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“ 飲食業界 ”

NEW 2019.11.13

食品添加物、「無添加」や「不使用」って本当に安全なの?

「なんとなく嫌い」より「正しい知識」を! 保存料や着色料などの食品添加物は、「もちろん使っていない食品の方が安全」だと考える人が多いのではないでしょうか? でも実は、例えば保存料を適切に使えば、食中毒のリスクを下げることにつながっています。食品のリスクで一番大きいのは食中毒です。保存料は食品の日持ちを向上させるだけでなく、食中毒の原因の繁殖を抑え、食中毒のリスクの低減させているのです。 また、食品添加物なしには作れない食品も多いです。豆腐を固める「にがり」や、中華麺に色と食感を与える「かんすい」などが代表例として挙げられます。 こうした事実が理解されない一因になっているとして、2008年に一般社団法人日本食品添加物協会(JAFA)が食品添加物の「無添加」「不使用」に関する見解を表明、この中で食品関連業界に表示の自粛を求めました。 食品添加物は、インスタントラーメンやスナック菓子、レトルト食品など日常的に口にする加工食品には必ずといっていいほど含まれています。 食品添加物は、厚労省により安全性と有用性が確認されています。各種の毒性試験により、食品添加物の安全性は科学的に評価されているのです。また、一日摂取許容量(ADI)が決められ、それを超えないように使用基準が決まっています。消費者が実際に摂取している食品添加物の量は、実際に売られている食品を購入して分析する「マーケットバスケット方式」により調査し、ADIを超えないことが定期的に確認されています。 厚労省のデータが、健康にまったく悪影響がないという結果を示しても、食品添加物は消費者に嫌われています。 食品添加物は、1950年代後半から70年代にかけ、死亡事故や発がん性が問題になりました。「添加物は危ない」との印象が一気に広まった時期です。それを受けて、80年代には「無添加」「不使用」商品の開発・販売が相次ぎました。50年代後半〜70年代に問題視された添加物は、その後使用禁止になり、今は使われていません。 現在は食品衛生法で使用が認められているものしか添加物として使えません。例えば、発がん性がある化学物質は添加物として使えません。使用が認められる物質でも、毎日食べ続けても安全な量しか使ってはいけないと決められています。厳しい安全基準がある上、この基準を守っているかも行政により厳格にチェックされているのです。 つまり、科学の視点からは現在の添加物には、なんの問題もないのですが、その事実が消費者に伝わらず、半世紀前にできあがってしまった「危ない」イメージが払拭できるにいるといえます。 JAFAが2017年11月、「無添加」「不使用」と表示された商品の方が、表示されていない商品より安全だと思うかどうか、一般消費者にアンケート調査を行いました。「表示された商品の方が安全だ」とこたえる人が半数を占めました。 しかし、「無添加」「不使用」の方が安全であるとする科学的根拠はまったくないのが現実です。食品添加物の安全性や有用性が確保されている以上、「無添加」や「不使用」といった表示は安全性とは関係なく、表示されていない商品にかかる根拠のない不安を消費者に与えることにつながっていると考えられます。また、「無添加」食品は添加物を使った食品に比べて、総じて3割ほど価格が割高だったという研究報告もありました。消費者は「無添加」が良いと思い込み、より多くのお金を負担し、本来の利益を損なっていると考えることもできます。 こうした中、JAFAは今年1月、食品添加物の「無添加」「不使用」表示が、「食品添加物の使用の意義や有用性、安全性に対する誤解を広め、添加物を使った加工食品に対する信頼性を低下させる」との見解を表明。食品関連業界に、次のような表示の使用を自粛するよう求めた。 無添加だから安心など消費者の不安感を利用した表示 実際には添加物が使われているのに「無添加」とするなど事実に反する表示 「無添加」「不使用」を大きな活字で強調する表示 など 私たち消費者の食品添加物に対する理解はまだまだ浅いですが、業界関係者の努力のかいがあり、少しずつ無意味な嫌悪感は減ってきているように思います。健全な食生活を送る上で、食品の安全性について正しい知識を持ち、取り扱うことは何よりも大切なことだといえます。
食品添加物、「無添加」や「不使用」って本当に安全なの?
NEW 2019.11.06

フードロスって何が問題なの? 今、私たちに何ができるの?

まずは身の回りから、消費のあり方を見直す。  売れ残りや食べ残しなど、本来食べられるはずの食品が廃棄されてしまう「フードロス(食品ロス)」。今、このフードロスを削減していこうという取り組みが広がっています。  「646万トン」。国内で1年間に出たフードロスの量です(平成27年度推計・平成30年6月21日版 消費者庁消費者政策課「食品ロス削減関係参考資料」)。何万トンの食べ物といっても、ちょっと想像しにくいですが、これを国民一人あたりに換算すると、毎日お茶碗1杯分のご飯を無駄に捨てているという目安が発表されています。これは、世界中で行われている、途上国などへ向けた食糧援助の量のおよそ2倍にあたるのだそうです。  日本の食料自給率はおよそ40%で、大半を輸入に頼っているのが実情です。その一方で、食糧を大量に捨ててしまっているのが、日本の食の現状でもあるのです。    大量の廃棄食糧を処分するためには、それだけの資源やエネルギーを使うことになります。燃やすのであれば、大量の二酸化炭素を排出することになりますし、埋めるのであれば、土壌や水質への悪影響が懸念されます。これらのこともフードロスが問題視される理由の一つです。  フードロスの問題は、日本だけではなく、先進国の間でも共通の課題になっています。G7(カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国)の環境相会合でも、2030年までに世界全体の1人あたりの食品廃棄量を半減することを目指し、各国が協調して取り組むことで一致しました。  フードロスを減らすことは、食べ物がもったいないからということだけにとどまらず、企業にとってはコストの削減、消費者にとっても、無駄な支出を減らすことにつながります。食品を廃棄すれば、原材料費などはムダになりますし、廃棄の費用も必要です。これらのコストは、最終的には価格に上乗せされ、私たち消費者の負担になります。こうした中、企業、そして消費者の間で、意識を変えて向き合おうという動きが起きています。  その一つが、フードロスを生み出す原因になっている商慣習を変革していこうという流通やメーカーの取り組みです。それは「3分の1」と呼ばれる商慣習。例えば、賞味期限が12カ月の食品の場合だと、賞味期限の3分の1、製造から4カ月までに小売り店に納品されない食品は廃棄。さらに4カ月先の8カ月までに売れないと廃棄するというものです。そもそもは、消費者に新鮮な食品を届けるためでしたが、フードロスを減らそうと食品業界はルールを緩和し、一部で廃棄のタイミングを遅らせています。  消費者の間でも、これまで捨ててしまっていた食品を大切にして見直していこうという意識が広がっています。近年、人気を集めているのが「サルベージパーティー」です。サルベージとは、「救い出す」という意味。家庭の余り物の食材を持ち寄って、プロの料理人のアドバイスをもらい、ひと味違った料理を作って、みんなで楽しもうというパーティーです。全国各地で開催され、リピーターも増えているようです。例えば、大量のマロニーはちゃんこ鍋用スープでチャンポン風に、冷蔵庫にしまわれていた缶チューハイはデミグラスソースの隠し味に。また、缶詰の豆はフードプロセッサーでつぶしてクラッカーにのせてお酒のおつまみに、お麩は乾燥したまま、春雨サラダにのせれば食感にアクセントが加わります。参加者は調理を手伝いながら持参した食材がおいしい料理に生まれ変わっていく様子に驚き、完成するそばから食べて、ワイワイと会話を楽しみます。食べて飲んで楽しんでいるだけのように見えて、参加者のフードロスへの意識は確実に高まっています。    フードロスというと、近年では売れ残った恵方巻きだったり、飲食店での突然の予約キャンセルがニュースになったりと、商業事業のシーンで起こっているイメージが強いかもしれません。ところが、実際にフードロスを出す割合をみると、食品関連事業者が全体の55%で、残りの45%は家庭からのものです。フードロスの削減には、消費者の役割が最も大切なのです。  今日使うことが分かっているのに、賞味期限が長い食品を選ぶ必要があるのかなど、買い物の時に少し考えてみる。そんなふうに、今の消費のあり方を見直すことも必要なのではないでしょうか。
フードロスって何が問題なの? 今、私たちに何ができるの?
NEW 2019.10.30

消費税10%に、知っておきたい新制度

軽減税率って何? どんな場合に適用?  2019年10月1日、消費税が10%に引き上げられました。税率引き上げは、5%から8%になった2014年4月以来5年半ぶり。1989年4月の消費税導入以来、税率は初めて2桁になりました。  公共料金を含む幅広い商品・サービスが値上がりしましたが、一方で、増税によって家計が圧迫され消費が冷え込むことを懸念して、飲食料品(外食・酒類を除く)や定期購読の新聞を対象に税率を8%に据え置く軽減税率や、ポイント還元といった新しい制度も同時にスタートしました。  今回は、制度の概要や外食産業に対する影響など、「軽減税率」にポイントを絞って紹介していきます。 軽減税率とは、特定の商品の消費税率を一般的な消費税より低く設定するルールです。例えば、スーパーマーケットの場合、消費税率8%のままの商品と10%の商品が並ぶことになります。そのため軽減税率は複数税率とも呼ばれます。   国税庁は、軽減税率の対象になる品目公表しています。  酒類を除く食品表示法に規定されている飲食料品と週2回以上発行されている新聞は軽減税率の対象になり、消費税8%に据え置かれます。一方で、酒類、外食、ケータリングの食事などについては軽減税率の対象とならず、消費税率10%が適用されます。そのため、普段から自宅でよくお酒を飲む人や、外食の頻度が高い人は消費税による影響を受けやすいといえます。  消費者は買い物の時に、税率の計算が一律でなくなることによって、「結局、支払いの金額がいくらになるのか」と混乱したり、買い物の予算立てが複雑になったりする場面もあるでしょう。  軽減税率導入による影響は、当然のことながら消費者だけでなく、商品・サービスを提供する企業側にも及びます。実店舗の小売店を保有する会社はレジやPOSシステムの改修が必要になるでしょう。ネット小売(EC)を展開している企業でも、軽減税率の対象商品を販売していればシステム変更が必要になります。また、店員やスタッフなどに十分な教育をしておかないと、客から受け取る消費税額の過剰や不足が起こりかねません。経理事務も軽減税率の導入に伴って変更が必要です。 国税庁は、軽減税率がどういう場合に適用されるかを示す「Q&A(問答集)」を公表しています。 適用有無の線引きがわかりづらいもの  大手の牛丼チェーンやハンバーガーショップなどのファストフード店では、外食として店の中で食べること(イートイン)も、商品を買って帰ること(テイクアウト)もできます。外食の定義は「飲食の設備を設置した場所で行う食事の提供」となっています。そのため、イートインの場合は、外食として扱われるので消費税率は10%になりますが、テイクアウトの場合は飲食料品を買ったことになり8%で済みます。また、ラーメンやそばの出前や宅配ピザなどは外食に該当しないため、軽減税率が適用され、消費税率は8%据え置きとなります。  では、ファストフード店に多くみられるセットメニュー。例えば、ハンバーカーを持ち帰り、ドリンクだけ店内で飲食する場合はどうなるのか。「Q & A(問答集)」では、「セット商品は一つの商品」との見解を明記しており、一部でも店内で飲食したら外食とし、税率は10%となります。ただ、それぞれ単品で買った場合は、持ち帰るハンバーガーには軽減税率が適用されます。注文方法によって税率が異なることになるなど、外食の線引きは複雑で、店側の負担が増すことは確実です。  遊園地内の売店で飲食料品を買うケースでは? 売店が管理するテーブルやイスなどで食べたら適用外で、税率は10%となります。売店が管理していないテーブルやイスで食べたり、食べ歩きの場合は適用対象で、税率は8%になります。 線引きが非常に難しい軽減税率  誰もが正しく理解するには時間がかかるものと思われます。とはいえ、すでに増税と軽減税率などの制度はすでに始まっており、今後、社会の仕組みはそれらに合わせてどんどん変わっていきます。消費者は、社会の変化に取り残されて困ることがないように、新しい情報を敏感に察知し、理解するようにする努力が必要でしょう。 一方、企業側は、すでに十分な準備を経て、順次対策などを進めているとは思いますが、例えば補助金などを活用して事業者の負担をできる限り減らす方法について学び、消費税増税に負けない経営戦略を立てていかなければなりません。重要なのは、補助金などの制度は、国や地方自治体から情報公開されていますが、実際に活用するためには、事業者が自ら動いて手続きしなければならないこと。受け身の体制では、決して行政側が勝手に手続きしてくれるものではありません。企業側が自ら積極的に情報収集して、活用できる制度を探し、自ら申請手続きを行わなければなりません。 軽減税率制度が実施されて約1週間。小売店や飲食店の現場では、軽減税率が適用される線引きが複雑に入り組んでいる上、ポイント還元との組み合わせで5種類もの税率が存在するため戸惑いが大きいようです。中小店では、対応レジへの切り替えなど準備の遅れが目立っています。客離れやコスト負担、税処理の複雑さに不安を抱え、増税分の価格転嫁が難しいと訴える声も少なくありません。 消費税には所得が低い人ほど負担感が大きくなる「逆進性」があるとされます。軽減税率には、生活必需品の税率を低くして、その「痛税感」を和らげる効果が期待できます。軽減税率は世界格好で導入されている制度で、欧州では標準税率は20%前後ですが、生活必需品は1桁の税率にとどめる国が多いようです。日本でも、将来、税率がさらに上がっていけば、軽減税率が痛税感を和らげる効果は一段と増していくに違いありません。 政府や国税庁には引き続き、増税や軽減税率制度導入の意義を丁寧に説明し、国民の理解を得るとともに、不安解消と混乱の防止に全力を尽くしてもらうことを望みます。また、分かりやすく制度の周知や情報提供を進めつつ、事業者の対応支援がとりわけ重要だと思われます。
消費税10%に、知っておきたい新制度
NEW 2019.10.23

消費税8%?10%? わかるかこんなもん。

線引きはどこに?混乱招く「軽減税率」 いよいよ10月から始まった消費税率10%。併せて、一部の対象品目に対して減税が行われる「軽減税率」もスタートしていますが、これがまた結構ややこしいことになっています。飲食店で食べたら10%で持ち帰りは8%とか。 お笑いコンビ、ダウンタウンの松本人志さんもテレビで「8%、10%、ややこしいわってなったじゃないですか。ややこしいっていう方向に、みんなの気持ちを持って行って、税を上げることの気持ちをずらしたっていう感じはしますよね」と私見を語って笑わせましたが、確かに、うーん? んん…?となるシーンにすでに出くわした人も多いのでは。 そこで今回は、そんな消費税軽減税率について、かなりビミョーなケースを題材にしてみました。  まずは、軽減税率の基本情報から。軽減税率とは、特定の商品の消費税率を一般的な消費税より低く設定するルール。例えば、スーパーマーケットの場合、消費税率8%のままの商品と10%の商品が並ぶことになります。そのため軽減税率は複数税率とも呼ばれるそう。 国税庁が公表する軽減税率の対象となる品目は「酒類を除く食品表示法に規定されている飲食料品と週2回以上発行されている新聞」で、これらは消費税8%のままとなります。一方で、「酒類、外食、ケータリングの食事など」については軽減税率の対象とならず、消費税率10%が適用されます。 と、文字面だけ追うと単純明快、軽減税率が適用されるかどうかの線引きは簡単に思えるんですが、実はややこしいのはここからなんです。  例えば、ビールやワイン、日本酒などは10%に上がりますが、ノンアルコールビールは酒ではないので8%のまま。料理酒は酒税法に規定されていないため軽減税率の対象となり8%ですが、みりんは酒類のため10%。ただし、スーパーなどですぐ隣に置いてあるみりん風調味料は8%と、なんか、バカみたいな話で笑ってしまいます。 はい、突然ですがクイズの時間です。 題して、「これって8%? 10%?」。 【問題】ハンバーカーショップのセットメニュー。ハンバーカーを持ち帰り、ポテトとドリンクだけ店内で飲食する場合の税率は何%?  さて、舞台はとあるハンバーガーショップの店内。ハンバーガーとポテト、ドリンクのセットをオーダー。でもいざ食べ始めるとポテトとドリンクだけでお腹いっぱいになってきちゃったので、手をつけていなかったハンバーガーは持ち帰りをすることに。あれ? この場合ってハンバーガーはテイクアウトになるけど、消費税はどっちになるの? 【答え】10%  まずは前提から。大手の牛丼チェーンやハンバーガーショップなどのファストフード店では、外食として店の中で食べること(イートイン)も、商品を買って帰ること(テイクアウト)もできますよね。外食の定義は「飲食の設備を設置した場所で行う食事の提供」となっています。そのため、イートインの場合は、外食として扱われるので消費税率は10%になりますが、テイクアウトの場合は飲食料品を買ったことになり8%で済みます。  では、問題にあるファストフード店に多くみられるセットメニューの場合はどうなるのか。国税庁によると「セット商品は一つの商品」との見解を示しているので、一部でも店内で飲食したら外食とし、税率は10%になるんです。  じゃあ、セットメニューじゃなく単品で買った場合は? ルール上、単品で買った場合は、持ち帰るハンバーガーには軽減税率が適用されそうだけど…。いいえ、問題のケースでは、単品で買ったとしても税率は10%になってしまいます。なぜなら、消費税率を決めるタイミングは「食事の提供時点」で判定されるから。最初は食べるつもりで注文したハンバーガーについては、店内での飲食にあたり、消費税10%となるわけです。ちなみに、あらかじめオーダー時に「ハンバーガーだけテイクアウトで」と宣言すれば、軽減税率の適用対象となり8%になります。  注文方法によって税率が変わってくるなんて! ああ、ややこしい。ああ、わかりづらい。これはイートインコーナーのあるコンビニでも同様です。「お持ち帰りですか? こちらで召し上がりますか?」。コンビニで弁当を買っただけなのに、必ずそう聞かれるようになりました。ああ、わずらわしい。  実は、こういった8%なのか、10%なのか混乱しそうな商品やサービス、また適用有無の線引きがわかりづらいものについて、国税庁は軽減税率がどういう場合に適用されるかを示す「Q&A(問答集)」を公表しています。  企業側からの質問に回答したものがほとんどで実務的な内容が目立ちますが、じっくり読んでみると、思わず笑っちゃうような項目もちらほら。例えば、屋台のたこ焼きを近くのベンチで食べる場合はどうなるのか? Q&Aによると、このケースでは屋台の店主が置いたベンチで食べるなら10%。近隣ビルのベンチでたこ焼きを食べる場合も、屋台の店主とビル管理者の間で「ビルのベンチを使って食べていい」というような暗黙の合意があれば10%になるとしています。んん…? 遊園地内の売店で飲食料品を買うケースでは? 売店が管理するテーブルやイスなどで食べたら、それが外食扱いで税率は10%。でも、遊園地内の売店で買った食べ物を園内で「食べ歩き」する際は、売店が設置した椅子などで食べているわけではないので、持ち帰りと同じく税率は8%になります。お、おう…。 子どもたちに影響するウソのようなホントの話 軽減税率の対象となる食料品の消費税率は原則8%ですが、駄菓子の「おまけ」の中身次第で10%になる商品が出てきたため、100円玉を握りしめてやってくる子どもたちの懐を直撃し、店側も対応に苦慮しているようです。 プロ野球選手カード付きの「プロ野球チップス」(カルビー)とシール入りの「ビックリマンチョコ」(ロッテ)。両方とも子どもに大人気のおまけ付き菓子ですが、税率は前者が10%に対し、後者は8%と異なる摩訶不思議。何が違うのかというと、おまけが価格に占める割合なんだそう。 国税庁によると、食品と食品以外のものを1つの商品として販売する場合は「一体資産」と呼ばれ、(1)全体の税抜き価格が1万円以下(2)食品部分の価格が全体の3分の2以上を占める、という条件を満たせば軽減税率が適用されるとのこと。このため、おまけが価格の3分の1以上を超えるプロ野球チップスは軽減税率の対象から外れるみたい。 また、菓子を入れる容器が、そもそも資産に含まれるかどうかも重要になってくるようで、ペン型の容器に入った「カラーペンチョコ」(チーリン製菓)は、菓子を食べ終わった後の容器はペンとして使うことができるため資産となり、価格の3分の1を超えるため10%を適用。一方、ステッキ型の容器に入った「ステッキチョコ」(同)は、容器は他に使い道がないため資産として見なされないので8%に据え置かれるそうです。 子どもたちの重大行事の一つ、遠足のおやつ選び。税率の計算が一律じゃないので、「結局、支払いの金額がいくらになるの?」と混乱したり、買い物の予算立てが複雑になったり、子どもたちがちょっとかわいそうな気もしてきます。これらの事例も、そもそも提供されるお菓子の中身やおまけ、容器の内容や質にそこまでの差があるとは思えないんですけどね…。 ここまで紹介してきた通り、軽減税率は対象品目や適用有無の線引きが難しく、誰もが正しく理解するにはまだまだ時間がかかるものと思われます。とはいえ、増税と軽減税率の制度はすで始まっています。社会の変化に取り残されて困ったり、損をしたりすることがないように、新しい情報や仕組みを敏感に察知したいものです。
消費税8%?10%? わかるかこんなもん。
2019.10.16

宴会での食べ残しを減らそう。「3010運動」

食べる人も、作る人も「食材を無駄にしない」という意識を。  日本で発生している食品ロスは年間約640万トンを超えますが、そのうち約5分の1は外食産業から排出されています。大きく分けると食堂・レストラン、結婚披露宴、宴会の3つですが、中でも宴会の割合が高く、平成27年度の調査ではおよそ7皿に1皿が食べ残しされている結果となりました。  こうした宴会での食べ残しを減らそうと、各自治体で行われているのが「3010(さんまるいちまる)運動」。平成23年に長野県松本市で始まった運動で、以下の項目が提唱されています。 ・“乾杯後30分間”は席を立たずに料理を楽しむ ・“お開き10分前”になったら自分の席に戻り、再度料理を楽しむ 環境省では「3010運動」を推進するため飲食店向けの卓上三角柱POPを作成し、無料ダウンロードできるようにするなど認知の拡大に取り組んでいます。  また、「3010運動」をはじめ、食品ロス削減に取り組む自治体間のネットワークとして平成28年に設立されたのが「全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会」。令和元年5月の時点で389の自治体が参加しており、「3010運動」も各自治体に合わせてアレンジされています。例えば北海道札幌市の「2510(ニコッと)スマイル宴(うたげ)」。終了前10分間は「3010運動」と同じですが、開始後の食事時間を25分間としています。他にも千葉県館山市では終了前15分間とした「30・15(サンマル・イチゴ)運動」、長野県駒ヶ根市では開始後20分間とした「駒ヶ根2010(ニーマルイチマル)運動」をそれぞれ推進しています。  宴会や会食、結婚披露宴など一度に大量の料理が提供される場では、消費者と事業者の双方が食べ残しを防ぐために意識する必要があります。消費者側は予約の際に料理内容や量を店側と相談したり、料理を食べきるように参加者同士で声掛けするといいでしょう。一方、事業者側は食べ残しが発生することで損失にもつながるため、食べきってもらえるよう量の調整をしたり、小盛りや小分けの商品を採用するなど工夫が求められます。食べる人、作る人みんなが心地良く過ごすための「3010運動」の広がりに期待が集まります。
宴会での食べ残しを減らそう。「3010運動」
2019.10.14

あらためて考えるメタボ、肥満のリスク

今一度メタボや肥満のリスクについて考える。 2008年4月から、特定健診・特定保健指導という新しい制度が始まりました。いわゆる「メタボ健診」です。メタボリックシンドローム診断のための必須項目である 「腹囲」(おなか回り)の測定が義務づけられました。 わが国のメタボリックシンドロームの診断基準が定められたのは2005年のこと。その後、マスコミでも盛んに取り上げられ、翌06年には「流行語大賞」を獲得しました。言葉としてはすっかり定着した感があります。 メタボリックシンドロームとは、内臓の回りに脂肪が蓄積するタイプの肥満(内臓脂肪型肥満)を背景に、高血糖、高血圧、脂質異常という3つの要素が重なった状態です。腹囲が男性85cm以上、女性で 90cm以上の人は内臓脂肪型肥満の状態にあり、そのままの生活習慣を続けているとメタボになる恐れがあります。 高血糖、高血圧などの生活習慣病は、それぞれの程度が軽くても、複数の症状が重なると動脈硬化が早く進行します。動脈硬化は日本人の3大死因のうち、脳血管障害と心疾患をもたらす病因の一つです。メタボと診断されたら、動脈硬化となりうる危険が高いということです。メタボの方は、そうでない方と比べ、心疾患とそれによる死亡のリスクは1.5〜2倍になるといわれています。 また、メタボの方は、そうでない方と比べて、2型糖尿病になるリスクが3〜6倍になるという研究報告もあります。 インスリンというホルモンの働きが弱く「血糖値の高い」状態が続いてしまうのが糖尿病です。「のどが渇く」などの自覚症状が現れるのは、病気がかなり進行してからで、糖尿病の診断を受けても症状が無い人がほとんどです。しかし、症状が無くても血糖値が高い状態が続くと、血管に負担がかかり合併症を引き起こす可能性が高くなります。合併症は、腎臓や目、神経に現れ、透析が必要になったり、失明、足の切断など、重症化することも稀ではありません。 そのほか、メタボリックシンドロームが、非アルコール性脂肪肝、高尿酸血症、腎臓病、睡眠時無呼吸症候群、認知症、がんといった病気にもつながることが科学的なデータから明らかになっています。 では、そもそもどんな人がメタボになりやすいので しょうか。内臓脂肪がたまりやすく、メタボになる人に は、共通の生活習慣があることがわかっています。代表 的なものを挙げると、「食べるのが早い」「間食、夜食が多い」「野菜が嫌い」「炭水化物の重ね食べ(ラーメンとチャーハンなど)が多い」「お酒の飲み過ぎ」「運動不足」「タバコを吸う」などです。 上に挙げたような生活習慣 を変えていくことで予防することができます。実は内臓 脂肪はたまりやすい反面、落としやすい脂肪でもありま す。さらに、内臓脂肪は、約3キロ減らすだけでも、血 糖値や中性脂肪値には大きな効果があることもわかっています。 それなら、「メタボ予防なんて簡単」と思われたでしょうか。ところがそうは簡単にいかないのが生活習慣改善の難しいところです。特にメタボ予防、肥満予防の食生活改善は長続きしないことが多いです。 テレビや雑誌で、何度も「こうすれば、やせられる」といった特集が繰り返されるのも、まさに多くの人にとって「当たり前のこと」が難しいから。つい、新奇で意外な方法がもてはやされますが、減量の基本は不変です。美味しいものを控える、食べる時間を決める、外食を減らす、ゆっくりと食べる、「あと一口、もう一口」をやめるなど、食欲・欲求に打ち勝つしかありません。 日本生活習慣病予防協会は、基本的な生活習慣についてのスローガンとして「一無、二少、三多」を掲げています。「一無」とは無煙のことで、たばこを吸わない。「二少」は少食と少酒という意味で、食べ過ぎや飲み過ぎを避ける。「三多」とは多動・多休・多接で、よく動き、しっかり睡眠を取り、多くの人と接する、これらがメタボ防止、肥満防止に重要です。 メタボ防止、肥満防止のために、今日からすぐに取り掛かりたい、食生活の工夫を紹介します。 一つは「30回かむ」習慣を付けること。人は食べてすぐに満腹になるわけではなく、食べ始めてからおなかが満たされるまで20分くらいはかかります。ところが「食べるのが早い人」は、それ以前に食事を終えてしまうから、「まだ食べたい、もっと食べたい」とおかわりやもう一口が欲しくなるのです。そこで、30回かむという動作をすることで、意識的にゆっくり食べることができます。食事に時間を費やせて、その間に満腹感になります。 もう一つは、「野菜から先に食べる」習慣を付けること。野菜を先に食べると血糖値の上昇が抑えられるからです。また、血糖値をコントロールするインスリンというホルモンの分泌量も減り、インスリンをつくっている膵臓(すいぞう)という臓器への負担も減ります。血糖が高いと、血液からあふれた糖が脂肪に変わり、内臓脂肪や脂肪肝となって蓄えられます。血糖値を抑えられれば、余計な糖分が生まれず、脂肪もたまりにくいのです。 生活習慣を変えることは、何かしらの努力をともなうため、つい明日から、来月から、来年からと先延ばししてしまいがちです。 しかし、今一度メタボや肥満のリスクについて考えてみてください。メタボと診断されたのに、何もしないまま放置していたため、気付いた時には本格的な糖尿病にかかってしまった人もたくさんいるのです。メタボから逃げ遅れて、脳卒中や心筋梗塞を起こしてしまうような事態を、ぜひ避けてもらいたいと思います。
あらためて考えるメタボ、肥満のリスク
2019.10.09

時代は「紙ストロー」?急速に広がるプラスチック製ストロー廃止の動き

ストローが取り巻く環境汚染 世界的な環境問題に発展している廃棄プラスチックによる海洋汚染。これを受けて近年、使い捨てプラスチック製品の使用を規制・廃止する動きが急速に広まっており、中でもプラスチック製ストローがクローズアップされています。きっかけの一つとなったのは、2015年に撮影されてSNSで広まったある動画。米テキサスA&M大学でカメを研究しているチームが、コスタリカの沖合で助けたウミガメの鼻孔からくしゃくしゃに潰れて茶色くなったストローを取り出す、という痛々しいものでした。ストローをすべて取り出すまでの所要時間は約10分。動画は瞬く間に拡散され、世界中の人々に衝撃を与えました。 そんな中、プラスチック製ストローの代替品として注目されているのが「紙製ストロー(以下、紙ストロー)」。その名の通り、主にクラフト紙で作られたストローのことで、土に還ることができる点が魅力です。外資系企業ではすでに紙ストローの導入を始めており、スターバックスでは2020年までに世界中の全店舗でプラスチック製ストローを廃止し、紙製ストローや堆肥化可能なプラスチック製ストローを使用すると発表。加えて、ストローを使う必要のないフタを提供する予定だといいます。またディズニーでは、2019年までに世界中で運営する全施設において、プラスチック製ストロー及びマドラーの使用を禁止することを決定しました。 日本企業はというと、「ロイヤルホスト」を展開するロイヤルホールディングスが2018年11月中旬より、同社グループ内の一部店舗においてプラスチック製ストローを廃止し、お客様から要望があった場合は紙ストローを提供すると発表。また、飲食店などの経営、開発及びコンサルティングを行うゼットンが、自社で運営する複数のレストランで紙ストローを導入すると発表し、日本製紙の紙ストローを飲食業界で初めて採用するとあって話題になりました。 ところが紙ストローには課題も残っています。まずプラスチック製に比べて5~10倍の製造コストがかかるといわれており、にもかかわらず耐久性の低さが指摘されています。また、原紙をらせん状に巻いて製造していることから、接着剤の使用や紙の粉が生じる可能性も懸念点として挙げられています。消費者側の視点でいうと口当たりに不快感を覚える人もいることから、紙ストローが定番化するまでにはまだ少し時間がかかると思われます。 とはいえ時代の流れは紙ストローに向いており、今後導入する企業も少なくないでしょう。ただ一つ忘れてはならないのは、こうした問題は企業側だけの責任ではないということ。そもそも本当にストローを使って飲む必要があるのか、企業側に対して過剰な要求をしていないか。そうした疑問を一人ひとりが自分に問いかける必要があるかもしれません。
時代は「紙ストロー」?急速に広がるプラスチック製ストロー廃止の動き

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NEW 2019.11.20

輸入バナナは大丈夫?ポストハーベスト農薬とは

本当に安全? 海外輸入の食材を選ぶ時の参考に! ポストハーベスト農薬という言葉を、聞いたことはありますか?簡単に言えば、「収穫(ハーベスト)の後(ポスト)に収穫物に散布される農薬」のことで、果物や穀物・野菜などが海外に輸出される際に、害虫やカビなどの被害をできるだけ防ぐために使われている農薬です。 日本国内ではポストハーベスト農薬は食品添加物に含まれ、食品衛生法第10条により使用が禁止されていますが、なんと輸入された食品などにはよく利用されているんです! ポストハーベスト農薬はいろいろな視点から問題視されていますが、その理由のひとつは「畑で通常使われる農薬に対して100倍~数百倍もの濃い濃度である」ということ。水などで流しても完全に落とすことはできず、果物や野菜などの場合は皮のなかにまで染みわたっている可能性があるのだとか。「水で洗えば大丈夫と思っていた」という人はこれから気を付けたいですね! 例えば、スーパーなどで売られている輸入品のレモンやグレープフルーツなどに「防カビ材としてオルトフェニルフェノール(OPP)、チアベンダゾール(TBZ)、イマザリル、ジフェニルのいずれかを使用しています」という書かれたラベルを見かけたことはありませんか。 これらはまさに、ポストハーベスト農薬!収穫後に使用した農薬については表示が義務付けられており、こうした表記がされています。発がん性などが指摘されているものもあるので、しっかりとチェックしたいですね。 では、離乳食気の赤ちゃんから大人まで幅広い世代に人気の高い「バナナ」の場合はどうなのでしょう?バナナも輸入品が多いので心配な食材のひとつですが、先に挙げた柑橘系に付いているようなラベル表記はほとんど見当たらず、不思議に思われている方も多いと思います。 そこで調べてみると、世界でもトップクラスのバナナ販売量を誇る「ドール」のお客様相談室「よくお寄せいただくお問い合わせ」では、「(バナナには)ポストハーベスト農薬は一切使用しておりません」という回答がありました! これは、輸入されるバナナは、未成熟の青い状態で収穫・搬送されることが多く、害虫が付く可能性が低いこととも関係しているのだそう。ただし、もしも植物検疫で害虫が発生した場合には、密閉された倉庫のなかで農薬を「燻蒸」して部屋ごと害虫を死滅する処置が取られることもあるそうです。ただ、この処置には表示の義務がないため、消費者の立場からは燻蒸されているかどうかは全く分からないのが現状です。 最近では、有機JASの表示がある有機バナナや国産のバナナも時々見かけるようになりましたね!有機バナナの場合は、輸入品であったしてもポストハーベスト農薬や燻蒸などはされていません。その分価格は上がりますが、小さな子どものいる家庭など食品の安全性を重要視する場合には、有機バナナや国産バナナを購入するのも良さそうですね。 食料自給率が低い日本では、輸入品に頼らざるを得ないのが現状です。しかし輸入品と言ってもいろいろな種類があり、ポストハーベスト農薬の心配が少ないものもあることが分かりました。海外から輸入された食材を選ぶ時の参考にしたいですね!
輸入バナナは大丈夫?ポストハーベスト農薬とは
NEW 2019.11.18

食育と共食で、子どもたちの生きる力を育む

毎月19日は「食育の日」。 皆さんは、毎月「食育の日」があることを知っていますか?農林水産省は、毎年6月を「食育月間」、毎月19日を「食育の日」と定めています。ところで「食育」という言葉は知っていても、その内容をわかっている人はそんなに多くはないのではないでしょうか。 内閣府の調べ(2016年度)では、食育という言葉を「知っていた」人の割合は2015年時点で 79%と、10 年前より26 ポイント増えています。また、食品の選び方や調理の知識が「あると思う」人も 63%と18 ホイント伸びています。 しかし、知識が実践につながっているかといえば、心もとない状況もあります。例えば、野菜の摂取量は成人1日平均 292グラムで、目標の350グラムに届いていません。 食べることは生きる上で欠かせないことですが、ただ食べればいいというわけではありません。例えば、栄養の知識がなく、とりあえずお腹がすいたから食べるという食生活をしていれば、栄養が偏ったり、肥満になって生活習慣病になったり、反対に過度のダイエットで健康を害したりといった心配があります。 毎日口にする食べ物が、私たちの体をつくり、体を動かすエネルギーになり、成長を支え、病気に対する抵抗力を生み出します。それだけに、健康を保つためには「考えて食べる」ことが必要です。つまり、食育の目的は、「食を通して人間として生きる力を育むこと」。食べる力=生きる力を育むことなのです。 文部科学省によると、小中学生では、朝食を食べる頻度の高い子供ほど学力が高い傾向がみられるといいます。体力面も同様で、食育の大切さを裏付けています。 現在、国が特に力を入れて取り組んでいるのが、「朝食を食べる」「バランスの良い食事をとる」「農林漁業体験をする」の3点。ちょっと聞き慣れない農林漁業体験とは、田植え(種まき)、稲刈り、野菜の収穫、家畜の世話などを通して、米や野菜、肉、魚など、自分で食べるものを育てて収穫することで、食に対する関心や興味を育むというものです。 現在の家庭の食卓の問題をわかりやすく表した言葉に「こ食」があります。「孤食」「個食」「固食」「粉食」「小食」「濃食」が、6つの「こ食」です。孤食とは、家族が不在の食卓で、一人で食事すること。好き嫌いを注意してくれる人がいないので、孤食が続くと好きなものばかり食べる傾向になり、栄養が偏りがちになります。個食とは、家族が揃っているのに全員が自分の好きなものを食べること。固食とは、自分の好きな決まったものしか食べないこと。粉食は、パンや麺類、ピザなど粉を使った主食を好んで食べること。小食は、いつも食欲がなく、少しの量しか食べないこと。また、ダイエットなどで食べる量を減らすこと。濃食は、加工食品など濃い味付けのものを食べること。どの「こ食」も栄養が偏りがちで、発育に必要な栄養が足りなかったり、栄養過多で肥満につながったり、また、味覚そのものも鈍ってしまうことにもなりかねません。 特に問題なのが、孤食と個食。近年、「核家族化」やライフスタイルの多様化により、家族がそろって食事をする「団らん」の機会が減り、食生活も多様化しています。一人で食事をする「孤食」や、同じ食卓に集まっていても、家族がそれぞれ別々のものを食べる「個食」が増え、家族そろって生活リズムを共有することが難しくなっているようです。 では、子どもたちが「こ食」を解消し、食育を十分に学ぶにはどうしたらいいのでしょうか。最も重要なことは、家族で食卓を囲む「共食」の大切さを見直すことです。食事を通じて家族で団らんをすることで、食事の大切さや楽しさ、マナー、食育、食文化を子どもに教えることができます。家族の食卓は、子どもにとって、食べる力=生きる力を学んでいく大切な場所なのです。 もう一つ、「こ食」解消の場として期待されているのが学校での食育です。国は2005年度に栄養教諭制度を創設し、学校での食育を推進しています。栄養教諭は給食を「教材」として、正しい食の知識やバランスのよい食べ方を指導する専門の教諭で、現在、全国で約6,000人が配置されています。異学年が一緒に食べる「なかよし給食」や、「バイキング給食」で共食のよさを子どもが直接体験する場を設けるなど、全国各地の学校で栄養教諭が中心となってさまざまな「食育」「共食」のアイデアが企画・実施されています。 食べることは生涯にわたって続く基本的な営みですから、子どもはもちろん、大人になってからも食育は重要です。「食育月間」や「食育の日」を機会に、健康的な食のあり方を考え、だれかと一緒に食事や料理をしたり、食べ物の収穫を体験したり、季節や地域の料理を味わったりするなど、皆さんも食育や共食に取り組んでみませんか。
食育と共食で、子どもたちの生きる力を育む
NEW 2019.11.13

食品添加物、「無添加」や「不使用」って本当に安全なの?

「なんとなく嫌い」より「正しい知識」を! 保存料や着色料などの食品添加物は、「もちろん使っていない食品の方が安全」だと考える人が多いのではないでしょうか? でも実は、例えば保存料を適切に使えば、食中毒のリスクを下げることにつながっています。食品のリスクで一番大きいのは食中毒です。保存料は食品の日持ちを向上させるだけでなく、食中毒の原因の繁殖を抑え、食中毒のリスクの低減させているのです。 また、食品添加物なしには作れない食品も多いです。豆腐を固める「にがり」や、中華麺に色と食感を与える「かんすい」などが代表例として挙げられます。 こうした事実が理解されない一因になっているとして、2008年に一般社団法人日本食品添加物協会(JAFA)が食品添加物の「無添加」「不使用」に関する見解を表明、この中で食品関連業界に表示の自粛を求めました。 食品添加物は、インスタントラーメンやスナック菓子、レトルト食品など日常的に口にする加工食品には必ずといっていいほど含まれています。 食品添加物は、厚労省により安全性と有用性が確認されています。各種の毒性試験により、食品添加物の安全性は科学的に評価されているのです。また、一日摂取許容量(ADI)が決められ、それを超えないように使用基準が決まっています。消費者が実際に摂取している食品添加物の量は、実際に売られている食品を購入して分析する「マーケットバスケット方式」により調査し、ADIを超えないことが定期的に確認されています。 厚労省のデータが、健康にまったく悪影響がないという結果を示しても、食品添加物は消費者に嫌われています。 食品添加物は、1950年代後半から70年代にかけ、死亡事故や発がん性が問題になりました。「添加物は危ない」との印象が一気に広まった時期です。それを受けて、80年代には「無添加」「不使用」商品の開発・販売が相次ぎました。50年代後半〜70年代に問題視された添加物は、その後使用禁止になり、今は使われていません。 現在は食品衛生法で使用が認められているものしか添加物として使えません。例えば、発がん性がある化学物質は添加物として使えません。使用が認められる物質でも、毎日食べ続けても安全な量しか使ってはいけないと決められています。厳しい安全基準がある上、この基準を守っているかも行政により厳格にチェックされているのです。 つまり、科学の視点からは現在の添加物には、なんの問題もないのですが、その事実が消費者に伝わらず、半世紀前にできあがってしまった「危ない」イメージが払拭できるにいるといえます。 JAFAが2017年11月、「無添加」「不使用」と表示された商品の方が、表示されていない商品より安全だと思うかどうか、一般消費者にアンケート調査を行いました。「表示された商品の方が安全だ」とこたえる人が半数を占めました。 しかし、「無添加」「不使用」の方が安全であるとする科学的根拠はまったくないのが現実です。食品添加物の安全性や有用性が確保されている以上、「無添加」や「不使用」といった表示は安全性とは関係なく、表示されていない商品にかかる根拠のない不安を消費者に与えることにつながっていると考えられます。また、「無添加」食品は添加物を使った食品に比べて、総じて3割ほど価格が割高だったという研究報告もありました。消費者は「無添加」が良いと思い込み、より多くのお金を負担し、本来の利益を損なっていると考えることもできます。 こうした中、JAFAは今年1月、食品添加物の「無添加」「不使用」表示が、「食品添加物の使用の意義や有用性、安全性に対する誤解を広め、添加物を使った加工食品に対する信頼性を低下させる」との見解を表明。食品関連業界に、次のような表示の使用を自粛するよう求めた。 無添加だから安心など消費者の不安感を利用した表示 実際には添加物が使われているのに「無添加」とするなど事実に反する表示 「無添加」「不使用」を大きな活字で強調する表示 など 私たち消費者の食品添加物に対する理解はまだまだ浅いですが、業界関係者の努力のかいがあり、少しずつ無意味な嫌悪感は減ってきているように思います。健全な食生活を送る上で、食品の安全性について正しい知識を持ち、取り扱うことは何よりも大切なことだといえます。
食品添加物、「無添加」や「不使用」って本当に安全なの?
NEW 2019.11.13

表参道の新スポット。食と農の課題解決に取り組む「imperfect表参道」

「おいしさ」と「たのしさ」と「課題解決」を届けるスーパー。  2019年7月4日(木)、東京都渋谷区の表参道ヒルズに新スポットがオープンしました。その名は「ウェルフード マーケット&カフェ imperfect表参道」。『あなたの「おいしい」を、だれかの「うれしい」に。』をメインテーマとして掲げ、私たち生活者のみならず世界や社会にとってもWell(よい)、という意味が込められた「ウェルフード」を提供しています。  「ウェルフード」とは、世界各地の農家が生産したナッツやスパイス、カカオ、コーヒーなどの原材料にひと手間を加えたimperfectオリジナルの食品のこと。味付きナッツやドライフルーツを散りばめた板チョコレート、たっぷりのクリームとナッツフレークの香ばしさを掛け合わせたシュークリーム(しかもオーダー後にクリームを詰めてくれる)などがあり、中でもアーモンドミルクで作るアイスクリームは、グレーズドナッツのトッピングし放題ということもあって早くも人気を集めています。一方、ドリンクメニューで注目したいのは「ナッツバターコーヒー」。香り豊かなエスプレッソに濃厚なナッツバターを溶かしながらいただく一杯で、ナッツの風味が引き立つ華やかな味わいが楽しめます。イートインメニューだけでなくナッツやチョコレートの量り売り、コーヒー豆の販売も行なっているので手土産にもおすすめ。店内はスタイリッシュながら緑の多い空間で、原材料の産地にちなんだ雑貨やテキスタイルで彩られています。  また、商品を購入した方には紙製のチップが渡され、環境・教育・平等の3つのプロジェクトテーマの中から賛同するもの1つに投票する仕組みになっています。これは同店が世界の食と農の課題解決を目指して行う「Do well by doing good.(いいことをして世界と社会をよくしていこう。)」という活動の一環で、一定の票数を獲得したプロジェクトから順次実行していくとのこと。現在掲げられているプロジェクトテーマは、コートジボワールやブラジルの農家の人々が抱える3つの問題への解決策です。 テーマ1.環境 2万本の苗で森と生き物の命をまもろう! テーマ2.教育 農園の経営を支援してカカオ農家を笑顔に! テーマ3.平等 女性たちの農の学びを支えて平等な社会を!  同店を運営しているのは、飲料から日用雑貨まで幅広い商品の輸出入や製造販売を行なうimperfect株式会社。ブランド名の「imperfect(=不完全な)」には、農産物の生産現場に存在する貧困や搾取などの社会課題を世界の不完全(imperfect)の一つと捉え、たとえ不完全(imperfect)な取り組みだとしても、自分たちで出来ることから少しでも世界と社会をよくしていこう、という想いが込められています。同社が目指すのは、お客様に「おいしさ」と「たのしさ」を提供し、それらを通じて⽣産現場で起きていることを自分ごととして捉えてもらうことで、お客様とともに社会課題の解決に貢献すること。挑戦はまだ始まったばかりですが、これからきっと多くの人を惹きつけ、拡大していく活動になることでしょう。まずは「imperfect表参道」に足を運んでみてはいかがでしょうか。
表参道の新スポット。食と農の課題解決に取り組む「imperfect表参道」
NEW 2019.11.11

食品ロスを発生させているのは事業者?一般家庭?その内訳とは。

食品ロスの“今”を知る。 日本では1年間にどれほどの食料が出荷されているかご存知でしょうか。農林水産省の最新の発表によると、平成28年度は8,088万トン(※1)もの食料が出荷されたそうです。ところが実は、そのうち約34%にあたる2,759万トンが食品廃棄物として処分され、さらに廃棄された食品のうち約23%にあたる643万トンがまだ食べられるもの、つまり食品ロスです。食品ロスはさまざまな場所で発生しており、55%が食品関連事業者、45%が一般家庭とほぼ半数ずつ。それぞれの立場でこの現状と向き合う必要があることがわかります。 食品関連事業者は大きく4つに分けられ、食品ロス量の大部分を占めているのは食品製造業と外食産業、次いで食品小売業、食品卸売業で、それぞれの発生要因は以下の通りです。 食品製造業:製造工程のロス(パンの耳や畜水産物の骨など)、返品など 外食産業:食べ残し、仕込みロスなど 食品小売業、食品卸売業:過剰生産、売れ残り、破損品、納品期限切れなど 食品廃棄物の業種別内訳でみると製造業が約82%と圧倒的に多いですが、大豆粕や米ぬか、パンくず、おからなど均質で量が安定していることから分別が容易で、飼料や肥料へのリサイクルに適しているとされています。一方、分別が困難なのは外食産業から排出される廃棄物。調理くずや食べ残しは家畜に対して有害なものが混入する可能性があり、飼料へのリサイクルには不向きなものが多いとされています。代わりに、他のリサイクル手法に比べて分別が多少粗くても対応できるメタル化が行われています。 では、一般家庭の食品ロスの現状はどうでしょうか。家庭の食事(世帯食)における食品ロス量は、平成26年度の世帯調査によると一人1日あたり40.9g。食品別でみると最も多いのは野菜類(19.5g)で、次いで果実類(7.3g)や調理加工食品(4.2g)などが続きます。一人1日あたりの食品使用量は約1.1kgなのでそこまで多く感じませんが、これが何百人、何千人、何億人…と増えていくと莫大な量になるのは明らかです。また、食品使用量の世帯員構成別では単身世帯が約1.5kgと最も多く、2人世帯は約1.3kg、3人以上世帯は約950gという結果が出ており、これと比例して食品ロスが発生しています。要因としては過剰除去(※2)や食べ残し、直接廃棄(※3)などが挙げられます。消費期限や賞味期限を正しく理解し、計画的な買い物や冷蔵庫の在庫管理、保存方法の工夫、適量の調理などできることから改善していくといいでしょう。 食品ロスは食品関連事業者と一般家庭、どちらかが気をつければいいという問題ではありません。お互いの状況を理解し、それぞれが食品ロス削減に向けて考え、対策に取り組むことが大切です。   (※1)粗食料と加工用の合計。粗食料とは、1年間に国内で消費に回された食料のうち、食用向けの量を表す。 (※2)調理技術の不足や過度な健康志向により廃棄すること。例えば野菜や果物の皮を厚く剝き過ぎるなど。 (※3)買いすぎや長持ちしない保存方法により廃棄すること。
食品ロスを発生させているのは事業者?一般家庭?その内訳とは。