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2022.09.30

青いトマトがおいしく大変身!液体塩こうじでつくる食品ロスのない社会〜醸造の奥深さを知るみそメーカーだからできるSDGsプロジェクト〜

昨今、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて食品業界ではさまざまな取り組みが行われています。2022年7月、ハナマルキ株式会社とイオンアグリ創造株式会社のコラボレーションによる「液体塩こうじ×青いトマトプロジェクト」がスタート。食品ロスの削減につながるだけでなく、「青いトマトがおいしく変身する」と多方面から注目を集めています。 そこで今回は、ハナマルキのマーケティング部長の平田伸行(ひらた・のぶゆき)さんとマーケティング部営業推進室でレシピ開発担当の松田有加(まつだ・ゆうか)さんへの取材から、プロジェクトの魅力や商品開発に至る経緯、目指す未来像についてお伝えします。(取材・構成=松橋かなこ) ハナマルキが食品ロス対策に取り組む理由 1918(大正7)年に長野県で創業し、日本を代表するみそメーカーとして、食卓に欠かせない商品を提供し続けてきたハナマルキ。近年ではSDGs達成や持続可能な社会の実現に向けて、「安心・安全」や「次世代の成長支援」「自然との共生」「多様性の促進」という4つの柱を軸に活動を展開。その一つとして「液体塩こうじを使用することで食品ロス削減」の取り組みを推進しています。 食品ロスとは、本来食べられるにもかかわらず捨てられている食品のこと。農林水産省が公表した2019年度の日本の食品ロスは570万トン。世界には全人口を賄えるだけの十分な食糧がある状態でありながら、8億人が飢餓に苦しんでいると言われています。こうした状況を受けて、行政にとどまらず企業やNGOなどでも食品ロス削減のチャレンジが盛んに行われています。 ハナマルキが取り組む「液体塩こうじ×青いトマトプロジェクト」は、これまで廃棄処分されてきた青いトマトを液体塩こうじと組み合わせて、青いトマトの特徴を生かしたおいしい料理に変身させるというもの。イオン農場ECサイトにて、液体塩こうじと青いトマト、ミニレシピリーフレット付のセット販売を行っています(1セットにつき液体塩こうじ1本と青いトマト6個入りで税込1000円、送料別)。 実は、液体塩こうじを使った食品ロス削減の取り組みは、これが初めてではありません。2019年7月、国連WFP協会主催「Zero Hunger Challenge for AFRICA 食品ロス×飢餓ゼロ」に参画。SNSキャンペーンに、野菜や果物の切れ端や皮などを使った液体塩こうじのレシピ4品を披露しました。ここでの想いや経験が、青いトマトプロジェクトにつながっています。 液体塩こうじと青いトマトの出合い 液体塩こうじと青いトマトは、どのようにして出合ったのでしょうか。平田さんが出張料理人の工藤英良(くどう・えいりょう)さんに「トマトと液体塩こうじを組み合わせたメニューをPRしたい」と相談したのが、その始まりです。工藤さんは、カナダや中国、フランスの大使館で料理人を約10年間務めた経験を持っています。平田さんがおすすめのトマトを尋ねてみると、工藤さんは「イオン農場のトマトが抜群においしい」と推薦。農場に連絡すると「ぜひ見学に来てください」と、話はトントンと進みました。 2021年9月、平田さんは埼玉県久喜市の「イオン埼玉久喜農場」を訪問しました。そこで目にしたのは、山積みにされた青いトマト。これは一体どういうことだろうと思い、農場長の髙橋寛(たかはし・ひろし)さんに質問しました。 トマトは花が咲いて実を付けると、緑色から赤色に変化します。農場ではトマトを一定期間育てた後新しい苗に植え替えますが、その時にまだ緑色のトマトは出荷することができません。平田さんは、髙橋さんとのやりとりの中で「かなりの量の青いトマトが廃棄されている」という現状を知りました。 青いトマトは市場に出回りませんが、実際に目にした光景はショッキングなものでした。そして、トマト栽培に情熱を注いでいる髙橋さんにとって、「青いトマトも真心込めて育てた大切な存在に変わりない」という言葉にも心を動かされました。 平田さんの頭に、あるアイデアが浮かびました。それは、青いトマトを液体塩こうじと組み合わせて、セット販売するという企画です。その場で髙橋さんに持ちかけてみると、 「それはいいアイデアですね!」と前向きな返答が。二人は意気投合し、具体的な検討へと進んでいきました。 醸造の「プロ」の力でおいしい新商品に ハナマルキでは液体塩こうじと赤いトマトを組み合わせたメニューをそれまでにも開発していました。しかし、青いトマトと液体塩こうじの組み合わせは実際に試したことがありませんでした。 このプロジェクトを成功させるには「おいしいレシピ」が必要でした。社内に持ち帰って相談したのが、液体塩こうじのレシピ開発を担当している松田さんです。 平田さんから相談された時のことを松田さんはこう語ります。「青いトマトが食べられるということは知っていたものの、実際に扱うのは初めてでした。不安な気持ちがなかったわけではありませんが、液体塩こうじで『青いトマトでもきっとおいしくできるだろう』と思ってはいました」。 試しに、松田さんが青いトマトを刻んで液体塩こうじに漬けてみたところ、独特の青臭さが消えて、想像以上においしく食べられることを確認。それだけでなく、青いトマトだからこそ出せる「爽やかな酸味」を発見しました。青いトマトならではの強みを最大限生かすべく、液体塩こうじに漬けた青いトマトを使って、繰り返し料理の試作に取り組みました。 イオンアグリ創造側を交えて2021年11月に開催した試食会では、「確かにこれはおいしい」「ぜひ商品化しましょう」と大好評。「さわやかトマトキーマカレー」「シャキシャキトマトピクルス」など5つの料理を厳選し、レシピをまとめたリーフレットの制作を進めて、2022年7月から商品の販売が始まりました。 「青いトマトは赤いものに比べて硬さがあって水分が少ないです。通常の液体塩こうじのレシピであれば30分~1時間漬け込みますが、青いトマトは漬け込み時間をそれより長い一晩に設定しました。家庭でも手軽に実践しやすく、しかも青いトマトの特徴を生かした絶品料理が作れるようにと工夫を凝らしました」と、松田さんはレシピ集のポイントを話していました。 レシピを基に調理、実食してみると 今回の記事制作に際して、私自身も青いトマトと液体塩こうじを組み合わせた料理を試作して、食べ比べてみました。調理に使ったのは、イオン農場SHOPで販売されている液体塩こうじと青いトマトがセットになった商品です。まずは、写真左上から時計回りに「1.そのままの青いトマト」「2.青いトマトを液体塩こうじに漬けたもの」「3.2を加熱したもの」「4.2を刻んで加熱したドライカレー」と4種類を用意して、味を確かめてみました。生食ではやはり青臭さが気になるものの、液体塩こうじに半日程度浸けるとその香りが軽減し、別物に変わります。加熱すると、酸味がよりマイルドになり、ほのかな甘味が出るのが印象的でした。 松田さん考案のレシピを基に、他の具材と調味料を加えて作ったキーマカレーは、後味として青いトマトの爽やかな香りとシャキシャキとした食感が楽しめました。まさに、「青いトマトならではの一品」です。家族全員で試食しましたが、「おいしい」「キーマカレーは青いトマトで作ってほしい」という思った以上の人気ぶりでした。 青いトマトプロジェクトが目指す未来 いろいろな人との出会いと情熱によって育まれてきた青いトマトプロジェクト。最後に、この取り組みの先にどのような未来を描いているのかを平田さんと松田さんに尋ねました。 「農場を訪れた時、食品ロスの現状を目の当たりにして、食品ロスへの取り組みの必要性を強く感じました。今回のこの液体塩こうじと青いトマトの取り組みを知っていただくことで、食品ロスへ取り組む方がさらに増えていくとうれしいですね。」(平田さん) 「青いトマトは、ハナマルキと一般消費者とのコミュニケーションにも役立っています。青いトマトに限らず、食べられるのに捨てられている食材がたくさんあります。そうした食材をおいしく食べる方法を、これからも提案していきたいです」(松田さん) 実際、ハナマルキの公式Twitterアカウントで今回のプロジェクトについて投稿した時に、家庭菜園でトマトを育てている人から「青いトマトの使い方が分からずに困っていた」というリアクションがあったそうです。 実はわが家でも、「どうして今日は青いトマトなの?」と子供から尋ねられ、トマト栽培や食品ロス、食の多様性についての話になりました。「おいしい」という食体験から、家族みんなで食のあり方について考えるーー。青いトマトはそうした貴重な時間を提供してくれる、とても心強い存在です。  
青いトマトがおいしく大変身!液体塩こうじでつくる食品ロスのない社会〜醸造の奥深さを知るみそメーカーだからできる…
2022.07.08

「UMAMI EGG」徹底解剖!開発秘話と今後の展望【代表インタビュー】

さまざまなメディアで取り上げられ、注目を集めている植物性卵「UMAMI EGG」。こんにゃく粉を使って卵らしさを出すことに成功し、急速に販路が拡大しています。しかし、最初から順調に進んでいたのかといえば、決してそうではありませんでした。UMAMI UNITED JAPAN株式会社(以下「UMAMI UNITED JAPAN」)の代表取締役である山﨑寛斗(やまざき ひろと)さんに、開発の経緯や苦労したエピソード、こんにゃくに見る可能性を聞きました。食品開発に従事する人へのメッセージもお届けします。(取材・構成=松橋かなこ) 「ONE TABLE」を実現すべく、こんにゃく粉を使った植物性卵の開発へ ――UMAMI UNITED JAPANの設立に至るまでの、山﨑さんのご経歴を教えてください。 学生時代にインターンで関わった活動を通して、食の多様性を学びました。同時に外国人へのボランティアガイドをしていましたが、海外の国に比べて日本は食の選択肢が少ないことを痛感しました。こうした課題に取り組みたいと考え始めたのは学生の頃です。卒業後、食の多様性(フードダイバーシティ)に特化した会社で業務に携わりました。現在の開発担当者との出会いにより、2022年にUMAMI UNITED JAPANを設立。その前後で、UMAMI EGG2.0の開発を進めました。 ――植物性卵の開発に取り組もうと思ったきっかけはどんなことでしたか。また、植物性卵にこんにゃく粉を使おうと考えた理由は。 私たちの会社のミッション「ONE TABLEで未来を創る」を実現しようと考えたときに、卵にニーズがありそうだという話になりました。そこで、植物性卵に取り組んでいる海外の競合会社や類似商品をリサーチし、プロトタイプ(試作品)を作りました。そのプロトタイプをレストランなどに提供し、実際に使ってもらい感想を集めました。そこで見えてきたのは「味はおいしいけれど、通常の卵と比べて使い勝手があまりに違う」ということ。具体的には、加熱すると固まるという卵の特性が上手く表現できていませんでした。そこで、卵の特性を出すために「こんにゃく粉を使ってはどうか」という話になりました。 ――こんにゃく粉以外に、検討した材料はありましたか。 他の素材としては、加熱で固まる特性を持つ「水溶性タンパク質」を使うことを考えました。海外の植物性卵では、植物性のタンパク質を使うケースが多いです。他の国から素材を取り寄せて試作しましたが、なかなか思うように進みませんでした。そこで、「自分たちの身近にあるもので何ができるか」をもう一度考えたのです。その結果、日本にふさわしい素材のこんにゃく粉にたどり着きました。 マーケティングとの連携やニーズの選定に苦労することも ――商品開発、そして販売へと動くなかで、特に苦労したことは何でしたか。 1~2カ月かけて試作品を作った後、同じくらいの時間をかけていろいろな人に使ってもらいながら改良を重ねました。開発にはトータルで半年程度の時間がかかりました。 「開発とマーケティングをどう連携させていくのか」については、社内でいつも議論しています。どこの市場に、どんな価格帯でどんなポジションとして打ち出していくのか。これまで世になかったものを提案する立場なので、ニーズの選定に難しさを感じることが多いです。国によっては使用できない原料がある場合も多く、最初はとても苦労しました。 今は国内での受注が8~9割を占めていて、残りの1~2割が海外です。しかし、海外での市場のほうが圧倒的に大きいので、今後はこの比率を逆転させたいと考えています。そのために、「卵のどういう部分や機能を求めているのか」を徹底的にリサーチして、ニーズの掘り起こしや細分化をしています。 ――マーケティングのポイントは、どこに重きを置いているのでしょうか。 特別に決まったスタイルがあるのではなく、「やりながら考える」ということを大切にしています。定量的なデータだけでなく、定性的なデータも集めています。誰もが知っているようなことであれば、ベンチャーがあえて取り組む意味はないのではと。「掘ってみたら、偶然にも温泉が出てきた」というような意外性のあるニーズを探しています。 その上で、基準は大きく2つあります。会社のミッションに合っているのかどうかと、ある程度の市場規模があるのかということです。市場規模は大きくても、会社のミッションに合わないものであれば、選択しないこともあります。 こんにゃくや海外市場への可能性に向けて   ――国内外問わず、こんにゃくへの注目が高まっています。こんにゃくの可能性について、感じていることがあれば教えてください。 海外ではこんにゃくを使ったパスタが人気を集めていて、大手企業もこんにゃくに注目しています。こんにゃくは日本の伝統食材であり、日本らしさを前面に出した海外市場への展開にも向いていると思います。 特に、こんにゃくとプラントベースの組み合わせは相性が良いと感じています。たとえば、こんにゃくとおからを組み合わせた「おからこんにゃく」を揚げてトンカツ風にすると、とてもおいしいです。新しい食の選択肢として、こんにゃくにはさまざまな可能性を感じています。茨城県の伝統食材に「凍みこんにゃく」というものがあり、作るのに大変手間がかかることから、生産者が減少しているそうです。そうした食材をどう活用するのかを考えるのも、面白いのではと思っています。 ――食品業界で開発に携わっている方々に向けて、メッセージがあればお聞かせください。 日本の市場が縮小化するなかで、海外に目を向けるとニーズが大幅に拡大します。特に、プラントベースではその傾向が強いと感じます。日本には素晴らしい開発者がたくさんいるので、国を超えて展開していくとよいのではないでしょうか。海外市場を見据えて、クオリティーの高い商品を一緒に作っていきたい。同じ気持ちを持つ方がいれば、ぜひとも声を掛けてください! ▽シェアシマの商品ページを見る 関連記事: https://reports.shareshima.com/1903/
「UMAMI EGG」徹底解剖!開発秘話と今後の展望【代表インタビュー】
2022.07.01

こんにゃく粉を使った植物性卵「UMAMI EGG」が注目を集める理由

近年、健康ブームや地球環境の保護、動物愛護といった観点から、プラントベース(植物由来)食品への関心や需要が高まっています。そんな状況下で、話題を集めているのが2022年春に登場した植物性卵「UMAMI EGG」。UMAMI UNITED JAPAN株式会社(以下「UMAMI UNITED JAPAN」)の代表取締役である山﨑寛斗(やまざき・ひろと)さんへの取材から、UMAMI EGGの魅力や「卵らしさ」の理由、目指す未来像についてお伝えします。(取材・構成=松橋かなこ) こんにゃく粉が主原料の植物性卵「UMAMI EGG」とは UMAMI EGGは粉末タイプの卵食材であり、植物性の素材だけで作られています。粉末に豆乳を加えて混ぜた後に加熱することで、卵にそっくりの見た目と味、食感を再現できます。ここで着目したいのは、主原料としてこんにゃく粉を使っているということ。植物性卵は欧米ではスーパーマーケットの棚に並ぶほど広がりつつあるものの、緑豆など豆由来の原料を使った商品が多く、こんにゃく粉を使用したものはこれが初めてです。 世界中を見渡してみても、こんにゃくを食べる食文化を持つ地域は限られています。ここには「日本の魅力を世界に発信したい」という会社のビジョンがあります。 UMAMI EGGの「卵らしさ」の理由 卵を使っていないのに、卵にそっくりのUMAMI EGG。こんにゃく粉を使うことにより、「加熱すると固まる」という卵の最大の特徴が再現できます。また、こんにゃく粉には保水性があるので、しっとりとした仕上がりになります。こうした特性によって、スクランブルエッグなどの代表的な卵料理を手軽に作ることができます。 UMAMI EGG2.0と豆乳の配合を変えれば、料理のレパートリーがぐっと広がります。たとえば、豆乳の量を増やすとトロリとした食感が出るので、オムライスやオムレツに最適です。さらに量を増加させると、茶碗蒸しも作れます。それどころか、プロの料理人が茶碗蒸しを試作したところ「今までで一番おいしくできた」と賞賛されたそうです。 こんにゃく粉以外の原材料としては、卵らしい色味を出すために、かぼちゃパウダーやにんじんパウダーを使っています。人工的な着色料ではなく、できるだけ自然な素材を使うこともこだわりのひとつです。 製菓店からのニーズが多く、幼稚園にも「プリン」を提供 山﨑さんによれば「焼き菓子作りに使うのもおすすめ」とのこと。アレルギーなどの理由から卵や小麦粉を避けている場合、米粉を使ってお菓子を作ることも多いですが、パサパサした食感になりやすいもの。しかし、UMAMI EGGを粉の重量に対して0.5~1%程度加えることで、パサつきが少なくもっちりとした食感になります。 さらに、フランスの洋菓子「カヌレ」やカスタードクリームとの相性も抜群です。「卵を使わないと作れない」「卵アレルギーがあるから食べられない」と思っていたお菓子が、UMAMI EGG2.0を使うことで、安心しておいしく食べられるようになります。実際に、グルテンフリーの商品をつくる製菓店などからのオファーも多く、業務用として販路を拡大中です。 東京都のある幼稚園では、給食のおやつとして卵アレルギーの子どもも食べられる「プリン」を350人分提供しました。通常のプリンは卵を使いますが、その代わりに植物性の素材を使ったUMAMI EGGの姉妹商品「らくぷりんミックス」を使用。おいしそうにプリンを食べる園児の様子がとても印象的で、「みんなが一緒に食べられてとても嬉しい」という保護者や先生達からの声もありました。 UMAMI EGGを食べてみると 今回記事を書くにあたり、私自身もUMAMI EGG2.0を使って卵料理を試作し、食べてみました。まず驚いたのは、豆乳を加えてブレンダーで混ぜるとすぐに固まり始めたということ。山﨑さんによれば、これはこんにゃく粉の固形性によるものなのだとか。ちょうど自宅にあったトウモロコシの粒を加えて、フライパンで加熱するとスクランブルエッグのような一品ができあがりました。初めての試作でしたが、想像していたよりもずっと簡単に調理できました。 何も言わずに朝ごはんの食卓に並べてみると、植物性卵を使っていることに、家族の誰も気が付かない様子。実際に食べてみると、子どもは独特の食感が気に入った様子で「卵クリームみたいだね」「おいしい」とのこと。我が家には卵アレルギーを持つ人はいませんが、「選択肢のひとつとして植物性卵がある」というのはとても素晴らしいことだと感じました。 UMAMI EGGを通して、「ONE TABLE」を実現する 国際鶏卵委員会(IEC)によると、国民1人当たりが1年で消費する卵の数は、日本は世界で2番目に多いとされています。たしかに、身近な料理やお菓子に卵を使ったものはとても多く、アレルギーがあると「食べたくても食べられない」という苦痛を毎日のように感じることになります。 UMAMI UNITED JAPANのミッションは「ONE TABLEで未来を創る」。食のニーズは多様化しているものの、現在の日本では選択肢が限られているのが現実です。その結果、みんなでひとつのテーブルを囲めないことも少なくありません。UMAMI EGGには、こうした目に見えない垣根を越えていきたいという熱い想いが込められています。幼稚園の園児達がみんなでテーブルを囲み、おいしそうにプリンを食べる姿には、山崎さん達が思い描く未来があふれています。 現在はUMAMI EGGへの期待として「アレルギー対応」という側面が強いものの、将来的には小学校の給食で当たり前に使われる状態を目指したいと山﨑さんは語ります。「おいしいね」とみんなで一緒に食べた後に、実は「植物性卵だった」と気が付く――。そんな自然な流れのなかにUMAMI EGGが存在する時代に向けて、試行錯誤を重ねています。 ▽シェアシマの商品ページを見る 関連記事: https://reports.shareshima.com/1913/
こんにゃく粉を使った植物性卵「UMAMI EGG」が注目を集める理由

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NEW 2023.01.31

【令和5年1月31日】新着情報(厚生労働省・農林水産省・消費者庁)

厚生労働省 タイ産アカワケギ(アカシャロット)のハロキシホップ検査命令が発出されました。(令和5年1月25日) 韓国産エゴマのインドキサカルブ検査命令、コートジボワール産カカオ豆のアフラトキシン検査命令、中国産あさりのプロメトリン検査命令、中国産にんじんのトリアジメノール検査命令、中国産にんにくの茎のチアメトキサム検査命令、中国産ばれいしょのハロキシホップ検査命令、並びにネパール産とうもろこしのアフラトキシン検査命令が解除されました。(令和5年1月26日) フランスから輸入される牛肉等に係る対日輸出認定施設のリストに追加がありました。(令和5年1月25日) 輸入時における輸入食品違反事例速報が公表されました。 ・令和5年1月分(令和5年1月26日) 農林水産省 海外における食品添加物規制(着色料)の早見表が公開されました。(令和5年1月24日) 特別栽培農産物に係る表示ガイドラインQ&A(汚泥肥料について)が公開されました。(令和5年1月24日) 消費者庁 「機能性表示食品制度届出データベース 届出情報」が更新されました。(令和5年1月26日)   (提供:一般財団法人食品環境検査協会)
【令和5年1月31日】新着情報(厚生労働省・農林水産省・消費者庁)
NEW 2023.02.03

【解説】モリンガとは【食品業界用語】

この記事ではモリンガとは何か、モリンガの種類や効能、調理法、研究結果についてご紹介します。 モリンガとは? モリンガはインド原産のワサビノキ科の植物で、その葉を乾燥させて粉末にしたものが食用になります。ポリフェノールやビタミンなど健康的な栄養素を豊富に含み、数多くの健康効果をもたらすスーパーフードとされてます。その数多くの健康効果から「ミラクルツリー」と呼ばれていて、モリンガの葉は地球上で最も栄養価の高い植物のひとつとされています。 モリンガの種類 モリンガにはいくつかの品種がありますが、一般的に流通しているのは「モリンガオレイフェラ」と「モリンガステノペタラ」です。モリンガオレイフェラは最も広く栽培されている品種であり、モリンガステノペタラは観賞用としてよく栽培されています。 モリンガの効能 モリンガの葉にはカルシウム、鉄分、食物繊維、マグネシウム、ポリフェノールなどの栄養素が豊富に含まれています。カルシウムは牛乳と比べ約20倍、鉄分はほうれん草の約5倍、食物繊維はごぼうの約5倍、マグネシウムは卵の約36倍、ポリフェノールは赤ワインの約8倍の量を含んでいます。 これらの豊富な栄養素から、モリンガには生活習慣病の予防や炎症の抑制、デトックス作用などの健康効果が期待されています。 モリンガの調理法 モリンガは粉末状で苦みや匂いが少なく、普段食べている料理や飲み物など、何にでも混ぜることができます。 サラダやスムージー、スープ、カレーに加えたり、パンに塗ったりと、モリンガは様々な料理に使われます。 モリンガの研究成果 モリンガは炎症を抑え、肝臓の健康を増進し、免疫システムを高め、特定の病気から身を守るのに役立つことが研究で分かっています。また、モリンガには抗真菌・抗菌作用があり、皮膚の感染症に効果があることも研究により明らかにされています。  
【解説】モリンガとは【食品業界用語】
NEW 2023.02.01

【解説】MCTオイルとは【食品業界用語】

この記事では、MCTオイルとは何か、MCTオイルの種類、MCTオイルを含む食品の例やその効果、研究結果、摂取する際の注意点について解説します。 MCTオイルとは? MCTオイルは、中鎖トリグリセリド(Medium Chain Triglycerides)と呼ばれる種類の脂肪酸を含むオイルです。これらの脂肪酸は、体内で燃焼されやすく、エネルギー源として利用されます。また、脂肪を燃焼する能力を促進し、食欲を抑える効果があるとされています。MCTは、ココナッツオイルやパームオイルなどに含まれています。 MCTオイルの構成 MCTオイルは単一の油ではなく、さまざまな種類の脂肪酸が組み合わされたものです。 MCTオイルを構成する脂肪酸は4つの種類があり、含まれる炭素原子の数で分類されます。C6(カプロン酸)、C8(カプリル酸)、C10(カプリン酸)、そしてC12(ラウリン酸)です。 これらの脂肪酸にはそれぞれ固有の性質があります。例えばC6は最も早くエネルギーに変換され、C12は健康な肌や髪に最も有益な脂肪酸です。 MCTオイルに分類される食品 有名なものにココナッツオイルやパームオイルがあります。 ココナッツオイルはMCT含有率が高く、特にC8とC10を多く含みます。 パームオイルはMCT含有率はココナッツオイルよりも低いですが、C12が多く含まれています。 MCTオイルの効果 MCTオイルには、消化促進から体重管理まで、様々な効果が期待されています。 MCTオイルは脂肪を燃焼する能力を促進し、エネルギー源として利用されやすいため、ダイエットやスポーツ選手にとって有用な栄養素とされています。 また食欲を抑えて食事量を減らし体重を減らす効果や、脂質代謝を改善して血糖値やコレステロール値を下げる効果があります。 そのため、MCTオイルは、健康食品やダイエット食品などにも利用されています。 MCTオイルの研究結果 MCTオイルは、肥満や糖尿病、心臓病などの慢性疾患に対して有益な効果があることが、研究で明らかになっています。また、脂肪の代謝を促進して体重や体脂肪を減少させたり、インスリン抵抗性の改善や、グルコースの代謝を改善させたりすることで、糖尿病の治療に有効であると研究で示されています。 MCTオイルの注意点 MCTオイルは適度に摂れば健康に良い効果が期待できますが、高カロリーのため、過剰な摂取は体重増加や脂肪蓄積の原因になる可能性があります。またMCTオイルは消化酵素によって分解されるため、摂取量が多い場合には消化不良や胃の痛みなどの不快感を引き起こす可能性があります。
【解説】MCTオイルとは【食品業界用語】
NEW 2023.01.30

【解説】サフランとは【食品業界用語】

この記事では、サフランとは何か、その食材としての働き、また料理への利用、サフランに関する最近の研究結果、料理にサフランを使用する際の注意点について説明します。 サフランとは? サフランは、クロッカスの花の茎を乾燥させたものから得られるスパイスです。地中海沿岸、中東、南西アジアの一部が原産で、古くから料理や宗教儀式に使われてきました。 サフランは世界で最も高価なスパイスのひとつであり、その独特の風味、色、香りは、さまざまな料理に欠かせない食材となっています。 サフランの働き サフランは健康に良いことでも知られています。抗酸化物質が多く含まれ、疲労回復や婦人科系の不調予防、鎮痛、血行改善など、美容と健康にさまざまな効果があるとされています。また、サフランは認知機能の向上や、うつ症状の軽減にもつながると期待されています。 サフランを使った料理例 サフランは非常に汎用性の高いスパイスで、スープからデザートまで、さまざまな料理に使うことができます。 サフランを使った代表的な料理には、カレー、パエリア、リゾット、ブイヤベース、ビリヤニなどがあります。また、サフランは紅茶やシロップなどの嗜好品にも使われます。 サフランの研究成果 サフランが性機能と生殖能力の向上に役立つことを示唆する研究結果も増えてきています。サフランがストレスを軽減し、性欲を増進させ、健康的なホルモンバランスを促進することが研究で実証されています。 サフランの注意点 サフランで料理に色付けをする場合は、ほんのひとつまみで十分です。 入れすぎてしまうと、他の味に影響が出ることがあるので、控えめに使うように注意しましょう。
【解説】サフランとは【食品業界用語】
NEW 2023.01.27

昆虫食のミライを語ろうvol.2後編【ゲスト:サコン・ワナセッティーさん(タイ王国大使館農務担当官事務所参事官(農務担当)】

前編はこちらから:昆虫食のミライを語ろうvol.2前編【ゲスト:サコン・ワナセッティーさん(タイ王国大使館農務担当官事務所参事官(農務担当))】 昆虫食は「奇食」「物好き」「一部地域の食文化」として特殊性をもって語られてきました。それが2013年、FAO(国際連合食糧農業機関)の報告を機に、昆虫は急増する世界人口を支える「タンパク源=食料」としてみなされるようになり、もっとカジュアルかつポジティブに「昆虫を食べよう」という流れが日本でも一気に広がっています。 「かつて宇宙食といえば誰もが錠剤を想像していたが、今や宇宙ステーションでもおいしい食事ができるというイメージが定着した」と話すのは、昆虫料理研究家の内山昭一さん。昆虫食も「グロテスク」「おいしくない」という印象を脱却し、もっと身近に感じてもらいたいーー。そんな流れをつくっていくために、個性豊かなゲストを迎えて「昆虫食のミライ」を語ります。 【タイの昆虫食の主な輸出先は】 内山)主な輸出先はEUが多いのでしょうか? サコン)タイの総務省の統計を見てみると、一昨年の合計で600トンを輸出していて、内訳をみると約5割、つまり半分くらいがカンボジアです。2番目がアメリカで3割、3番目が日本で1割。その他がミャンマーと香港になってます。昆虫食の難しいところは、割と新しい商品でまだ統計などが追いついてないところです。細かい情報はないんですが、昆虫の姿を残したままのものもあれば、コオロギパウダーのような高度な加工品という形で出している場合もあります。 内山)カンボジアは今でも昆虫食が盛んだと思うんですよね。需要が高くて国内の供給だけでは間に合っていないんでしょうか? サコン)タイ東北部の隣がラオス、ちょっと下に行けばカンボジアという地理関係になっています。島国ではなく陸続きであり、食文化も共通していることからすると、カンボジアでも昆虫を食べる習慣はあると思います。 内山)ラオスへの輸出はどうですか? サコン)東北部のことをイサーン地方と呼びますが、イサーン料理とラオス料理はすごく近い。一緒といってもいいくらい似ているので、ラオスの方が昆虫を食べているって言われても僕は驚かないですね。 内山)非常に辛い料理ですよね。 サコン)東北部は酸っぱくて辛い味ですね。 内山)そうですよね。僕も1月に行って、非常に辛くてですね。辛くないのを頼んでも、辛いんですよね(笑)。ですから普通に頼むとものすごく辛いと思うんですけど、サコンさんは全然平気なんですね? サコン)それが僕は辛いのが苦手なんですよ(笑)。でも皆さんと基準が違うので、内山先生がダメでも僕は大丈夫なものもあるかもしれません。ただ僕は普通のタイ人と比べれば、辛いのは苦手な方です。 内山)サコンさんと僕は意外と味の好みが合いそうな感じがしますね。僕の今までの認識だと、2013年以降、EUで非常に昆虫食が盛り上がっていて、EUの中で新規食品として昆虫食を流通させていこうという動きがあり、昆虫の中でもコオロギをタイの工場で粉末にして輸入し、パンなどの製品にしていくという流れがあったと聞いています。それでEUが量的に一番多いのかなと思っていたんですが、やはりまだまだカンボジアという身近なところで需要がたくさんあるということなんですね。 サコン)先ほど申し上げた600トンというのは一昨年のデータで、これには続きがあって、伸び率は年98%なんですよ。ですのでだいぶ全体量も増えているはずですし、もしかしたら輸出先も変わっているかもしれません。ヨーロッパの方でコオロギパウダーが注目されているのは確かで、タイの業者もヨーロッパを視野に入れてます。EUで販売するにはノベルフード、新規食品の認証を取得しないといけないんですが、タイは昆虫食について認証を取得済みです。タイ政府としてはEUをすごく重要なマーケットと意識していますね。 内山)EUへの輸出もこれからどんどん伸びていきそうですね。そして、日本が1割ですが、日本もコオロギがメインなんですか? サコン)日本は恐らくコオロギがメインなんですけど、コオロギのパウダー以外も結構入ってきています。昆虫の姿をそのまま残したものもたくさんあって、最近では見る機会も増えたんじゃないかと僕は思いますね。 内山)製品化されて、自動販売機などでも売られていますよね。そういったものの中ではタイ産、タイで作られた商品が非常に多いと思います。バンコク近辺の会社が作っているんでしょうか? サコン 恐らく本社がバンコク近辺だと思います。ただ昆虫の形を残したままの製品は珍しい昆虫も多いので、もしかしたらバンコクではなく少し離れたところで作っている可能性も充分に考えられます。 内山)サゴワームなんかも結構タイから来ていると聞いてます。 サコン)サゴワームに関しては、どちらかというと西部、南部の方に多いんですよね。昆虫食で食べる昆虫は、言い方を変えるとそこら辺に生息している害虫でもあります。サゴワームも最近ではあちこちで作っていると思いますが、もともとは西部から南部にいるというイメージです。暑い地方の虫で、よくヤシの木にくっついていたりします。 内山)ヤシの木の中の芯を食べて枯らしてしまう害虫でもあるわけですね。ヤシの木からは油を取っていて、木を切って油をとって放っておくとそこにサゴワームが卵を産んで、それが2、3か月くらいで食べごろになって、それを採集して食べると。養殖をされているところも出てきているみたいですが、サコンさんはサゴワームを食べたことはありますか? サコン)あります。ミルキーで美味しかったです。油で揚げたものかな、友人からもらったものが乾燥していたので、おそらく揚げてあったんじゃないかと。 内山)サゴワームは最近、日本の昆虫食界隈でも結構注目されていますね。日本に輸入されるものは冷凍されていて、来るまでに結構時間がたってしまっていて解凍すると非常に水っぽくなってしまって旨味が減ってしまいます。8月にサゴワームの養殖を頑張ってやっているラオスに行って、活きのいいやつをいただいたら、これが本当に美味しかったですね。この美味しさを維持したまま日本に持って来れたらかなり需要があるんじゃないかな。大きいからすごく食べ応えもあるし、見た感じもわれわれにとってみればすごく良い(笑)。 サコン)もともとの食べ方はだいたい炒め物にしてるみたいですね。 内山)串に刺して焼いたりすることもあるみたいですよ。外側の皮がパリパリで、中がジューシーでクリーミーで、余分な脂も結構落ちるので、すごく美味しいねっていうのが一般的な大方の評価ですね。 【若者が活躍するタイの昆虫食産業】 内山)タイはこれからの昆虫食の希望の星なんじゃないかと思います。サコンさんにも頑張っていただいて、日本でバンバン虫を売ってほしいですね。 サコン)それこそ、内山先生のお力を借りたいくらいです。 内山)お互いに協力し合って売っていきたいですね。そういう意味では、若い人たちに入っていただくことが、これからの将来のためにも非常に大事だと思うんですが、タイでは若い人の参加は増えてきている感じでしょうか? サコン)最近目覚ましい成長を成し遂げた、近代化した昆虫食産業は結構若い人が多いです。年の伸び率が98%くらいなので、いろんな人が興味を持つようになったんですね。昆虫食に興味を持つ人は、機械のある業者さんもおそらく40代くらいだと思います。特に最近はいろんな企業さん、会社さんが生まれて、一人で戦うよりは皆で集まって協会を作って一緒に頑張っていきましょう、タイ国内マーケットはもちろん海外も狙っていきましょうということで、3月までにはタイ昆虫食産業協会というのができる予定です。 内山)何社くらい参加するんですか? サコン)まだ準備してる段階で公表されてないんですけども、聞いた話ですと結構多いみたいですね。昨年3月のFOODEX(国際食品・飲料展)にタイのブリケット社に出てもらったんですけど、このブリケット社の方が今度できるタイ昆虫食産業協会の初代会長を務めることになっています。この方と話してみると、すごくやる気があって、何にでも挑戦してみたいという意欲を感じました。 内山)僕もバンコクでブリケット社のハンバーガーのお店に寄って、コオロギを使った商品を食べて美味しかったです。「昆虫未来食」というテーマを掲げていました。ああいう形のお店はバンコクにはブリケット社だけではなくて他にもあるんですか? サコン)コオロギパウダーや虫を揚げたものを袋詰めして売ってるところは多いんですけども、昆虫食専門のレストランはまだそんなにたくさんはないと思います。内山先生が訪問したお店はすごくきれいで、新しくてできたばっかりというイメージがあったと思うんですが、そういったお店の数はまだあまり多くないと思います。ただ、増える傾向はありますね。 内山)昆虫食産業協会ができれば、それが一つの始まりということで、それをきっかけにいろんなお店ができるのかなと思って、すごく期待しています。 サコン)地元の人がもちろん通ってますし、海外から来ている観光客もそこを狙って行くこともあると聞いています。タイに来る人はタイ料理を好んでくださる方が多いんですけれど、トムヤムクンだけではなく、新しい料理にも挑戦してみたいということになれば、昆虫食レストランに行くこともあるかもしれませんね。 内山)それと同時に、東北部で継承されている昆虫そのものが食材となっている伝統的な昆虫食というのも、なくなってほしくないなと強く思います。コオロギだけじゃなくていろんな昆虫食材の持つ食感とか味とか、タガメをはじめそれぞれに特徴があるじゃないですか。そういう特徴を生かした多様な昆虫食の実験場みたいな感じにタイがなっていくと、いろんな昆虫食が広がる可能性が出てくると思うんですよね。ぜひコオロギだけじゃなくて、もっといろんなものを取り上げて調理法や栄養についても紹介していただいて、昆虫食をリードしていってくだされば、昆虫食の未来はすごく明るいんじゃないかと思います。 【昆虫食で日本に期待したいことは】 内山)日本で昆虫食を扱う企業も、スタートアップ企業が圧倒的に多いです。若い人が起業していろんな可能性を模索しているという段階なので、もっとタイと日本の昆虫食企業が交流できるような場ができると面白いんじゃないかなと思っています。 サコン)やはり昆虫というのは見た目で敬遠する人が多いと思うんです。そういう意味では、われわれタイ人からすると昔から見ている光景なので、食べなくてもすごく嫌だっていう人は比較的少なく、昆虫に慣れてるというところがあるのだと思います。コオロギパウダーは見た目という課題は克服してますので、ウケがいいんじゃないでしょうか。ただ一つの食文化として、虫の形のままの昆虫食も維持してほしいというのは、僕も同じ考えです。 内山)世界的にはコオロギの養殖がメインで、とにかく粉にしてハードルを下げてできるだけたくさん食べてもらって、価格を下げて普及させていこうっていうのが今の世界的な趨勢だと思います。日本でも2つに分かれていて、グリラスという徳島の会社は養殖にかなり力を入れていて、新しい昆虫食っていうのを目指しているところです。一方、タガメサイダーのTAKEOは国産、量的には少量のロットで地域ごとに異なる食べ物を与えて地域独自の味とか旨味とかを追求して、京都コオロギとかっていう地名にちなんだ名前を付けて特色を活かした昆虫食を目指していますね。この2つは両方とも非常に大事な昆虫食の進んでいく道だと思います。この両方がうまくかみ合って総合的に発展していくようなあり方が僕が望んでいる方向です。 タイも東北部にはちゃんと伝統的な昆虫食が残っていて、プラスしてバンコクの新しい昆虫食がうまくつながるようなタイ昆虫食産業協会になってほしいと思います。若い人の力っていうのはすごくエネルギーがありますし、とにかく元気で好奇心が旺盛っていうのがいいですよね。われわれも昆虫を食べる会を毎月やっているんですけれど、集まってくる人は20代、30代の方が圧倒的に多いです。そういった人たちがこれから昆虫食を進めていく原動力になるような気がしていますので、両国の交流が深まっていけば非常にいいと思っています。 サコン)タイは長年昆虫食をやってきたうえに早い段階から産業化したので、かなりノウハウが蓄積されていますが、内山先生がおっしゃったように日本の方はすごく発想力が豊かですよね。日本のアイデアとタイの今まで蓄積されたノウハウ、経験をうまく活かして、日本とタイが手を取り合って昆虫食を盛り上げていけたらなと思います。 内山)そういう意味ではサコンさんの役割って非常に重要ですね。シティーボーイでありながら、なおかつ昆虫食にも造詣が深く、2番目に食べたのが長野県だというのもありますし、ぜひ活躍して盛り上げていただければと思います。こちらも20年以上やっていていろんなつながりもありますので、協力しながら昆虫食をさらに進めていければいいなと思っています。ありがとうございました。 https://reports.shareshima.com/3150/
昆虫食のミライを語ろうvol.2後編【ゲスト:サコン・ワナセッティーさん(タイ王国大使館農務担当官事務所参事官…