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“果物” タグの記事一覧

2022.10.19

バナナの皮をバイオ燃料に。廃棄物利用で脱炭素社会目指す

動物や植物などから生まれた有機性資源の「バイオマス」。具体的には森林の間伐材や食品廃棄物などから得られるバイオマスエネルギーは、カーボンニュートラルかつ再生可能であるという点から、気候変動対策への効果が期待されています。そうした中、スイスの研究者たちが、バナナの皮から再生可能なバイオマス燃料を抽出する方法を発見しました。本来なら廃棄されてしまう物を利用して再生可能エネルギーを生み出すという画期的な方法です。 光の照射でバナナの皮から水素を取り出す 2022年1月、スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)に拠点を置く科学者チームは、バイオマスエネルギーの画期的な抽出法を発表しました。それは、乾燥したバナナの皮の粉末から、水素やバイオ炭などの資源を抽出するというものです。乾燥バナナの皮1kgから約100リットルの水素と330gのバイオ炭が生成されます。 特に水素は、使用過程で二酸化炭素を排出せず、多様な資源から得られるという供給源の安定性から、脱炭素社会の鍵とされるエネルギーです。研究チームが発表した水素抽出法は、実にシンプルなものです。まず、炭素、水素、酸素など有機物をたくさん含むバナナの皮を、105度で24時間乾燥させ、粉末にします。これを不活性ガスで満たしたステンレス製の容器に入れて光を照射。わずか数ミリ秒という速さで分解は完了します。 ポイントは、写真撮影のフラッシュにも使われている「キセノン閃光ランプ」で照射することです。極めて短時間に明るく照らすこの白い光は、強力なエネルギーで物質の化学反応を促進します。光と熱で一瞬にして1000℃以上という高温に達することで強力なエネルギー変換が起き、これまでなかった水素抽出法が実現しました。 真のカーボンニュートラル、画期性が評価 欧州連合(EU)は、2050年までに二酸化炭素の排出量と除去量を差し引きゼロにする脱炭素化(カーボンニュートラル)の施策を強化しています。ただ現実には、バイオエネルギーの生産工程で、二酸化炭素が排出されるケースは珍しくありません。それは、高温の加熱処理をしてエネルギーを分解・抽出する場合、大量の化石燃料が必要となるからです。 生産工程に生じるこの矛盾は、バイオマスエネルギーの生産にとってのネックでした。しかし、光を照射してバナナの皮から水素を抽出する方法は、この問題をクリアーした画期的な方法です。それどころか、水素と共に得られる副産物のバイオ炭は、二酸化炭素を吸収して閉じ込める「炭素貯留効果」があります。バイオ炭は、酸化した土地を中性化するなど土壌改善効果も確認されていて、農業資材としての活用も期待されています。 原料のバイオマスはバナナの皮以外に、トウモロコシの芯、オレンジの皮、コーヒー豆、ココナッツの殻なども応用できる見込みがあると言われています。将来的には、タイヤなどの産業廃棄物を利用するなど、さらなる発展の可能性も秘めています。
バナナの皮をバイオ燃料に。廃棄物利用で脱炭素社会目指す
2022.09.22

ドール初!バナナの量り売り。目指すは食品ロス削減と脱プラスチック

2022年6月から、株式会社ドールはバナナを量り売りする企画を始めました。フルーツロス削減と脱プラスチックに役立つ新しい試みとして話題を集めています。人にも環境にも優しいエシカルな行動を体現する同社の取り組みを紹介します。 プラスチック袋で1房包装の常識を覆す 通常のバナナは、1房ごとにプラスチック袋に包装されて販売されることが一般的です。1房につき4~5本入っていて「食べきれずに廃棄している」という消費者の声の他、「少ない本数で購入したい」「熟成度合の異なるバナナの食べ比べをしたい」といった要望が、以前からドールに寄せられていたそうです。 こうした背景から、バナナを必要な分だけ購入できる「量り売り企画」が店頭でスタート。この取り組みにより、食品ロスとプラスチックゴミの削減が期待されています。 量り売りでの購入方法は、まず、袋詰めされていないバナナを買いたい量だけはかりに載せます。すると、重さに応じて価格が表示され、機械から出てきたラベルを紙袋に貼って、レジで代金を支払うという流れです。 今回の企画は、イトーヨーカ堂やヤオコーなどの量販店と提携して行われています。購入方法を店頭で説明するスタッフを配置するなど、消費者が利用しやすいように工夫が施されています。 「エシカルバリューチェーンプログラム」として展開 ドールではこの量り売り企画を第一弾として、「バナナエシカルバリューチェーンプログラム」を展開しています。このプログラムは、バナナを生産から消費者の食卓に上るまでのプロセスを通して、人や社会、地域、環境に優しい取り組みを行い、その価値をつないでいく試みです。 量り売り企画と併行して、バナナの皮などの生ごみを分解・熟成して堆肥を作る「コンポスト企画」も実施しました。この企画は、量り売りでバナナを購入した人の中から参加者を募り、当選者にコンポストをプレゼントして家庭での生ごみの堆肥化のプロセスを体験してもらうというものです。 こうした一連の取り組みが注目され、同プログラムは、環境省の「令和4年度 地方公共団体及び事業者等による食品廃棄ゼロエリア創出の推進モデル事業等」に採択。食品ロス削減と食品リサイクルを実効的に推進するための先進事例と評価されています。
ドール初!バナナの量り売り。目指すは食品ロス削減と脱プラスチック
2022.08.05

【浜理PFST】エキス・パウダー受託製造のご紹介

浜理PFST株式会社 千歳工場では、野菜や果実の濃縮液およびエキスパウダーの受託製造を一貫して行っております。 *PFST = Pharmaceutical , Food , Service , Technology (医薬、食品、サービス、テクノロジー) 北海道の食材を「北海道で、エキスにしたい。 パウダーにしたい。」私たちはこんなニーズにお応えしたいと思っています。 浜理PFSTにできること 浜理PFSTでは、主に北海道産の野菜や果物の濃縮エキスやエキスパウダーを製造しています。私たちの生活の中で、野菜や果物は医と食を中心に様々な分野で多くに人の役に立ってきました。 浜理PFSTは、野菜や果物だけでなく、多くの原材料のエネルギーや未知のパワーを見出し、人々の健康を追求していきます。 特に北海道産の食材は、多くの可能性を秘めていると考えています。 広大な大地で育った、栄養豊富で美味しい食材を上手に加工し、お客様のニーズに合ったものを提供することが私たちにできることです。 浜理PFSTの得意なこと 浜理PFSTでは薄膜式減圧濃縮機やスプレードライヤーを保有しています。搾汁から濃縮エキス、エキスパウダーの製造が可能です。 また、原薬(医薬品の有効成分)の受託研究の経験から、亜臨界抽出装置といった特殊設備を用いる受託研究も可能です。 現在の設備に満足せず、常に情報のアンテナを広げ、「クオリティーの高い生産体制」をご提供できる様に努力しています。 また、実際にプロジェクトに組み込み可能かを検討するためのテスト運用も承ります。 「エキス・エキスパウダーのことなら、とりあえず浜理PFSTに相談しよう」:そう考えて頂けるよう。スペシャリストがご相談を承ります。 ――――――――――――――――――――――――――――――――― 詳しくはこちらから https://www.hamarichemicals.com/cts/ ――――――――――――――――――――――――――――――――― 安全への取り組み/管理体制 JFS-Bの認証を取得しており、長年培った医薬品製造の管理手法(GMP)を活用し、安全面や衛生面を考慮した設備を整え、HACCP管理なども徹底して高品質な製品を製造しています。 また、ISO14001認証を取得しており、「環境を考えた化学の検討」をテーマに掲げております。 【お問い合わせ先】 浜理薬品工業株式会社 TEL:06-6205-7227(営業開発部) メール:toiawase@hamari.co.jp *浜理PFST株式会社は、浜理薬品工業株式会社の100%子会社です。 各種お問い合わせは、浜理薬品工業が窓口として承ります。
【浜理PFST】エキス・パウダー受託製造のご紹介

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NEW 2023.01.30

【解説】サフランとは【食品業界用語】

この記事では、サフランとは何か、その食材としての働き、また料理への利用、サフランに関する最近の研究結果、料理にサフランを使用する際の注意点について説明します。 サフランとは? サフランは、クロッカスの花の茎を乾燥させたものから得られるスパイスです。地中海沿岸、中東、南西アジアの一部が原産で、古くから料理や宗教儀式に使われてきました。 サフランは世界で最も高価なスパイスのひとつであり、その独特の風味、色、香りは、さまざまな料理に欠かせない食材となっています。 サフランの働き サフランは健康に良いことでも知られています。抗酸化物質が多く含まれ、疲労回復や婦人科系の不調予防、鎮痛、血行改善など、美容と健康にさまざまな効果があるとされています。また、サフランは認知機能の向上や、うつ症状の軽減にもつながると期待されています。 サフランを使った料理例 サフランは非常に汎用性の高いスパイスで、スープからデザートまで、さまざまな料理に使うことができます。 サフランを使った代表的な料理には、カレー、パエリア、リゾット、ブイヤベース、ビリヤニなどがあります。また、サフランは紅茶やシロップなどの嗜好品にも使われます。 サフランの研究成果 サフランが性機能と生殖能力の向上に役立つことを示唆する研究結果も増えてきています。サフランがストレスを軽減し、性欲を増進させ、健康的なホルモンバランスを促進することが研究で実証されています。 サフランの注意点 サフランで料理に色付けをする場合は、ほんのひとつまみで十分です。 入れすぎてしまうと、他の味に影響が出ることがあるので、控えめに使うように注意しましょう。
【解説】サフランとは【食品業界用語】
NEW 2023.01.27

昆虫食のミライを語ろうvol.2後編【ゲスト:サコン・ワナセッティーさん(タイ王国大使館農務担当官事務所参事官(農務担当)】

前編はこちらから:昆虫食のミライを語ろうvol.2前編【ゲスト:サコン・ワナセッティーさん(タイ王国大使館農務担当官事務所参事官(農務担当))】 昆虫食は「奇食」「物好き」「一部地域の食文化」として特殊性をもって語られてきました。それが2013年、FAO(国際連合食糧農業機関)の報告を機に、昆虫は急増する世界人口を支える「タンパク源=食料」としてみなされるようになり、もっとカジュアルかつポジティブに「昆虫を食べよう」という流れが日本でも一気に広がっています。 「かつて宇宙食といえば誰もが錠剤を想像していたが、今や宇宙ステーションでもおいしい食事ができるというイメージが定着した」と話すのは、昆虫料理研究家の内山昭一さん。昆虫食も「グロテスク」「おいしくない」という印象を脱却し、もっと身近に感じてもらいたいーー。そんな流れをつくっていくために、個性豊かなゲストを迎えて「昆虫食のミライ」を語ります。 【タイの昆虫食の主な輸出先は】 内山)主な輸出先はEUが多いのでしょうか? サコン)タイの総務省の統計を見てみると、一昨年の合計で600トンを輸出していて、内訳をみると約5割、つまり半分くらいがカンボジアです。2番目がアメリカで3割、3番目が日本で1割。その他がミャンマーと香港になってます。昆虫食の難しいところは、割と新しい商品でまだ統計などが追いついてないところです。細かい情報はないんですが、昆虫の姿を残したままのものもあれば、コオロギパウダーのような高度な加工品という形で出している場合もあります。 内山)カンボジアは今でも昆虫食が盛んだと思うんですよね。需要が高くて国内の供給だけでは間に合っていないんでしょうか? サコン)タイ東北部の隣がラオス、ちょっと下に行けばカンボジアという地理関係になっています。島国ではなく陸続きであり、食文化も共通していることからすると、カンボジアでも昆虫を食べる習慣はあると思います。 内山)ラオスへの輸出はどうですか? サコン)東北部のことをイサーン地方と呼びますが、イサーン料理とラオス料理はすごく近い。一緒といってもいいくらい似ているので、ラオスの方が昆虫を食べているって言われても僕は驚かないですね。 内山)非常に辛い料理ですよね。 サコン)東北部は酸っぱくて辛い味ですね。 内山)そうですよね。僕も1月に行って、非常に辛くてですね。辛くないのを頼んでも、辛いんですよね(笑)。ですから普通に頼むとものすごく辛いと思うんですけど、サコンさんは全然平気なんですね? サコン)それが僕は辛いのが苦手なんですよ(笑)。でも皆さんと基準が違うので、内山先生がダメでも僕は大丈夫なものもあるかもしれません。ただ僕は普通のタイ人と比べれば、辛いのは苦手な方です。 内山)サコンさんと僕は意外と味の好みが合いそうな感じがしますね。僕の今までの認識だと、2013年以降、EUで非常に昆虫食が盛り上がっていて、EUの中で新規食品として昆虫食を流通させていこうという動きがあり、昆虫の中でもコオロギをタイの工場で粉末にして輸入し、パンなどの製品にしていくという流れがあったと聞いています。それでEUが量的に一番多いのかなと思っていたんですが、やはりまだまだカンボジアという身近なところで需要がたくさんあるということなんですね。 サコン)先ほど申し上げた600トンというのは一昨年のデータで、これには続きがあって、伸び率は年98%なんですよ。ですのでだいぶ全体量も増えているはずですし、もしかしたら輸出先も変わっているかもしれません。ヨーロッパの方でコオロギパウダーが注目されているのは確かで、タイの業者もヨーロッパを視野に入れてます。EUで販売するにはノベルフード、新規食品の認証を取得しないといけないんですが、タイは昆虫食について認証を取得済みです。タイ政府としてはEUをすごく重要なマーケットと意識していますね。 内山)EUへの輸出もこれからどんどん伸びていきそうですね。そして、日本が1割ですが、日本もコオロギがメインなんですか? サコン)日本は恐らくコオロギがメインなんですけど、コオロギのパウダー以外も結構入ってきています。昆虫の姿をそのまま残したものもたくさんあって、最近では見る機会も増えたんじゃないかと僕は思いますね。 内山)製品化されて、自動販売機などでも売られていますよね。そういったものの中ではタイ産、タイで作られた商品が非常に多いと思います。バンコク近辺の会社が作っているんでしょうか? サコン 恐らく本社がバンコク近辺だと思います。ただ昆虫の形を残したままの製品は珍しい昆虫も多いので、もしかしたらバンコクではなく少し離れたところで作っている可能性も充分に考えられます。 内山)サゴワームなんかも結構タイから来ていると聞いてます。 サコン)サゴワームに関しては、どちらかというと西部、南部の方に多いんですよね。昆虫食で食べる昆虫は、言い方を変えるとそこら辺に生息している害虫でもあります。サゴワームも最近ではあちこちで作っていると思いますが、もともとは西部から南部にいるというイメージです。暑い地方の虫で、よくヤシの木にくっついていたりします。 内山)ヤシの木の中の芯を食べて枯らしてしまう害虫でもあるわけですね。ヤシの木からは油を取っていて、木を切って油をとって放っておくとそこにサゴワームが卵を産んで、それが2、3か月くらいで食べごろになって、それを採集して食べると。養殖をされているところも出てきているみたいですが、サコンさんはサゴワームを食べたことはありますか? サコン)あります。ミルキーで美味しかったです。油で揚げたものかな、友人からもらったものが乾燥していたので、おそらく揚げてあったんじゃないかと。 内山)サゴワームは最近、日本の昆虫食界隈でも結構注目されていますね。日本に輸入されるものは冷凍されていて、来るまでに結構時間がたってしまっていて解凍すると非常に水っぽくなってしまって旨味が減ってしまいます。8月にサゴワームの養殖を頑張ってやっているラオスに行って、活きのいいやつをいただいたら、これが本当に美味しかったですね。この美味しさを維持したまま日本に持って来れたらかなり需要があるんじゃないかな。大きいからすごく食べ応えもあるし、見た感じもわれわれにとってみればすごく良い(笑)。 サコン)もともとの食べ方はだいたい炒め物にしてるみたいですね。 内山)串に刺して焼いたりすることもあるみたいですよ。外側の皮がパリパリで、中がジューシーでクリーミーで、余分な脂も結構落ちるので、すごく美味しいねっていうのが一般的な大方の評価ですね。 【若者が活躍するタイの昆虫食産業】 内山)タイはこれからの昆虫食の希望の星なんじゃないかと思います。サコンさんにも頑張っていただいて、日本でバンバン虫を売ってほしいですね。 サコン)それこそ、内山先生のお力を借りたいくらいです。 内山)お互いに協力し合って売っていきたいですね。そういう意味では、若い人たちに入っていただくことが、これからの将来のためにも非常に大事だと思うんですが、タイでは若い人の参加は増えてきている感じでしょうか? サコン)最近目覚ましい成長を成し遂げた、近代化した昆虫食産業は結構若い人が多いです。年の伸び率が98%くらいなので、いろんな人が興味を持つようになったんですね。昆虫食に興味を持つ人は、機械のある業者さんもおそらく40代くらいだと思います。特に最近はいろんな企業さん、会社さんが生まれて、一人で戦うよりは皆で集まって協会を作って一緒に頑張っていきましょう、タイ国内マーケットはもちろん海外も狙っていきましょうということで、3月までにはタイ昆虫食産業協会というのができる予定です。 内山)何社くらい参加するんですか? サコン)まだ準備してる段階で公表されてないんですけども、聞いた話ですと結構多いみたいですね。昨年3月のFOODEX(国際食品・飲料展)にタイのブリケット社に出てもらったんですけど、このブリケット社の方が今度できるタイ昆虫食産業協会の初代会長を務めることになっています。この方と話してみると、すごくやる気があって、何にでも挑戦してみたいという意欲を感じました。 内山)僕もバンコクでブリケット社のハンバーガーのお店に寄って、コオロギを使った商品を食べて美味しかったです。「昆虫未来食」というテーマを掲げていました。ああいう形のお店はバンコクにはブリケット社だけではなくて他にもあるんですか? サコン)コオロギパウダーや虫を揚げたものを袋詰めして売ってるところは多いんですけども、昆虫食専門のレストランはまだそんなにたくさんはないと思います。内山先生が訪問したお店はすごくきれいで、新しくてできたばっかりというイメージがあったと思うんですが、そういったお店の数はまだあまり多くないと思います。ただ、増える傾向はありますね。 内山)昆虫食産業協会ができれば、それが一つの始まりということで、それをきっかけにいろんなお店ができるのかなと思って、すごく期待しています。 サコン)地元の人がもちろん通ってますし、海外から来ている観光客もそこを狙って行くこともあると聞いています。タイに来る人はタイ料理を好んでくださる方が多いんですけれど、トムヤムクンだけではなく、新しい料理にも挑戦してみたいということになれば、昆虫食レストランに行くこともあるかもしれませんね。 内山)それと同時に、東北部で継承されている昆虫そのものが食材となっている伝統的な昆虫食というのも、なくなってほしくないなと強く思います。コオロギだけじゃなくていろんな昆虫食材の持つ食感とか味とか、タガメをはじめそれぞれに特徴があるじゃないですか。そういう特徴を生かした多様な昆虫食の実験場みたいな感じにタイがなっていくと、いろんな昆虫食が広がる可能性が出てくると思うんですよね。ぜひコオロギだけじゃなくて、もっといろんなものを取り上げて調理法や栄養についても紹介していただいて、昆虫食をリードしていってくだされば、昆虫食の未来はすごく明るいんじゃないかと思います。 【昆虫食で日本に期待したいことは】 内山)日本で昆虫食を扱う企業も、スタートアップ企業が圧倒的に多いです。若い人が起業していろんな可能性を模索しているという段階なので、もっとタイと日本の昆虫食企業が交流できるような場ができると面白いんじゃないかなと思っています。 サコン)やはり昆虫というのは見た目で敬遠する人が多いと思うんです。そういう意味では、われわれタイ人からすると昔から見ている光景なので、食べなくてもすごく嫌だっていう人は比較的少なく、昆虫に慣れてるというところがあるのだと思います。コオロギパウダーは見た目という課題は克服してますので、ウケがいいんじゃないでしょうか。ただ一つの食文化として、虫の形のままの昆虫食も維持してほしいというのは、僕も同じ考えです。 内山)世界的にはコオロギの養殖がメインで、とにかく粉にしてハードルを下げてできるだけたくさん食べてもらって、価格を下げて普及させていこうっていうのが今の世界的な趨勢だと思います。日本でも2つに分かれていて、グリラスという徳島の会社は養殖にかなり力を入れていて、新しい昆虫食っていうのを目指しているところです。一方、タガメサイダーのTAKEOは国産、量的には少量のロットで地域ごとに異なる食べ物を与えて地域独自の味とか旨味とかを追求して、京都コオロギとかっていう地名にちなんだ名前を付けて特色を活かした昆虫食を目指していますね。この2つは両方とも非常に大事な昆虫食の進んでいく道だと思います。この両方がうまくかみ合って総合的に発展していくようなあり方が僕が望んでいる方向です。 タイも東北部にはちゃんと伝統的な昆虫食が残っていて、プラスしてバンコクの新しい昆虫食がうまくつながるようなタイ昆虫食産業協会になってほしいと思います。若い人の力っていうのはすごくエネルギーがありますし、とにかく元気で好奇心が旺盛っていうのがいいですよね。われわれも昆虫を食べる会を毎月やっているんですけれど、集まってくる人は20代、30代の方が圧倒的に多いです。そういった人たちがこれから昆虫食を進めていく原動力になるような気がしていますので、両国の交流が深まっていけば非常にいいと思っています。 サコン)タイは長年昆虫食をやってきたうえに早い段階から産業化したので、かなりノウハウが蓄積されていますが、内山先生がおっしゃったように日本の方はすごく発想力が豊かですよね。日本のアイデアとタイの今まで蓄積されたノウハウ、経験をうまく活かして、日本とタイが手を取り合って昆虫食を盛り上げていけたらなと思います。 内山)そういう意味ではサコンさんの役割って非常に重要ですね。シティーボーイでありながら、なおかつ昆虫食にも造詣が深く、2番目に食べたのが長野県だというのもありますし、ぜひ活躍して盛り上げていただければと思います。こちらも20年以上やっていていろんなつながりもありますので、協力しながら昆虫食をさらに進めていければいいなと思っています。ありがとうございました。 https://reports.shareshima.com/3150/
昆虫食のミライを語ろうvol.2後編【ゲスト:サコン・ワナセッティーさん(タイ王国大使館農務担当官事務所参事官…
NEW 2023.01.27

健康食品(サプリメント)のハラルビジネス考察【食品ハラルビジネス進化論〜ハラル認証原料編vol.10】

こんにちは、ハラル・ジャパン協会の佐久間です。2023年がスタートしましたが、いかがでしょうか?スタートダッシュできましたか!?昨年は為替、原材料高、そしてアフターコロナを見据えたマーケティングなど激動の一年でした。皆様の事業に置かれてもきっと次の事業を考えて「新しい手」は今年こそやるぞ!と考えていると思います。ハラルビジネスもその一助になればと思います。今年もよろしくお願いします。今回は「健康食品(サプリメント)のハラルビジネス考察」ということで解説していきます。 日本のハラルサプリ産業は長寿・健康を売る、そしてアジアで勝負する!!  ハラルサプリ産業のポジショニングはネクストステージです。食品→健康食品(サプリ)→化粧品→生活用品→医薬品(?)が、ハラルビジネスの展開だと我々ハラル・ジャパン協会は考えています。むしろ、食品よりも更にハラル認証やハラル性が求められる分野だと考えられます。コロナ禍で低下したものの、まだまだ経済成長中であり圧倒的な人口を有する東南アジア、南西アジア。近い将来「ハラルサプリ産業」はここから始まる、また、始まりつつある予感がします。 なぜならサプリ原料にハラル性、ハラル認証が要求されることが増えているからです。食品・健康食品の輸出は医薬品扱いになると非常に難しいので、特に食品として登録されるサプリの需要が増えると考えられます。日本の原材料メーカーにとってはチャンスです!だからハラルビジネスに取り組もうと当会は言い続けています。 しかし、いつものようにライバルは中国・韓国・台湾など東アジアの国が多く、そこに欧米豪が加わり各国しのぎを削っています。そこでの差別化は「メイドインジャパン、日本品質」ですが、残念ながらこれはもう通用しなくなりつつあります。では次なる差別化は、日本の1億2千万人の長寿・健康の長年のノウハウを訴えることです。日本人が総じて健康かつ長生きでいることがウリになるのです。ここをアジアで徹底的にブランディングしていく必要があります。自動車やカメラのような存在になる日も近いかもしれません。 [caption id="" align="alignnone" width="720"] 海外のドラッグストア[/caption] まず海外で勝負できる自社のグローバル戦略原材料を決める、そしてメイドインジャパン・メイドバイジャパンの種分けをする 日本製の原材料がすべてイスラム市場で勝負できるわけではありません。欧米とはまた違った独特のマーケットを作っています。しかし、ヨーロッパ主導の統治が長い国も多く、その影響を大きく受けています。今あるシンプルな健康食品(サプリ)はプロテインやビタミンなど、ヨーロッパのモノが主流でアメリカやオーストラリアのモノが店頭に並んでいることもあります。 そこで「日本らしい」「日本ならではの技術」の素材(原材料)が必要になります。2023年はまずイスラム市場等への輸出で勝負できる原材料を見極めてください。そして自社の戦略商品として決めてください。ここからハラルビジネスがスタートです。ハラルビジネスにならないグローバル戦略商品も中にはあるかもしれませんが、構いません。決めることが重要です!! そして日本で作るもの、イスラム市場の海外で作るものかストーリーを考えてみて下さい。完成品まで日本のハラル品で製造するか?またはイスラム市場の作りやすいイスラム教国で製造するのか?の種分けをしてみて下さい。 実はここから始めるハラルビジネスが一番パンチがあり有効なのです。 [caption id="attachment_3208" align="alignnone" width="720"] 森下仁丹(株)の「シームレスカプセル」[/caption] 次回の11回目では「輸出対応とハラル(ハラール)認証の有効性」を解説したいと考えます。2月第4金曜日を楽しみにしてください。引き続き、2023年もよろしくお願いいたします。 (佐久間朋宏/非営利一般社団法人ハラル・ジャパン協会代表理事)
健康食品(サプリメント)のハラルビジネス考察【食品ハラルビジネス進化論〜ハラル認証原料編vol.10】
NEW 2023.01.27

【解説】精密発酵とは【食品業界用語】

この記事では、精密発酵とは何か、精密発酵の活用法や効果について解説します。 精密発酵とは? 精密発酵は、微生物を培養して特定の動物性たんぱく質を量産する技法のことです。 精密発酵は食品自体を作り出すものではなく、食品を作る際に使用される動物性たんぱく質を作るものです。また精密発酵に使用する微生物は、特定のたんぱく質を生成するためにあらかじめカスタマイズされています。 精密発酵でできること 精密発酵は、主に食品の原料になる動物性たんぱく質の製造に使われます。 例として、チーズを作る際に使うレンネットという凝固酵素があります。レンネットの素となる酵素は、子牛の胃袋に含まれています。今まではレンネットを大量に製造するため、多くの子牛を屠畜(とちく・食肉用の家畜を殺処理すること)しなければなりませんでしたが、精密発酵の技術により、子牛を屠畜せずに大量のレンネットを人工的に作り出すことが可能になりました。 他にも精密発酵により製造された動物性たんぱく質を使って、乳製品などを作る研究がなされています。 アメリカでは既に、精密発酵による動物性たんぱく質を使用したヨーグルトやアイスクリーム、チョコレートバー、プロテインパウダーが販売されています。 精密発酵のメリット 精密発酵により、動物を使わなくても安定的・大量に動物性たんぱく質を製造することができます。また、動物を飼育するために使う資源やエネルギーを節約することにも繋がります。 他にも、精密発酵は持続可能な食料システムを構築して、将来の食糧危機を改善する可能性が期待されています。
【解説】精密発酵とは【食品業界用語】