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“酒類” タグの記事一覧

2022.11.09

ウイスキーが温暖化を左右する?世界が見習うべきスコッチ業界の誠実さ

泥状の炭が積み重なる湿地帯のことを「泥炭地(でいたんち)」と呼びます。膨大な二酸化炭素を土壌に固定している泥炭地の保全は、地球温暖化対策にとって欠かせない重要な問題です。そこから採取される泥炭(ピート)は、​​伝統的なスコッチウイスキーの製造過程に欠かせない材料の一つでもあります。今、多くのスコッチウイスキー生産者が泥炭地の保全に貢献するため、カーボンニュートラルなウイスキー生産に取り組んでいます。 ピートは使わない、伝統を超える挑戦 ​​スコットランドで何百年も前から蒸溜されてきた「モルトウイスキー」は、原料の麦芽を乾燥させる際にピートをたくことで、芳醇なスモーキーフレーバーを醸します。高熱にさらすと不活性化する麦芽の糖化酵素ですが、ピートはこの酵素の働きを損なわせることなく適度な火力を保つため、伝統的にウイスキー造りの燃料として重宝してきました。 ピートを掘り出す泥炭地は、分解途中の植物が非常に長い時間をかけて堆積して形成されたもので、二酸化炭素の吸収源としてはもちろん、多様な動植物の生息地として貴重な役割を担っています。ウイスキー造りのためにこの貴重な資源を消費すれば、地球に炭素を放出させ、泥炭地の多様な生態系にも影響を及ぼすことになります。 この泥炭地を守るため、ピートを使わない持続可能なウイスキー造りに取り組むウイスキー生産者が増えています。スコットランドで最も古い蒸留所の一つである「フェッターケアン」では、地元のオーク材を使ったたるで熟成するという方法で、ピートを使わずとも香りを損なわない製造方法を試みています。依然としてピートの独特でスモーキーな風味を愛する根強いファンがいるものの、近年はウイスキー愛飲家たちの嗜好が多様化し、ピートを完全に排除したウイスキーが受け入れられやすくなっています。 2050年を見据えたスコッチ業界の選択 ​​スコットランド西海岸で2017年に設立された「ノックニーアン蒸留所」も、ピートを使わない持続可能なウイスキー生産に挑んでいます。創業者の女性、アナベル・トーマスは、スコッチウイスキーの価値観を根本から変えようと、自然に調和したウイスキー造りを明確に打ち出しています。 ノックニーアン蒸留所は、ピートを完全に使わないという選択を始めとし、バイオマス発電を主とした蒸留所の設計など、あらゆる環境に配慮した取り組みに徹し、イギリスの蒸留所として初めてカーボンゼロ認証を獲得しました。 こうした流れの中、2021年にスコットランド・グラスゴーで開催されたCOP26(気候変動枠組条約締約国会議)でも、泥炭地の保全が議題に上がりました。スコッチウイスキー生産量の95%以上を占めるスコッチ・ウイスキー協会(SWA)は、スコットランドの泥炭地を積極的に保全し、2035年までに回復させることを約束しています。SWAでは2009年以降、温室効果ガスの排出量を34%削減。イギリス政府は2050年のカーボンニュートラル達成を掲げていますが、SWAは10年前倒しで目標達成することを目指しています。 スコッチウイスキー業界の誠実な姿勢が、世界中のファンを魅了し続ける、一つの要因になっているのでしょう。
ウイスキーが温暖化を左右する?世界が見習うべきスコッチ業界の誠実さ
2022.04.06

お酒が好きな人必見!しめじにはオルニチンが豊富

しめじにはオルニチンが豊富 二日酔いの予防などにも効果的とされるオルニチン。オルニチンといえば、シジミに豊富に含まれていることで知られています。「お酒を飲んだ翌朝はシジミの味噌汁を飲むようにしている」という人もいるかもしれません。 しかし昨今、しめじにはシジミよりもオルニチンが多く含まれているといわれ、注目を集めていることをご存知でしょうか。今回の記事ではオルニチンの働きとともに、しめじの栄養と簡単な食べ方について紹介したいと思います。 オルニチンは、肝臓を助ける働きを持つアミノ酸であり、疲労回復や二日酔いの予防などに効果が期待できるとされています。脂肪を燃焼させる働きも期待されており、別名「燃焼系アミノ酸」と呼ばれることもあります。 オルニチンの含有量はシジミ100gにつき10~15㎎であるのに対して、ぶなしめじ100gにつき140㎎、ブナピー100gにつき110㎎(参照:ホクト株式会社による発表データによる)といわれています。ひらたけやマイタケ、えりんぎなどにもオルニチンは含まれていますが、ぶなしめじやブナピーの含有量はずば抜けて多いのが特徴です。 しめじの栄養と簡単な食べ方 しめじに含まれる栄養は、オルニチンのほかに、主なものとしてビタミンB1やB2、ビタミンD、ナイアシン、食物繊維などがあります。スーパーなどでは一年中出回っており、価格の変動も少ないため、気軽に購入できる食材のひとつといえるでしょう。 しめじはみそ汁などの汁ものや炒めものなどいろいろな料理に使用できます。しめじをたっぷりと食べたいときは、少量の水を加えて数分間蒸してポン酢などで食べる方法がおすすめです。加熱することでカサが減り、あっという間に1パックを食べることができます。 ちなみにスーパーなどで購入したしめじは、水洗いせずにそのまま使うのがおすすめです。というのは、しめじに含まれる栄養のなかには水溶性のものもあり、水に流れ出てしまうのを防ぐためです。どうしても汚れなどが気になるときは、さっと水で洗うようにしましょう。 オルニチンがたっぷり含まれているしめじ。お酒が好きな人はもちろん、ヘルシーな食事を楽しみたい人は、しめじを普段の食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
お酒が好きな人必見!しめじにはオルニチンが豊富
2022.01.26

「酒離れ」は広がっているか ②ソーバーキュリアス

①では「酒離れ」をデータから読み解いてみました。  (「酒離れ」は広がっているか①) 特に若者に酒離れが広がっていることに驚きを感じたかもしれませんね。 酒離れが広がってはいますが、それは飲酒という行為を否定しているわけではありません。飲むことも飲まないことも肯定される多様性のある社会に変化してきていると言えそうです。 <あえて飲まない「ソーバーキュリアス」> 飲酒するメリットが「飲んだそのとき、いい気分になる」ことだとしましょう。これに対して飲酒しないことによるメリットを考えてみます。二日酔いにならない、ダイエットになる、肌の調子が良くなる、睡眠の質が上がる、病気のリスクが減る、出費が減る。ちょっと考えただけでもたくさん思いつきます。 これらのメリットを重視して、飲めるけれどもあえて飲まないという選択をするのが「ソーバーキュリアス」です。soberは「しらふの」curiousは「~したがる」による造語で「しらふ主義」などと訳されます。2019年頃から欧米で新トレンドとして世界中に広まり、2020年になると日本でも取り上げられ始めました。 現在20代の若者のうち4分の1程度にこの傾向がみられると言われています。飲酒の弊害がクローズアップされていることに加え、ネット環境に慣れていて情報にアクセスしやすい若者たちは、特に健康意識や予防医学への関心が高いため、より「飲まない」選択をする可能性が高いのでしょう。 そうは言っても、ソーバーキュリアスは断酒のように飲酒を完全に否定するわけではありません。飲む・飲まないを自ら選択し、強要しない多様性のある世界がそこにはあります。 このソーバーキュリアスという言葉が認知されるに従って、ソーバーキュリアス人口がさらに増えていく可能性があります。今まで何となく飲んでいなかった層が「自分はソーバーキュリアスだ」と自覚し、意識的に飲まないことを継続していくと考えられるからです。 <ノンアルコール飲料市場はさらに拡大する> ニューヨークでは「Sober Bar(ソーバーバー)」と呼ばれるノンアルコールドリンクだけを扱うバーが増えてきています。アルコールがないだけで、バーの雰囲気や店内での客の様子は従来のバーと変わらないのが特徴で、おしゃれに楽しく夜を過ごすためにアルコールは必須ではないことが理解され始めています。 日本でも「モクテル」と呼ばれるノンアルコールカクテルがトレンドとなるなど、今後も脱アルコールの流れは止まらないでしょう。アルコール飲料市場についても、今後は「少しだけ飲みたい」「アルコール度数は低くていい」といったライトな飲酒層に向けたアプローチや普段は飲酒しないけれども飲めないわけではない層への「特別な日の特別なお酒」といった高級路線が鍵になっていくかもしれませんね。
「酒離れ」は広がっているか ②ソーバーキュリアス
2022.01.24

「酒離れ」は広がっているか ①データから読み解く

一昔前に比べて愛煙家の肩身が狭くなっています。タバコの健康への影響、度重なる値上げ、喫煙ゾーンの縮小でタバコをたしなむのも大変になってきましたよね。これに続いて、愛飲家の肩身も狭くなっていると感じたことはありませんか。アルコールの健康への影響がクローズアップされたり、コロナ禍も重なって飲み会が激減したり、酒税の変更で値上げとなったものがあったりと、飲酒を取り巻く環境も変わってきています。 <飲酒はもはや「マイナー」> 愛飲家の肩身が昔よりも狭くなってきはじめているとして、厚生労働省の興味深い調査がありますのでご紹介しましょう。 平成30年に行われた「国民健康・栄養調査報告」によると、月に1日以上飲酒をすると答えたのは44.4%。なんとすでに飲酒は過半数を割るマイナーな行為になっているのです。さらに月に1日以上飲酒する人の中で、週に3回以上清酒1合換算以上を飲む「飲酒習慣がある」と答えたのは全体の19.8%。これが20代では7.9%にまで低下します。30代では17.4%、40~60代では25~30%程度で、70代以上は12.9%です。70代以上の高齢者よりも20代の若者のほうが飲酒習慣のある人の割合が少ないという驚くべき結果です。 <若者の酒離れ> 現代の若者は「強制されない」教育を受けてきています。一昔前の「飲めて一人前」「飲むのは大人のたしなみ」という価値観を強制されないので、「飲みません」と気軽に断ります。これはアルコールの強要は良くないことと浸透してきたこともあり、飲酒の誘いを断ることのできる社会へと成熟してきたという言い方もできるでしょう。 若者にとって、もはやアルコールは大人の証といったイメージはないのかもしれません。逆に泥酔したみっともない姿がイメージされている可能性すらあります。仕事の後にちょっと一杯ひっかける。そんな文化は30年後には廃れてしまうのでしょうか。 ここでお酒に関する出費についても考えてみましょう。例えば週に3回100円の缶チューハイを2本ずつ自宅で飲むとすると、1年間で31,200円ほどとなります。これで済めばよいですが、飲めばつまみも欲しくなります。加えて自宅で飲む人は外で飲むことも多いので2か月に1度5000円予算で飲みに行くとプラス30,000円。中高年層に比べると収入がさほど多くない若者にとって、年間何万円もかかるアルコール代は無視できない金額かもしれません。お酒を飲まなければこのお金をほかに回すことができ、好きなガジェットを買ったり、旅行に行ったりといろいろな可能性が広がります。 若者が飲酒しない要因は一つではなく、社会状況といった外的なものと飲酒への意識といった内的なものが絡み合い、大きなうねりとなっていると考えられます。 ②ではこの飲酒離れにも関係する「ソーバーキュリアス」について紹介します。耳なれない言葉ですが、今を読み解くヒントになる言葉ですので、この機会に理解を深めてみてくださいね。
「酒離れ」は広がっているか ①データから読み解く
2021.11.29

コロナ禍で需要拡大!「微アルコール飲料」の魅力とは

微アルコール飲料とは 微アルコール飲料というのは、アルコール度数が1%以下のドリンクのこと。コロナ禍での生活様式の変化により海外ではすでに人気を集めていますが、日本においても人気が高まりつつあります。この記事では、その動向とともに、微アルコール飲料の魅力を紹介します。 微アルコールが人気を集めている大きな理由は「楽しみ方が多様である」ということ。アルコール度数が低いため酔いにくく、「アルコールが苦手」「次の予定があるのでアルコールを控えたい」という人も楽しむことができます。ただし、アルコールを含んでいるため飲んだ後は運転ができません。また、20歳未満の人は法律により飲むことができないので、注意するようにしましょう。 気になる味ですが、微量とはいってもアルコールが含まれており、独特の旨味などは残っています。従来のノンアルコール飲料では物足りないと感じていた人も、満足しやすいといえるでしょう。つまり、アルコールに弱い人だけでなくお酒が好きな人も幅広く楽しめるという魅力があります。 ちなみに、微アルコール飲料はアルコール度数が1%未満であることから、税制上ではノンアルコールと同じ扱いになり酒税がかかりません。商品には「ビールテイスト飲料」「炭酸飲料」などと表記されています。 微アルコール飲料の人気商品を紹介! いろいろな微アルコール飲料が登場していますが、ここではおすすめの商品を2つ紹介します。 ひとつ目は、ビール独特の旨味やコクが味わえる「アサヒビアリー」。ビールを醸造した後、アルコール分だけを取り除く「脱アルコール製法」によりつくられており、アルコール度数0.5%とは思えない複雑な香りが残っているのが特徴です。 二つ目は、オーストラリア産の麦芽とホップを使った「ブローリープレミアムラガー」。アルコール度数は0.9%以下であり、100mlあたりのプリン体を1㎎未満に抑えるなど、健康に配慮した商品になっています。 ここではビールを2種類紹介しましたが、微アルコール飲料の人気は、ビールだけでなくワインや日本酒にも広がっています。気になる人は、ぜひ味わってその魅力を感じてみてはいかがでしょうか。
コロナ禍で需要拡大!「微アルコール飲料」の魅力とは
2021.11.08

最近話題の「プレミアム日本酒」とは

「プレミアム日本酒」って何? この数年、特殊な材料や製法で作られた「プレミアム日本酒」の人気が高まっていることをご存知でしょうか。こうした日本酒は、贈り物や記念日などのごほうびにもぴったりです。そこで今回は、プレミアム日本酒の概要とその具体例について紹介したいと思います。 プレミアム日本酒は、完成までに手間がかかるものが多いです。「レア日本酒」や「幻の日本酒」と呼ばれることもあります。大量生産は難しく生産数が少ないため、特定の場所でしか販売されていないものや通信販売限定のものもあります。なかなか入手できないということもあり、やや高めの価格設定になる傾向です。 プレミアム日本酒は、厳選された原材料を使用し独特の仕込み方をしているものが多くあります。たとえば、日本酒のラベルに「〇〇の水を使用」「原料は○○の米」「〇〇にて熟成」と表示されています。日本酒の味わいは、水や米の種類や品質、仕込み方などによって少しずつ変化します。その土地ならではの素材を独自の製法で仕込むことで、唯一無二の日本酒が完成するのです。 例えば、長野県で酵母のプロが自ら醸した日本酒を氷温貯蔵し、より美味しい日本酒を作るという取り組みをしている方もいらっしゃいます。  ※詳細はこちら→【氷温貯蔵した幻の3種酵母ブレンドの純米吟醸をみんなに飲んでもらいたい!】https://camp-fire.jp/projects/view/483471 また、プレミアム日本酒のなかには日本酒の品評会などで数多くの賞を受賞しているものもあります。受賞により注目度が高まり、「購入したい」という人が増えて結果として品薄になり、プレミアム日本酒として認識されるようになるケースもあります。このほか、メディアやイベントなどで取り上げられて話題になった場合も、同じような流れをたどることが多いです。 プレミアム日本酒の具体的な事例とは プレミアム日本酒のなかでよく知られているものとしては、「十四代の超特撰」があります。山形県で生産されており、上品な甘さがあるのが特徴です。もうひとつ紹介すると、静岡で生産されている「磯自慢」も人気があります。こちらは、長時間熟成させることによる深みのある味わいが支持されています。磯自慢は、洞爺湖サミット開催の際に乾杯用に使われたことから注目を集めたお酒です。 ほかにも、氷温熟成させたものや10年以上寝かせたもの、古酒を加えて仕込んだものなどもあり、付加価値の高いオリジナルの商品がたくさん登場しています。特別な日のプレゼントなどにぜひ利用してみてはいかがでしょうか。
最近話題の「プレミアム日本酒」とは
2021.07.14

薬用酒・健康酒の魅力と、初心者にもおすすめの選び方

薬用酒の魅力とは? 薬用酒は、生薬やハーブなどを使ったお酒のこと。健康酒や薬酒と呼ばれることもあります。薬用酒は、はぶ酒や高麗人参酒などいろいろな種類が存在します。お酒が好きな方だけでなく、健康維持のために薬用酒を飲み始める人も増えているようです。そこで今回は、薬用酒の魅力と初心者と初心者にもおすすめの選び方をご紹介します。 薬用酒の魅力は、生薬やハーブなどを継続して摂取できること。料理に使うとなると忘れてしまったり面倒になったりして「長続きしない」という人も、薬用酒であれば比較的続けやすいのではないでしょうか。気になる味わいですが、薬草やハーブの独特の風味を和らげるために、甘味を付けるなどの工夫がされているものも多いです。もちろん、メーカーや製品によって味は異なりますが、飲みやすいタイプもたくさん登場しています。 薬用酒はロックやストレートで飲むのが定番ですが、その種類に応じてお湯や炭酸で割ったり、お菓子の風味付けに加えたりすることもできます。好みに応じていろんな楽しみ方ができるのも、魅力のひとつです。 初心者にもおすすめ、薬用酒の選び方 「薬用酒を飲むのが初めて」という人は、次の3つのポイントを意識して選ぶようにするのがおすすめです。 ・医薬品の指定を受けているかどうか 薬用酒のなかには「第三類医薬品」や「第二類医薬品」という指定を受けているものがあります。この指定を受けた薬用酒は、医薬品として効果が承認されていることを意味しています。表示をよく確認して、よく分からない場合や他の薬を飲んでいる場合は、薬剤師や医師、メーカーなどに相談するようにしましょう。 医薬品の表記がないものは、薬用酒の効果が保証されていません。その分、甘味が強くて苦味が少ないなど、飲みやすいものが多いです。自身の好みや必要に応じて選ぶといいでしょう。 ・どんな生薬・ハーブが使われているか 薬用酒はその目的に応じて、使用する生薬やハーブの種類が異なります。たとえば、冷え対策には生姜やケイヒ(シナモン)などを使うことが多いです。どんな生薬・ハーブが使われているのかを予め確認するようにしましょう。 ・アルコール度数はどのくらいか 薬用酒のアルコール度数は、13%前後のものが多いですが、なかには25~30%程度のものもあります。アルコールに弱い人は、アルコール度数の低いものを選ぶようにするなど注意してください。 最近注目を集めている、薬用酒。基本的なポイントを把握しながら、自分の好みやニーズに合うものを見つけて、健康維持に役立てたいですね。
薬用酒・健康酒の魅力と、初心者にもおすすめの選び方
2021.04.01

知っているようでよく知らない?奥深いお酒の世界~スピリッツ編~

コロナ禍で家飲み需要が伸びています。 いつも飲んでいるビールや日本酒など馴染んだお酒は間違いないものですが、たまには少し冒険してみませんか。 スーパーのお酒コーナーに行くと、選ぶのが難しいくらいたくさんのお酒が並んでいます。 今回はその中の「スピリッツ」について簡単に紹介します。 どのお酒も奥は深く、語りだせばキリがありませんので、まずは名称を把握するところから始めましょう。 スピリッツ=蒸留酒 スーパーで「スピリッツが欲しいのですが」と店員さんに声をかけると、この1本です、という形ではなく売り場のあるコーナーを案内されます。 実はスピリッツという銘柄の特定のお酒があるわけではないのです。 スピリッツとは広義には蒸留という製造方法で作られるお酒、つまり蒸留酒全般を指す言葉です。 蒸留酒という意味ではウィスキーやブランデーも含みますが、ウィスキーやブランデーはそれぞれでジャンル化されていますので、一般的にはジン、ウォッカ、ラム、テキーラを四大スピリッツと呼びます。 そもそも蒸留酒・醸造酒とは? 醸造酒は果実や穀物を酵母の働きでアルコール発酵させたもので、度数は5~15%程度。 身近にあるお酒ではビールやワイン、日本酒などが醸造酒です。 一方の蒸留酒は醸造酒を加熱し、アルコールを多く含む蒸気を冷やして液体にしてアルコール度数を高めます。 乱暴に言えば、ビールを蒸留してウィスキーに、ワインを蒸留してブランデーにするというイメージです。 四大スピリッツを知ろう ・ジン ジンは大麦やライ麦、トウモロコシを原料にした蒸留酒に、ねずの実(ジュニパー・ベリー)やさまざまなボタニカル(香草・薬草の草根木皮)を加えて再蒸溜した無色透明のお酒です。すっきりとした苦みが特徴で、トニックウォーターを使ったカクテル「ジントニック」を飲んだことがある人も多いかもしれませんね。 ・ウォッカ 穀物やイモ類を原料とした蒸留酒を白樺の炭(活性炭)でろ過し、雑味を取り除いた癖のないお酒がウォッカです。日本では缶チューハイのベースとしてもお馴染みですね。 ロシアだけでなく、アメリカや北欧でも作られています。 ・ラム ラムはカリブ海、西インド諸島生まれのサトウキビを原料とした蒸留酒です。 色の濃淡で「ホワイトラム」「ゴールドラム」「ダークラム」、風味の強さからは「ライトラム」「ミディアムラム」「ヘビーラム」と分類されます。 飲用だけではなく製菓用としても使われています。ラムを飲んだことがなくても、「ラムレーズン」味のケーキを食べたことがある人は多そうです。 ・テキーラ メキシコの5州のみで作られる、リュウゼツランの一種「ブルーアガヴェ」を原料とした蒸留酒をテキーラと呼びます。 原産地呼称であり、他の地域で作られたものはテキーラと名乗れません。 ショットで飲むのが一般的な「ブランコ」は樽熟成をしませんが、樽貯蔵を施したものもあります。 実は焼酎も蒸留酒なので広義のスピリッツに含まれますが、主に日本で飲まれているため、世界的にはマイナーな部類のお酒です。 スピリッツはアルコール度数が高いので、そのまま飲むならちびちびと、あるいは割って飲むのがおすすめです。
知っているようでよく知らない?奥深いお酒の世界~スピリッツ編~
2021.01.26

クラフトビール後編~フレッシュなクラフトビールを自宅で飲みたい!~

主にビアバーなどの飲食店で飲むイメージの強いクラフトビール。瓶や缶で市販されているものもありますが、やはりビアバーの壁に並ぶタップと呼ばれる蛇口から注がれたばかりのクラフトビールは格別です。 なかなか外で飲み会をするのは難しいこのご時世ですが、だからといってあきらめてしまうのはもったいない! 実は、最近ではクラフトビールをテイクアウトできる店も増えてきています。 自宅で注ぎたてクラフトビールを楽しむ方法を紹介します。 グラウラー(グロウラー) ビール好きの心をくすぐるビール専用水筒「グラウラー」をご存じですか。 「growler」の「growl」は「うなる」意で、蓋を開けるときに聞こえるビールの炭酸ガスの音が動物の唸り声に似ていることが語源なのだとか。 日本ではまだなじみの薄いグラウラーですが、欧米ではクラフトビールの量り売りは一般的な販売方法で、さまざまなグラウラーから好みのものを選んでクラフトビールをテイクアウトするのだそうです。 グラウラーは洗って繰り返し使うものなので、ごみも出ずエコ。環境にやさしい容器としても注目されています。 グラウラーには保冷機能の有無で2つの種類があります。 保冷機能がないものはガラスやステンレス製で、グラウラーごと冷蔵庫や氷水の中に入れて冷やすという使い方ができるほか、あまり冷やさずに飲むエールビールなどを入れるのがおすすめ。 保冷機能があるものは真空二重構造になっており、持ち運び時間が長い場合に最適です。 なお、通常の水筒には炭酸飲料を入れることはできません。ビールをテイクアウトする際には必ず炭酸飲料を入れられる容器を使用するようにしましょう。 クラウラー、ペットボトル お店によってはその場でアルミ缶に詰めて製缶してくれるクラウラーという方法もあります。 まだ導入しているところはさほど多くはありませんが、目の前で缶に封がされるのは見ていて物珍しく面白く感じられそうです。 水筒であるグラウラーよりも気密性が高いので、フレッシュさが比較的長持ちするのも特徴です。 そのほかに、茶瓶と同程度の遮光性を備えたビール専用のペットボトルが利用できるところもあります。ペットボトルは軽く、安価なのがメリットです。 最近ではビアバーだけではなく、ブルワリー(醸造所)にテイクアウト販売を行うグラウラーショップが併設されていることもあります。 例えばキャンプ場で1泊してバーベキューを楽しむ場合、キャンプ場近くにブルワリーがあればクラフトビールを好きな量テイクアウトしてバーベキューで楽しむこともできるわけです。思い浮かべるだけで喉がなってしまいそうですね。 本来、飲食店で提供される酒類はその場で飲むのが原則であり、テイクアウトするためには酒類小売業免許が必要でした。しかしコロナ禍となったことで、お酒のテイクアウトができるよう、国税庁は「期限付酒類小売業免許」を付与する措置をとりました。 これを機にもっとクラフトビールを含め酒類全般のテイクアウトの裾野が広がる可能性は高いと考えられます。 いつもはいつもの缶ビール、特別な時にはクラフトビールのテイクアウト。そんな家飲みスタイルも素敵ですよね。
クラフトビール後編~フレッシュなクラフトビールを自宅で飲みたい!~
2021.01.21

フレッシュなクラフトビールを自宅で飲みたい!前編

その歴史新型コロナウィルス感染症により、おいしいお酒を皆と楽しむ「宴会」や「飲み会」が激減しました。 機会損失を嘆いても仕方ないので、ここはひとつ前向きに考えてみましょう。 飲み会の楽しさの二大柱が会話とお酒だとすると、現段階では感染予防を考えるに友人や同僚との会話は難しそうです。 しかし、おいしいお酒は自宅でも独りでも飲むことができるのです! そこで今回はお酒の中でも特にクラフトビールに焦点を当ててみましょう。 クラフトビールの歴史 1994年4月以前、ビールメーカーは大手数社しか存在しませんでした。しかし酒税法が改正され、事態は一変したのです。 従来ビール醸造の免許を取得するためには、年間2000キロリットルの最低製造量をクリアしなければなりませんでしたが、これがなんと60キロリットルにまで大幅に引き下げられました。結果、1995年には15社程度の地ビールメーカーが誕生することとなりました。 そうです。このころはまだ「クラフトビール」ではなく「地ビール」と呼ばれ、観光地のお土産として瓶詰で売られる形態が一般的でした。 瞬く間に地ビールブームは広がり、1998年にはメーカーも300社に届く勢いだったと言います。 しかしまちおこしや観光客を呼び込むための側面が強かったため、「本当においしく品質のいいビール」を目指すには気概が不足していたのかもしれません。2000年頃には残念なことに「高くてまずい地ビール」といったマイナスイメージがついてしまい、メーカーは半減してしまいました。 こうした中、アメリカでは職人がこだわって醸造したビールが「クラフトビール」と呼ばれるようになり、このブームはイタリアやフランスなどにも広がりを見せ始めます。 実はこの間、日本でも志高く良い品質のビールを作りたいと願うブルワリーは努力を重ね、醸造を続けていました。この努力は着実に実り、国際大会で日本産クラフトビールが入賞したといった報告が相次ぐまでになりました。 ついに「客寄せのためのビール」は、「客を惹きつける良いビール」へと変化を遂げたわけです。 2010年代にはクラフトビールブーム隆盛となり、2020年現在、全国には小規模なものまで含めると500程度ブルワリーが存在しています。 クラフトビールが認知されるにつれビアバーという形態も一般的となり、さまざまなクラフトビールの個性的な味わいを気軽に楽しめるようになりました。 ここでコロナ禍となってしまい、なかなか外にのみに行くこと自体が難しく感じられるようにもなってしまいました。 しかし、クラフトビールの味わいをあきらめることはありません。実はクラフトビールを自宅で楽しむ方法があるのです。 次回後編では、クラフトビールのテイクアウト事情についてレポートします。
フレッシュなクラフトビールを自宅で飲みたい!前編

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NEW 2023.01.30

【解説】サフランとは【食品業界用語】

この記事では、サフランとは何か、その食材としての働き、また料理への利用、サフランに関する最近の研究結果、料理にサフランを使用する際の注意点について説明します。 サフランとは? サフランは、クロッカスの花の茎を乾燥させたものから得られるスパイスです。地中海沿岸、中東、南西アジアの一部が原産で、古くから料理や宗教儀式に使われてきました。 サフランは世界で最も高価なスパイスのひとつであり、その独特の風味、色、香りは、さまざまな料理に欠かせない食材となっています。 サフランの働き サフランは健康に良いことでも知られています。抗酸化物質が多く含まれ、疲労回復や婦人科系の不調予防、鎮痛、血行改善など、美容と健康にさまざまな効果があるとされています。また、サフランは認知機能の向上や、うつ症状の軽減にもつながると期待されています。 サフランを使った料理例 サフランは非常に汎用性の高いスパイスで、スープからデザートまで、さまざまな料理に使うことができます。 サフランを使った代表的な料理には、カレー、パエリア、リゾット、ブイヤベース、ビリヤニなどがあります。また、サフランは紅茶やシロップなどの嗜好品にも使われます。 サフランの研究成果 サフランが性機能と生殖能力の向上に役立つことを示唆する研究結果も増えてきています。サフランがストレスを軽減し、性欲を増進させ、健康的なホルモンバランスを促進することが研究で実証されています。 サフランの注意点 サフランで料理に色付けをする場合は、ほんのひとつまみで十分です。 入れすぎてしまうと、他の味に影響が出ることがあるので、控えめに使うように注意しましょう。
【解説】サフランとは【食品業界用語】
NEW 2023.01.27

昆虫食のミライを語ろうvol.2後編【ゲスト:サコン・ワナセッティーさん(タイ王国大使館農務担当官事務所参事官(農務担当)】

前編はこちらから:昆虫食のミライを語ろうvol.2前編【ゲスト:サコン・ワナセッティーさん(タイ王国大使館農務担当官事務所参事官(農務担当))】 昆虫食は「奇食」「物好き」「一部地域の食文化」として特殊性をもって語られてきました。それが2013年、FAO(国際連合食糧農業機関)の報告を機に、昆虫は急増する世界人口を支える「タンパク源=食料」としてみなされるようになり、もっとカジュアルかつポジティブに「昆虫を食べよう」という流れが日本でも一気に広がっています。 「かつて宇宙食といえば誰もが錠剤を想像していたが、今や宇宙ステーションでもおいしい食事ができるというイメージが定着した」と話すのは、昆虫料理研究家の内山昭一さん。昆虫食も「グロテスク」「おいしくない」という印象を脱却し、もっと身近に感じてもらいたいーー。そんな流れをつくっていくために、個性豊かなゲストを迎えて「昆虫食のミライ」を語ります。 【タイの昆虫食の主な輸出先は】 内山)主な輸出先はEUが多いのでしょうか? サコン)タイの総務省の統計を見てみると、一昨年の合計で600トンを輸出していて、内訳をみると約5割、つまり半分くらいがカンボジアです。2番目がアメリカで3割、3番目が日本で1割。その他がミャンマーと香港になってます。昆虫食の難しいところは、割と新しい商品でまだ統計などが追いついてないところです。細かい情報はないんですが、昆虫の姿を残したままのものもあれば、コオロギパウダーのような高度な加工品という形で出している場合もあります。 内山)カンボジアは今でも昆虫食が盛んだと思うんですよね。需要が高くて国内の供給だけでは間に合っていないんでしょうか? サコン)タイ東北部の隣がラオス、ちょっと下に行けばカンボジアという地理関係になっています。島国ではなく陸続きであり、食文化も共通していることからすると、カンボジアでも昆虫を食べる習慣はあると思います。 内山)ラオスへの輸出はどうですか? サコン)東北部のことをイサーン地方と呼びますが、イサーン料理とラオス料理はすごく近い。一緒といってもいいくらい似ているので、ラオスの方が昆虫を食べているって言われても僕は驚かないですね。 内山)非常に辛い料理ですよね。 サコン)東北部は酸っぱくて辛い味ですね。 内山)そうですよね。僕も1月に行って、非常に辛くてですね。辛くないのを頼んでも、辛いんですよね(笑)。ですから普通に頼むとものすごく辛いと思うんですけど、サコンさんは全然平気なんですね? サコン)それが僕は辛いのが苦手なんですよ(笑)。でも皆さんと基準が違うので、内山先生がダメでも僕は大丈夫なものもあるかもしれません。ただ僕は普通のタイ人と比べれば、辛いのは苦手な方です。 内山)サコンさんと僕は意外と味の好みが合いそうな感じがしますね。僕の今までの認識だと、2013年以降、EUで非常に昆虫食が盛り上がっていて、EUの中で新規食品として昆虫食を流通させていこうという動きがあり、昆虫の中でもコオロギをタイの工場で粉末にして輸入し、パンなどの製品にしていくという流れがあったと聞いています。それでEUが量的に一番多いのかなと思っていたんですが、やはりまだまだカンボジアという身近なところで需要がたくさんあるということなんですね。 サコン)先ほど申し上げた600トンというのは一昨年のデータで、これには続きがあって、伸び率は年98%なんですよ。ですのでだいぶ全体量も増えているはずですし、もしかしたら輸出先も変わっているかもしれません。ヨーロッパの方でコオロギパウダーが注目されているのは確かで、タイの業者もヨーロッパを視野に入れてます。EUで販売するにはノベルフード、新規食品の認証を取得しないといけないんですが、タイは昆虫食について認証を取得済みです。タイ政府としてはEUをすごく重要なマーケットと意識していますね。 内山)EUへの輸出もこれからどんどん伸びていきそうですね。そして、日本が1割ですが、日本もコオロギがメインなんですか? サコン)日本は恐らくコオロギがメインなんですけど、コオロギのパウダー以外も結構入ってきています。昆虫の姿をそのまま残したものもたくさんあって、最近では見る機会も増えたんじゃないかと僕は思いますね。 内山)製品化されて、自動販売機などでも売られていますよね。そういったものの中ではタイ産、タイで作られた商品が非常に多いと思います。バンコク近辺の会社が作っているんでしょうか? サコン 恐らく本社がバンコク近辺だと思います。ただ昆虫の形を残したままの製品は珍しい昆虫も多いので、もしかしたらバンコクではなく少し離れたところで作っている可能性も充分に考えられます。 内山)サゴワームなんかも結構タイから来ていると聞いてます。 サコン)サゴワームに関しては、どちらかというと西部、南部の方に多いんですよね。昆虫食で食べる昆虫は、言い方を変えるとそこら辺に生息している害虫でもあります。サゴワームも最近ではあちこちで作っていると思いますが、もともとは西部から南部にいるというイメージです。暑い地方の虫で、よくヤシの木にくっついていたりします。 内山)ヤシの木の中の芯を食べて枯らしてしまう害虫でもあるわけですね。ヤシの木からは油を取っていて、木を切って油をとって放っておくとそこにサゴワームが卵を産んで、それが2、3か月くらいで食べごろになって、それを採集して食べると。養殖をされているところも出てきているみたいですが、サコンさんはサゴワームを食べたことはありますか? サコン)あります。ミルキーで美味しかったです。油で揚げたものかな、友人からもらったものが乾燥していたので、おそらく揚げてあったんじゃないかと。 内山)サゴワームは最近、日本の昆虫食界隈でも結構注目されていますね。日本に輸入されるものは冷凍されていて、来るまでに結構時間がたってしまっていて解凍すると非常に水っぽくなってしまって旨味が減ってしまいます。8月にサゴワームの養殖を頑張ってやっているラオスに行って、活きのいいやつをいただいたら、これが本当に美味しかったですね。この美味しさを維持したまま日本に持って来れたらかなり需要があるんじゃないかな。大きいからすごく食べ応えもあるし、見た感じもわれわれにとってみればすごく良い(笑)。 サコン)もともとの食べ方はだいたい炒め物にしてるみたいですね。 内山)串に刺して焼いたりすることもあるみたいですよ。外側の皮がパリパリで、中がジューシーでクリーミーで、余分な脂も結構落ちるので、すごく美味しいねっていうのが一般的な大方の評価ですね。 【若者が活躍するタイの昆虫食産業】 内山)タイはこれからの昆虫食の希望の星なんじゃないかと思います。サコンさんにも頑張っていただいて、日本でバンバン虫を売ってほしいですね。 サコン)それこそ、内山先生のお力を借りたいくらいです。 内山)お互いに協力し合って売っていきたいですね。そういう意味では、若い人たちに入っていただくことが、これからの将来のためにも非常に大事だと思うんですが、タイでは若い人の参加は増えてきている感じでしょうか? サコン)最近目覚ましい成長を成し遂げた、近代化した昆虫食産業は結構若い人が多いです。年の伸び率が98%くらいなので、いろんな人が興味を持つようになったんですね。昆虫食に興味を持つ人は、機械のある業者さんもおそらく40代くらいだと思います。特に最近はいろんな企業さん、会社さんが生まれて、一人で戦うよりは皆で集まって協会を作って一緒に頑張っていきましょう、タイ国内マーケットはもちろん海外も狙っていきましょうということで、3月までにはタイ昆虫食産業協会というのができる予定です。 内山)何社くらい参加するんですか? サコン)まだ準備してる段階で公表されてないんですけども、聞いた話ですと結構多いみたいですね。昨年3月のFOODEX(国際食品・飲料展)にタイのブリケット社に出てもらったんですけど、このブリケット社の方が今度できるタイ昆虫食産業協会の初代会長を務めることになっています。この方と話してみると、すごくやる気があって、何にでも挑戦してみたいという意欲を感じました。 内山)僕もバンコクでブリケット社のハンバーガーのお店に寄って、コオロギを使った商品を食べて美味しかったです。「昆虫未来食」というテーマを掲げていました。ああいう形のお店はバンコクにはブリケット社だけではなくて他にもあるんですか? サコン)コオロギパウダーや虫を揚げたものを袋詰めして売ってるところは多いんですけども、昆虫食専門のレストランはまだそんなにたくさんはないと思います。内山先生が訪問したお店はすごくきれいで、新しくてできたばっかりというイメージがあったと思うんですが、そういったお店の数はまだあまり多くないと思います。ただ、増える傾向はありますね。 内山)昆虫食産業協会ができれば、それが一つの始まりということで、それをきっかけにいろんなお店ができるのかなと思って、すごく期待しています。 サコン)地元の人がもちろん通ってますし、海外から来ている観光客もそこを狙って行くこともあると聞いています。タイに来る人はタイ料理を好んでくださる方が多いんですけれど、トムヤムクンだけではなく、新しい料理にも挑戦してみたいということになれば、昆虫食レストランに行くこともあるかもしれませんね。 内山)それと同時に、東北部で継承されている昆虫そのものが食材となっている伝統的な昆虫食というのも、なくなってほしくないなと強く思います。コオロギだけじゃなくていろんな昆虫食材の持つ食感とか味とか、タガメをはじめそれぞれに特徴があるじゃないですか。そういう特徴を生かした多様な昆虫食の実験場みたいな感じにタイがなっていくと、いろんな昆虫食が広がる可能性が出てくると思うんですよね。ぜひコオロギだけじゃなくて、もっといろんなものを取り上げて調理法や栄養についても紹介していただいて、昆虫食をリードしていってくだされば、昆虫食の未来はすごく明るいんじゃないかと思います。 【昆虫食で日本に期待したいことは】 内山)日本で昆虫食を扱う企業も、スタートアップ企業が圧倒的に多いです。若い人が起業していろんな可能性を模索しているという段階なので、もっとタイと日本の昆虫食企業が交流できるような場ができると面白いんじゃないかなと思っています。 サコン)やはり昆虫というのは見た目で敬遠する人が多いと思うんです。そういう意味では、われわれタイ人からすると昔から見ている光景なので、食べなくてもすごく嫌だっていう人は比較的少なく、昆虫に慣れてるというところがあるのだと思います。コオロギパウダーは見た目という課題は克服してますので、ウケがいいんじゃないでしょうか。ただ一つの食文化として、虫の形のままの昆虫食も維持してほしいというのは、僕も同じ考えです。 内山)世界的にはコオロギの養殖がメインで、とにかく粉にしてハードルを下げてできるだけたくさん食べてもらって、価格を下げて普及させていこうっていうのが今の世界的な趨勢だと思います。日本でも2つに分かれていて、グリラスという徳島の会社は養殖にかなり力を入れていて、新しい昆虫食っていうのを目指しているところです。一方、タガメサイダーのTAKEOは国産、量的には少量のロットで地域ごとに異なる食べ物を与えて地域独自の味とか旨味とかを追求して、京都コオロギとかっていう地名にちなんだ名前を付けて特色を活かした昆虫食を目指していますね。この2つは両方とも非常に大事な昆虫食の進んでいく道だと思います。この両方がうまくかみ合って総合的に発展していくようなあり方が僕が望んでいる方向です。 タイも東北部にはちゃんと伝統的な昆虫食が残っていて、プラスしてバンコクの新しい昆虫食がうまくつながるようなタイ昆虫食産業協会になってほしいと思います。若い人の力っていうのはすごくエネルギーがありますし、とにかく元気で好奇心が旺盛っていうのがいいですよね。われわれも昆虫を食べる会を毎月やっているんですけれど、集まってくる人は20代、30代の方が圧倒的に多いです。そういった人たちがこれから昆虫食を進めていく原動力になるような気がしていますので、両国の交流が深まっていけば非常にいいと思っています。 サコン)タイは長年昆虫食をやってきたうえに早い段階から産業化したので、かなりノウハウが蓄積されていますが、内山先生がおっしゃったように日本の方はすごく発想力が豊かですよね。日本のアイデアとタイの今まで蓄積されたノウハウ、経験をうまく活かして、日本とタイが手を取り合って昆虫食を盛り上げていけたらなと思います。 内山)そういう意味ではサコンさんの役割って非常に重要ですね。シティーボーイでありながら、なおかつ昆虫食にも造詣が深く、2番目に食べたのが長野県だというのもありますし、ぜひ活躍して盛り上げていただければと思います。こちらも20年以上やっていていろんなつながりもありますので、協力しながら昆虫食をさらに進めていければいいなと思っています。ありがとうございました。 https://reports.shareshima.com/3150/
昆虫食のミライを語ろうvol.2後編【ゲスト:サコン・ワナセッティーさん(タイ王国大使館農務担当官事務所参事官…
NEW 2023.01.27

健康食品(サプリメント)のハラルビジネス考察【食品ハラルビジネス進化論〜ハラル認証原料編vol.10】

こんにちは、ハラル・ジャパン協会の佐久間です。2023年がスタートしましたが、いかがでしょうか?スタートダッシュできましたか!?昨年は為替、原材料高、そしてアフターコロナを見据えたマーケティングなど激動の一年でした。皆様の事業に置かれてもきっと次の事業を考えて「新しい手」は今年こそやるぞ!と考えていると思います。ハラルビジネスもその一助になればと思います。今年もよろしくお願いします。今回は「健康食品(サプリメント)のハラルビジネス考察」ということで解説していきます。 日本のハラルサプリ産業は長寿・健康を売る、そしてアジアで勝負する!!  ハラルサプリ産業のポジショニングはネクストステージです。食品→健康食品(サプリ)→化粧品→生活用品→医薬品(?)が、ハラルビジネスの展開だと我々ハラル・ジャパン協会は考えています。むしろ、食品よりも更にハラル認証やハラル性が求められる分野だと考えられます。コロナ禍で低下したものの、まだまだ経済成長中であり圧倒的な人口を有する東南アジア、南西アジア。近い将来「ハラルサプリ産業」はここから始まる、また、始まりつつある予感がします。 なぜならサプリ原料にハラル性、ハラル認証が要求されることが増えているからです。食品・健康食品の輸出は医薬品扱いになると非常に難しいので、特に食品として登録されるサプリの需要が増えると考えられます。日本の原材料メーカーにとってはチャンスです!だからハラルビジネスに取り組もうと当会は言い続けています。 しかし、いつものようにライバルは中国・韓国・台湾など東アジアの国が多く、そこに欧米豪が加わり各国しのぎを削っています。そこでの差別化は「メイドインジャパン、日本品質」ですが、残念ながらこれはもう通用しなくなりつつあります。では次なる差別化は、日本の1億2千万人の長寿・健康の長年のノウハウを訴えることです。日本人が総じて健康かつ長生きでいることがウリになるのです。ここをアジアで徹底的にブランディングしていく必要があります。自動車やカメラのような存在になる日も近いかもしれません。 [caption id="" align="alignnone" width="720"] 海外のドラッグストア[/caption] まず海外で勝負できる自社のグローバル戦略原材料を決める、そしてメイドインジャパン・メイドバイジャパンの種分けをする 日本製の原材料がすべてイスラム市場で勝負できるわけではありません。欧米とはまた違った独特のマーケットを作っています。しかし、ヨーロッパ主導の統治が長い国も多く、その影響を大きく受けています。今あるシンプルな健康食品(サプリ)はプロテインやビタミンなど、ヨーロッパのモノが主流でアメリカやオーストラリアのモノが店頭に並んでいることもあります。 そこで「日本らしい」「日本ならではの技術」の素材(原材料)が必要になります。2023年はまずイスラム市場等への輸出で勝負できる原材料を見極めてください。そして自社の戦略商品として決めてください。ここからハラルビジネスがスタートです。ハラルビジネスにならないグローバル戦略商品も中にはあるかもしれませんが、構いません。決めることが重要です!! そして日本で作るもの、イスラム市場の海外で作るものかストーリーを考えてみて下さい。完成品まで日本のハラル品で製造するか?またはイスラム市場の作りやすいイスラム教国で製造するのか?の種分けをしてみて下さい。 実はここから始めるハラルビジネスが一番パンチがあり有効なのです。 [caption id="attachment_3208" align="alignnone" width="720"] 森下仁丹(株)の「シームレスカプセル」[/caption] 次回の11回目では「輸出対応とハラル(ハラール)認証の有効性」を解説したいと考えます。2月第4金曜日を楽しみにしてください。引き続き、2023年もよろしくお願いいたします。 (佐久間朋宏/非営利一般社団法人ハラル・ジャパン協会代表理事)
健康食品(サプリメント)のハラルビジネス考察【食品ハラルビジネス進化論〜ハラル認証原料編vol.10】
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【解説】精密発酵とは【食品業界用語】

この記事では、精密発酵とは何か、精密発酵の活用法や効果について解説します。 精密発酵とは? 精密発酵は、微生物を培養して特定の動物性たんぱく質を量産する技法のことです。 精密発酵は食品自体を作り出すものではなく、食品を作る際に使用される動物性たんぱく質を作るものです。また精密発酵に使用する微生物は、特定のたんぱく質を生成するためにあらかじめカスタマイズされています。 精密発酵でできること 精密発酵は、主に食品の原料になる動物性たんぱく質の製造に使われます。 例として、チーズを作る際に使うレンネットという凝固酵素があります。レンネットの素となる酵素は、子牛の胃袋に含まれています。今まではレンネットを大量に製造するため、多くの子牛を屠畜(とちく・食肉用の家畜を殺処理すること)しなければなりませんでしたが、精密発酵の技術により、子牛を屠畜せずに大量のレンネットを人工的に作り出すことが可能になりました。 他にも精密発酵により製造された動物性たんぱく質を使って、乳製品などを作る研究がなされています。 アメリカでは既に、精密発酵による動物性たんぱく質を使用したヨーグルトやアイスクリーム、チョコレートバー、プロテインパウダーが販売されています。 精密発酵のメリット 精密発酵により、動物を使わなくても安定的・大量に動物性たんぱく質を製造することができます。また、動物を飼育するために使う資源やエネルギーを節約することにも繋がります。 他にも、精密発酵は持続可能な食料システムを構築して、将来の食糧危機を改善する可能性が期待されています。
【解説】精密発酵とは【食品業界用語】