シェアシマレポート

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“ AI ”

2021.04.06

味を数値化する「味覚センサー」とは

最近どんな美味しいものを食べましたか。その味わいを思い出すことができますか。 人間が感じる味は5種類、塩味・酸味・甘味・うま味・苦味の五味と言われます。 複雑な味を言葉で細かく表現することは難しいですが、「おいしい」という便利な言葉がありますね。 この「おいしい」という味は非常に主観的であり、五味が複雑に絡み合って感じられるものなので、機械で計測し数値化するのは難しそうなイメージです。 しかし!味覚センサーはなんとこの「味わい」を一定の数値として表すことができるのです。 今回はこの驚くべき味覚センサーについて探っていきます。 味覚を感じると体内で何が起こるのか そもそも味を感じるとは非常に主観的な感覚のように思えますが、体内では何が起こっているのでしょうか。 食品の中に含まれる味のもととなる物質が舌にある味蕾(みらい)と触れるとわずかに電圧が発生します。この電位変化が脳に伝わることで甘い、苦いといった味覚が知覚されます。 つまり情報が神経を伝って脳に届くという反応は電気的なものと言えるわけです。事実としてはそうなのですが、この体内でそんなことが起こってると思うと、少し不思議な気持ちになりますね。 味覚センサーの可能性 この味蕾(みらい)における電位変化を人工的な舌で再現し、それを測定することで味を数値化しようと開発されたのが、味覚センサーです。 1990頃にはすでに味認識についての共同研究が行われており、1993年には世界初の味覚センサーが実用化されました。その後コンピュータ技術の発展とともに飛躍的に改良が進み、研究機関のみならず世界中の企業等にも導入されています。 現在では人工知能なども組み込まれ、複雑な味をより高い精度で数値として表現できるまでになっています。 プリンに醤油をかけるとウニの味がする、という話を耳にしたことがあるかもしれませんが、これも実は味覚センサーが導き出した味の足し算なのだそうです。 味覚センサーにより味を数値化できれば、食品メーカーにとっては安定した味を目指すにあたって大きな支えになります。 また相性のいい味の組み合わせが分かるということから、メニュー開発やスーパーでのクロスマーチャンダイジングの面でも活用が期待されます。 ただし、最終的な「おいしさ」とは味覚だけではなく、それ以外の嗅覚、視覚、触覚、聴覚まで含めた五感によってもたらされます。 しかしそれだけがおいしさをもたらす要素というわけではありません。 空腹は最高のスパイスだ、という言葉もあります。器や雰囲気、飲食を共にする相手やシチュエーション、ひいては本人の健康状態にも「おいしさ」が大きく左右されることは、皆さんご自身の体験からも納得できますよね。 つまり、おいしさとは味にとどまらない、丸ごとひっくるめた一つの「体験」なのです。 味覚センサーは味覚の面から「おいしさ」を支えてくれます。 これを土台に「体験」をより良いものにするためには、一人ひとりが味覚以外の要素にも気を配ることが大切だということも忘れないようにしたいものですね。
味を数値化する「味覚センサー」とは
2021.03.25

農業×ITの現状や目的とは?ドローンを利用した米作りなど具体例も

「スマート農業」の定義・目的とは? 高齢化が進み人手不足が叫ばれる農業において、IT技術を活用した取り組みが進んでいます。農林水産省では、「ロボット技術やICT等の先端技術を活用し、超省力化や高品質生産等を可能にする新たな農業」のことを「スマート農業」と定義しています。スマート農業は、他の国々では「スマートアグリ」「スマートアグリカルチャー」「アグテック」「アグリテック」などとも呼ばれ、すでにさまざまな取り組みが行われています。 IT技術の進化や普及によって、社会全体が便利で効率的なものへと変化する一方で、従来の農業においてはITやICTの導入が難しいと言われてきました。しかし、少し前から農業分野におけるIT技術の導入が加速度的に進んでいます。 スマート農業の目的は、慢性化しつつある人手不足を補うことだけではありません。これまでは家族間で継承してきた農業技術を、スマート農業を活用することにより、新規就農者へスムーズに伝えていくことができます。 また、スマート農業には、日本の食料自給率を高める目的もあります。人材不足のなかで食料自給率を高めるために、ロボットなどを上手に利用することが求められています。 ドローンを活用したお米ってどんなもの? ドローンやAIを使うことで農薬の使用量を減らして作った安心安全なお米が登場し、注目を集めています。AIなどの利用により、害虫を検知や、作物の生育状況の把握がしやすくなり、消費者や環境にやさしいだけでなく、農家の人たちの手間を省くことにもつながっています。 こうした米作りの方法はいろいろな産地で導入されるようになりつつあります。消費者の側から見れば、お米の品種や、玄米・白米・無洗米といった種類を選べるようにもなってきており、どんどん進化しています。 農業分野におけるIT技術の導入には、やってみなければ分からないような困難や障害も多く、一筋縄ではいかないことも多くあります。しかしながら、農業の人材不足問題を解決し、日本の食料自給率を改善していくために効果的な方法のひとつであることは事実です。 ドローンを活用した米作りなどの事例に学びながら、これからもその進捗をチェックしていきたいですね。
農業×ITの現状や目的とは?ドローンを利用した米作りなど具体例も
2020.12.21

食品業界におけるブロックチェーンの可能性とは?③

①ではブロックチェーンの簡単な仕組み、②では国内における実証実験の事例を紹介しました。 最終回となる今回は、海外における具体的な事例を紹介します。 ネスレ 日本では主にコーヒーでお馴染みのネスレは、実は飲料・食品業界で売上世界トップを誇る食品メーカーです。 IBMが開発した食品サプライチェーンの追跡ネットワークである「IBM Food Trust」に立ち上げ初期から参加するなど、ブロックチェーンを積極的に活用しています。 2020年4月には、スウェーデンで展開するコーヒーブランド「Zoégas(ゾエガス)」の「Summer 2020」シリーズを「IBM Food Trust」上で追跡できるようにするという発表がありました。 パッケージにあるQRコードをスキャンすると、収穫されたコーヒー豆が店頭に並ぶまでどのような経路をたどったかが確認できるといいます。 ブロックチェーン上に書き込む情報については、正確な情報提供を行う役割を第三者である信頼のおける認証機関が担うことで、ブロックチェーン上に虚偽の情報が書き込まれないようになっています。 「IBM Food Trust」は2018年に商用提供が始まっており、Nestlé(ネスレ)だけでなくウォルマートやドール、ユニリーバなどを含む80社以上が参画しています。 スターバックス 世界最大手のコーヒーチェーン企業であるスターバックスも、ブロックチェーンを利用した「農園からカップまで」のコーヒー豆追跡プロジェクトを2020年8月から展開しています。スターバックスはマイクロソフト社と提携しており、利用しているのは上のIBMとは異なるプラットフォームです。 全米のスターバックスで購入したコーヒー豆のパッケージに記載されているコードをウェブ上に入力すると豆の原産地や焙煎業者の情報を追跡でき、また逆に生産者側も豆が最終的にどこで買われていったのかまでわかるといいます。 フェアトレード品にコーヒーが多く見られるように、コーヒー豆生産の現場は雇用環境が劣悪であったり、賃金が低かったりすることが少なくありません。 生産者がコーヒー豆の流通経路に関して、この追跡プログラムなどを通じて知識を得ることで、経済的により独立し、活路を見出せる可能性も十分にあります。 アンハイザー・ブッシュ・インベブ 聞きなれない企業名のように感じられるかもしれませんが、アンハイザー・ブッシュ・インベブは「バドワイザー」や「ヒューガルデン」ブランドで知られる酒類メーカーで、ビール飲料の世界シェアは3割にも達します。 サプライチェーン内の製品追跡にブロックチェーンを利用し、主としてアフリカ農家の生活水準向上を目指しています。 システム導入以前は、現地の農家は収入証明の書類を持たず、銀行口座の開設もままならなかったといいます。 しかし農作物をサプライチェーンで管理することで、現地の農家はアンハイザー・ブッシュ・インベブのサプライヤーであることを証明できるようになり、銀行口座を開設できるようになったそうです。 このように、海外では消費者向けだけではなく、生産者に向けてもトレーサビリティシステム活用が期待されています。 現在は開発中のものも含めて多数のプラットフォームが併存しています。 この先ブロックチェーンプラットフォームは一つのものに標準化されていくのか、あるいは複数サービスがうまく住み分けて共存していくのか。 数年単位でどんどん進んでいくと期待される食品業界におけるブロックチェーンを利用した追跡システムに、今後とも注目していきます。
食品業界におけるブロックチェーンの可能性とは?③
2020.10.29

あなたは何を基準に買っている? 情報という付加価値を考えてみよう

今日はあなたの買い出しデー。あれもこれもたっぷりと買います。 そういえばバターがなくなってしまったので買わなくてはいけませんね。 ・国産、有塩、お手頃価格 ・外国産、無塩、発酵バター、グラスフェッド、奮発価格 おや、棚の前で手が止まりました。隣り合う、ずいぶんと価格差のある商品で迷っているようです。 同じバターなのになぜでしょう? 答えは、同じバターではあるけれども、ある意味では全く別物のバターだからですね。 特にあなたの気を引いたのは「グラスフェッド」という耳慣れない言葉です。 商品前のポップによると、grass=牧草 fed=育てられた を意味し、人工飼料ではなく牧草を食べて育った牛の乳で作られているバターとのこと。 緑広がる放牧場でのんびりと草を食む乳牛の姿があなたの目に浮かんでいるようです。 あ、あなたは外国産のグラスフェッドバターを手に取りました。「外国産」「発酵バター」「グラスフェッド」という情報にお手頃価格品との価格差を埋める魅力を感じたのでしょうか。 「情報」には価値がある 食品売り場に品物だけが並んでいて、価格以外に情報がないことを想像してみましょう。 外見からは推測できない価格差があると、選ぶ基準がなくて困ってしまいますね。 では逆に、少し未来を想像します。あらゆる商品にスマホをかざすと生産者からのメッセージ、生産方法、品質、その他さまざまな情報が画面に映し出されるとしましょう。情報が多すぎて逆に選べなくなってしまうかもしれませんが、情報がないことに比べると贅沢な悩みに思えませんか。 極端な例で考えてみましたが、「食べてみておいしかったからお金を払う」というシステムではない以上、その商品に対する情報は商品価値を左右するといっても過言ではありません。 オーガニック(有機栽培)、ケージフリー(平飼い)、NON GMO(非遺伝子組換え)などあまり詳しく意味は分からないけれども魅力的に聞こえるような付加情報をもつ商品も増えてきています。 あるいは生産者の顔写真が入っていたり、伝統製法を謳ったり、商品パッケージやポップには魅力を高めるための各種情報が記載されているのを目にしたことがあるはずです。 規制やルールが情報を守る 情報には価値がある、とすると、実際とは違うウソの情報を付加した商品を高く売ろうという悪い輩が現れるかもしれません。とんでもないことですが、昨今のニュースを見聞きするに皆無とも言い切れないのが現状というところでしょうか。 そのようなことがないよう、規制やルールが存在します。 代表的なものが食品表示法で、表示すべきこと、表示できる内容などが事細かに決められています。これにより、消費者が知りたい情報が同じ土俵の上に出そろいますので、比較選択が容易になると言えるでしょう。 しかしこれで万事解決というわけにもいきません。 法整備追いつかないまま、言葉だけが独り歩きしている場合もあります。 ITの発達により、外国の情報にも誰でもが一瞬でアクセスできる時代。 これからの時代は、消費者自身にも情報の真偽を見極めたり分析をしたりするメディアリテラシーの力が求められると言えそうです。 生産者・販売者の側から考えれば、情報を味方につけることが戦略上重要になってくることは間違いありませんね。
あなたは何を基準に買っている? 情報という付加価値を考えてみよう
2020.03.11

AI参入により飲食業界の人材不足の救世主になるか!?

いろんな業界で導入され始めている「AI(人工知能)」。飲食業界でもこのAIを導入する店舗が増え始めています。 凪スピリッツさんが運営する「ラーメン凪」さんではAIによる顔パスシステムを2019年2月に導入しています。こちらの機能は顔認証システムによりお客様の顔を認識して、「顔パス」でメニューを注文することが可能なサービスになっています。 秋葉原にオープンした業界初の寿司ブリトー専門店のオートメーションレストラン「beeat sushi burrito Tokyo」では価格設定はすべて時価となっていて、その日のメニューの素材などの条件によって、AIが価格を決めるみたいです。レジを打つスタッフや注文を受けるホールのスタッフもいなくAIを活用することで、全てのサービスを機能化しています。 現在、飲食業界では人手不足が大きな問題として直面しています。人手不足が原因で長時間労働が続いてしまたったり、営業時間を縮小したり、離職者が増えてしまったりなどの問題が連鎖的に続いてしまっています。 しかしこのAIの技術を活用すれば、「ラーメン凪」さんで導入している顔パスシステムだけではなく、さまざまな利用法が期待できるので飲食業界の働き方改革の一助になるのではないでしょうか。 スタッフの教育、多言語の接客、調理の自動化、配膳・下膳の自動化、遠隔操作や自動のロボット接客店、顔認証・キャッシュレス化などのさまざまな用途で活用することができます。 最近は、普段の生活の中でも「フードテック」という言葉を聞く機会が多くなってきました。 こういったAIなどのIT技術と食に関わる産業を組み合わせた取り組みをこの「フードテック」という言葉で表しています。この最新の技術を活かして、飲食業界の人材問題や食材品質などの問題を解決してくれることを期待していきたいです。 またLINEでは今後、AIを使った飲食店向けの電話自動応答サービスの提供を2020年にスタートすると発表していますし、これから飲食業界にもどんどんAIが導入されていくことでしょう。飲食業界が抱える大きな問題の人手不足解消の救世主として注目していきたいところです。
AI参入により飲食業界の人材不足の救世主になるか!?

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NEW 2021.07.28

和風・洋風・中華「だし」の違い

食事に温かいスープがついていると嬉しいものですよね。たとえ具がほとんど入っていなくても、お澄ましやコンソメスープなどだしが効いた汁物はとても心を満足させてくれます。 だしは汁物に限らず、料理の基本です。今回はそんな「だし」についてもっと詳しく知ってみましょう。 <だしの基礎知識> そもそも「だし」とは、魚介や肉・野菜などをつけたり煮出したりした、うま味成分や香りのある汁のことを言います。味の基本である「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」「うま味」のうちの一つである「うま味」を引き出すことに特化した汁と言えるでしょう。 このうま味はグルタミン酸(植物に多い成分)やイノシン酸(動物に多い成分)によってもたらされます。 だしのすごいところは、これらのアミノ酸を単独ではなく複合して使っているところです。うま味は足し算ではなく掛け算され、相乗効果により飛躍的に伸びます。 使われる食材や調理法が異なっていても、この相乗効果を狙うのは世界共通。栄養素や味覚についての科学的な研究が行われる前から、人々はおいしさの掛け算を体で知っていたのかもしれませんね。 <和洋中における違い> 和風だしは昆布とかつお節の組み合わせた、キレのあるすっきりとしたうま味のだしです。短時間で作れますが保存性が悪く、味の劣化が早いという特徴があります。 一方、洋風だしは玉ねぎやにんじん、セロリと骨付きの肉や魚介を組み合わせた、濃厚なゼラチン質のうま味が特徴のだしです。和風だしと違って作るのに長時間かかりますが保存性は良いです。調理の直前にだしをとるというよりは、事前にまとめてだしをとり、調理ごとに取り分けて使うイメージですね。 中華だしはネギやショウガなどの香味野菜と鶏ガラや豚肉を組み合わせた、深いコクとうま味が特徴のだしです。中華料理では「湯(タン)」と呼ばれており、上湯(シャンタン)や白湯(パイタン)といった語を目にしたことがあるかもしれませんね。 ちなみに白湯は白濁したスープですが、これは強い火力でぼこぼこと泡が出るくらい煮立てると泡が破裂する際の音波で水と油が乳化するので白濁スープになるのだとか。日本ではラーメンのベースとなる豚骨スープとしてもお馴染みです。 <掛け算をさらに掛け算してみる> うま味に幅があるほど料理はおいしく感じられます。 キレはあっても厚みに欠ける和風だしとキレはないが重厚な厚みがある洋風だし。最近では洋食に和風だしを合わせるレシピも多くありますが、その狙いは旨みの幅を広げることにあります。 種類の違うだしをかけ合わせることでうま味は増しますので、既成概念にとらわれず隠し味に使ってみましょう。思いもかけないおいしさと出会えるかもしれませんね。
和風・洋風・中華「だし」の違い
NEW 2021.07.26

目にも舌にも嬉しいエディブルフラワー

コロナ禍でふさぎこみがちな気分を少しでも上向けるためでしょうか、自宅に生花を飾る人が増えているそうです。花のサブスクリプションもとても人気が出てきているのだとか。 花はその豊かな色彩、華やかな香りで疲弊した心を慰め、癒してくれることが科学的にも証明されています。 そんな花をただ鑑賞するだけでなく、もっと全身で楽しみたいと思いませんか。文字通り「味わい尽くす」ことができるのが、エディブルフラワー(食用花)です。 <エディブルフラワーの基礎知識> 瑞々しい生野菜のサラダは緑が目に鮮やかで、それだけでも充分ごちそうです。ではそのサラダにカラフルな花が一輪二輪、さらにはほどけた花びらが散らしてあればどうでしょうか。見て楽しむイメージの強い花が、目の前の料理に添えられている。しかも花ごと食べられるのです。分厚いステーキを食べるときとも洒落たケーキを楽しむときともまた一味違う、独特の幸福感に包まれそうですよね。 エディブルフラワーとは、農林水産省のガイドラインに基づいて「食用」として低農薬・無農薬で栽培された花です。花屋で売られている鑑賞用の花は農薬や鮮度保持剤が使われている恐れがあるので食べられません。また食用ですので、いくら見た目が美しくても毒性があるものはエディブルフラワーに適しません。花に毒?と感じられるかもしれませんが、スイセンやアジサイ、キキョウなどには毒性があります。 では具体的にはどのような花がエディブルフラワーとなるのでしょうか。 日本で古くから食べられている食用菊、菜の花もエディブルフラワーです。スーパーでは野菜として売られているブロッコリーやカリフラワー、フキノトウは花のつぼみですので、これも広義のエディブルフラワーと言えますね。そのほか、ナスタチウム、ナデシコ、パンジーやバラなど鑑賞用のイメージが強い花もエディブルフラワーとして流通しています。 <エディブルフラワーの楽しみ方> エディブルフラワーの華やかな色合いをダイレクトに楽しむには、生のまま料理に彩を添えて使うのがおすすめです。サラダにトッピングするほか、ケーキなどスイーツの皿に散らすだけで、とても「映え」る写真を撮ることができます。 ただし生のままでは上手に保存してもその美しさを保てるのは1週間ほど。保存性を高めるにはひと手間加えると良いですね。ドライフラワーにすれば紅茶に入れて楽しめますし、砂糖漬けにすればスイーツの材料などに活用できます。 <自家製エディブルフラワーにチャレンジ> コロナ禍ということもあり、おうち時間を充実させたいと感じている人は少なくありません。そこでおすすめなのが、エディブルフラワーの自家栽培です。 ポイントは「食用花」として売られている種や苗を使うこと。あとは一般的な花を育てるのと同様、プランターなどでも栽培できます。ただし農薬はできるだけ避け、害虫対策には酢を使った予防剤など使うようにしましょう。 花を育てること自体に癒し効果がありますが、加えて収穫した花で食卓を華やかに彩り、心にも身体にも栄養を補給できるのです。 特に自家栽培であれば、気負わず普段の食事にも気軽にエディブルフラワーを取り入れられます。花の持つ癒しの力をぜひ心ゆくまで体感してみてくださいね。
目にも舌にも嬉しいエディブルフラワー
NEW 2021.07.21

唐辛子はどこまで辛くなる?

唐辛子は中南米を原産とする、ナス科トウガラシ属の植物です。ピーマン、シシトウ、パプリカなど辛みがほとんどない甘味種もありますが、「唐辛子」と聞いて思い浮かぶのは辛みのある香辛料のイメージが一般的でしょう。 今回はこの唐辛子の辛さに注目して、レポートをお伝えします。 <辛さの単位「スコヴィル値」> トウガラシの辛さのもとはカプサイシンです。カプサイシンが辛み受容体の神経末端を刺激することで辛みを感じますが、実は辛みは味覚ではなく痛覚の一種なのだとか。 アメリカの薬剤師であったウィルバー・スコヴィルは1912年にカプサイシンによる辛さの測定方法を考案しました。カプサイシンを含む唐辛子エキスを砂糖水で薄め、辛みを感じなくなるまでの希釈倍率で辛さ度合を表そうとしたのです。考案者にちなみ、スコヴィル値と呼ばれています。 辛くないピーマンのスコヴィル値は0、一方で激辛唐辛子の代表ともいえるハバネロではスコヴィル値は30万とも言われています。 開発当初は実際に検査官が官能検査を行って測定していましたが、人の舌に頼ることから主観も入ってしまい、不明瞭な点もありました。そこで近年では高速液体クロマトグラフィーで解析したカプサイシンの量をスコヴィル値に換算する方法がとられています。 <より辛い唐辛子を求めて> 日本ではお馴染みの鷹の爪は、スコヴィル値が5万程度です。これでも充分辛いわけですが、世界にはさらに辛い唐辛子も多種存在しています。 スナック菓子などで激辛ブームの火付け役となったハバネロは中南米の料理には欠かせない香辛料。このハバネロのスコヴィル値は30万程度です。 2007年、100万スコヴィル値でギネス認定されたのがブート・ジョロキア。原産地は北インド・バングラディシュで、現地では煮物の味付けやサルサソースなどに使われています。 2011年にはブッチ・テイラーがオーストラリアでスコヴィル値146万のトリニダード・スコーピオン・ブッチ・テイラーを発見し、ギネス記録を塗り替えました。あまりの激辛ぶりに調理には防護服が必要なのだそうです。 2013年にはスコヴィル値157万でキャロライナ・リーパーがギネス記録に認定されました。栽培したのはアメリカの唐辛子関連会社経営のエド・カーリー。辛みには個体差もあり、高いものでは220万スコヴィル値に達するものもあるのだとか。食用には適さないほどの刺激があり、素手で触ると危険と言われています。 2017年にはイギリスで248万スコヴィル値のドラゴンズ・ブレスが開発され、ギネス記録を更新しました。あまりの刺激のため、食用よりも麻酔薬などに利用する研究が進められているのだそうです。 ギネス記録には認定されていませんが、その後もさらなる激辛唐辛子が開発されています。 キャロライナ・リーパーを開発したエド・カーリーが10年の歳月をかけてスコヴィル値318万というペッパー・Xを生み出しました。ここまでくるともはや生食すれば死につながる可能性もあるほどで、その辛みは想像するのも難しいですね。 激辛唐辛子の世界ランク上位はおいしく食べられる範囲を超えていますが、何事も究極を追求したくなるのは人間の性(さが)でしょうか。この先もさらに辛い唐辛子の開発競争は進んでいくと考えられます。次はどんな激辛唐辛子が開発されるのか、目が離せません。
唐辛子はどこまで辛くなる?
NEW 2021.07.19

コロナ禍の心まで慰める? ローマ名物「マリトッツォ」とは

2021年になって大注目のスイーツ、「マリトッツォ」。ころんとした丸いデニッシュにたっぷりのクリームが入ったその姿はシンプルかつダイナミックでインパクトも充分。目にも舌にも嬉しく、その人気は急上昇を続けています。 タピオカ以来の大トレンドとも言われており、全国のベーカリー、カフェをはじめとしてホテルやコンビニエンスストアでも販売されるマリトッツォに迫ります。   <起源はローマ時代> 古代ローマ時代、ハチミツとドライフルーツを使ったパンが一般的に食べられていたそうです。現在のようにクリームははさまれていませんでしたが、大きく栄養満点で持ち運びしやすい食事だったこのパンがマリトッツォのルーツと言われています。 中世になると、食事用から一歩進んでスイーツに近い甘いパンになったと考えられています。パンの大きさは小さくなり、ナッツやドライフルーツがふんだんに使われていたそうです。特にキリスト教で四旬節と呼ばれるイースター前に肉を控えて粗食にする期間にも食べることができたので、さらに普及したのだとか。 イタリアでもアドリア海側のマルケ州では現在でもクリームを挟まないローマ時代の面影を残すマリトッツォが食べられています。南イタリアのプーリア州では生地を編み込んだような形、そしてローマでは小さな丸いパンの間にたっぷりのクリームを挟んだマリトッツォが知られています。 現在日本でブームになっているのは、ローマ版マリトッツォというわけですね。   <ブームの背景にはコロナ禍も?> インスタグラムで「#マリトッツォ」と検索すると7万件ほどもヒットします。シンプルにクリームがはさんであるもの、美しくフルーツを飾り付けたものなどどれも写真映えしていて見飽きません。 なぜ2021年という年にマリトッツォがブームとなったのか。 その背景にはコロナ禍に少し慣れ、しかし密を避け必要以上に人と交わらずマスク生活を続けなければならない人々の疲れ、閉塞感があるのではないかと考えられます。 かわいらしく食欲をそそるそのフォルムを見て癒され、クリームと甘いデニッシュを嚙み締めその甘味に癒され、食べ終わればその満腹感になんだか安心するという一連の流れは、単に流行りものを食べている以上の満足をもたらしていると感じませんか。 ストレートに甘く口の中でとろけるクリームパンを無心で頬張るそのときだけはコロナ禍を一瞬忘れ、幸せの波に身を任せていると言ったら言い過ぎでしょうか。 テイクアウトしやすく、店ごとに様々なラインナップが揃うマリトッツォがコロナ禍にブームになったのは偶然ではないように感じるのです。 もちろん飲食店の苦境、経済活動の落ち込みがすべてマリトッツォで挽回できるわけではありませんが、見栄えのする食べ物が大ブームとなること自体が明るい話題として歓迎されているのは間違いありません。 ワクチン接種も始まりましたが、コロナ禍の終息までにはまだもう少し時間がかかりそうな気配です。マリトッツォは息の長いブームになるのか、それとも定着するのか。今後とも注目していきます。
コロナ禍の心まで慰める? ローマ名物「マリトッツォ」とは
NEW 2021.07.14

薬用酒・健康酒の魅力と、初心者にもおすすめの選び方

薬用酒の魅力とは? 薬用酒は、生薬やハーブなどを使ったお酒のこと。健康酒や薬酒と呼ばれることもあります。薬用酒は、はぶ酒や高麗人参酒などいろいろな種類が存在します。お酒が好きな方だけでなく、健康維持のために薬用酒を飲み始める人も増えているようです。そこで今回は、薬用酒の魅力と初心者と初心者にもおすすめの選び方をご紹介します。 薬用酒の魅力は、生薬やハーブなどを継続して摂取できること。料理に使うとなると忘れてしまったり面倒になったりして「長続きしない」という人も、薬用酒であれば比較的続けやすいのではないでしょうか。気になる味わいですが、薬草やハーブの独特の風味を和らげるために、甘味を付けるなどの工夫がされているものも多いです。もちろん、メーカーや製品によって味は異なりますが、飲みやすいタイプもたくさん登場しています。 薬用酒はロックやストレートで飲むのが定番ですが、その種類に応じてお湯や炭酸で割ったり、お菓子の風味付けに加えたりすることもできます。好みに応じていろんな楽しみ方ができるのも、魅力のひとつです。 初心者にもおすすめ、薬用酒の選び方 「薬用酒を飲むのが初めて」という人は、次の3つのポイントを意識して選ぶようにするのがおすすめです。 ・医薬品の指定を受けているかどうか 薬用酒のなかには「第三類医薬品」や「第二類医薬品」という指定を受けているものがあります。この指定を受けた薬用酒は、医薬品として効果が承認されていることを意味しています。表示をよく確認して、よく分からない場合や他の薬を飲んでいる場合は、薬剤師や医師、メーカーなどに相談するようにしましょう。 医薬品の表記がないものは、薬用酒の効果が保証されていません。その分、甘味が強くて苦味が少ないなど、飲みやすいものが多いです。自身の好みや必要に応じて選ぶといいでしょう。 ・どんな生薬・ハーブが使われているか 薬用酒はその目的に応じて、使用する生薬やハーブの種類が異なります。たとえば、冷え対策には生姜やケイヒ(シナモン)などを使うことが多いです。どんな生薬・ハーブが使われているのかを予め確認するようにしましょう。 ・アルコール度数はどのくらいか 薬用酒のアルコール度数は、13%前後のものが多いですが、なかには25~30%程度のものもあります。アルコールに弱い人は、アルコール度数の低いものを選ぶようにするなど注意してください。 最近注目を集めている、薬用酒。基本的なポイントを把握しながら、自分の好みやニーズに合うものを見つけて、健康維持に役立てたいですね。
薬用酒・健康酒の魅力と、初心者にもおすすめの選び方