薬の普及が進むにつれて、世界のいたるところでハチが大量死するようになりました!ハチは植物が受粉する手助けをする役割であるため、ハチが死んでしまうと農業は成り立たなくなってしまいます。因果関係ははっきりと確認できませんでしたが、この事態を受けてヨーロッパ諸国では、2000年代初頭からネオニコチド系農薬の使用を制限するようになりました。代替品として使える農薬が見つからない状態でしたが、「環境やいのちに重大な被害が出る」ことを想定しての対応を取ったのです。 そして今もなお欧米諸国ではネオニコチド系農薬のさまざまな規制が進められていますが、日本ではまだまだ意識が低く、その名前すら知らないという方も少なくありません。むしろネオニコチド系農薬の規制がないばかりか、使用量の規制緩和が進むなど、全く逆の動きすら見られます。 とある研究によれば、ペットボトルのお茶9種類に含まれるネオニコチド系農薬の残留量を調べてみたら、全ての日本茶の茶葉から検出されたそうです。茶葉を収穫する7日前までであれば、ネオニコチド系農薬を7種類まで散布できるとされており、異常気象の際には大量の農薬の使用が予想されます。ネオニコチド系農薬が含まれているかどうかはパッと見ただけで分かるものではないため、消費者としてはとても心配です。 日本ではまだまだ認知度の低いネオニコチド系農薬。一人ひとりが問題の重要性を意識し、その動向を見ていくことが何より大切ですね!
最近よく聞く「ネオニコチド系農薬」ってどんなもの?
2020.01.27

ローリングストック(循環備蓄)で災害に備えましょう

災害への備え、できていますか ちょっと振り返ってみましょう。最近あった災害を思い出してみてください。いくつか思い浮かびましたね。では去年まで遡ったらどうでしょうか。数えたら折る指が足りなくなったかもしれません。そのくらい、我が国では災害が多発しています。地震、台風、大雨などいくつもの災害が思い浮かびます。今回たまたま被災しなくても、次にいつ被災するかは誰にも分かりません。 やみくもに不安がるよりも、できることはしっかり準備して、少しでも安心して日々を過ごしたいところではありますが、では果たしてどのような対策をすればよいのでしょうか。 ここでは、食料の備蓄という対策についてお話しましょう。 台風や大雨などある程度予測されての災害には、直前に日持ちのする食料品をまとめ買いするなどの対策をとる方も多いかもしれません。しかし皆が一斉にまとめ買いをすることで、スーパーの棚が空っぽになり買うことができなくなってしまうこともあります。あるいは、食料を買いためたものの、運よく被災しなかった場合、その食料を食べきることができず無駄にしてしまうこともあるかもしれません。そのような経験があると、次の災害に備えるときに「また無駄になるかもしれない」という心理が働いて、十分な量の食料を確保しない可能性もあります。 いつ起こるかわからない災害に対しては、兎にも角にも日ごろの備えが肝心です。大きな地震の後には、備蓄食料として長期保存できる水やレトルト食品、缶詰などを購入する方も増えるようですが、買いっぱなしでその後のメンテナンスまで手が回らない場合も。忘れたころにチェックしてみると、どれも保存期限を過ぎていた、となってしまってはもったいないですね。 毎年1回、防災の日に備蓄食料のチェックをして、古いものを食べ、新しいものを買い足すというやり方も推奨されているようですが、年に一度だとついつい忘れてしまうことも多そうです。 そこで、「ローリングストック」です。この言葉、聞いたことありますか。「循環備蓄」とも言います。   ローリングストックで日常を丸ごと災害対策に 皆さんのお宅には普段、カップ麺やレトルト食品、缶詰、お米やパスタ、飲料、菓子、乾物など日持ちする食料品もたくさんありますね。これをそのまま災害対策の備蓄食料に活用しよう、というのがローリングストックの発想です。 もちろん、無計画に大量に保存食を買っても食べきれなければ無駄になります。あるいは、買い込んだからとどんどん食べてしまっては、備蓄の意味がなくなってしまいます。 ここで大切なのは、「日常の食生活」にこれらの備蓄食料を取り込む、ということなのです。普段から家に買い置きしておく食料を決め、在庫を把握し、計画的に消費する。消費したら、買い足す。この循環こそがローリングストックなのです。 ローリングストックのメリットは消費と購入をセットにすることで、保存期間がまだ十分に長い食料を一定数備蓄し続けることができる、ということ。加えて、いざという時にも普段食べ慣れているものを食べられることも大きな利点です。被災するという大変な環境の変化にさらされた時、単に空腹を満たすにとどまらず、普段通りに近い食生活を送れるというのは大きなストレス軽減となるでしょう。 ローリングストックを行うにあたっては、2つのポイントが重要です。 ・古いものから消費する スーパーの品出しを想像してみてください。古いものから買ってもらえるよう、新しいものを後ろに補充してますね。それと同じです。消費は古いものから。日付順にきちんと並べて、手前からとって奥に補充する、右からとって左に補充する、などルールを決めて上手に循環させましょう。 ・一定数の在庫を確保する 買い置きの食料は、いつ食べても構いません。ただし、食べたら必ず食べた量を買い足して補充します。あるいは、食べる日を決めたら、あらかじめそれまでに消費する分を買い足しておいてもよいかもしれません。うっかり補充を忘れたタイミングで災害が起こらない保証はありませんので、消費の直前または直後に補充することを心がけましょう。 ここでさらに想像してみましょう。被災してしまいましたが、食料は備蓄されています。さて、食べよう…しかし、ライフラインが寸断されてしまって、電気ガス水道が届きません。袋を開けるだけでは食べられない食料品もたくさんあります。ではどうするか。 そんな時にとても役立つのがカセットコンロとガスボンベです。 これもローリングストックしてしまいましょう。少し多めにガスボンベを在庫するようにして、夏は焼肉冬は鍋、とカセットコンロを活躍させます。 こうして日常使いすることで、いざという時に故障している、使い方がわからないといったことを防げます。被災時にあたたかいご飯が食べられる、それがどれだけ心を満たし勇気を与え、踏ん張る原動力になるか。想像に難くありませんね。 不自由なく日常生活を送っているときに、急に被災を想像してみましょうといわれても、実感もなく難しいかもしれません。しかし、災害が起こってからでは後手です。後からいくら悔やんでも、時間は巻き戻せません。 ローリングストックすることで、日常を丸ごと災害対策にしてしまいましょう!
ローリングストック(循環備蓄)で災害に備えましょう
2020.01.15

近年増加中の「種なし果物」の安全性とは

最近、「種なし果物」が増えてきましたね。一昔前までは「種があるのが当たり前」と思っていた柿やぶどうなどの果物も、「食べやすさ」などが好評となり、現在は種のない種類が主流になってきているようです。でも、食材の安全に意識の高い方のなかには「種なし果物はどうやって作られるの?」「安全性は?」と気にされている方も多いかもしれません。 例えば、種なしぶどうはどうやって作られるか知っていますか?花が咲いた時に、ぶどうの房ごと「ジベレリン」という植物ホルモンの液体に2回浸しているのだそうです。この液体には、受精をしなくても果実を大きくする効果があります。 この植物ホルモンは、植物がもともと持っているものなので「人体には特に害はない」と言われています。しかし一方で、ジベレリンは天然ホルモンではなく合成ホルモンであり、発がん性や不妊のリスクがあるという説もあるのだとか。 では、味の面ではどうなのでしょう?一般的には、種のないぶどうは味が薄くなる傾向があり、種のあるぶどうの方が甘さや香りが良いとされています。「自然の摂理に従って作られるものの方が美味しい」というのは、当たり前と言えば当たり前の現象かもしれませんね。 また種なしぶどうの場合は、せっかく育てても一代限りで終わってしまい、また始めから育てる必要があるというデメリットも。農家の方にとっては、大変な手間とコストがかかります。 種なし果物の多くは、このように人工的な処置をして作られていますが、なかには自然に種が出来ないものもあります。種がない状態のまま果実が育っていくことを「単為結実」と呼び、温州みかんやパイナップル、バナナなどがそれに当たります。 最後に、興味深い話をもうひとつ。種のある代表的な果物と言えば「スイカ」もそのひとつですね!過去に「種なしスイカ」を育てて販売したところ、見た目の違和感からなのか、ほとんど売れなかったようです。果物の種類によっても「種なし」「種あり」のどちらが好まれるのが違っているようで、人間の感覚というのは不思議なものですね。 スーパーなどで果物を選ぶ時に、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
近年増加中の「種なし果物」の安全性とは
2020.01.08

加工食品などの原材料名「植物油脂」にも気を付けて

お菓子や加工食品などを購入する際に、「原材料名を確認してから買う」という方も増えているようです。小さな子どもがいる家庭や美や健康を気にする方にとっては、添加物や保存料が含まれているかどうかはぜひチェックしたいところですね。 こうした「ヘルスコンシャス」な人たちの間で最近注目が集まっているのが、油の種類。少し前にアメリカで「トランス脂肪酸を含む油の使用を規制」するニュースが発表されて話題になりましたが、油にも良いものと悪いものがあります!油のことを正しく知って、意識して選ぶ時代がやって来ました。 例えば、少し前から問題になっている「マーガリン」。身近なところでは「マーガリンが使われているお菓子は買わないようにしている」という子育て中のママの声もよく聞きます。 一昔前まではマーガリンは「植物性で身体にやさしいヘルシーな油」「バターの代用品」と思われていましたが、実は自然の食品ではなくて化学的に合成されて作られた食品なんです!試しに炎天下のなかでマーガリンを置いておくと、時間が経過しても変化しないし、虫も寄ってこない……という恐ろしい実験の話もあります。 では原材料名の表示などで、マーガリンと同じくよく見かける「植物油脂」は、一体何なのでしょう?クッキーやアイスクリームなどの甘いお菓子や、ポテトチップス、カップラーメンなどの包装紙にもよく書かれています。 その答えは「パーム油」。一般的にはまだあまり知られていないようですが、トランス脂肪酸よりも危険な油という説もあります。また、ラットを使用した実験では、大腸がんや糖尿病発症の原因になっているのではという指摘も。 パーム油は別名「見えない油」「隠れ油」とも呼ばれ、「一度固まってもとかせばまた使える」「揚げ油にすると酸化しにくくサクッと仕上がる」「安価である」という特徴から、加工食品のなかに非常に多く含まれています。一般家庭では使われることが少ないため、あまり認識がありませんが「日本人のパーム油摂取量は一年間で平均4キロ」にも上るのだとか! さらに、パーム油を採取している植物「アブラヤシ」はマレーシアとインドネシアのものが多く使用されているのですが、現地では環境被害も深刻です。パーム油の消費が拡大する一方で、森林伐採が深刻なまでに進んでいます。 「植物油脂」という言葉の響きから「何となく身体に良さそう」というイメージがありますが、全く違っているなんて。自分の身体や環境のためにも、どんな油が使われているのかをぜひ確認していきたいですね。
加工食品などの原材料名「植物油脂」にも気を付けて
2020.01.01

子どもの心と身体を育てる「離乳食」、最近話題の新事業

母乳やミルクで育った赤ちゃんが初めて口にする食べ物「離乳食」。一般的には、生後5~6ヵ月の頃にスタートするもので、「大人の食事を興味深く眺めている」「よだれがしっかり出ている」「ひとり座りができる」ことが、離乳食を始める目安とされています。 日本の離乳食の場合、米を10倍の水で炊いた「10倍粥」や野菜をすりつぶしたペーストから始めて、少しずつ大きくて形のあるものにしたり、たんぱく質や調味料などを取り入れたりして進めていきます。 離乳食に関する本や講座などはたくさんありますが、まだ身体が小さい子どもが口にする食べ物なので、特に初めてママ・パパになった人にとっては分からないことだらけ!理論やマニュアル的なものはあっても、子どもは十人十色なのでその通りにいかないことも多く「子どもが食べてくれなくて困っている」「疲れた!」という声もよく聞きます。 そんな悩みを解消すべく、離乳食をテーマにした新しい事業が続々と誕生しています!例えば、横浜市緑区では「離乳食ランチ交流会」がスタート。離乳食を食べながら、同じ位の子どもを持つママたちと話をしたり、子育てに関するいろいろ悩み相談ができたりするとあって好評のようです。 また、無添加で手作りのオーガニックベビーフードを扱うメーカー「Baby Orgente(ベビーオルジェンテ)」では、土づくりからこだわった有機・無農薬の野菜を使い、栄養士の監修したレシピをもとにベビーフードをつくっています。味もバラエティーに富んでいて、見た目も美味しそう! さらに、骨があったり食感や匂いが独特であったりすることから、苦手な子どもも多い「魚」をテーマにしたベビーフード「おさかな離乳食」を販売している「mogcook」も、今注目を集めています。栄養士や料理家などがレシピを監修しており、情報発信にも注力しメディアなどでもたびたび取り上げられています。子どもの月齢や季節に合わせた離乳食なども展開されていて、食事を通して五感を鍛えることができそうですね! 離乳食づくりに悩んだ時には、市販の離乳食や講座などを利用してみるのもいいかもしれません。ぜひご参考にしてみてくださいね。
子どもの心と身体を育てる「離乳食」、最近話題の新事業
2019.12.25

全国各地でファン増加中!「マルシェ」が人気の理由

「顔が見える食材」と出会いに、マルシェへ行こう! 全国的にもマルシェが大人気ですね!マルシェとは、「マーケット」「市場」という意味のフランス語です。 マルシェと言うと野菜や果物などの生鮮食品が中心のように思う方もあるかもしれませんが、最近ではパンやお弁当などの加工品、アクセサリーや雑貨などのハンドメイド商品、ペット用のグッズなどを販売するお店や、マッサージや占いなどをするお店などもあり、とてもバラエティー豊か! また、開催場所は大きな公園から神社の境内、カフェなどの店先などさまざまです。こうしたマルシェの人気を受けて、エントランス付近の場所を提供する商業施設なども増えてきています。 マルシェに行ったことのある方は口を揃えて「楽しかった!」と言います。では、この人気の理由はどんなところにあるのでしょうか。 1.消費者と生産者の接点ができる 食材の安心安全が盛んに言われるようになり、「ただ安ければいい」というのではなく「より安全なものを」「生産者の顔や作り方が見えるものがいい」という考え方が浸透し始めています。マルシェでは、生産者や作り手自らが出店をする場合が多く、消費者と生産者が直接つながる場となっています。そのため、生産者の想いを直接消費者に届けることができます。また、通常のスーパーなどに並ぶ食材と違って仲介する業者が入らないので、いわゆる「マージン」がかからず、消費者は安く購入できるというメリットもあります。 2.地域活性化や環境への配慮につながる マルシェは、何かのテーマを持って開催されることが多いです。特に地域固有の食材や料理にこだわったものや、「有機食材だけを扱う」「エコバック持参を推奨」など環境を意識したものも多くあります。マルシェの開催を通して、地域の人たちが集い、志を同じくする人たちが話す場ができます。東京など都市部では、全国のご当地グルメを紹介するマルシェもよく開催されています。 3.女性の活躍の場にもなる マルシェの出店者の特徴として、女性が多いことも挙げられます。ホールなどで開催される見本市などに比べて出店料が比較的安い場合も多く、活動し始めたばかりのハンドメイド作家なども参加しやすくなっています。またマルシェによっては、「ママの参加」をテーマにしたものも多くあります。なかには、マルシェへの出店だけを地道に続けて、商品を販売している方もいるのだとか。 私もマルシェが好きでよく行きますが、よい食材に出会えることや、生産者との話もとても楽しいです。広い会場であれば商品を見ながら買い物をするだけで、なかなかの運動量になり体力づくりにもいいかもしれません。週末は、ぜひマルシェに出かけてみてはいかがでしょうか。
全国各地でファン増加中!「マルシェ」が人気の理由
2019.11.20

輸入バナナは大丈夫?ポストハーベスト農薬とは

本当に安全? 海外輸入の食材を選ぶ時の参考に! ポストハーベスト農薬という言葉を、聞いたことはありますか?簡単に言えば、「収穫(ハーベスト)の後(ポスト)に収穫物に散布される農薬」のことで、果物や穀物・野菜などが海外に輸出される際に、害虫やカビなどの被害をできるだけ防ぐために使われている農薬です。 日本国内ではポストハーベスト農薬は食品添加物に含まれ、食品衛生法第10条により使用が禁止されていますが、なんと輸入された食品などにはよく利用されているんです! ポストハーベスト農薬はいろいろな視点から問題視されていますが、その理由のひとつは「畑で通常使われる農薬に対して100倍~数百倍もの濃い濃度である」ということ。水などで流しても完全に落とすことはできず、果物や野菜などの場合は皮のなかにまで染みわたっている可能性があるのだとか。「水で洗えば大丈夫と思っていた」という人はこれから気を付けたいですね! 例えば、スーパーなどで売られている輸入品のレモンやグレープフルーツなどに「防カビ材としてオルトフェニルフェノール(OPP)、チアベンダゾール(TBZ)、イマザリル、ジフェニルのいずれかを使用しています」という書かれたラベルを見かけたことはありませんか。 これらはまさに、ポストハーベスト農薬!収穫後に使用した農薬については表示が義務付けられており、こうした表記がされています。発がん性などが指摘されているものもあるので、しっかりとチェックしたいですね。 では、離乳食気の赤ちゃんから大人まで幅広い世代に人気の高い「バナナ」の場合はどうなのでしょう?バナナも輸入品が多いので心配な食材のひとつですが、先に挙げた柑橘系に付いているようなラベル表記はほとんど見当たらず、不思議に思われている方も多いと思います。 そこで調べてみると、世界でもトップクラスのバナナ販売量を誇る「ドール」のお客様相談室「よくお寄せいただくお問い合わせ」では、「(バナナには)ポストハーベスト農薬は一切使用しておりません」という回答がありました! これは、輸入されるバナナは、未成熟の青い状態で収穫・搬送されることが多く、害虫が付く可能性が低いこととも関係しているのだそう。ただし、もしも植物検疫で害虫が発生した場合には、密閉された倉庫のなかで農薬を「燻蒸」して部屋ごと害虫を死滅する処置が取られることもあるそうです。ただ、この処置には表示の義務がないため、消費者の立場からは燻蒸されているかどうかは全く分からないのが現状です。 最近では、有機JASの表示がある有機バナナや国産のバナナも時々見かけるようになりましたね!有機バナナの場合は、輸入品であったしてもポストハーベスト農薬や燻蒸などはされていません。その分価格は上がりますが、小さな子どものいる家庭など食品の安全性を重要視する場合には、有機バナナや国産バナナを購入するのも良さそうですね。 食料自給率が低い日本では、輸入品に頼らざるを得ないのが現状です。しかし輸入品と言ってもいろいろな種類があり、ポストハーベスト農薬の心配が少ないものもあることが分かりました。海外から輸入された食材を選ぶ時の参考にしたいですね!
輸入バナナは大丈夫?ポストハーベスト農薬とは
2019.11.13

食品添加物、「無添加」や「不使用」って本当に安全なの?

「なんとなく嫌い」より「正しい知識」を! 保存料や着色料などの食品添加物は、「もちろん使っていない食品の方が安全」だと考える人が多いのではないでしょうか? でも実は、例えば保存料を適切に使えば、食中毒のリスクを下げることにつながっています。食品のリスクで一番大きいのは食中毒です。保存料は食品の日持ちを向上させるだけでなく、食中毒の原因の繁殖を抑え、食中毒のリスクの低減させているのです。 また、食品添加物なしには作れない食品も多いです。豆腐を固める「にがり」や、中華麺に色と食感を与える「かんすい」などが代表例として挙げられます。 こうした事実が理解されない一因になっているとして、2008年に一般社団法人日本食品添加物協会(JAFA)が食品添加物の「無添加」「不使用」に関する見解を表明、この中で食品関連業界に表示の自粛を求めました。 食品添加物は、インスタントラーメンやスナック菓子、レトルト食品など日常的に口にする加工食品には必ずといっていいほど含まれています。 食品添加物は、厚労省により安全性と有用性が確認されています。各種の毒性試験により、食品添加物の安全性は科学的に評価されているのです。また、一日摂取許容量(ADI)が決められ、それを超えないように使用基準が決まっています。消費者が実際に摂取している食品添加物の量は、実際に売られている食品を購入して分析する「マーケットバスケット方式」により調査し、ADIを超えないことが定期的に確認されています。 厚労省のデータが、健康にまったく悪影響がないという結果を示しても、食品添加物は消費者に嫌われています。 食品添加物は、1950年代後半から70年代にかけ、死亡事故や発がん性が問題になりました。「添加物は危ない」との印象が一気に広まった時期です。それを受けて、80年代には「無添加」「不使用」商品の開発・販売が相次ぎました。50年代後半〜70年代に問題視された添加物は、その後使用禁止になり、今は使われていません。 現在は食品衛生法で使用が認められているものしか添加物として使えません。例えば、発がん性がある化学物質は添加物として使えません。使用が認められる物質でも、毎日食べ続けても安全な量しか使ってはいけないと決められています。厳しい安全基準がある上、この基準を守っているかも行政により厳格にチェックされているのです。 つまり、科学の視点からは現在の添加物には、なんの問題もないのですが、その事実が消費者に伝わらず、半世紀前にできあがってしまった「危ない」イメージが払拭できるにいるといえます。 JAFAが2017年11月、「無添加」「不使用」と表示された商品の方が、表示されていない商品より安全だと思うかどうか、一般消費者にアンケート調査を行いました。「表示された商品の方が安全だ」とこたえる人が半数を占めました。 しかし、「無添加」「不使用」の方が安全であるとする科学的根拠はまったくないのが現実です。食品添加物の安全性や有用性が確保されている以上、「無添加」や「不使用」といった表示は安全性とは関係なく、表示されていない商品にかかる根拠のない不安を消費者に与えることにつながっていると考えられます。また、「無添加」食品は添加物を使った食品に比べて、総じて3割ほど価格が割高だったという研究報告もありました。消費者は「無添加」が良いと思い込み、より多くのお金を負担し、本来の利益を損なっていると考えることもできます。 こうした中、JAFAは今年1月、食品添加物の「無添加」「不使用」表示が、「食品添加物の使用の意義や有用性、安全性に対する誤解を広め、添加物を使った加工食品に対する信頼性を低下させる」との見解を表明。食品関連業界に、次のような表示の使用を自粛するよう求めた。 無添加だから安心など消費者の不安感を利用した表示 実際には添加物が使われているのに「無添加」とするなど事実に反する表示 「無添加」「不使用」を大きな活字で強調する表示 など 私たち消費者の食品添加物に対する理解はまだまだ浅いですが、業界関係者の努力のかいがあり、少しずつ無意味な嫌悪感は減ってきているように思います。健全な食生活を送る上で、食品の安全性について正しい知識を持ち、取り扱うことは何よりも大切なことだといえます。
食品添加物、「無添加」や「不使用」って本当に安全なの?
2019.09.13

東京五輪で日本の食材が使えない!? 日本人がよく知らない「GAP問題」とは

「日本の農産物は安心・安全!」と思っているのは、日本国内だけ。 2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピック(東京五輪)が、いよいよ間近に迫ってきました。 東京五輪への期待が高まる一方、一部でひっそりと心配されていることがあります。五輪は日本の農産物を世界にアピールする絶好の機会であるにもかかわらず、選手村で提供される料理に国産の食材が使えないかもしれないという懸念です。 「日本の農産物は安心・安全!」。常識だと思っていたことが、海外ではまったく違う捉えられ方をしていることがあります。国産農産物が安全だと思っているのは日本人だけで、世界では日本の甘い安全基準が不安視されていました。中国から輸入した野菜で基準を超える残留農薬が検出されたことなどを受け、日本では国産であることが安全性を担保しているように受け止められてきましたが、「日本産の信用力」は国内では通用しても、海外では安全性の根拠にならないのです。 2018年3月、東京五輪の選手村で提供される食材の調達基準にGAP認証が加えられました。GAPとは、「Good Agricultural Practices」の頭文字をとったもの。農薬の使い方や保管の仕方、水や土壌の保全など環境への配慮、スタッフの安全の確保、記録のつけ方などを広範に定めた農業のルールで、国境を越えた農産物の取引が増えたことを背景に1990年代後半にヨーロッパで誕生し、その後、世界中に広まりました。現在も「グローバルGAP」として世界120カ国以上で活用されています。 グローバルGAP取得のためには、約200項目にわたるチェック項目をクリアし、その通りに行われているかどうかを第三者機関に審査してもらう必要があります。しかし現状、グローバルGAPを取得した国内の農家は圧倒的に少なく、現在、取得しているのは全農家の1%未満。そのために、東京五輪を迎えても食材が足らず、GAP認証を取得した海外の食材を調達せざるを得ないのではとの心配が広がっているのです。 これを受けて、各自治体は五輪の施設で地元の食材を使ってもらうため、生産者にGAPを取得するよう強く呼び掛けています。もちろん、東京五輪をきっかけにGAPを取得するのは前向きな一歩といえます。認証を受ければ、ヨーロッパなどへの輸出拡大に役立つ可能性もあります。ただ、課題もあります。多くの産地が取得しようとしているGAPは、必ずしも国際基準とはいえないのです。 東京五輪で食材をPRしたい。そんな生産者たちにとって、GAP認証取得は大きな課題となります。 各都道府県の自治体が推奨するGAPは、農林水産省のガイドラインに即し、作業の安全の確保や農薬の適正な使用など基本的な要素は満たしており、東京五輪の食材基準はクリアできますが、従業員の教育訓練や内部点検などの項目は抜け落ちており、欧州発の「グローバルGAP」と比べるとハードルは低いです。 農水省が取得を後押ししているのが、日本発のGAPとして立ち上げている「JGAP」です。2007年11月に国際基準に準拠するような第三者認証制度を盛り込んでスタートしたものです。日本GAP協会の統計によれば、JGAPの認証を受けた農場の数は4100程度(2017年3月現在)。グローバルGAPを取得した農家と合わせても、まだ国内全体の1%に届きません。 選手村で提供される食材に国産が使われることは、日本の農作物を世界にPRする最高の機会。高品質である上に安全である国産の農作物を世界のアスリートに味わってもらうことは、国際的な競争力を高めることにもつながるはずです。そのためにも、国内のGAP認証を取得する農家を早急に増やす必要があり、今後ますます取得のための環境整備も進んでいくでしょう。
東京五輪で日本の食材が使えない!? 日本人がよく知らない「GAP問題」とは

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NEW 2021.06.14

食文化を活用して地域ブランティング! 福井県小浜市の事例を解説

食文化を活用した地域活性化とは 少子高齢化や核家族化、人口減少などの社会を取り巻く変化により、古くから続いてきた地域のコミュニティが失われつつあります。大都市と地方での地域間格差が深刻化し、過疎化が進んでいる地域もたくさんあります。 こうした状況を受けて「地域活性化」「地域おこし」という言葉を昨今よく聞くようになりましたが、そのなかで地元の食文化を活用した取り組みが注目を集めていることをご存知でしょうか。 地域の食文化には、その土地に伝わる郷土料理などもあります。例えば、郷土料理は、観光客にとって魅力的なものであるだけでなく、「地域らしさ」を表現していく上でも有効です。郷土料理を上手に生かして、地域のブランディングにつなげている事例もあります。 農林水産省では「日本食文化ナビ」という冊子を制作し、ホームページで公開しています。食文化を活用した地域活性化に関心のある方は、ぜひチェックしてみてくださいね。 (参考:https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/vitalization/) 福井県小浜市の事例「食のまちづくり」 食文化を生かして地域づくり・まちづくりを進めている成功事例のひとつに、福井県小浜市が挙げられます。小浜市は飛鳥~奈良時代から続く「御食国」という伝統的な食文化を持っており、自然環境や食材にも恵まれた地域です。 平成13年9月に「小浜市食のまちづくり条例」を制定し、翌年から施行。「地産地消」や「身土不二」という視点を大切にしながら、子どもから大人まで幅広い世代を対象に、ライフステージに合わせて食を学ぶことができる仕組みづくりも行っています。例えば、保育園・幼稚園を対象にした食育事業も実施しています。 また、食のまちづくりを実際に体験できる「街並みと食の館(たて)」という施設もスタート。この施設は、地域活性化を目指して伝統的な建造物を再生したものです。この他、「御食国シンボルロゴマーク」制定や「御食国大使」による広報活動、食のガイドブックの制作などにも取り組んでいます。 小浜市では、こうした一連の取り組みを通して、さまざまな主体が連携して、食のまちづくりを推進しています。食や食文化をテーマにしたまちづくりの方法として、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
食文化を活用して地域ブランティング! 福井県小浜市の事例を解説
NEW 2021.06.09

有機農業の未来とは?農林水産省の発表「農地の25%まで拡大」の概要を説明!

農林水産省が発表した、有機農業の新戦略案 2021年3月5日、農林水産省が発表した有機農業の新戦略案が話題になっています。その内容とは「2050年までに、有機農業の農地を100万ヘクタールまで拡大する」というもの。面積だけを聞いてもピンと来ない方も多いかもしれませんが、この数字は国内の農地の約25%にあたります。 ちなみに2018年時点では、有機農業の農地は2万3700ヘクタール程度であり、国内の農地の約0.5%にとどまっています。つまり、今回の新戦略は、2050年までに40倍以上に増やすという目標です。 この新戦略と並行して、2050年までに農薬の使用率を5割、化学肥料の使用率を3割減らすことも目指しています。それに伴い、農業従事者のフォローアップや、病気などに強い品種の開発、AIを活用した技術力アップにも力を注ぐ予定です。 こうした一連の技術開発に関しては、補助金による支援も検討されています。この他、有機農産物を取り扱う食品会社などへの税制面での優遇など、関連法律の整備や税制改正なども2022年度を目途に進める予定です。 有機農業の拡大を進める背景とは 有機農業の定義は「有機農業の推進に関する法律」により定められています。この法律によれば、有機農業とは「化学的に合成された肥料及び農薬を使用しない」「遺伝子組み換え技術を利用しない」「農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減する」ものとされています。 有機農業は、化学肥料や農薬を使用する従来の農業に比べて、環境への負荷が少ないことが分かっています。例えば、温室効果ガスの排出量を減らし、地域の自然環境を守ることにもつながります。今回の新戦略は、国内外での環境意識の高まりに応じたものとも言えそうです。 また、新戦略の背景には、米国やEUなどを中心に世界中での有機農産物の需要が高まりも関係しています。日本においても、有機農産物やその加工食品の生産量を増やすことで、農産物の輸出を強化することができるでしょう。 具体的な進め方など政策については、農林水産省で検討を行い、2021年5月頃に決定されるとのこと。今後もその動向に注目していきたいですね!
有機農業の未来とは?農林水産省の発表「農地の25%まで拡大」の概要を説明!
NEW 2021.06.07

インドカレーと欧風カレーって何が違うの?

「カレー」と言っても、その種類はさまざま! 子どもから大人まで幅広い年代から人気を集める「カレー」。カレーと一口に言っても、さまざまな種類があります。例えば、日本の「カレーライス」を取り上げてみましょう。具材は、ジャガイモやにんじん、玉ねぎなどの野菜に肉を加えたものが多く、どこか懐かしいお母さんの味を連想する方も多いかもしれません。 また、エスニック料理が好きな方の間で好まれている「グリーンカレー」は、タイカレーの一種です。材料には、レモングラスや唐辛子などのスパイスとココナッツミルク、ナンプラーなどが使われており、何とも言えない爽やかな辛味が特徴です。 いろいろなカレーを味わってみたいという方は、「カレーの街」としても有名な東京の神保町へ足を運んでみましょう。カレーライスやタイカレーなど各国のカレー店が軒を連ねており、たくさんの種類を楽しむことができます。 インドカレーと欧風カレーの違いとは? 数あるカレーのなかでも多くの支持を集めているのが、インドカレーと欧風カレー。では、その違いはどんなところにあるのでしょうか。今回は、知っているようで知らない「インドカレーと欧風カレーの違い」について3点ご紹介します! まず、両者の大きな違いは「発祥地」です。その名前の通り、インドカレーはインド、欧風カレーはヨーロッパに由来します。 インドでは、地域ごとにいろいろなカレーの種類があり、使用する具材やスパイスも異なっています。インド南部で使われているタミル語「カリ」が変化して、「カレー」と呼ばれるようになったという説があります。インドでカレーを食べた外国人が「インドカレー」と名付けたことがその由来ともされています。 また、欧風カレーという名前は、日本人が名付けたものとされています。一般的には、スパイスとバターなどの風味を生かしたまろやかなカレーのことを欧風カレーと呼ぶことが多いようです。。 次に、「トロミの付け方」の違いが挙げられます。欧風カレーは小麦粉とバターなどを使いますが、インドカレーは小麦を使わずに作るのが基本です。欧風カレーはまろやかですが、インドカレーはサラサラとしたものも多いです。 最後の違いは、何と言っても「味わい」です。インドカレーでは多種多様なスパイスを使用するため、スパイスが好きな方に好まれる傾向があります。それに対して、欧風カレーは、野菜や肉などの素材から出る旨味を生かして、スパイスは抑えめにして仕上げることも多いです。そのため欧風カレーは、スパイスが苦手な方や子どもにも好まれています。 幅広い世代に人気のカレー。まずはインドカレーと欧風カレーの違いを理解して、自分の好みのカレーを見つけたいですね!
インドカレーと欧風カレーって何が違うの?
NEW 2021.06.02

乳酸菌入りの漬物ってキムチだけ? 日本の伝統食にも含まれていた!

キムチに含まれる乳酸菌とは 乳酸菌を含む食べ物と聞くと、ヨーグルトを思い浮かべる方も多いかもしれません。でも実は、韓国生まれの漬物「キムチ」にたくさんの乳酸菌が含まれていることをご存知でしょうか。 キムチは、アミエビや野菜を乳酸発酵させることで作られます。いろんな食材が乳酸発酵することにより、独特の旨味が生まれます。キムチを手作りすると、時間が経過するにつれて酸味と旨味が増していきますが、これも乳酸発酵している証拠です。 乳酸菌の健康効果や腸への影響は各方面から注目されており、「腸活」という言葉も人気を集めています。韓国には肌の美しい女性が多いことで知られていますが、一説には「キムチを毎日のように食べて乳酸菌を摂取しているから」とも言われています。 日本の伝統食「ぬか漬け」は乳酸菌の宝庫! 乳酸菌を含む漬物は、キムチだけではありません。日本の伝統食であるぬか漬けにも、乳酸菌が豊富に含まれています。 ぬか漬けは、米ぬかと塩などを混ぜて熟成した「ぬか床」に野菜を漬け込んだもの。乳酸菌だけでなく、酵母や微生物などが混じり合い、独自の味わいを生み出しています。 ぬか漬けと聞くと「匂いが気になる」「管理が難しそう」というイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。最近はぬか漬けが手軽に作れる「ぬか漬けキット」なども登場しており、匂いを気にしないでぬか漬けを手軽に楽しむことができます。 ぬか漬けキットにもいろいろな種類がありますが、一人暮らしにもおすすめの小さいタイプや冷蔵庫で保存できるタイプなどもあり、若い世代にも人気を集めています。 ぬか漬けは私も大好きですが、旬の野菜を切って漬け込むだけで、翌日には野菜が美味しく大変身!手間をかけずに身体にやさしい一品ができあがるので、忙しい人にもおすすめです。 乳酸菌の健康効果を引き出す食べ方 キムチやぬか漬けの乳酸菌の健康効果を期待するなら、ぜひ意識したい食べ方のポイントが2点あります。ひとつ目は、「毎日続けて食べること」。乳酸菌に限ったことではありませんが、継続して摂取することが大切です。 ふたつ目は、「(加熱しないで)生のまま食べること」です。乳酸菌は熱に弱いという特徴があるため、加熱しないでそのまま食べるようにしましょう。 キムチやぬか漬けを美味しく食べて乳酸菌を摂取し、身体の内側から健やかに過ごしたいですね!
乳酸菌入りの漬物ってキムチだけ? 日本の伝統食にも含まれていた!
NEW 2021.05.31

日本だけじゃない!世界各地でも親しまれる「魚醤」とは

四方を海に囲まれた島国、日本。豊かな海産資源に恵まれ、平安時代の昔から生の魚を塩で漬け込み発酵させた魚醤文化が発展してきました。 その後時代が進むにつれて大豆醬油が台頭し、単に醤油と言えば大豆醤油を指すようになりましたが、魚醤油である魚醤には独特の強いうま味があり、一度味わえばやみつきになるとも。 今回はそんな魚醤について、世界にも目を広げてレポートします。 日本の魚醤 秋田のしょっつる、能登のいしる、香川のいかなご醤油で日本三大魚醤と呼ばれています。 しょっつるはハタハタやイワシを原料としており、秋田の郷土料理「しょっつる鍋」に欠かせない調味料です。特にハタハタで作られたしょっつるは臭みが少なく味の良い品だそうですが、イワシやコウナゴで作られたものもそれぞれに特徴があっておいしいものです。 いしるは作られる地域により原料や呼び名が異なり、輪島市や珠洲市で作られるイワシやサバなどの青魚を原料にしたものが「いしる」、能登町で作られるイカの内臓を使ったものは「いしり」と呼ばれます。うま味のもととなるアミノ酸が非常に多く含まれているので、料理の隠し味として使うと味が底上げされる実力を持ちます。 いかなご醤油はその名の通りイカナゴが原料です。そもそも魚醤は大豆醤油に比べてかなりしょっぱいのですが、いかなご醤油は他の魚醤と比べてもさらに塩分が高く30%近くもあるのだとか。1960年ころに一度は衰退し生産が途絶えましたが、1998年には関係者の努力により生産が再開されました。 世界の魚醤 タイのナンプラー、ベトナムのニョクマム、中国のユールーなど、世界にも多くの魚醤があります。特に東南アジアでは雨季に大漁となる小魚の保存食として、魚醤が発展してきました。強い塩気と強烈なうま味が、米と野菜が中心の食卓に豊かな味わいをもたらしてきたことは間違いないでしょう。 ヨーロッパでは古代ローマにおいてガルムと呼ばれるアンチョビ(カタクチイワシ)を使った魚醤が日常的に使われていたそうです。ローマ帝国の滅亡とともに衰退したとされますが、その流れをくむコラトゥーラという魚醤が現在でもイタリア南部で作られています。 これだけではなく、世界には数えきれないほどの種類の魚醤があります。ケチャップやウスターソースも、もともとは魚醤が入った調味料なのだそうです。 エスニック料理の流行などもあり、身近なスーパーでも世界の魚醤を気軽に買えるようになりました。 生魚を塩漬けして発酵させる、という作り方は共通しているのに、それぞれに異なる特徴を持つ魚醤。色は薄いものが多いですが塩分が強いので、大豆醤油の代わりに使うとしょっぱすぎる可能性があります。 まずはほんの少量の隠し味から使ってみてください。好きな人にはたまらない独特の生臭さは、加熱調理することで薄れてうま味が残ります。煮物や炒め物がおすすめです。
日本だけじゃない!世界各地でも親しまれる「魚醤」とは