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“ 昆虫食普及ネットワーク・ニュースレター ”

NEW 2023.01.06

昆虫食普及の現場から ~3年間の取り組みを振り返って~ 【昆虫食普及ネットワーク・ニュースレターVol.7】

『昆Tuberかずきです!』そういって活動をはじめてはや3年となりました。初めましての方も、いつもお世話になっている方も、ありがとうございます。「清水和輝」です。YouTubeやSNSで昆虫食を発信したり、商品の企画・開発・販売や、各地での講演活動などを行ったりする傍ら、大学では後輩たちと『NEXT GENERATION FOOD』を立ち上げて、関西万博を視野に取り組みを行っています。高校生の頃から、自然豊かな地元・奈良県斑鳩町の山でいろんな昆虫を採って食べるような奇妙な学生生活を送っていました。思えば、コロナ前に、内山昭一さんに出会い、なんとなく昆虫食の魅力を発信したいと始めたのが遠い昔のようです。 この3年、本当にいろんなことがありました。田舎の大学生が、自分で商品を作るなんて考えたこともなかったし、大勢の人の前で講演したり、東京や大阪で出展したりするなんて夢にも思っていませんでした。最近、転機となったのが、株式会社NEXT NEW WORLD(NNW)の高嶋耕太郞さんとの出会いでした。NNWはAmazon JapanやTOKYO BASEで要職を歴任された高嶋さんが、石油由来のプラスチック商品を、シルク(蚕)由来の製品に置き換えることで、気候変動対策を行いたいと立ち上げたスタートアップ企業で、現在はシンガポールを拠点に「シルク」を活用した様々な製品をBtoBを中心に取り組みをしています。「君はこの『シルク』という素材を使って自分の思うような食品をつくってみるといい」そこから、僕の昆虫食普及の第2章が始まりました。今回は、カイコのサナギのパウダーではなく、繭に含まれる「セリシン」に着目しました。そのセリシンを含んだ「シルクパン」と「シルクソーセージ」が年明けにはできあがる予定です。僕のこれまでの活動の全てを想いにして記事を書いていますので、ぜひ読んでみてください。最近は、コオロギの話をしても、あまり驚かれなくなったように思います。しかし、本当に普及したのでしょうか?「認知」だけが広がり、肝心の「消費」が進んでいないように思うのは僕だけでしょうか? 以前、ご縁があり、小泉進次郎さんとライブ配信をして、議員会館で昆虫を振る舞ったことがありますが、TwitterやYahoo!コメントはかなり荒れました。 「フードテック」と言えば聞こえは良いですが、「培養肉」に「遺伝子操作」、そして「昆虫食」と得体の知れないものへの不安や拒否反応が根底にあるのではと思います。そして、そのたびに出てくるのが、「陰謀論」や「国策」のようなものです。ただ、小泉さんの件は、本当に、議員の皆さん興味・関心があるということでご紹介したもので、皆さん純粋に楽しんでいただいていました。そんな意図は一切ないとこの場で断言させていただきたいと思います。さて、『昆虫を食べる』ということを通じて、様々な経験を積ませていただきました。その中で、最も大きな財産は、個性豊かで人間味にあふれた魅力的な人たちとの交流だと思っています。後輩だけでなく、社会人の皆さんも、様々な方に迷惑をかけ、支えられてここまで来たなと、皆さんの応援に感謝しています。そういえば、2年前に経済思想家・東京大学准教授の斎藤幸平さんにコオロギを振る舞ったことがあります。その様子が最近、書籍になりました。今まで、皆さんから見えな いところで、つらいこともたくさんありましたし、何度も普通の学生に戻りたいと思ったこともありますが、続けてきてよかった、と思っています。よければ手に取っていただきたいです。「資本主義経済」が曲がり角を迎える今日の世界において「昆虫食」を切り口に考えることで、いろいろな示唆を与えてくれると思います。 そろそろ僕自身、将来の進路を真剣に考えないといけないなと思っていますが、これまでの成果をしっかり後輩たちに引き継いでいきたいと思います。 春には昆虫食普及ネットワークと共同でのイベント開催を予定しています。関西圏、首都圏の読者の方にぜひお会いできる機会があれば幸いです。これからも「正しく」「美味しく」、そして何より、自分自身が「楽しく」 活動できるように頑張っていきたいと思います。一緒に活動したいという方もぜひ、ご連絡お待ちしています。 [caption id="attachment_3065" align="alignnone" width="720"] 大阪・なんばマルイでのPOP UPイベント中央が筆者[/caption] (清水和輝/近畿大学・昆Tuberかずき) ニュースレターは、NPO法人昆虫食普及ネットワークの公式HPで配信中です。
昆虫食普及の現場から ~3年間の取り組みを振り返って~ 【昆虫食普及ネットワーク・ニュースレターVol.7】
2022.12.14

食用昆虫文化を生かして 食の多様性を確保するための取り組み 【昆虫食普及ネットワーク・ニュースレターVol.6】

はじめまして、NPO法人 ISAPH(アイサップ)ラオス事務所の石塚です。私たち、ISAPHはマラウイ(アフリカ)とラオス(東南アジア)で地域母子保健支援活動を実施しているNGO団体です。今回、ラオスでの取り組みのひとつである食用昆虫に関わる活動をご紹介させてください。 どうしてラオスで食用昆虫養殖の活動を? 私たちの活動地であるラオスの農村部の子どもたちは、栄養バランスを欠いた食生活から発育阻害という問題を抱えています。発育阻害とは、日常的に栄養を十分に取れずに慢性栄養不良に陥り、年齢相応の身長まで成長せず、脳の認知能力を十分に発達させることもできないという問題です。健康な身体を獲得するためには、日頃から適切な頻度・量の栄養を摂取する食生活がとても大切です。しかしながら、住民の食生活は、自分たちで育てたお米や、野菜や果物、魚を森や川など自然から採って食べることが基本です。お腹を満たすことはできますが、栄養バランスに着目するとそれだけでは不十分で、牛乳や豚・牛のお肉など、商店や市場で購入しなければアクセスし難い食品もあります。けれども、住民はわずかな現金収入しかなく、日頃から栄養に考慮した食品に充てるためのお金はありません。そこで、私たちは昆虫食文化に注目しました。ラオスでは、昆虫を食べることは当たり前です。また、市場では、他食材と比較し同等またはより高額な価格で取引がされています。そのため、住民が食用昆虫を養殖し販売すれば、安定した収入源になるのではないか、と考え取り組み始めました。たとえ、売れなくとも昆虫そのものを世帯内消費することで不足している栄養素を補うこともできます。JICA草の根「農村部住民の食糧事情向上を目指した昆虫養殖技術普及事業」として、NPO法人食用昆虫科学研究会の佐伯専門家とともに実施しており、2022年11月現在約70世帯の住民がすでに養殖を開始しています。 住民が食用昆虫養殖から安定した収入を得るようにするためには、技術普及だけでは不十分です。住民が住んでいる地域は、都市部から車で2時間程度と離れており、育てた昆虫をそのまま売る販売先を簡単に見つけることは、彼ら自身では非常に困難だからです。私たちは、AINプログラム ※ 「ラオスの美味しい昆虫食普及プロジェクト~養殖昆虫のフードシステム構築~」として、住民が育てた食用昆虫の需要をより喚起し、安定して消費者のもとへ届けるために「保存加工・市場開拓・新レシピ」の開発・研究も実施しています。より美味しい食べ方を開発・提案するためにNPO法人昆虫食普及ネットワークの内山理事長とともに挑戦しています。 他にもたくさんの活動にチャレンジしています。もし、この記事をご覧いただきISAPHに興味をお持ちいただけましたら、ぜひぜひ当団体SNSやメールアドレスでご気軽にお問い合わせください。それではお邪魔いたしました。 (石塚貴章/ISAPH ラオス事務所長) ※ 公益財団法人味の素ファンデーションの助成プログラム 得られた収入で適切な食品を購入するために栄養教育 プロジェクト後も持続的に活動を継続するために住民同士で養殖技術を教え合う 昆虫を食べて見えてくるもの<上> ある高校生たちが雑誌制作をテーマにした授業で昆虫食を取り上げたいという。私は、取材に訪れた彼らと近くの河原でピョンピョン飛び跳ねるバッタを追った。とりわけトノサマバッタは捕るのが難しく、その分、手中に収めたときの喜びはひとしおで、狩猟本能を満たしてくれる。昆虫はサバイバル食でもある。採集技術を身につけておくと災害時に役に立つのだ。 彼らの好奇の眼差しに囲まれながらバッタを熱した油に入れると、エビのように淡いピンクに染まっていく。「いい匂い!」「赤くなるんだ!」。サックリ揚げて皿に移すと、次々と手が伸びてくる。「わぁ、意外と美味しいかも!」など、驚きの声が沸き立つ。私が昆虫食に目覚めたきっかけとなったのもバッタだった。一九九八年に東京都日野市にある多摩動物公園で食用昆虫展が開かれ、いまでも世界中でたくさんの昆虫が食べられているのを知って驚いた。自然豊かな山国・長野県出身ということもあり、思い立ってトノサマバッタを捕って揚げて食べたところ、その香ばしい匂いはどこか懐かしく、不思議と心安らぐ味に魅了された。「きっと他にも美味しい昆虫がいるはずだ!」との無根拠で本能的な確信が研究活動のきっかけとなった。 バッタを捕って食べる行為は「生命をいただくプロセス」を体験できる貴重な〈食育〉の場でもある。世界に存在する昆虫は、食物連鎖の頂点に立つ人類の日常食として、古来、「自然の巨大なレストラン」の常備食だった。私たちはいただいた様々な「いのち」によって生かされていることを、昆虫という教材を通して学ぶことができる。 <次号に続く> (内山昭一/昆虫食普及ネットワーク理事長) ニュースレターは、NPO法人昆虫食普及ネットワークの公式HPで配信中です。
食用昆虫文化を生かして 食の多様性を確保するための取り組み 【昆虫食普及ネットワーク・ニュースレターVol.6…
2022.11.04

本格化する国産コオロギ生産 ~コオロギ生産ガイドラインを作成~【昆虫食普及ネットワーク・ニュースレターVol.5】

この数年、国内でコオロギ等昆虫を食用又は飼料用に生産する企業の動きが本格化しています。しかし、事業者が個々の価値観やルール、方法で生産・販売する結果、様々な情報が錯綜して、消費者はどの情報を頼りにすれば良いのかわからないほど、良いも悪いも一緒くたになっています。日本では、山菜採りやキノコ狩りと同様に昆虫を採取して食べる食文化があることから、昆虫に特化した規制はなく、他の食品や飼料と同様に、食品衛生法や飼料安全法(通称)が適用されます。一方で、人間の管理下で、昆虫を大量に養殖(飼育生産)することは、これまでに経験がなく、人工飼育生産の過程に潜むリスクやその対策について正しく理解するものがないので状況は異なってきます。集約して大量飼育する過程で、病原菌や有害化学物質、異物の混入、あるいは特異な生理作用を引き起 こす物質が生じる可能性がゼロではありません。また、万が一にも飼育している昆虫が自然界に散逸して、自然生態系等環境へ及ぼす影響も懸念されます。そのような観点からも、健康影響、環境影響等に配慮した生産管理が求められます 1)。昆虫食に対しては、奇異な姿形のため否定派も多く 2)、1 社でも好ましくない事態を起こすと、業界全てが同じにみられて、風評等で大きな痛手を受ける恐れがあります 3)。国は産業としての実績やリスクが顕在化しないうちは法整備には動きません。そこで、昆虫ビジネス研究開発プラットフォーム(iBPF)が、民間自主ルールの第 1 号として“コオロギの食品及び飼料原料としての利用における安全確保のための生産ガイドライン(コオロギ生産ガイドライン)”を公表しました(図)。 http://www.kannousuiken-saka.or.jp/ibpf/guideline/index.html このガイドラインでは難しいことを求めるのではなく、「当たり前のことをしっかりと守って、安全に健全なコオロギを生産しましょう。」と提唱しています。ただ、販売ありきのプロモーションが溢れる中で、「人が口にするものは安全確保が最優先ですよ」とメッセージを送ることで、ゲームチェンジャーになると考えています。本ガイドラインに生産者が集まり、管理方法を定めてお互いに点検・評価することで、国産コオロギの安全確保を図ることが期待できます。ガイドライン遵守事業 者を公開する(表)ことで、消費者の皆様が購入される際の選択肢のひとつになるとともに、生産者の真摯な姿勢が国産コオロギ市場への信頼獲得と普及拡大につながることを期待しています。 <参考文献> 1) FAO : Looking at Edible Insects from a food safety perspective – Challenges and opportunities for the sector 2021、(2021) 2) 櫻井蓮、飯島明宏 : 生物工学会誌、100(6)、320–322、 (2022) 3) 藤谷泰裕 : JATAFF ジャーナル、10(7)、42-46、(2022) (藤谷泰裕/大阪府立環境農林水産総合研究所 食と農の研究部 審議役 昆虫ビジネス研究開発プラットフォームプロデューサー補佐)   ニュースレターは、NPO法人昆虫食普及ネットワークの公式HPで配信中です。
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2022.10.07

イエバエに魅せられて【昆虫食普及ネットワーク・ニュースレターVol.4】

我々は群馬県でおからを原料にイエバエを生産している養虫®農家です。 私がイエバエと初めて出会ったのは、もう8年ほど前でしょうか。千葉県でイエバエの生産工場を見学する機会がありました。豚糞を原料にして、イエバエの幼虫は観賞魚の餌として、残渣は肥料として販売していました。日本で初めての昆虫を使った民間の事業だったのではないでしょうか。しかし、豚糞由来だから汚いという言われなきイメージがあって、 世に受け入れられず、ビジネス的には難しい状況でした。4年前に、その会社の技術者と再会し、イエバエの優秀さ、可能性を再認識しました。その人と共に、豚糞ではなく、おからを原料にイエバエを生産する会社を作りました。おからというきれいな原料で、きれいな虫を育てる。それがフライハイです。 おからは人も食べるきれいな食材ですが、豆腐製造時の副産物として年間70万トンも排出され、その半分は焼却処分されています。焼却される前にいくばくかでも、タンパク質や肥料に変換して活用できれば。イエバエは成長が速く、また、タンパク質としても優秀です。なにより、昆虫食の中でも指折りの食べやすさ、おいしさです。初心者向けでもあり、 様々な料理に使える上級者向けでもあります。イエバエがコオロギに続く昆虫食の新しい柱になるといいなと思っています。もちろん、コオロギに比べてハードルがさらに高いのは承知の上です。だから、 挑戦する価値があるのです。 (左より冷凍幼虫、乾燥幼虫、乾燥さなぎ) (木下敬介/株式会社フライハイ 代表取締役)   「バタピー」ならぬ「バッタピー」【おススメの一皿】 バッタの季節になりました。というわけで、今回は バッタを使った一品をご紹介しようと思います。まずはバッタ捕りを楽しむところから始めましょう。 捕ってきたバッタは 1,2 日糞抜きをしたほうがよりおいしくいただけます。袋(洗濯ネットが便利です) に入れて物干しの隅にでもぶらさげておけばいいでしょう。それから、殺菌消毒と洗浄を兼ねて熱湯でさっとゆでます。エビやカニのように赤くなるのを見ると、それだけで食欲がわいてきます。ここでもうひと手間かけて、これを乾燥させるととても食べやすくなります。天日で干すといかにも自然食品といった感じで健康的ですが、私はいつも食品乾燥機で 70℃、4時間乾燥させています。ゆでるときに塩味をつけておけばもうこれだけで立派なおつまみになりますが、今回は味付けなしで乾燥させたものをバター適宜で炒めて塩を振って、市販のバターピーナッツと混ぜ合わせました。「バタピー」ならぬ「バッタピー」の出来上がりです。写真はトノサマバッタ等を使ったもの。これがもう、子どものおやつにもよし、お酒のお供にもよし。「みんなのバッタピー」とでも名付けましょうか。ぜひお試しあれ。 (小貫浩一)   夏に行った数々のイベントも無事、無事故で終える事が出来ました。予想以上に多くのお子さんや親御さんが参加して頂き、昆虫食への関心の高さを改めて感じることが出来ました。きっと昆虫に親しんだ今の子供が大人になる頃には、昆虫食=高タンパク食品が常識になっている事でしょう。 (須賀亮二)   ニュースレターは、NPO法人昆虫食普及ネットワークの公式HPで配信中です。
イエバエに魅せられて【昆虫食普及ネットワーク・ニュースレターVol.4】
2022.09.02

タイ産コオロギの魅力【昆虫食普及ネットワーク・ニュースレターVol.3】

初めまして、私は昆虫食の生産、製造に携わっているタイ国 BRICKET社のタナプーンと申します。タイ国は昆虫食の伝統を活かし、生産・製造に関する法令等も整備し、安全で安心な商品をタイ国 ばかりでなく世界に提供しています。又、「美味しい食品」を目指して昆虫を使った数々の商品を開発・提供し ています。 弊社 BRICKET 社は2021年4月にアジア初のバーガ ー・レストランをオープンしました。このレストランで はバーガーだけでなく、コオロギを使用したパンも、調味料も、飲み物も提供しています。 バーガーのパティは先ず、新鮮なコオロギを茹で、脚, 羽、触手を丁寧に取り除き、細かく擦りおろしたうえで 厳選した牛肉と混ぜ合わせて製造しています。ハンバー ガーには欠かせないパンにもコオロギのパウダーを使用し、開発しました。調味料にもコオロギパウダーを使用 しています。コオロギパウダーを混ぜることにより、従 来の調味料の「うま味」が増しました。大きな驚きでした。 弊社は最近、新しいプロジェクトをスタートしました。 従来の“バウンスバーガー”から“BOUNCE to the Taste of Thailand’s Cricket”に拡大しました。従来のバーガー だけでなく、コオロギを使ったあらゆる食品を一堂にご 提供することにしました。フラッペ、クロッフル、タイ の伝統的なミニライスクラッカー、クリスピーアーモン ドトゥイル等々。又、コオロギばかりでなくタイ国で生 産されるサゴワーム、エリサン等各種昆虫ベースの食品 も一堂に集めてお客様に提供しています。勿論、すべて 安全、安心な食品です。「オール・イン・ワンプレイス」 を目指しています。 お客様個々のご関心に応え、常に私どもは新しい昆虫 食品の開発・提供を心掛けています。昆虫食の美味しさ を、そしてその将来性、可能性を信じ、タイ国全土に、 そして世界中の皆様に弊社の食品を提供するという大き な夢に向かって!! ( タナプーン/RICKET 社マネージング・ディレクター) 「TAKEO」と「ニチレイ」で 昆虫のいちばんおいしい瞬間を食卓へ 2022 年 7 月、TAKEO㈱は㈱ニチレイと資本提携にいたりました。TAKEO は昆虫食専門企業として、昆虫が野菜、魚、肉などと同じような食として楽しまれるより豊かな食卓の実現に向けて様々な事業に取り組んできました。今回の提携を通じてニチレイが持つ食品開発力を活用し、昆虫食品の開発、製造、販売を強化していきます。 昆虫の「いちばんおいしい瞬間」は、きっと採れたてのフレッシュな状態です。TAKEO が築いたお客様との信頼関係とニチレイの冷凍食品技術が組み合わせれば、近い将来、昆虫の「いちばんおいしい瞬間」を届けることができるようにはずです。今後のTAKEO にご期待ください。(ニチレイのプレスリリースはこちら) (三橋亮太/TAKEO 株式会社) TV ではこの時期になると、カブトムシやクワガタなどを取り上げた番組が数多く放映されます。日本では当たり前になっている、昆虫を採集して飼育する文化は世界でも稀なことの様です。日本には昔から昆虫と共に生活 をしてきた文化が根付いているのでしょうね。 ニュースレターは、NPO法人昆虫食普及ネットワークの公式HPで配信中です。
タイ産コオロギの魅力【昆虫食普及ネットワーク・ニュースレターVol.3】
2022.08.05

昆虫食王国タイにおける 昆虫食の魅力【昆虫食普及ネットワーク・ニュースレターVol.2】

トロピカルフルーツや鶏肉の産地として名高いタイですが、実は昆虫食王国の一面も併せ持っています。高温多湿の気候が昆虫資源の宝庫を生み出し、追求された美味しさや栄養価の高さによって、昆虫食は身近な食材として地位を確立させています。 昆虫食を伝統食文化として親しみをもつタイは、早い時期から産業化へと舵を切り、産官学で研究開発を重ねて、国際基準に準拠する生産レベルを高めることに成功しました。かつては屋台で見かけることが多かったですが、現在では、多様な昆虫食の商品がスーパーやコンビニの店頭に並ぶ光景は決して珍しくありません。 タイ農業・協同組合省は昆虫食を推進するために、2017 年にコオロギ養殖場の生産工程管 理 (GAP) TAS8202(G)-2017 を制定しました。近い将来、他の昆虫食の規格も公表する予定です。また、「世界の昆虫食ハブ」という目標を設定し、チェンマイ大学、 メジョー大学、コンケン大学、カセサート大学に昆虫食分野を特化した農業イノベーションセンターを設立して、 昆虫産業をさらに盛り上げようとしています。現在では、 昆虫養殖農家が全国に約2万戸にも上り、昆虫食の生産と輸出が目覚ましい成長を遂げています。一方、民間企業でも「タイ昆虫産業協会」を年内に立ち上げるために最終調整に入っています。豊かな資源、蓄積されたノウハウ、そして、連携の取れたステークホルダーを強みにもち、タイ昆虫食産業が今後更に加速化することに違いありません。  (サコン・ワナセッティー/タイ大使館農務担当官事務所)   「セミ会」【今月のトピック】  当NPO理事長の内山昭一が始めた「セミ会」は昆虫食界の夏の風物詩となって各地に拡がっています。現代では難しい「自分で狩って。料理して、食べる」、この当たり前を体験できる魅力がセミ会にはあります。しかし、それに勝る魅力はセミが美味しいという事実です。どんな味と聞かれますが、説明は難しいので是非ご自分の舌で体験していただきたいと私は思います。勇気をもって参加した時、アリストテレスが「きわめて甘美なり」と 表現したセミの味、あなたならどう感じるでしょう?心 に残る夏の体験になること間違いないです。  (増田隆紀/NPO法人昆虫食普及ネットワーク副理事長)   どんな味?香りも楽しむ昆虫メニュー【おススメの一皿 】   5 月14 日、米とサーカス高田馬場店にて皆さんと昆虫料理を。この日は夏野菜と昆虫をテーマにレシピを考案。 タガメの香りを楽しむキャロットラペ、ジャイミル入り のペペロンチーノ、オオスズメバチの洋風じゃが、そし て試作メニューの山梨名物ほうとう(ミックス昆虫入り)でお腹いっぱい! 毎回違うメニューで参加スタッフ一同も楽しみにしています。コロナ禍が落ち着いたら、一緒に調理に参加してもらえる形で開催できるといいですね。  (阿南)   ニュースレターは、NPO法人昆虫食普及ネットワークの公式HPで配信中です。
昆虫食王国タイにおける 昆虫食の魅力【昆虫食普及ネットワーク・ニュースレターVol.2】
2022.07.06

伝統から革新へと脱皮する昆虫食【昆虫食普及ネットワーク・ニュースレターVol.1】

哺乳類の祖先ラオレステスから始まり、猿人、原人、旧人、新人と進化するなかで、人類は 400 万年の間身近で採集しやすい昆虫を日々の糧としてきました。日本でも 1919(大正8)年の調査で 55 種類もの昆虫が食べられていましたが、その後の食の西欧化で一部地域を除き昆虫は食べ物とみなされなくなってしまいました。世界は急速な人口増加と工業化による環境悪化が顕在化し、気候変動対応や生物多様性保全などの「環境」「持続性」が農業政策の最重要項目になってきています。 FAO が 2013 年に出した昆虫食を推奨するレポート『食用昆虫:食料と飼料の安全保障に向けた将来の展望』はこうした背景から生まれたものでした。世界的な趨勢を受けて農林水産省は 2020 年、完全資源循環型の食料供給と高い QOL の実現に向けて「フードテック官民協議会」を設立。そのなかに作業部会「昆虫ビジネス研究開発 WT」が設置されました。 哺乳類誕生とともに食べられてきた伝統食の昆虫が、新たな革新的な価値を付与された食材に脱皮しようとしています。受容傾向(食物新奇性嗜好)の高い消費者への働きかけ、そのための喫食機会の拡大や新たなメニュー開発が急務です。このたび発刊に至ったニュースレターが、昆虫の社会受容性を推進する情報発信ツールとなることを切に願っています。 (内山昭一/NPO法人昆虫食普及ネットワーク理事長)   夏はセミがおすすめ!【7月のトピック】 夏、昆虫食好きの私たちにとって待ち焦がれた狩りのシーズンです。今夏ぜひ狩って、食してもらいたいのは「セミ」。狩って楽しく、食べておいしい食材です。成虫を明るいうちに網で、日没後に羽化のために地面から出てくる幼虫を手で捕らえます。ミンミン、アブラ、ニイニイ、クマゼミ、外来種タケオオツクツク等のセミ種、幼虫と成虫、性別によって味、食感がかなり違いますので食べ比べの楽しみもあります。セミ食に興味が動いたなら、セミ会や昆虫食を楽しむ会等イベント参加をお勧めしたい。そこで得た新しい経験が今もなお私にとって昆虫食の最大の魅力だからです。 (増田隆紀/NPO法人昆虫食普及ネットワーク副理事長)   スズメバチ幼虫・蛹とピーマン、松の実の炒め物【7月の一皿】 スズメバチ幼虫と蛹は 巣から抜いて湯通しし、幼 虫は糞抜きしておく  細切りピーマン、乾燥松 の実、スズメバチをサラダ オイルで炒め、麺つゆで味 付け、最後に擦りごまを振 りかける 食材メモ: スズメバチ幼虫 は丁寧に糞抜きすると臭み も少なく、あっさりした甘味と旨味があります。野菜と炒め物や煮物にするなど何の料理にも使いやすい食材です。成虫の形になっているものは、オオスズメバチの場合は殻が硬く炒める程度では口当たりが悪いので別な料理に使いますが、コガタスズメバチ等では幼虫や蛹と一緒に料理してもまた違った 食感が楽しめます。  (樋口素子)     ニュースレターは、NPO法人昆虫食普及ネットワークの公式HPで配信中です。  
伝統から革新へと脱皮する昆虫食【昆虫食普及ネットワーク・ニュースレターVol.1】

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NEW 2023.01.30

【解説】サフランとは【食品業界用語】

この記事では、サフランとは何か、その食材としての働き、また料理への利用、サフランに関する最近の研究結果、料理にサフランを使用する際の注意点について説明します。 サフランとは? サフランは、クロッカスの花の茎を乾燥させたものから得られるスパイスです。地中海沿岸、中東、南西アジアの一部が原産で、古くから料理や宗教儀式に使われてきました。 サフランは世界で最も高価なスパイスのひとつであり、その独特の風味、色、香りは、さまざまな料理に欠かせない食材となっています。 サフランの働き サフランは健康に良いことでも知られています。抗酸化物質が多く含まれ、疲労回復や婦人科系の不調予防、鎮痛、血行改善など、美容と健康にさまざまな効果があるとされています。また、サフランは認知機能の向上や、うつ症状の軽減にもつながると期待されています。 サフランを使った料理例 サフランは非常に汎用性の高いスパイスで、スープからデザートまで、さまざまな料理に使うことができます。 サフランを使った代表的な料理には、カレー、パエリア、リゾット、ブイヤベース、ビリヤニなどがあります。また、サフランは紅茶やシロップなどの嗜好品にも使われます。 サフランの研究成果 サフランが性機能と生殖能力の向上に役立つことを示唆する研究結果も増えてきています。サフランがストレスを軽減し、性欲を増進させ、健康的なホルモンバランスを促進することが研究で実証されています。 サフランの注意点 サフランで料理に色付けをする場合は、ほんのひとつまみで十分です。 入れすぎてしまうと、他の味に影響が出ることがあるので、控えめに使うように注意しましょう。
【解説】サフランとは【食品業界用語】
NEW 2023.01.27

昆虫食のミライを語ろうvol.2後編【ゲスト:サコン・ワナセッティーさん(タイ王国大使館農務担当官事務所参事官(農務担当)】

前編はこちらから:昆虫食のミライを語ろうvol.2前編【ゲスト:サコン・ワナセッティーさん(タイ王国大使館農務担当官事務所参事官(農務担当))】 昆虫食は「奇食」「物好き」「一部地域の食文化」として特殊性をもって語られてきました。それが2013年、FAO(国際連合食糧農業機関)の報告を機に、昆虫は急増する世界人口を支える「タンパク源=食料」としてみなされるようになり、もっとカジュアルかつポジティブに「昆虫を食べよう」という流れが日本でも一気に広がっています。 「かつて宇宙食といえば誰もが錠剤を想像していたが、今や宇宙ステーションでもおいしい食事ができるというイメージが定着した」と話すのは、昆虫料理研究家の内山昭一さん。昆虫食も「グロテスク」「おいしくない」という印象を脱却し、もっと身近に感じてもらいたいーー。そんな流れをつくっていくために、個性豊かなゲストを迎えて「昆虫食のミライ」を語ります。 【タイの昆虫食の主な輸出先は】 内山)主な輸出先はEUが多いのでしょうか? サコン)タイの総務省の統計を見てみると、一昨年の合計で600トンを輸出していて、内訳をみると約5割、つまり半分くらいがカンボジアです。2番目がアメリカで3割、3番目が日本で1割。その他がミャンマーと香港になってます。昆虫食の難しいところは、割と新しい商品でまだ統計などが追いついてないところです。細かい情報はないんですが、昆虫の姿を残したままのものもあれば、コオロギパウダーのような高度な加工品という形で出している場合もあります。 内山)カンボジアは今でも昆虫食が盛んだと思うんですよね。需要が高くて国内の供給だけでは間に合っていないんでしょうか? サコン)タイ東北部の隣がラオス、ちょっと下に行けばカンボジアという地理関係になっています。島国ではなく陸続きであり、食文化も共通していることからすると、カンボジアでも昆虫を食べる習慣はあると思います。 内山)ラオスへの輸出はどうですか? サコン)東北部のことをイサーン地方と呼びますが、イサーン料理とラオス料理はすごく近い。一緒といってもいいくらい似ているので、ラオスの方が昆虫を食べているって言われても僕は驚かないですね。 内山)非常に辛い料理ですよね。 サコン)東北部は酸っぱくて辛い味ですね。 内山)そうですよね。僕も1月に行って、非常に辛くてですね。辛くないのを頼んでも、辛いんですよね(笑)。ですから普通に頼むとものすごく辛いと思うんですけど、サコンさんは全然平気なんですね? サコン)それが僕は辛いのが苦手なんですよ(笑)。でも皆さんと基準が違うので、内山先生がダメでも僕は大丈夫なものもあるかもしれません。ただ僕は普通のタイ人と比べれば、辛いのは苦手な方です。 内山)サコンさんと僕は意外と味の好みが合いそうな感じがしますね。僕の今までの認識だと、2013年以降、EUで非常に昆虫食が盛り上がっていて、EUの中で新規食品として昆虫食を流通させていこうという動きがあり、昆虫の中でもコオロギをタイの工場で粉末にして輸入し、パンなどの製品にしていくという流れがあったと聞いています。それでEUが量的に一番多いのかなと思っていたんですが、やはりまだまだカンボジアという身近なところで需要がたくさんあるということなんですね。 サコン)先ほど申し上げた600トンというのは一昨年のデータで、これには続きがあって、伸び率は年98%なんですよ。ですのでだいぶ全体量も増えているはずですし、もしかしたら輸出先も変わっているかもしれません。ヨーロッパの方でコオロギパウダーが注目されているのは確かで、タイの業者もヨーロッパを視野に入れてます。EUで販売するにはノベルフード、新規食品の認証を取得しないといけないんですが、タイは昆虫食について認証を取得済みです。タイ政府としてはEUをすごく重要なマーケットと意識していますね。 内山)EUへの輸出もこれからどんどん伸びていきそうですね。そして、日本が1割ですが、日本もコオロギがメインなんですか? サコン)日本は恐らくコオロギがメインなんですけど、コオロギのパウダー以外も結構入ってきています。昆虫の姿をそのまま残したものもたくさんあって、最近では見る機会も増えたんじゃないかと僕は思いますね。 内山)製品化されて、自動販売機などでも売られていますよね。そういったものの中ではタイ産、タイで作られた商品が非常に多いと思います。バンコク近辺の会社が作っているんでしょうか? サコン 恐らく本社がバンコク近辺だと思います。ただ昆虫の形を残したままの製品は珍しい昆虫も多いので、もしかしたらバンコクではなく少し離れたところで作っている可能性も充分に考えられます。 内山)サゴワームなんかも結構タイから来ていると聞いてます。 サコン)サゴワームに関しては、どちらかというと西部、南部の方に多いんですよね。昆虫食で食べる昆虫は、言い方を変えるとそこら辺に生息している害虫でもあります。サゴワームも最近ではあちこちで作っていると思いますが、もともとは西部から南部にいるというイメージです。暑い地方の虫で、よくヤシの木にくっついていたりします。 内山)ヤシの木の中の芯を食べて枯らしてしまう害虫でもあるわけですね。ヤシの木からは油を取っていて、木を切って油をとって放っておくとそこにサゴワームが卵を産んで、それが2、3か月くらいで食べごろになって、それを採集して食べると。養殖をされているところも出てきているみたいですが、サコンさんはサゴワームを食べたことはありますか? サコン)あります。ミルキーで美味しかったです。油で揚げたものかな、友人からもらったものが乾燥していたので、おそらく揚げてあったんじゃないかと。 内山)サゴワームは最近、日本の昆虫食界隈でも結構注目されていますね。日本に輸入されるものは冷凍されていて、来るまでに結構時間がたってしまっていて解凍すると非常に水っぽくなってしまって旨味が減ってしまいます。8月にサゴワームの養殖を頑張ってやっているラオスに行って、活きのいいやつをいただいたら、これが本当に美味しかったですね。この美味しさを維持したまま日本に持って来れたらかなり需要があるんじゃないかな。大きいからすごく食べ応えもあるし、見た感じもわれわれにとってみればすごく良い(笑)。 サコン)もともとの食べ方はだいたい炒め物にしてるみたいですね。 内山)串に刺して焼いたりすることもあるみたいですよ。外側の皮がパリパリで、中がジューシーでクリーミーで、余分な脂も結構落ちるので、すごく美味しいねっていうのが一般的な大方の評価ですね。 【若者が活躍するタイの昆虫食産業】 内山)タイはこれからの昆虫食の希望の星なんじゃないかと思います。サコンさんにも頑張っていただいて、日本でバンバン虫を売ってほしいですね。 サコン)それこそ、内山先生のお力を借りたいくらいです。 内山)お互いに協力し合って売っていきたいですね。そういう意味では、若い人たちに入っていただくことが、これからの将来のためにも非常に大事だと思うんですが、タイでは若い人の参加は増えてきている感じでしょうか? サコン)最近目覚ましい成長を成し遂げた、近代化した昆虫食産業は結構若い人が多いです。年の伸び率が98%くらいなので、いろんな人が興味を持つようになったんですね。昆虫食に興味を持つ人は、機械のある業者さんもおそらく40代くらいだと思います。特に最近はいろんな企業さん、会社さんが生まれて、一人で戦うよりは皆で集まって協会を作って一緒に頑張っていきましょう、タイ国内マーケットはもちろん海外も狙っていきましょうということで、3月までにはタイ昆虫食産業協会というのができる予定です。 内山)何社くらい参加するんですか? サコン)まだ準備してる段階で公表されてないんですけども、聞いた話ですと結構多いみたいですね。昨年3月のFOODEX(国際食品・飲料展)にタイのブリケット社に出てもらったんですけど、このブリケット社の方が今度できるタイ昆虫食産業協会の初代会長を務めることになっています。この方と話してみると、すごくやる気があって、何にでも挑戦してみたいという意欲を感じました。 内山)僕もバンコクでブリケット社のハンバーガーのお店に寄って、コオロギを使った商品を食べて美味しかったです。「昆虫未来食」というテーマを掲げていました。ああいう形のお店はバンコクにはブリケット社だけではなくて他にもあるんですか? サコン)コオロギパウダーや虫を揚げたものを袋詰めして売ってるところは多いんですけども、昆虫食専門のレストランはまだそんなにたくさんはないと思います。内山先生が訪問したお店はすごくきれいで、新しくてできたばっかりというイメージがあったと思うんですが、そういったお店の数はまだあまり多くないと思います。ただ、増える傾向はありますね。 内山)昆虫食産業協会ができれば、それが一つの始まりということで、それをきっかけにいろんなお店ができるのかなと思って、すごく期待しています。 サコン)地元の人がもちろん通ってますし、海外から来ている観光客もそこを狙って行くこともあると聞いています。タイに来る人はタイ料理を好んでくださる方が多いんですけれど、トムヤムクンだけではなく、新しい料理にも挑戦してみたいということになれば、昆虫食レストランに行くこともあるかもしれませんね。 内山)それと同時に、東北部で継承されている昆虫そのものが食材となっている伝統的な昆虫食というのも、なくなってほしくないなと強く思います。コオロギだけじゃなくていろんな昆虫食材の持つ食感とか味とか、タガメをはじめそれぞれに特徴があるじゃないですか。そういう特徴を生かした多様な昆虫食の実験場みたいな感じにタイがなっていくと、いろんな昆虫食が広がる可能性が出てくると思うんですよね。ぜひコオロギだけじゃなくて、もっといろんなものを取り上げて調理法や栄養についても紹介していただいて、昆虫食をリードしていってくだされば、昆虫食の未来はすごく明るいんじゃないかと思います。 【昆虫食で日本に期待したいことは】 内山)日本で昆虫食を扱う企業も、スタートアップ企業が圧倒的に多いです。若い人が起業していろんな可能性を模索しているという段階なので、もっとタイと日本の昆虫食企業が交流できるような場ができると面白いんじゃないかなと思っています。 サコン)やはり昆虫というのは見た目で敬遠する人が多いと思うんです。そういう意味では、われわれタイ人からすると昔から見ている光景なので、食べなくてもすごく嫌だっていう人は比較的少なく、昆虫に慣れてるというところがあるのだと思います。コオロギパウダーは見た目という課題は克服してますので、ウケがいいんじゃないでしょうか。ただ一つの食文化として、虫の形のままの昆虫食も維持してほしいというのは、僕も同じ考えです。 内山)世界的にはコオロギの養殖がメインで、とにかく粉にしてハードルを下げてできるだけたくさん食べてもらって、価格を下げて普及させていこうっていうのが今の世界的な趨勢だと思います。日本でも2つに分かれていて、グリラスという徳島の会社は養殖にかなり力を入れていて、新しい昆虫食っていうのを目指しているところです。一方、タガメサイダーのTAKEOは国産、量的には少量のロットで地域ごとに異なる食べ物を与えて地域独自の味とか旨味とかを追求して、京都コオロギとかっていう地名にちなんだ名前を付けて特色を活かした昆虫食を目指していますね。この2つは両方とも非常に大事な昆虫食の進んでいく道だと思います。この両方がうまくかみ合って総合的に発展していくようなあり方が僕が望んでいる方向です。 タイも東北部にはちゃんと伝統的な昆虫食が残っていて、プラスしてバンコクの新しい昆虫食がうまくつながるようなタイ昆虫食産業協会になってほしいと思います。若い人の力っていうのはすごくエネルギーがありますし、とにかく元気で好奇心が旺盛っていうのがいいですよね。われわれも昆虫を食べる会を毎月やっているんですけれど、集まってくる人は20代、30代の方が圧倒的に多いです。そういった人たちがこれから昆虫食を進めていく原動力になるような気がしていますので、両国の交流が深まっていけば非常にいいと思っています。 サコン)タイは長年昆虫食をやってきたうえに早い段階から産業化したので、かなりノウハウが蓄積されていますが、内山先生がおっしゃったように日本の方はすごく発想力が豊かですよね。日本のアイデアとタイの今まで蓄積されたノウハウ、経験をうまく活かして、日本とタイが手を取り合って昆虫食を盛り上げていけたらなと思います。 内山)そういう意味ではサコンさんの役割って非常に重要ですね。シティーボーイでありながら、なおかつ昆虫食にも造詣が深く、2番目に食べたのが長野県だというのもありますし、ぜひ活躍して盛り上げていただければと思います。こちらも20年以上やっていていろんなつながりもありますので、協力しながら昆虫食をさらに進めていければいいなと思っています。ありがとうございました。 https://reports.shareshima.com/3150/
昆虫食のミライを語ろうvol.2後編【ゲスト:サコン・ワナセッティーさん(タイ王国大使館農務担当官事務所参事官…
NEW 2023.01.27

健康食品(サプリメント)のハラルビジネス考察【食品ハラルビジネス進化論〜ハラル認証原料編vol.10】

こんにちは、ハラル・ジャパン協会の佐久間です。2023年がスタートしましたが、いかがでしょうか?スタートダッシュできましたか!?昨年は為替、原材料高、そしてアフターコロナを見据えたマーケティングなど激動の一年でした。皆様の事業に置かれてもきっと次の事業を考えて「新しい手」は今年こそやるぞ!と考えていると思います。ハラルビジネスもその一助になればと思います。今年もよろしくお願いします。今回は「健康食品(サプリメント)のハラルビジネス考察」ということで解説していきます。 日本のハラルサプリ産業は長寿・健康を売る、そしてアジアで勝負する!!  ハラルサプリ産業のポジショニングはネクストステージです。食品→健康食品(サプリ)→化粧品→生活用品→医薬品(?)が、ハラルビジネスの展開だと我々ハラル・ジャパン協会は考えています。むしろ、食品よりも更にハラル認証やハラル性が求められる分野だと考えられます。コロナ禍で低下したものの、まだまだ経済成長中であり圧倒的な人口を有する東南アジア、南西アジア。近い将来「ハラルサプリ産業」はここから始まる、また、始まりつつある予感がします。 なぜならサプリ原料にハラル性、ハラル認証が要求されることが増えているからです。食品・健康食品の輸出は医薬品扱いになると非常に難しいので、特に食品として登録されるサプリの需要が増えると考えられます。日本の原材料メーカーにとってはチャンスです!だからハラルビジネスに取り組もうと当会は言い続けています。 しかし、いつものようにライバルは中国・韓国・台湾など東アジアの国が多く、そこに欧米豪が加わり各国しのぎを削っています。そこでの差別化は「メイドインジャパン、日本品質」ですが、残念ながらこれはもう通用しなくなりつつあります。では次なる差別化は、日本の1億2千万人の長寿・健康の長年のノウハウを訴えることです。日本人が総じて健康かつ長生きでいることがウリになるのです。ここをアジアで徹底的にブランディングしていく必要があります。自動車やカメラのような存在になる日も近いかもしれません。 [caption id="" align="alignnone" width="720"] 海外のドラッグストア[/caption] まず海外で勝負できる自社のグローバル戦略原材料を決める、そしてメイドインジャパン・メイドバイジャパンの種分けをする 日本製の原材料がすべてイスラム市場で勝負できるわけではありません。欧米とはまた違った独特のマーケットを作っています。しかし、ヨーロッパ主導の統治が長い国も多く、その影響を大きく受けています。今あるシンプルな健康食品(サプリ)はプロテインやビタミンなど、ヨーロッパのモノが主流でアメリカやオーストラリアのモノが店頭に並んでいることもあります。 そこで「日本らしい」「日本ならではの技術」の素材(原材料)が必要になります。2023年はまずイスラム市場等への輸出で勝負できる原材料を見極めてください。そして自社の戦略商品として決めてください。ここからハラルビジネスがスタートです。ハラルビジネスにならないグローバル戦略商品も中にはあるかもしれませんが、構いません。決めることが重要です!! そして日本で作るもの、イスラム市場の海外で作るものかストーリーを考えてみて下さい。完成品まで日本のハラル品で製造するか?またはイスラム市場の作りやすいイスラム教国で製造するのか?の種分けをしてみて下さい。 実はここから始めるハラルビジネスが一番パンチがあり有効なのです。 [caption id="attachment_3208" align="alignnone" width="720"] 森下仁丹(株)の「シームレスカプセル」[/caption] 次回の11回目では「輸出対応とハラル(ハラール)認証の有効性」を解説したいと考えます。2月第4金曜日を楽しみにしてください。引き続き、2023年もよろしくお願いいたします。 (佐久間朋宏/非営利一般社団法人ハラル・ジャパン協会代表理事)
健康食品(サプリメント)のハラルビジネス考察【食品ハラルビジネス進化論〜ハラル認証原料編vol.10】
NEW 2023.01.27

【解説】精密発酵とは【食品業界用語】

この記事では、精密発酵とは何か、精密発酵の活用法や効果について解説します。 精密発酵とは? 精密発酵は、微生物を培養して特定の動物性たんぱく質を量産する技法のことです。 精密発酵は食品自体を作り出すものではなく、食品を作る際に使用される動物性たんぱく質を作るものです。また精密発酵に使用する微生物は、特定のたんぱく質を生成するためにあらかじめカスタマイズされています。 精密発酵でできること 精密発酵は、主に食品の原料になる動物性たんぱく質の製造に使われます。 例として、チーズを作る際に使うレンネットという凝固酵素があります。レンネットの素となる酵素は、子牛の胃袋に含まれています。今まではレンネットを大量に製造するため、多くの子牛を屠畜(とちく・食肉用の家畜を殺処理すること)しなければなりませんでしたが、精密発酵の技術により、子牛を屠畜せずに大量のレンネットを人工的に作り出すことが可能になりました。 他にも精密発酵により製造された動物性たんぱく質を使って、乳製品などを作る研究がなされています。 アメリカでは既に、精密発酵による動物性たんぱく質を使用したヨーグルトやアイスクリーム、チョコレートバー、プロテインパウダーが販売されています。 精密発酵のメリット 精密発酵により、動物を使わなくても安定的・大量に動物性たんぱく質を製造することができます。また、動物を飼育するために使う資源やエネルギーを節約することにも繋がります。 他にも、精密発酵は持続可能な食料システムを構築して、将来の食糧危機を改善する可能性が期待されています。
【解説】精密発酵とは【食品業界用語】