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“農業” タグの記事一覧

2022.08.03

欧米でフレキシタリアンが急増中。私たちにとって本当の持続可能な食とは

​​​​気候変動は加速しており、私たち人間が何を選んで食べるのかという食の選択も地球の存続に関わる大きな課題です。けれども地球のためとはいえ、あまりにも厳格な食事制限には躊躇してしまう人が多いでしょう。そこで今、欧米で急増しているのが、準菜食主義=フレキシタリアンという柔軟でバランスの取れた食事のスタイルです。 フレキシブル+ベジタリアン=フレキシタリアン 「柔軟な(フレキシブル)」と「菜食主義(ベジタリアン)」という言葉を組み合わせた「準菜食主義(フレキシタリアン)」。ヴィーガンは動物性食品を全く食べませんが、フレキシタリアンは、植物性食品に重点を置きつつ、肉、チーズ、卵、牛乳などの動物性食品も時折摂取します。そしてフレキシタリアンの多くは、味や食感、価格などが適切であれば、大豆などの植物性タンパク質から成る代替肉も抵抗なく受け入れます。 最新の研究によると、地球上の温室効果ガスの26%が食料生産によるもので、その中でも農業分野が排出する温室効果ガスのうち、肉や乳製品によるものが60%を占めています。肉や乳製品の消費を減らすフレキシタリアン食は、温室効果ガスの排出を確実に減らす手段です。科学誌「ネイチャー」掲載の研究によると、今後人間がより植物ベースのフレキシタリアン食に移行することで、2050年の温室効果ガスの排出が52%も削減できる可能性があるとしています。 世界人口が拡大すると共に、肉を食べる人が確実に増え続けています。そうした中、いくら肉を避けるヴィーガンが増えても、残念ながら世界全体の肉の消費量が減ることはありません。人間の食事が地球環境に影響を及ぼすことを避けるには、より大きな集団で実践しなければ意味がありません。そこでフレキシタリアンのように、多くの人が参加しやすい柔軟な考え方や手段が求められます。 地球上の全ての人が肉を全く食べないというのは、非現実的な話です。それよりも地球のためになる食事を、より多くの人が試しやすいフレキシタリアン食は、人類の未来にとって達成可能な目標と言うことができそうです。 極端なヴィーガンの限界、より現実的な選択を 動物性食品の消費を減らすことが、心臓病、がん、糖尿病のリスクを下げることは科学的に明らかになっています。実際、野菜がメインの食事はこれまで賞賛されてきました。その一方で、厳格すぎる植物性の食生活を送る人は、人間の体に必要なビタミン、ミネラル、カロリーの摂取量が足りていなかったり、栄養不足のためにうつ病のリスクが高まるとの報告もあります。 肉を完全に避けるヴィーガン食の方が、私たちの健康にとっても地球環境にとっても、フレキシタリアンに勝ると考えられてきました。しかし実際のところ、一概にヴィーガンが勝るとは言いきれません。問題はもっと複雑です。 例えば、肉の生産も全てが悪なのではなく、やり方によっては牛の飼育が土壌侵食や炭素排出の抑制につながり、森林を破壊して生産されたコーヒーやカカオ豆よりも温室効果ガスの発生を抑えるという事例があります。一方、ヴィーガンが好む牛乳の代替品のアーモンドミルク。その原料のアーモンドは、栽培に大量の水、肥料、農薬を必要とし、地球の資源を枯渇させる恐れがあり、健康上のメリットがあるとはいえ、環境保護の点においては疑問が残る食材と言えるわけです。 フレキシタリアンは、こういった食品の生産過程が環境にもたらす利害も認識した上で、食事を選びます。単純に動物性か植物性かが問題ではなく、どちらがより地球にとって持続可能な選択肢かで判断します。そう遠くない未来に、世界人口は100億人に至るでしょう。人間にとって何が重要で、どのような選択が現実的なのか、私たち自身が正しい選択をする必要があり、柔軟性に優れたフレキシタリアンの考え方はそのヒントになるはずです。  
欧米でフレキシタリアンが急増中。私たちにとって本当の持続可能な食とは
2022.06.29

食品原料高の背景に「水不足」。世界の穀倉地帯で表面化するリスク

日本で暮らしていると、「水不足」と聞いても、ピンとこないかもしれません。しかし実は今、世界の穀倉地帯が深刻な水不足に陥っています。背景には、干ばつや洪水による不作があります。ロシアのウクライナ侵攻の影響で、食品値上げのニュースが毎日のように報じられていますが、近い将来、私たちも向き合わなければならない水の問題をひも解きます。 異常気象が小麦産地を襲う アメリカ アメリカの穀倉地帯は、以前から干ばつ被害に悩まされており、2012年の中西部での大干ばつが代表的です。2021年も熱波と干ばつが重なったことで小麦が不作となりました。特に米南西部は、「メガドラウト」と呼ばれる大規模な干ばつ被害に悩まされています。 アジア アジアの小麦生産大国インドも、記録的な熱波による不作に見舞われています。ウクライナ情勢の影響を危ぶみ、一時、小麦の輸出を停止しました。アジアにおけるもう一つの小麦大国・中国も、昨年の大雨と洪水で2022年は「史上最悪」の小麦不足です。 ヨーロッパ 小麦生産高世界5位のフランスも、熱波や干ばつで収穫量が減少しています。専門家の調査によると、土壌の水分レベルは過去10数年の中で「最低」。ウクライナ情勢のあおりで小麦不足が懸念される中東・北アフリカからも頼られているだけに、この問題は深刻です。 中東・北アフリカ 中東トップの小麦生産国はイラン、そして、アフリカ最大がモロッコです。ここも同様に干ばつの影響で小麦の生産を大きく落としています。地理的に干ばつ傾向の強いアフリカですが、近年はインド洋の温暖化によって引き起こされる洪水被害も目立ちます。 水不足を起こす要因 水不足の直接的要因としては、干ばつや熱波といった気候変動が目立ちます。しかしこの問題を掘り下げると、背景に人口増加と産業活動があり、それらが密接に関わり合っています。 水の需要が増したのは、産業革命によって工業化が急速に進んだ18世紀半ばから19世紀にかけて。人口が集中する都市が各地に生まれ、世界中で水が求められるようになりました。日本は世界の中で最も早く少子高齢化に直面し、すでに人口減少の局面に入っていますが、世界では人口が増え続けています。 人口の増加は、水を汚染します。生活排水の他、工場など産業活動に伴う水の汚染は公害問題を引き起こしました。私たちが生きることと水を汚染すること、それらは決して切り離すことのできない関係性にあります。 干ばつや熱波、洪水といった気候変動が2050年までに世界農業にもたらす経済的損失は、16%に上るという試算もあります。
食品原料高の背景に「水不足」。世界の穀倉地帯で表面化するリスク
2022.04.27

映画で学ぶ食の課題、おすすめドキュメンタリー3選

食の未来を考える機運が高まる中、大阪や名古屋、九州など各地で「オーガニック映画祭」が開催されているのをご存知でしょうか? 例えば「なごや国際オーガニック映画祭」は、有機農業の意義を伝え、より多くの人に関心を持ってもらうことを目的に活動しています。有機農業に関わる有志により、2011年に実行委員会が設立されました。以来、2012年2月、2014年2月、2016年4月に計3回の映画祭が開催され、多くの人に食の未来を考えるきっかけを提供してきました。 食の安全・安心への関心は年々高まっており、こうした映画の与える影響は大きいです。そこで今回は、映画祭などで話題になったものを中心に、食の未来を考えるためには必見のドキュメンタリー映画3本をご紹介します。   1.未来の食卓 南フランスの小さな村で実際に起こった1年間の物語をつづっています。子どもの未来を守るために「学校の給食と高齢者の宅配給食をオーガニックにする」という村長の提案に挑戦!最初は戸惑っていた村民たちでしたが、子どもの味覚から始まって、小さな村が少しずつ変化していきます。この映画の公開後、フランスでは一大オーガニックブームが起き、多くの人が自身の食生活を見直すようになったと言われています。   2.フードインク 食品業界の裏側に潜入し、食の安全について疑問を投げ掛ける米国のドキュメンタリーです。サブタイトルは「ごはんがあぶない」。値段は高いけれど安全でおいしいオーガニック食品と、スーパーに並んでいる安価な食材を比較し、その価格差の背景にあるさまざまな状況を明らかにします。大規模工場で飼育される食肉産業の実態や、飛行機で大量に農薬を散布する様子なども映し出されています。「第82回アカデミー賞長編ドキュメンタリー部門」にノミネートされ、米国では映画公開後に大反響を巻き起こした映画です。   3.ありあまるごちそう 世界で生産されている食料は120億人分あるにもかかわらず、飢餓に苦しんでいる人は10億人もいると言われています。この「食の不均衡」をテーマにしたオーストリアの映画です。大量のパンが毎日捨てられているウィーンと、小麦を輸出していながら2億人もの人が食料に飢えているインド。食品を扱う世界最大級の企業や、漁師・農家・家畜業者といった生産者へのインタビューを通して、飢餓が生まれるメカニズムをまとめています。   食の未来に向けて、私たちは何をすればいいのか。そのことを考えるきっかけとして、まずは映画を鑑賞してみては?
映画で学ぶ食の課題、おすすめドキュメンタリー3選
2022.04.13

安全で美味!アメリカ発祥の〝Farm to table(ファーム・トゥー・テーブル)〟とは

〝Farm to table〟という言葉を聞いたことはありますか?アメリカで生まれた食に対する考え方で、農場(生産者)から食卓(消費者)まで安全で新鮮な食材を届けるというものです。レストランなどでは少し前から話題を集めており、「地産地消」や「サステナブル(持続可能)」な食のあり方にもつながるものです。では具体的にどんなものなのか、その実践例を見ていきましょう! まずご紹介するのは、温暖な気候に恵まれたアメリカのカルフォルニア州にあるレストラン「Central Market」。こちらのオーナーシェフのトニーさんは、自宅を農場の敷地内に建設し、そこで野菜や家畜を育てています。大切にしているのは、野菜などは遺伝子組み換えをしていない種を厳選し、家畜の飼料にはオーガニックのものを使い、安心安全な食材をつくるということ。レストランで使用するソーセージやサラミは、自身の農場で育った家畜の肉を使い手作りするなど、細かい部分にまで気を配っています。 農場とレストランが近いということは「安心安全で美味しい食材が提供できる」だけでなく、「環境にやさしい」というメリットもあります。例えば、食材を箱詰めするための容器や包装紙は不要になりますし、運搬することで発生する温室効果ガスの削減にもつながります。 もともとトニーさんは、ニューヨークやサンフランシスコで活躍していたシェフでした。都会で仕事をする中で「オーガニックの畑があり、その近くでレストランを開きたい」という想いを長年抱いていたのだそう。その想いに当てはまる場所を探していたところ、ちょうどよいタイミングで見つかったのが、今の場所というわけです。 いろいろなこだわりが詰まっているということもあり、このレストランで提供される食材は安心して食べられる新鮮なものばかりで、もちろん料理が美味しい!夕方のオープン時間になると、地元の客が次々に店内に入り始めて、トニーさんと親しげに会話を始めるのだとか。こうしたレストランの在り方から、地元の人たちにとても愛されている存在になっています。 この〝Farm to table〟の考え方は、日本にも広がりつつあります。次にご紹介するのは、東京のレストラン「navarre Tokyo」。オレゴン州ポートランドで人気を集めるレストランが、日本に出店したものです。有機農業を実践している農家から食材を仕入れ、その日ごとに変化する「スペシャル」として、料理が提供されています。現地のスタイルのように、週末限定でブランチも食べられるのだとか。ポートランドにも通じる「ゆったりとした空気」を楽しみながら、オリジナルの料理を味わってみてはいかがでしょうか。
安全で美味!アメリカ発祥の〝Farm to table(ファーム・トゥー・テーブル)〟とは
2022.01.19

黒米の栄養と使い方|滋養強壮やアンチエイジングにも!

黒米とは 昨今の雑穀ブームともに、人気が高まっている黒米。別名「古代米」と呼ばれることもあり、日本のお米のルーツともされています。では黒米には、どんな栄養があるのでしょうか。今回の記事では黒米の栄養や効能とともに、簡単な使い方を紹介します。 黒米といえばツヤのある黒色が特徴ですが、こればポリフェノールの一種「アントシアニン」によるもの。アントシアニンは、ブルーベリーやブドウ、黒豆などに含まれる成分としてよく知られています。肝機能をサポートする働きのほか、疲れ目の緩和や動脈硬化の予防などに効果が期待できるといわれています。 黒米は玄米であるため、たんぱく質やビタミンB1・ビタミンEなどの類、亜鉛、カルシウム、食物繊維なども豊富に含まれています。体内では作ることのできない必須アミノ酸も含有しています。 中国では古くから黒米の効果が知られており、薬膳料理としても使われてきました。世界三大美女といわれる「楊貴妃」が黒米を好んで食べていたともいわれています。また、中国だけでなく東南アジアの国々でも、料理やおやつなどによく利用されています。黒米の持つ滋養強壮やアンチエイジングの効果は古くから認められ、重宝されてきたといえるでしょう。 簡単!黒米の食べ方とポイント 黒豆を入手したら、まずは「黒米ごはん」を作ってみましょう。白米などいつものお米に黒米を加えて炊くと、紫色に染まったごはんができあがります。分量は、白米1合に対して黒米は大さじ1が目安です。お好みでひとつまみの塩を加えて炊くと、浸透圧の効果により黒色がより濃く出るようになります。 黒米にはいくつかの品種がありますが、もち米種を使うと、モチモチとした食感になります。冷めてもごはんがおいしく食べられるので、おにぎりにしたりお弁当に使ったりするのもおすすめです。 黒米を炊くときのポイントは大きく2つあります。ひとつ目は「しっかりと浸水させる」こと。黒米は玄米なので、浸水時間が短いと硬くて消化しづらくなってしまうためです。理想は2時間程度ですが、時間がないときでも最低1時間は水に浸けるようにしてください。 ふたつ目は「黒米を洗いすぎない」ということ。黒米を必要以上に研ぐと、水と一緒に黒色が流れ出てしまう場合があります。先に白米を研いでおき、その後に黒米をさっと研ぐようにしましょう。ぜひ参考にしてみてくださいね。
黒米の栄養と使い方|滋養強壮やアンチエイジングにも!
2021.12.15

今注目の雑穀の栄養とは。健康のためにどれを選ぶ?

雑穀が注目を集める理由とは? 健康志向の人たちの間で、少し前から人気を集めている雑穀。飲食店やお弁当などでも「雑穀入りのごはんを使用」などの表示をよく見かけるようになりました。「雑穀は何となく体に良さそう」というイメージを持っている人も多いかもしれません。ここでは、雑穀が注目を集める理由とともに、雑穀に含まれる栄養についてお伝えします。 雑穀とは、「主食以外に日本人が利用している穀物の総称」と一般社団法人日本雑穀協会が定義しています。日本の歴史的な書物「古事記」には「五穀(稲、粟、麦、小豆、大豆)」、「日本書紀」には「六穀(粟、ひえ、稲、麦、大豆、小豆)が登場しており、古くから日本人に親しまれてきたことがわかります。 日本人が白米を食べるようになったのは、戦後の高度経済成長期より後とされています。長い歴史のなかで見ると、ごく最近のことといえるでしょう。玄米に比べて白米は食べやすいというメリットがあるものの、栄養が減ってしまっています。こうした背景もあり、栄養豊富な雑穀の価値が見直され、雑穀を白米に混ぜて食べる方法が支持されているのです。 雑穀に含まれる栄養 雑穀と一口にいっても、いろいろな種類があります。スーパーなどでは、数種類の雑穀がブレンドされた商品もよく見かけますが、それぞれにどんな栄養が含まれているのでしょうか。ここでは、代表的な雑穀の栄養について紹介しましょう。 ・黒米…白米に加えて炊くと美しい紫色になる。ポリフェノールの一種「アントシアニン」という成分を含み、薬膳料理にもよく利用される。 ・赤米…古くは野生稲が赤米だったことからお米のルーツともいわれている。赤い色にはポリフェノールが多く含まれている。 ・押し麦…食物繊維やビタミンEを豊富に含み、プチプチとした食感がある。 ・もち麦…水溶性食物繊維「ベータグルカン」が含まれている。モチモチとした独特の食感がある。 ・きび…美しい黄色の小さな粒であり、モチモチとした食感が楽しめる。食物繊維やカルシウム、マグネシウム、鉄などを含有する。 ・粟…米や麦が普及する前は、よく食べられていた穀物のひとつ。ビタミンB1や食物繊維が豊富で、消化がよく、クセが少なくて食べやすい。 雑穀をごはんに混ぜて炊くと、おいしいだけでなく、ミネラルや食物繊維を手軽に摂取できます。その日の気分や体調に合わせて、自分自身で雑穀をブレンドするのもいいかもしれません。雑穀を上手に活用して、健やかに過ごしたいですね。  
今注目の雑穀の栄養とは。健康のためにどれを選ぶ?
2021.08.25

暑い季節にネバネバがおいしい!オクラ大解剖

夏のネバネバとして今やすっかりおなじみのオクラですが、国内での歴史は比較的新しい野菜です。 輪切りにするときれいな星型になり、白いぷつぷつとした種が特徴的なオクラ。今回はそんなオクラを大解剖してみましょう。 <寒さに弱い高温性野菜> オクラは実は外来語です。和名は「アメリカネリ」と言い、幕末頃に導入されました。しかし当時は独特の青臭さや粘りが敬遠され、普及には至らなかったのだそう。 第二次世界大戦後になって、東南アジアから復員した人々の一部が現地で食べ慣れたオクラを栽培し始め、温暖地での夏のハウス活用のための野菜として採用されたことなどもあって、一躍脚光を浴び始めました。戦後の生活としてサラダが流行した時期とも重なり、人気が爆発。全国的に普及したのは1970年代頃で、比較的新しい野菜といえます。 普及以前から食べられていた沖縄や鹿児島では「ネリ」と呼ばれていましたが、「オクラ」として普及したため現在では広く全国では通じないようです。 主要な国内生産地は鹿児島、高知、沖縄など。旬の6月~10月には国産のものが全国のスーパーで販売されます。 オクラは高温性野菜で本来は多年草です。しかし非常に寒さに弱く、霜にあたると枯死してしまうほどなのだとか。そのため日本では一年草として扱われており、冬季にはタイやフィリピンからの輸入が頼りとなっています。 <おいしくて栄養豊富なネバネバ> オクラを刻むとネバネバが出てきます。この粘りはペクチンとムチレージ※が主成分です。 ペクチンは水溶性食物繊維で、コレステロールの吸収抑制作用、血糖値の上昇抑制作用などがあります。 ムチレージは糖とたんぱく質の混合物である多糖類の一種です。粘膜を保護する働きがあり、山芋や納豆にも含まれます。 ペクチン、ムチレージのどちらも整腸作用があり便秘改善の効果が期待できます。暑くて食欲が落ちる時期の夏バテ予防にぴったりで、粘りのあるとろみでのど越し良く食欲が促されますね。 市販品ではあまり心配ありませんが、家庭菜園などで大きくなりすぎると硬く筋張ることがあるので、注意しましょう。全体が濃い緑色で産毛が密に生えているものが良品です。 低温に弱いため保存する際は常温で涼しい場所がおすすめです。冷蔵庫に入れる場合は冷気が直接当たらないようにポリ袋などに入れるようにしましょう。鮮度が落ちると固くなって風味も落ちるので、早めに食べるのが一番。すぐに食べない場合は、下ゆでしてから冷蔵保存するのも便利ですね。 オクラは難しく調理しなくても、刻んで好みの味付けで和えるだけで、色鮮やかで目にも嬉しい副菜になります。油との相性も抜群なので炒めたり揚げたりしても美味しくいただけます。冷凍野菜としてもメジャーなので、常備しておくとあと一品という時に役立ちそうですね。 気になる産毛を塩で板ずりすれば、生食もできます。生のほうが粘りが強いので、ネバネバを楽しみたいときは生のまま細かく刻むのもおすすめです。 ※これまで植物粘液はムチンと呼ばれてきましたが、動物粘液だけをムチンと呼び、植物粘液はムチレージと呼ぶのが正式な呼称です。2019年に研究者より指摘されたということで、ネット上には「ムチン」表記もまだまだあふれていますが、正式には植物粘液は「ムチレージ」となります。
暑い季節にネバネバがおいしい!オクラ大解剖
2021.08.23

パリポリシャキシャキ止まらない夏の浅漬け選手権

暑い季節はどうしても食欲が落ちてしまうもの。しかしこの暑さに対抗するためには、やはりしっかり食べたいですよね。 そんな時におすすめしたいのが、さっぱりとした浅漬けです。旬の夏野菜をおいしく、たくさん食べられます。 <微妙な塩分の違いで食感が決まる> 漬物というと塩分過多が気になってしまうかもしれませんが、薄塩で浅漬けにすれば塩分を気にしすぎることなくサラダ感覚でたくさん食べられます。 野菜は生のままだとカタチがしっかりしているものが多くなっています。単に刻んでサラダにして食べようとすると、驚くほどの量になってしまった経験はありませんか。 そんなときこそ、浅漬けの出番です。 シャキシャキとした生野菜の特徴的な食感を楽しみつつ、塩で引き立った甘味や旨味を楽しむならば、野菜の重量の0.5%の塩を振って揉みこみましょう。0.5%の塩分濃度ならば、漬物というよりもサラダに近い感覚です。 これに対して、しんなりとした食感としょっぱさで口の中をさっぱりとさせ、味覚をリフレッシュさせたいならば、野菜の重量の2%の塩を使います。こちらは水分がしっかりと出て随分嵩も減り、漬物らしさが前面に出てきます。 間の1%濃度の塩分ならば、食感も塩味もちょうど中間くらいになります。 何度か作ってみて自分好みの塩分濃度を把握した上で、その日のメニューや事情に合わせて塩分を調整しましょう。思い立って15分で食べられるのが浅漬けの強みでもあります。 <野菜により漬かりやすさが異なる> きゅうりの薄切りとキャベツの細切り、ニンジンスティックでは当然ながら漬かりやすさは異なります。水分が多い野菜は薄めの塩分でもしんなりしやすいですが、ニンジンから水分を出すには少し濃い目の塩分が必要です。 数種類の野菜を混ぜ合わせてミックス浅漬けを作る場合には、それぞれの素材ごとに塩をして、食べる前に混ぜ合わせると良いでしょう。一手間かけることで、よりおいしいく味わうことができます。   浅漬けの基本はなんといっても塩ですが、ここに旨味や風味を加えることでアレンジは自由自在です。シンプルな塩味も良し、しょうゆベース、甘酢ベース、中華風もおいしいですよ。鷹の爪を入れてピリ辛にするのも夏の食欲を刺激するのにぴったりですし、0.5%の塩分濃度のものならば、ドレッシングを控えめにかけても良いでしょう。 浅漬けのもとがなくても、塩と台所にある好みの調味料でおいしい浅漬けは作れます。最近ではスーパーでもこだわった塩が揃っていますので、塩にこだわってみるのも面白そうです。 なお、自家製浅漬けは2~3日で食べきるようにしましょう。塩分が薄いものはサラダに準じた扱いで、塩分がしっかりめでも市販の漬物のように保存料などを使いませんので、早めに食べきるのが肝心です。
パリポリシャキシャキ止まらない夏の浅漬け選手権
2021.06.09

有機農業の未来とは?農林水産省の発表「農地の25%まで拡大」の概要を説明!

農林水産省が発表した、有機農業の新戦略案 2021年3月5日、農林水産省が発表した有機農業の新戦略案が話題になっています。その内容とは「2050年までに、有機農業の農地を100万ヘクタールまで拡大する」というもの。面積だけを聞いてもピンと来ない方も多いかもしれませんが、この数字は国内の農地の約25%にあたります。 ちなみに2018年時点では、有機農業の農地は2万3700ヘクタール程度であり、国内の農地の約0.5%にとどまっています。つまり、今回の新戦略は、2050年までに40倍以上に増やすという目標です。 この新戦略と並行して、2050年までに農薬の使用率を5割、化学肥料の使用率を3割減らすことも目指しています。それに伴い、農業従事者のフォローアップや、病気などに強い品種の開発、AIを活用した技術力アップにも力を注ぐ予定です。 こうした一連の技術開発に関しては、補助金による支援も検討されています。この他、有機農産物を取り扱う食品会社などへの税制面での優遇など、関連法律の整備や税制改正なども2022年度を目途に進める予定です。 有機農業の拡大を進める背景とは 有機農業の定義は「有機農業の推進に関する法律」により定められています。この法律によれば、有機農業とは「化学的に合成された肥料及び農薬を使用しない」「遺伝子組み換え技術を利用しない」「農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減する」ものとされています。 有機農業は、化学肥料や農薬を使用する従来の農業に比べて、環境への負荷が少ないことが分かっています。例えば、温室効果ガスの排出量を減らし、地域の自然環境を守ることにもつながります。今回の新戦略は、国内外での環境意識の高まりに応じたものとも言えそうです。 また、新戦略の背景には、米国やEUなどを中心に世界中での有機農産物の需要が高まりも関係しています。日本においても、有機農産物やその加工食品の生産量を増やすことで、農産物の輸出を強化することができるでしょう。 具体的な進め方など政策については、農林水産省で検討を行い、2021年5月頃に決定されるとのこと。今後もその動向に注目していきたいですね!
有機農業の未来とは?農林水産省の発表「農地の25%まで拡大」の概要を説明!
2021.03.25

農業×ITの現状や目的とは?ドローンを利用した米作りなど具体例も

「スマート農業」の定義・目的とは? 高齢化が進み人手不足が叫ばれる農業において、IT技術を活用した取り組みが進んでいます。農林水産省では、「ロボット技術やICT等の先端技術を活用し、超省力化や高品質生産等を可能にする新たな農業」のことを「スマート農業」と定義しています。スマート農業は、他の国々では「スマートアグリ」「スマートアグリカルチャー」「アグテック」「アグリテック」などとも呼ばれ、すでにさまざまな取り組みが行われています。 IT技術の進化や普及によって、社会全体が便利で効率的なものへと変化する一方で、従来の農業においてはITやICTの導入が難しいと言われてきました。しかし、少し前から農業分野におけるIT技術の導入が加速度的に進んでいます。 スマート農業の目的は、慢性化しつつある人手不足を補うことだけではありません。これまでは家族間で継承してきた農業技術を、スマート農業を活用することにより、新規就農者へスムーズに伝えていくことができます。 また、スマート農業には、日本の食料自給率を高める目的もあります。人材不足のなかで食料自給率を高めるために、ロボットなどを上手に利用することが求められています。 ドローンを活用したお米ってどんなもの? ドローンやAIを使うことで農薬の使用量を減らして作った安心安全なお米が登場し、注目を集めています。AIなどの利用により、害虫を検知や、作物の生育状況の把握がしやすくなり、消費者や環境にやさしいだけでなく、農家の人たちの手間を省くことにもつながっています。 こうした米作りの方法はいろいろな産地で導入されるようになりつつあります。消費者の側から見れば、お米の品種や、玄米・白米・無洗米といった種類を選べるようにもなってきており、どんどん進化しています。 農業分野におけるIT技術の導入には、やってみなければ分からないような困難や障害も多く、一筋縄ではいかないことも多くあります。しかしながら、農業の人材不足問題を解決し、日本の食料自給率を改善していくために効果的な方法のひとつであることは事実です。 ドローンを活用した米作りなどの事例に学びながら、これからもその進捗をチェックしていきたいですね。
農業×ITの現状や目的とは?ドローンを利用した米作りなど具体例も
2020.05.27

フェアトレードコーヒーが美味しい理由

昨今よく聞かれるようになった「フェアトレードコーヒー」。コーヒー豆の専門店や大手コーヒーチェーンなどでも、その文字を見かけます。もともとフェアトレードとは、一般的に途上国と先進国での貿易などに対して使われる言葉のこと。こうした途上国の弱くなりがちな立場を保護し、先進国と途上国の対等な関係を築くためのものです。逆のことを言えば、輸入食材などがとても安い値段で売られているのを時々見かけますが、その背景には途上国での過酷な労働環境がひそんでいる場合もあるんです! ちなみコーヒーに関しては、世界中にいる約2500万人ものコーヒー生産者のうち約7割が10ヘクタール未満の小規模農園の従事者なのだとか。1990年代の生産量トップのブラジルの霜害の影響により、多くの国が新規参入したことなどにより、需要と供給のバランスが乱れています。その結果、小規模農園の経営は苦しく、過酷な労働を強いられています。そんな状況下においてフェアトレードで取引をすることにより、それまでの取引価格の2倍以上のお金が生産者に渡るようになり、労働や生活の環境が大きく改善されたという報告もあります。 また、コーヒー好きな人のなかでは「フェアトレードコーヒーは美味しい」「美味しいから選んでいる」という声も時々聞きますね!これは、フェアトレードで取引をすることにより、小規模農園でも経営が成り立つようになるため、一般には知られていないコーヒーも商品化することができるためです。 フェアトレードコーヒーが広まるメリットは他にもあります。それは、途上国の現状を知り、消費者の意識を変えていくことにつながるということ。コーヒーに限らず、フェアトレード商品はパッケージなどもデザインに気を配ったものが多いので、自身のスタイルを磨いていきたいという方にもおすすめです! さらに関心のある方は、フェアトレードコーヒーが注目されるきっかけになったとも言われる映画「おいしいコーヒーの真実」を鑑賞してみてはいかがでしょう。フェアトレードコーヒーとは何なのかを、再確認することができますよ!
フェアトレードコーヒーが美味しい理由
2020.05.18

雪国山形県で輸入率99.9%のバナナの国内生産の挑戦が始まった!

バナナほど日本人の食卓になじみ深い果物はないのではないでしょうか。バナナの輸入業者でつくられている、「日本バナナ輸入組合」の調査によると、りんごやみかんやいちごなどの果物をはるかに上回りバナナは15年連続で国内で最も食べられている果物とのことです。 そんな老若男女問わず大人気の果物であるバナナが国内でどれくらい生産されているのか考えてみたことはあるでしょうか。国内に出回っているバナナの実に99,9%がフィリピンやエクアドルからの輸入品になり、国内生産のバナナは全体の0,1%にも満たないのです。 これには明確な理由があります。 バナナは熱帯の東南アジアを原産地とするために高温多湿の気候が望ましく、冬の寒さが厳しい日本列島では栽培には適していないのです。なので、国内でわずかに生産されているバナナはこれまで沖縄や鹿児島などの南部に限られていました。 しかし寒冷地であるはずの雪国山形県でバナナの国内生産が始まったのです。雪深い地域なので最初はバナナの栽培ノウハウが全くなかったのですが、沖縄のバナナ農家さんの丁寧な技術指導を受けながら手探りの状態で栽培が始まりました。バナナは最低でも15℃を保っておかないと成育することはできなません。当然、山形県で外でバナナを栽培することなんて不可能なので、温泉水を利用したビニールハウスを作りバナナが好む高温多湿の環境を作り上げます。 そういった地道な努力がついに実り、2019年に山形県産のバナナ「雪バナナ」の販売がスタートしました。値段は1本350円と輸入品のバナナに比べると高価にはなりますが、こういった過程を聞くと十分納得できる価格帯だと思います。 市場で外国産のものが圧倒的に多い農作物はバナナだけではありません。こういった国産のものを増やそうという取り組みは、レモンなどのほかの作物でも広がりつつあります。食料の安定的な供給につながるこうした動きは今後も広がっていくのかどうか注目していきたいです。
雪国山形県で輸入率99.9%のバナナの国内生産の挑戦が始まった!
2020.03.30

最近よく聞く「ネオニコチド系農薬」ってどんなもの?

「ネオニコチド系農薬」という言葉を、どこかで聞いたことはありますか?ニコチンによく似た「ニコチノイド」を主体として作られた殺虫剤のことで、1990年頃から使われるようになりました。世界でも使用量の多い農薬のひとつで、ネオニコチドと言われる7種類の物質を含む農薬や殺虫剤は、現在いろいろな製品として市場に出回っています。 もともと「ネオニコチド系農薬は人への毒性は低い」「脊椎動物ではなく昆虫に対して強い神経毒性を持つ」ということで2000年頃から使用が拡大されてきました。また、散布された農薬には水に溶けるという性質があり、植物の根から葉の先端まで浸透することから「虫の被害から植物全体を守ることができる」と言われ、農業などの現場では広く使われてきました。 しかし、ネオニコチド系農薬の普及が進むにつれて、世界のいたるところでハチが大量死するようになりました!ハチは植物が受粉する手助けをする役割であるため、ハチが死んでしまうと農業は成り立たなくなってしまいます。因果関係ははっきりと確認できませんでしたが、この事態を受けてヨーロッパ諸国では、2000年代初頭からネオニコチド系農薬の使用を制限するようになりました。代替品として使える農薬が見つからない状態でしたが、「環境やいのちに重大な被害が出る」ことを想定しての対応を取ったのです。 そして今もなお欧米諸国ではネオニコチド系農薬のさまざまな規制が進められていますが、日本ではまだまだ意識が低く、その名前すら知らないという方も少なくありません。むしろネオニコチド系農薬の規制がないばかりか、使用量の規制緩和が進むなど、全く逆の動きすら見られます。 とある研究によれば、ペットボトルのお茶9種類に含まれるネオニコチド系農薬の残留量を調べてみたら、全ての日本茶の茶葉から検出されたそうです。茶葉を収穫する7日前までであれば、ネオニコチド系農薬を7種類まで散布できるとされており、異常気象の際には大量の農薬の使用が予想されます。ネオニコチド系農薬が含まれているかどうかはパッと見ただけで分かるものではないため、消費者としてはとても心配です。 日本ではまだまだ認知度の低いネオニコチド系農薬。一人ひとりが問題の重要性を意識し、その動向を見ていくことが何より大切ですね!
最近よく聞く「ネオニコチド系農薬」ってどんなもの?
2020.01.15

近年増加中の「種なし果物」の安全性とは

最近、「種なし果物」が増えてきましたね。一昔前までは「種があるのが当たり前」と思っていた柿やぶどうなどの果物も、「食べやすさ」などが好評となり、現在は種のない種類が主流になってきているようです。でも、食材の安全に意識の高い方のなかには「種なし果物はどうやって作られるの?」「安全性は?」と気にされている方も多いかもしれません。 例えば、種なしぶどうはどうやって作られるか知っていますか?花が咲いた時に、ぶどうの房ごと「ジベレリン」という植物ホルモンの液体に2回浸しているのだそうです。この液体には、受精をしなくても果実を大きくする効果があります。 この植物ホルモンは、植物がもともと持っているものなので「人体には特に害はない」と言われています。しかし一方で、ジベレリンは天然ホルモンではなく合成ホルモンであり、発がん性や不妊のリスクがあるという説もあるのだとか。 では、味の面ではどうなのでしょう?一般的には、種のないぶどうは味が薄くなる傾向があり、種のあるぶどうの方が甘さや香りが良いとされています。「自然の摂理に従って作られるものの方が美味しい」というのは、当たり前と言えば当たり前の現象かもしれませんね。 また種なしぶどうの場合は、せっかく育てても一代限りで終わってしまい、また始めから育てる必要があるというデメリットも。農家の方にとっては、大変な手間とコストがかかります。 種なし果物の多くは、このように人工的な処置をして作られていますが、なかには自然に種が出来ないものもあります。種がない状態のまま果実が育っていくことを「単為結実」と呼び、温州みかんやパイナップル、バナナなどがそれに当たります。 最後に、興味深い話をもうひとつ。種のある代表的な果物と言えば「スイカ」もそのひとつですね!過去に「種なしスイカ」を育てて販売したところ、見た目の違和感からなのか、ほとんど売れなかったようです。果物の種類によっても「種なし」「種あり」のどちらが好まれるのが違っているようで、人間の感覚というのは不思議なものですね。 スーパーなどで果物を選ぶ時に、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
近年増加中の「種なし果物」の安全性とは
2019.12.25

全国各地でファン増加中!「マルシェ」が人気の理由

「顔が見える食材」と出会いに、マルシェへ行こう! 全国的にもマルシェが大人気ですね!マルシェとは、「マーケット」「市場」という意味のフランス語です。 マルシェと言うと野菜や果物などの生鮮食品が中心のように思う方もあるかもしれませんが、最近ではパンやお弁当などの加工品、アクセサリーや雑貨などのハンドメイド商品、ペット用のグッズなどを販売するお店や、マッサージや占いなどをするお店などもあり、とてもバラエティー豊か! また、開催場所は大きな公園から神社の境内、カフェなどの店先などさまざまです。こうしたマルシェの人気を受けて、エントランス付近の場所を提供する商業施設なども増えてきています。 マルシェに行ったことのある方は口を揃えて「楽しかった!」と言います。では、この人気の理由はどんなところにあるのでしょうか。 1.消費者と生産者の接点ができる 食材の安心安全が盛んに言われるようになり、「ただ安ければいい」というのではなく「より安全なものを」「生産者の顔や作り方が見えるものがいい」という考え方が浸透し始めています。マルシェでは、生産者や作り手自らが出店をする場合が多く、消費者と生産者が直接つながる場となっています。そのため、生産者の想いを直接消費者に届けることができます。また、通常のスーパーなどに並ぶ食材と違って仲介する業者が入らないので、いわゆる「マージン」がかからず、消費者は安く購入できるというメリットもあります。 2.地域活性化や環境への配慮につながる マルシェは、何かのテーマを持って開催されることが多いです。特に地域固有の食材や料理にこだわったものや、「有機食材だけを扱う」「エコバック持参を推奨」など環境を意識したものも多くあります。マルシェの開催を通して、地域の人たちが集い、志を同じくする人たちが話す場ができます。東京など都市部では、全国のご当地グルメを紹介するマルシェもよく開催されています。 3.女性の活躍の場にもなる マルシェの出店者の特徴として、女性が多いことも挙げられます。ホールなどで開催される見本市などに比べて出店料が比較的安い場合も多く、活動し始めたばかりのハンドメイド作家なども参加しやすくなっています。またマルシェによっては、「ママの参加」をテーマにしたものも多くあります。なかには、マルシェへの出店だけを地道に続けて、商品を販売している方もいるのだとか。 私もマルシェが好きでよく行きますが、よい食材に出会えることや、生産者との話もとても楽しいです。広い会場であれば商品を見ながら買い物をするだけで、なかなかの運動量になり体力づくりにもいいかもしれません。週末は、ぜひマルシェに出かけてみてはいかがでしょうか。
全国各地でファン増加中!「マルシェ」が人気の理由
2019.12.09

秋冬がベストシーズン!余った野菜で「干し野菜」をつくろう

これからの時期にうれしい、おいしい、かんたん「干し野菜」 秋になると、少しずつ空気が乾燥し始めます。過ごしやすい時期ではあるものの、肌の乾燥や便秘などにもなりやすく、女性にとっては心配な季節の始まりとも言えます。でも、空気の乾燥はネガティブなことだけではありません! 少し前からブームになっている「干し野菜」をご存知でしょうか。食べきれない野菜などを干したもののことで、「切り干し大根」などはよく知られていますね。この干し野菜づくりのベストシーズンは、秋から冬。空気の乾燥し始める時期だからこそ、失敗なく作れるというわけです。そこで今回は、干し野菜づくりについてお伝えしたいと思います! ではまず、干し野菜づくりにはどんなメリットがあるのでしょうか。 1.素材そのものの旨味や甘味が凝縮する 乾燥により水分が抜けることで、素材そのものの旨味や甘味が各段にアップ。例えば「干し芋」を想像してみましょう。蒸した芋を干すことで、甘味が強くなり、砂糖不使用でもお菓子のように甘くなります。 2.長期間の保存ができ、経済的である 野菜を食べきれずに捨ててしまったことはありませんか。干し野菜は、「食材を無駄なく食べる」という先人の保存食の知恵がベースになっています。野菜などを大量に買い過ぎてしまった時など、干しておくと長い間保存することができます。 続いて、干し野菜の作り方をご紹介しましょう。使う食材は、野菜や果物、キノコ類などです。干し野菜と一口に言っても、干す時間によって大きく2種類に分かれます。 セミドライ 半日から一日程度、水分が残る程度に干したもの。長期保存には向かないが、生の食材と同様に手軽に使用できる。旨味と甘味が凝縮しているので、煮物やスープなどにもよく合う。 フルドライ カラカラに乾燥するまでしっかりと干したもの。水分が飛んでいるので、長期保存できる。水で戻すなど、下準備が必要なものもある。 私も干し野菜が好きでよく作りますが、買い物に行けない時などに干し野菜があると簡単に一品が作れて重宝しています!特に干しキノコは、旨味が強くいい出汁が出るのでおすすめです。 ちなみに干し野菜づくりが盛んな場所として、長野県の鬼無里村という地域があります。周囲を山に囲まれた土地で、野菜などがよく収穫できることから干し野菜づくりが始まったのだとか。珍しい干し野菜も並ぶ農産物直売所があったり、干し野菜を使った料理がいただけるレストランがあったりと、さすがですね!干し野菜に関心のある方は、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
秋冬がベストシーズン!余った野菜で「干し野菜」をつくろう
2019.12.04

パプリカがピーマンより高価な理由

鮮やかさには裏がある? 子供たちは、オリンピックの歌として覚えているかもしれないパプリカ。赤、黄、オレンジなど、使うだけで料理がグッと華やかになるので、おしゃれなカフェやレストランでも使われていることが多いですよね。あまり知られていませんが、紫、茶色、黒のパプリカもあるんです。 まさに「インスタ映え」な食材のパプリカですが、実際にスーパーで値段を見たらなかなか手が伸びなかったって経験、ありませんか?一般的にパプリカ1個でピーマンが5、6個買えちゃう値段なんですよね。だから、レシピに書いてあっても「本当にパプリカじゃなきゃダメだろうか…」と考えてみたり。 では、そもそもどうしてパプリカはピーマンと似ているのに、ここまで値段が違うのはどうしてでしょうか。それは「栽培にかかる手間」が大きく異なるからなんです。もっとシンプルにいうと「パプリカを育てるのはピーマンより難しい」からなんです。 具体的に比較してみましょう。どちらも花を咲かせて実をつけるのは同じです。ところがピーマンが開花から15~20日で収穫できるのに対し、パプリカは40~50日、なんと2か月近くかかります。 日数が大きく変わる理由は「未熟」か「完熟」か。緑のピーマンは植物としては未熟の状態。赤いピーマンを見たことがあるかもしれませんが、あれが完熟したピーマンです。ピーマンの収穫までの期間が短いのは、未熟状態で採れるからなんですね。 一方パプリカは、どの色のパプリカも最初は緑色です。そこからじっくりと色を付けていきます。色ムラにならないように気にかけながら完熟するまで育てるので、ピーマンより日数がかかってしまいます。 さて、栽培日数が長くなると世話をする手間が増えるというのは誰でも想像がつくでしょう。しかし、両者は「一生につける実の数」も違うんです。 ここからは植物の特性の話です。ピーマンやパプリカに限らず、野菜というのは「種」を残そうと実をつけます。実の中に種をつける植物は、その実を完熟させることで動物に食べてもらったり、自らはじけたり割れたりすることで、種を土にまこうとします。つまり植物にとって実を完熟させるというのはとても重要な仕事です。 では、ピーマンのように未熟の状態で実が収穫された場合はどうでしょうか。ピーマンはなかなか完熟した実を残せそうにないので頑張って次々と花を咲かせて実をつけるので、結果的にたくさんのピーマンが採れます。一方パプリカは、ある程度実をつけたら完熟するまで収穫されません。だからピーマンほど多く花を咲かせません。そして、パプリカはつけた実を完熟させるために全体力を注ぎ込みます。(ただし野菜によっては実の数をあえて減らす栽培方法などもあります。) さらに、どちらも温度管理も難しい野菜であるうえに、栽培日数が長くなるほど、病気になりやすく、虫もつきやすくなります。パプリカは、ただでさえ実の数が少ないうえに、完熟まで管理を徹底しないと出荷できません。一度病気になってしまったら、そのシーズンはもう出荷できないのです。とはいえ、ピーマンもしっかり手間をかけないと次々と実をつけてはくれないし病気にもなるので、同じように高い生産技術が求められます。 いかがでしたか?見た目は似ているピーマンとパプリカ。値段の違いの向こう側にある野菜の生い立ちを知ることで、少し親近感を感じられたのではないでしょうか。スーパーやレストランで見かけたら、どちらも生産者のマメな管理と努力のうえにここまでたどり着いたんだなと思いながら、ぜひ味わってみてください。
パプリカがピーマンより高価な理由
2019.11.13

表参道の新スポット。食と農の課題解決に取り組む「imperfect表参道」

「おいしさ」と「たのしさ」と「課題解決」を届けるスーパー。  2019年7月4日(木)、東京都渋谷区の表参道ヒルズに新スポットがオープンしました。その名は「ウェルフード マーケット&カフェ imperfect表参道」。『あなたの「おいしい」を、だれかの「うれしい」に。』をメインテーマとして掲げ、私たち生活者のみならず世界や社会にとってもWell(よい)、という意味が込められた「ウェルフード」を提供しています。  「ウェルフード」とは、世界各地の農家が生産したナッツやスパイス、カカオ、コーヒーなどの原材料にひと手間を加えたimperfectオリジナルの食品のこと。味付きナッツやドライフルーツを散りばめた板チョコレート、たっぷりのクリームとナッツフレークの香ばしさを掛け合わせたシュークリーム(しかもオーダー後にクリームを詰めてくれる)などがあり、中でもアーモンドミルクで作るアイスクリームは、グレーズドナッツのトッピングし放題ということもあって早くも人気を集めています。一方、ドリンクメニューで注目したいのは「ナッツバターコーヒー」。香り豊かなエスプレッソに濃厚なナッツバターを溶かしながらいただく一杯で、ナッツの風味が引き立つ華やかな味わいが楽しめます。イートインメニューだけでなくナッツやチョコレートの量り売り、コーヒー豆の販売も行なっているので手土産にもおすすめ。店内はスタイリッシュながら緑の多い空間で、原材料の産地にちなんだ雑貨やテキスタイルで彩られています。  また、商品を購入した方には紙製のチップが渡され、環境・教育・平等の3つのプロジェクトテーマの中から賛同するもの1つに投票する仕組みになっています。これは同店が世界の食と農の課題解決を目指して行う「Do well by doing good.(いいことをして世界と社会をよくしていこう。)」という活動の一環で、一定の票数を獲得したプロジェクトから順次実行していくとのこと。現在掲げられているプロジェクトテーマは、コートジボワールやブラジルの農家の人々が抱える3つの問題への解決策です。 テーマ1.環境 2万本の苗で森と生き物の命をまもろう! テーマ2.教育 農園の経営を支援してカカオ農家を笑顔に! テーマ3.平等 女性たちの農の学びを支えて平等な社会を!  同店を運営しているのは、飲料から日用雑貨まで幅広い商品の輸出入や製造販売を行なうimperfect株式会社。ブランド名の「imperfect(=不完全な)」には、農産物の生産現場に存在する貧困や搾取などの社会課題を世界の不完全(imperfect)の一つと捉え、たとえ不完全(imperfect)な取り組みだとしても、自分たちで出来ることから少しでも世界と社会をよくしていこう、という想いが込められています。同社が目指すのは、お客様に「おいしさ」と「たのしさ」を提供し、それらを通じて⽣産現場で起きていることを自分ごととして捉えてもらうことで、お客様とともに社会課題の解決に貢献すること。挑戦はまだ始まったばかりですが、これからきっと多くの人を惹きつけ、拡大していく活動になることでしょう。まずは「imperfect表参道」に足を運んでみてはいかがでしょうか。
表参道の新スポット。食と農の課題解決に取り組む「imperfect表参道」

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NEW 2022.11.24

知らないとまずい?!タンパク質危機。20XX年までに肉や魚が足りなくなる?

地球の人口増加や環境問題により、食肉などのタンパク質が不足するのが「タンパク質危機」です。私たちの食卓に影響するかもしれない世界規模での課題であるにもかかわらず、一般にはそれほど広く認知されていません。こちらの記事では、タンパク質危機とはどのような問題かを解説すると共に、タンパク質危機を避けるための4つの選択肢について説明します。タンパク質危機という問題が生じている理由から取りうる対応策までを紹介し、プラントベースフードなどがにわかに注目を浴びている背景をお伝えしていきます。 タンパク質危機(タンパク質クライシス)とは タンパク質危機は、世界人口の急速な増加に由来する問題です。まずはその背景的な事情からみていきましょう。 少子化真っ只中の日本。でも世界の人口は? 日本では、出生率の低下に伴い若年層の人口が減少する「少子化」が急速に進んでいます。そのためあまり実感がわきませんが、一方で世界の人口は増え続けている状況です。国連の調査によれば、世界の人口は現在約80億人であるところ、2030年には約85億人、2050年には約98億人、2100年には約112億人になると推定されています。 2030年までにタンパク源が足りなくなる恐れ 世界規模での人口増加に伴って、近い将来、牛や豚、鶏などの畜産によるタンパク質が不足すると予測されています。この予測は「タンパク質危機」と呼ばれていて、欧米諸国を中心に話題になっています。現状のままだと早ければ2025年から2030年ごろまでに需要と供給のバランスが崩れ始めると言われています。 人間の身体を構成するのは、水分が約60%、タンパク質が約15~20%とされています。つまり、タンパク質は水分を除いて体の重量の約半分を構成する、生きていく上で大切な栄養素です。欧米では「プロテインチャレンジ2040」と題したコンソーシアムが立ち上がり、その中から複数のプロジェクトが始動しています。タンパク質危機をどう乗り越えていくのかは、人類が生きていく上で極めて重要な課題です。 タンパク質危機を避けるための4つの選択肢 タンパク質危機を回避するために、世界中でさまざまな検討が行われています。ここでは、その中から代替肉と培養肉、昆虫食、藻類という4つの選択肢について解説します。 代替肉 代替肉とは、牛肉や豚肉、鶏肉などの動物の肉の代わりに、植物性原料で作られた「肉のような食材」のことです。欧米諸国を中心とした健康への意識の高まりがきっかけで広がったとされていて、別名「プラントベースミート」と呼ばれることもあります。 代替肉の素材として最も有名なものは、大豆が主原料の「大豆ミート」でしょう。有名ハンバーガー店やコーヒーチェーンでも大豆ミートを使ったメニューが登場し、話題になっています。このほか、ひよこ豆、レンズ豆といった豆類も、代替肉の素材として注目されています。最近では、エノキタケを使った新しい代替肉「エノキート」も登場するなど、さまざまな研究・開発が進められています。 培養肉 培養肉は、牛などの動物から取った少量の細胞を、再生医療の技術により体外で増やして作られます。プラントベースの代替肉とは異なり「本物の肉を使った代用品」です。従来の食肉の生産方法と比べて、飼育・繁殖する過程における動物へのストレスや環境への負荷が少ないとされています。こうした特徴から、別名「クリーンミート」と呼ばれることもあります。 培養肉は、2013年にオランダの研究者が培養ミンチ肉を作ったのがその始まりです。日本でも培養肉の研究が進められていて、2019年には世界で初めてサイコロステーキ状の培養肉を作ることに成功しました。大きな肉を作るための技術の開発など乗り越えなくてはならないハードルが多いものの、持続可能な食材という意味で期待が寄せられています。 昆虫食 昆虫食とは、コオロギなどの昆虫を原料にした食品のことです。大豆ミートなどのプラントベースフードは植物性のタンパク質しか得られないのに対して、昆虫食の場合、肉や魚と同様、必須アミノ酸である動物性タンパク質を得ることができます、また、昆虫食は飼育・加工に必要なスペースや資源が最小限で済み、環境負荷が低いというメリットもあります。 日本にも貴重なタンパク源として昆虫を食べる地域の文化が残っていますが、世界で食べられている昆虫は1900種類にも及ぶとされ、アジアやアフリカ、中南米を中心に昆虫を食べる食文化が見られます。昆虫食には食品の安全性や見た目への抵抗感といった課題があるものの、環境負荷の少ないサステナブルな食材として注目を集めています。 藻類 細胞分裂をして増殖する藻類はタンパク質含有量が50~75%であり、新たなタンパク質源としての可能性を持っています。藻類は良質なタンパク質だけでなく、炭水化物や脂質、ビタミン、ミネラルなども豊富に含まれています。現在市場に流通しているのはタンパク質が豊富に含まれるクロレラやスピルリナで、藻類をそのまま乾燥させて粉末状にしたものが主流です。 藻類は栄養価が豊富であるものの、藻類を乾燥した粉末は独特の匂いがあることや、藻類バイオマスの生産コストが肉や大豆に比べて価格が高いことなどから、タンパク質源としてはこれまで積極的に利用されていませんでした。しかし、近い将来に訪れるとされるタンパク質危機を前に、藻類の利活用が見直され始めています。 まとめ 世界の人口増加に伴って、近い将来訪れると言われているタンパク質危機。この記事では、タンパク質危機を回避するために私たちが取りうる選択肢として、代替肉、培養肉、昆虫食、藻類の4つを紹介しました。食品としての安全性や抵抗感、生産コストなど、それぞれに乗り越えるべき障壁はありますが、タンパク質危機を避けるために、世界中でさまざまな研究・開発が行われています。これまでの常識にとらわれない、新しい食の選択肢が求められていると言えそうです。
知らないとまずい?!タンパク質危機。20XX年までに肉や魚が足りなくなる?
NEW 2022.11.22

昆虫食のメリットと注目の背景を深堀り!こんなにも話題になる理由とは?

コオロギなどの昆虫を原料にした食品「昆虫食」。日本にも、貴重なタンパク源として昆虫を食べる地域の文化が残っていますが、多くの人にとってはなじみの薄いものでしょう。しかし今、環境負荷の少ないサステナブルな食料として、世界が昆虫食に注目しています。 一体なぜ、これほどまで昆虫食が話題になるのか。この記事では、昆虫食が期待される背景を解説した上で、栄養価の高さなど注目の理由を解説します。他方で、「本当に安全性に問題はないの?」「昆虫を食べるリスクは」といった疑問や不安の声にもお答えします。 昆虫食が注目を集める背景 無印良品で話題となった「コオロギせんべい」をはじめ、日本では勢いのあるベンチャー企業が、昆虫食ビジネスを盛り上げています。そうした流れに至るまでに、どのような背景があったのでしょう。 増える世界人口、ひっ迫するタンパク源 日本は少子化に直面していますが、世界全体では人口は増加し続けています。このまま行けば、2050年に世界人口は100億人に達すると言われています。 近い将来、牛や豚、鶏などの畜産によるタンパク質が不足する恐れがあると言われています。「タンパク質危機(タンパク質クライシス)」を避けるために、大豆ミートをはじめとしたプラントベースフードの開発が進みました。しかし、植物由来の食べ物からは、植物性のタンパク質しか得られません。そこで、注目されたのが「昆虫食」。なぜなら昆虫は、肉や魚と同様、必須アミノ酸である動物性タンパク質を得ることができるからです。 転機の国連食糧農業機関(FAO)報告 2013年、国際連合食糧農業機関(FAO)が「ある報告書」を発表しました。それは、世界の食糧危機への対策として昆虫食を推奨するというもの。この報告書を契機とし、世界各地で昆虫食の研究・開発が加速しました。昆虫を食べる習慣のなかった欧州でも、2018年、欧州連合(EU)が昆虫を新規の食品として域内で販売することを認めました。 昆虫食を選ぶメリット さぁここから、他にはない昆虫食のメリットを深掘りしていきます。 非常に優れた環境負荷の低さ 狭いスペースで飼育・加工ができる 昆虫は牛や豚、鶏などの家畜よりも狭い場所で飼育できます。コオロギ1キロを生産するのに必要な農地は、鶏肉や豚肉の約3分の1、牛肉なら約13分の1しか必要としません。また、出荷用にパウダーなどに加工する場合でも、小規模な施設で行えます。飼育・加工に場所を取らないということは、それだけ効率的に生産できるということです。 飼育に必要な資源が少ない 昆虫の生産は、家畜に比べて少量の水や飼料で可能です。牛肉を1キロ生産するためにはおよそ8キロのえさを必要とするのに対し、昆虫1キロの生産には約2キロのえさを使うだけで済みます。生産に必要な水についても同様で、コオロギの生産に必要な水は、牛肉の場合の約2500分の1で済んでしまいます。 温室効果ガスの排出量が少ない 牛1頭がげっぷなどで出すメタンガスは1日160リットル以上で、地球温暖化を促進していると言われています。しかし、昆虫の飼育に伴う温室効果ガスの排出量はその10分の1以下。昆虫食は、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの削減にも効果があるというわけです。 丸ごと食べられて、食品ロスにも貢献 昆虫食は食品ロスの削減にも貢献します。牛1頭の可食部はおよそ4割ですが、昆虫はそのほとんどが食べられるので無駄がありません。また昆虫のえさには、残飯など本来なら捨てられてしまうものを利用できます。焼却コストのかかる生ごみの量が減り、一方で、貴重なタンパク質源になるというのですから、昆虫食の利点が際立ちます。 牛や豚に負けない栄養価の高さ それで終わらないのが、昆虫食のすごさです。ガやハチの幼虫の場合、体重の50%がタンパク質と言われています。牛や豚が1〜3%ですから、それに比べると非常に高い含有率です。昆虫は、良質なタンパク質だけでなく、食物繊維や、カルシウム、銅、鉄、亜鉛などのミネラルも豊富に含む上に、脂肪分は少ないという健康に良い食品です。 昆虫食のデメリット 栄養価が高く、環境にも良い昆虫食。その一方で、なじみの薄い昆虫食に対するネガティブな考えも少なくありません。今度は、考えられる昆虫食のデメリットを見ていきましょう。 安全面でのリスクは? 専門家の助言なしに、自然採集した虫を食べるのは、危険を伴う行為です。なぜなら、野生の昆虫には、毒を持つものや、寄生虫や病原菌を媒介するものもいるからです。一方で、管理された環境下で生産されたものは、昆虫とはいえ、他の食材と同様に安全です。 安心を担保する「コオロギ生産ガイドライン」 消費者により安心してもらえる環境を整えようと、2022年8月、民間団体が「コオロギ生産ガイドライン」をまとめました。研究機関や企業などでつくる「昆虫ビジネス研究開発プラットフォーム(iBPF)」が、コオロギの生産過程の衛生管理を中心に行動指針を決めました。公的なルール整備がない中で、民間主導で一定のルールを示すことで信頼性を高め、昆虫食のさらなる普及につながることを期待しています。 アレルギーリスクについて 昆虫食は、食物アレルギーを持つ人には注意が必要です。昆虫には、エビやカニなど同様の甲殻類アレルギーの原因となる「トロポミオシン」という成分が含まれているからです。昆虫に限らずすべての食材に言えることですが、これまで口にしたことのない食材を食べる時には、これまでアレルギーの自覚症状がなかった人でも、慎重を期すようにしましょう。 見た目への抵抗感 多くの人にとって、昆虫を食べることに対して、心理的なハードルがあります。初めて口にするものに対して拒絶反応が出るのは、動物的な本能として当たり前のことです。もしかしたら、これが昆虫食にとっての最大の問題かもしれません。日本でも昆虫食品の開発は大変盛んで、さまざまな商品ラインナップがあります。まずは、昆虫の姿を連想しづらいパウダー入りの菓子やパンなどから試してみるのがいいかもしれません。 そして、「まずいものをわざわざ食べたくない」というのが、大半の人の率直な気持ちだと思います。実際のところ、昆虫の味は実に多種多様で、思いきって食べてみると、おいしく感じるものもたくさんあります。バッタはエビやカニに似た食感、タガメは洋ナシや青リンゴのようなフルーティな香りだとか。セミに至っては、幼虫だとナッツのようなクリーミーな風味で、成虫になるとエビのような風味が楽しめます。 昆虫食とは 1900種類の食べられる昆虫 世界で食べられている昆虫は1900種類にも及ぶとされ、アジアやアフリカ、中南米を中心に昆虫を食べる食文化が見られます。昆虫学者である三橋淳氏の書いた『虫を食べる人びと』(平凡社ライブラリー)によれば、世界ではハチやイナゴに加えて、カブトムシ、カミキリムシなども食べられているそうです。 世界の昆虫食  タイ 昆虫食が住民生活に浸透しているタイでは、スーパーマーケットの食材コーナーに昆虫のサナギや幼虫が並んでいたり、昆虫の佃煮を売る屋台を目にしたりすることも珍しくありません。特に人気があるのはコオロギで、盛んに養殖されています。最近では、コオロギのスナック菓子やコオロギパウダー、コオロギオイルなど、コオロギを原材料にしたさまざまな加工食品が登場しています。特にコオロギパウダーは輸出用としての需要が高く、国もその動きを後押ししています。 ケニア アフリカ東部のケニアで最もよく食べられている虫は、シロアリです。日本でシロアリと言えば、住宅の床下で暮らすアリ(職蟻)を意味することが多いですが、現地で食べられているのは別の種類のアリ(羽蟻)です。このシロアリを使った「クンビクンビ(kumbikumbi)」という伝統料理があり、栄養失調を改善する効果があると言われています。実際、シロアリには、良質な動物性たんぱく質や脂質のほか、カルシウム、鉄分、アミノ酸などが豊富に含まれています。ケニアのシロアリはインターネット通販などでも販売されています。 日本の昆虫食 長野県に根付く昆虫食文化 日本で昆虫食文化が盛んな地域といえば、長野県です。信州でよく食べられている昆虫といえば、ハチノコやイナゴ、カイコ、ザザムシがあります。これら4種類を総称して「信州四大珍味」と呼ばれているそうです。 ハチノコはスズメバチの幼虫やさなぎ、イナゴは稲作の害虫とされるバッタのことです。長野県はかつて養蚕が盛んで、カイコは生糸の生産のために飼育されていた虫です。ザザムシは水生昆虫で、ヒゲナガカワトビケラなどの幼虫のことを指し、主に天竜川で採集できます。長野県の伊那谷地域で食べられていますが、世界的には食べる習慣がほとんどありません。イナゴやカイコは、稲作や養蚕を営む過程で副産物として発生するもので、昆虫食は、自然と共生する地域の暮らしに深く結びついていたのでしょう。 まとめ 昆虫食のメリットとデメリットを押さえてきましたが、環境負荷が低くて栄養価も高いという特徴を踏まえると、昆虫食がこれだけ話題になっていることもうなずけると思います。昆虫を食べるという行為に対して抵抗感はあるかもしれませんが、以前は「生で魚を食べるなんてありえない」と言っていた欧米人が、「Sushi(寿司)」を高級料理としてもてはやしているのを見ると、さほど大きな問題でないようにも思えます。先入観だけで昆虫食という選択肢を排除せず、機会があったらぜひともチャレンジしてみてください。
昆虫食のメリットと注目の背景を深堀り!こんなにも話題になる理由とは?
NEW 2022.11.17

代替肉とはどんな肉?大豆やきのこなど、原材料別に特徴を解説

世界中で「代替肉」のブームが到来しています。代替肉とは、その名前の示す通り、牛肉や豚肉、鶏肉などの動物の肉の代わりに、植物性原料で作られた「まるで肉のような食材」のことです。 では実際に、代替肉はどのような素材から作られ、どのように利用されているのでしょうか。この記事では、代替肉の定義を確認した上で、代替肉の原材料や原材料別の使用例について解説します。この記事を読むことで、代替肉の全体像を把握し、代替肉は具体的にどのようなものであるかを理解していただけます。 プラントベースミートと呼ばれることも 代替肉は、欧米諸国を中心とした健康への意識の高まりがきっかけで広がったとされています。代替肉は地球が抱える環境問題の解決や世界の人口増加に対する食料不足への対策、食の多様性への対応という側面においても大きな意味を持つと言われています。 代替肉の素材として最も有名なものは、大豆が主原料の「大豆ミート」でしょう。このほか、ひよこ豆、レンズ豆といった豆類も、代替肉の素材として注目されています。最近では、エノキタケを使った新しい代替肉「エノキート」も登場しました。いずれも「植物由来の肉」であることから、英語ではプラントベースミートと呼ばれています。 フェイクミート、オルタナティブミートとはどう違う? 代替肉はプラントベースミート以外に、フェイク(偽物の)ミートやオルタナティブ(代替の)ミートと訳されることもあります。呼び方はそれぞれ異なるものの、いずれも動物の肉に見た目や風味を似せた、植物性原料から作られた食材を意味しています。代替肉のどのような特徴を強調したいのかによって、フェイクミートやオルタナティブミート、プラントベースミートという言葉が使い分けされているようです。 大豆ミート:代替肉の定番でバリエーション豊富 大豆ミートとは 大豆ミートは、その名前の通り大豆で作られた代替肉のことです。ソイミートや大豆肉と呼ばれることもあります。大豆は別名「畑の肉」と呼ばれるほど栄養が豊富で、良質なタンパク質をはじめ、ビタミンやミネラルも多く含有しています。 大豆ミートは代替肉の定番であり商品の数も多く、最近はスーパーマーケットやコンビニエンスストアで見かける機会も増えました。 大豆ミートは水やお湯などで戻してから利用する「乾燥タイプ」が主流ですが、すぐに使える「レトルトタイプ」や「冷凍タイプ」もあります。また、形状は主に「ミンチタイプ」「フィレタイプ」「ブロックタイプ」という3種類で、用途に応じて使い分けできます。 あの有名ハンバーガー店やコーヒーチェーンでも 大豆ミートの需要の高まりを受けて、大豆ミートをメニューに導入する飲食店も増えています。大手ハンバーガーチェーン「モスバーガー」では「ソイパティシリーズ」と題して、大豆ミートを使ったハンバーガーのラインアップが登場しています。 また、大手コーヒーチェーン「スターバックス」はサマーシーズン第2弾として“Yori Dori Midori”をテーマにして、プラントベースという選択肢を提案。新しく加わったメニューのひとつ「スピナッチコーン&ソイパティ イングリッシュマフィン」では、肉の代わりに大豆を使ったソイパティを使用しています。 ひよこ豆の代替肉:味のクセが少なく使いやすい ひよこ豆とは ひよこ豆は大豆と同じくらいの大きさの丸い豆です。アジア西部が原産で、インドや欧米諸国、中近東などでは一般的によく流通しています。タンパク質が多く食物繊維が豊富で脂肪分が少ないことから、少し前から食肉に代わるヘルシーな食材として話題を集めています。 ひよこ豆は日本では馴染みの薄い豆ですが、味にクセが少ないため食べやすいのが特徴です。乾燥した状態の豆は水で戻して煮る必要がありますが、水煮されたレトルトタイプを使えば、手軽に利用できます。 使用例:カレーや揚げ物、おやつにも ひよこ豆の生産量はインドが世界一で、ベジタリアンの多いインドではカレーの具材に使われることも多く、日常的に食べられています。インドでは、ひよこ豆の外側の皮を取り除いて割った豆を「ダール」と呼び、カレーにもよく利用されています。また、ひよこ豆を粉末にした「ベサン粉」は、インド風天ぷら「パコラ」をはじめ、おやつや軽食にも用いられています。 この他にひよこ豆を使った料理としては、ひよこ豆のペースト「フムス」やひよこ豆のコロッケ「ファラフェル」も有名です。 レンズ豆の代替肉:ひき肉代わりとして使える レンズ豆とは レンズ豆は、レンズのように平たい形状をしています。レンズ豆には緑色やオレンジ色、褐色などさまざまな色があり、3~6ミリ程度と非常に小さいことも特徴です。日本ではあまり知られていない豆ですが、欧州などでは日常的に利用されていて、特にヴィーガンやベジタリアンの人たちに親しまれています。 レンズ豆は「世界五大健康食品」の一つに数えられていて、ビタミンB群やタンパク質、鉄分、食物繊維を多く含有しています。特に、皮付きの茶色のレンズ豆には100グラム中に9.4ミリグラムの鉄分が含まれていて、これは大豆の含有量よりも多いと言われています。 使用例:カレーや煮込み料理、サラダに レンズ豆はインドやネパールではカレーの具材として、イタリアやフランスなどの国では煮込み料理やサラダなどによく使われています。代替肉としての使い方として、レンズ豆は粒が小さいので、ひき肉のような感覚で利用することができます。例えば、ハンバーグを作る際にレンズ豆で代用する方法があります。 レンズ豆には特有の匂いがあるので、気になる場合は、スパイスを加えたり濃い味付けをしたりするのがおすすめです。レンズ豆は水を吸収しやすいため、あらかじめ水で戻す必要がなく、料理にそのまま使うことができるのも魅力です。 エノキート:キノコの旨味でおいしさ追求 エノキートとは エノキートとは、エノキタケとミートを組み合わせた名前です。エノキートはエノキタケを主原料として作られた代替肉で、農業法人である株式会社小池えのき(以下、小池えのき)によって開発されました。小池えのきの本社がある長野県中野市は、日本最大のきのこの生産地として知られ、エノキタケの生産量は全国の約4割を占めます。地元の食材を使った、新しいタイプの代替肉として注目を集めています。 エノキートには、発芽大豆から作られた大豆ミート「ミラクルミート(DAIZ)」を使用しています。ミラクルミートには、大豆独特のくさみがほとんどありません。ミラクルミートにはうまみ成分「グルタミン酸」が含まれていて、エノキタケのグアニル酸を組み合わせることでうまみが格段にアップし、動物の肉に劣らない独特のうまみが実現できます。 使用例:ハンバーグ エノキートを使った代表的な料理は、ハンバーグです。原材料は、エノキタケとタマネギ、大豆ミート、パン粉、調味料。原材料の半分以上が、エノキタケとタマネギです。5ミリ程度のみじん切りにしたエノキタケを使用することで、肉によく似た食感が生まれます。エノキタケは加熱すると独特のぬめりが出るため、つなぎの代わりになるという点からハンバーグに使うのに適しています。 エノキートのハンバーグは合いびき肉を使った通常のものに比べて、脂質やカロリーが少なく食物繊維が多いとされています。大豆ミートを使用しているため、タンパク質の量は通常のハンバーグとほとんど変わりません。ヘルシーでありながらタンパク質がしっかり摂取できるので、ベジタリアンやヴィーガンの人たちだけでなく、健康への意識が高い人にも支持されています。 まとめ 世界中で需要が高まっている、代替肉。代替肉と一口に言ってもその種類は多く、今回紹介した4種類以外にもさまざまなタイプがあります。 代替肉には私たちの健康維持や地球の環境保全につながるメリットがある一方で、原材料の調達や製造プロセス次第では、環境に負荷を与える可能性もあると言われています。今後、こうしたデメリットにどのように対応していくのかが課題でしょう。代替肉の分野は成長過程にあり、これからの展開に注目したいです。
代替肉とはどんな肉?大豆やきのこなど、原材料別に特徴を解説
NEW 2022.11.16

AI搭載のゴミ箱で分別。環境大国オーストラリアが行くリサイクル最前線

ゴミとして捨てられるプラスチックの多くが、適切に分別されないことにより、再利用の道が閉ざされているという嘆かわしい現実があります。この問題を高度なIT(情報技術)で乗り越えようと、オーストラリアの研究チームが動きました。飲料容器の分別を自動的に行うことができる「スマートビン技術」を搭載した画期的なゴミ箱を開発しました。 ITでゴミを自動分別、リサイクル率を向上 ​​オーストラリア最大の都市・シドニーがあるニューサウスウェールズ州では、年間80万トン出るプラスチックゴミのうち、リサイクルされているのはわずか10%だそう。これは、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)の調べで分かりました。 プラスチックのリサイクルのプロセスは非常に複雑です。適切に分別がされないと、こうした事態に陥ります。リサイクルできない廃棄物の一部が焼却場行きとなれば、その分温室効果ガスの排出量が増えます。これらがきちんとリサイクルに回れば、地球温暖化にも大いに貢献するでしょう。 問題解決に向けて、シドニー工科大学(UTS)の共同研究チームは、ゴミの中から自動的に飲料容器を選り分ける機能を搭載したゴミ箱を開発しました。その名は「スマートビン技術」。これにより、最も多い廃棄物のひとつである飲料容器のリサイクル率を向上させることができます。 人工知能(AI)、ロボット工学、画像の認識技術などを組み合わせた先端テクノロジーが搭載されたこのゴミ箱は、ガラスや金属、プラスチックなど素材別に仕分けしてくれます。さらに、ペットボトルの素材となるポリエチレンテレフタレート(PET)や、シャンプーボトルに使われる高密度ポリエチレン(HDPE)など、プラスチックをさらに細かい種類別に分けることができます。 方法としては、まずゴミをカメラで撮影し、AIアルゴリズムを実行して、膨大なデータを処理・分析することにより分類します。そしてIoT(モノのインターネット)を含む最新のロボット技術により、重さや物質、素材を感知してゴミを分別するという仕組みです。 スマートビン技術の社会実装の日は近い 今後、あらゆる地域でスマートビン技術搭載のゴミ箱が利用されるようになれば、プラスチックゴミのリサイクル率は飛躍的に向上し、業者による回収作業もより素早く正確になります。研究チームは、このゴミ箱を管理するシステムの開発を進めています。システムが実用化されれば、ゴミ箱の所有者が、ゴミ箱の充填具合などの状態を遠隔で監視、点検できるようになります。ゴミ箱が満杯になった時、ゴミ箱を空にする必要があることを知らせる通知が表示されるという仕組みです。また、地域の人々にとっては、自分がどれだけリサイクル活動に貢献しているかがアプリに記録され、そのことを通知として受け取ることができます。 この実証実験は、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)の研究プログラムの一環として行われています。同機構は2030年までに、オーストラリアで排出されるプラスチック廃棄物を80%削減することを目指しています。スマートビン技術はまだ試作段階ですが、いずれはショッピングセンター、学校、映画館、カフェ、企業、空港などにスマートビン技術搭載のゴミ箱が設置される予定です。
AI搭載のゴミ箱で分別。環境大国オーストラリアが行くリサイクル最前線