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フードロスって何が問題なの? 今、私たちに何ができるの?

2019.11.06

まずは身の回りから、消費のあり方を見直す。

 売れ残りや食べ残しなど、本来食べられるはずの食品が廃棄されてしまう「フードロス(食品ロス)」。今、このフードロスを削減していこうという取り組みが広がっています。
 「646万トン」。国内で1年間に出たフードロスの量です(平成27年度推計・平成30年6月21日版 消費者庁消費者政策課「食品ロス削減関係参考資料」)。何万トンの食べ物といっても、ちょっと想像しにくいですが、これを国民一人あたりに換算すると、毎日お茶碗1杯分のご飯を無駄に捨てているという目安が発表されています。これは、世界中で行われている、途上国などへ向けた食糧援助の量のおよそ2倍にあたるのだそうです。
 日本の食料自給率はおよそ40%で、大半を輸入に頼っているのが実情です。その一方で、食糧を大量に捨ててしまっているのが、日本の食の現状でもあるのです。
 
 大量の廃棄食糧を処分するためには、それだけの資源やエネルギーを使うことになります。燃やすのであれば、大量の二酸化炭素を排出することになりますし、埋めるのであれば、土壌や水質への悪影響が懸念されます。これらのこともフードロスが問題視される理由の一つです。
 フードロスの問題は、日本だけではなく、先進国の間でも共通の課題になっています。G7(カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国)の環境相会合でも、2030年までに世界全体の1人あたりの食品廃棄量を半減することを目指し、各国が協調して取り組むことで一致しました。

 フードロスを減らすことは、食べ物がもったいないからということだけにとどまらず、企業にとってはコストの削減、消費者にとっても、無駄な支出を減らすことにつながります。食品を廃棄すれば、原材料費などはムダになりますし、廃棄の費用も必要です。これらのコストは、最終的には価格に上乗せされ、私たち消費者の負担になります。こうした中、企業、そして消費者の間で、意識を変えて向き合おうという動きが起きています。
 その一つが、フードロスを生み出す原因になっている商慣習を変革していこうという流通やメーカーの取り組みです。それは「3分の1」と呼ばれる商慣習。例えば、賞味期限が12カ月の食品の場合だと、賞味期限の3分の1、製造から4カ月までに小売り店に納品されない食品は廃棄。さらに4カ月先の8カ月までに売れないと廃棄するというものです。そもそもは、消費者に新鮮な食品を届けるためでしたが、フードロスを減らそうと食品業界はルールを緩和し、一部で廃棄のタイミングを遅らせています。
 消費者の間でも、これまで捨ててしまっていた食品を大切にして見直していこうという意識が広がっています。近年、人気を集めているのが「サルベージパーティー」です。サルベージとは、「救い出す」という意味。家庭の余り物の食材を持ち寄って、プロの料理人のアドバイスをもらい、ひと味違った料理を作って、みんなで楽しもうというパーティーです。全国各地で開催され、リピーターも増えているようです。例えば、大量のマロニーはちゃんこ鍋用スープでチャンポン風に、冷蔵庫にしまわれていた缶チューハイはデミグラスソースの隠し味に。また、缶詰の豆はフードプロセッサーでつぶしてクラッカーにのせてお酒のおつまみに、お麩は乾燥したまま、春雨サラダにのせれば食感にアクセントが加わります。参加者は調理を手伝いながら持参した食材がおいしい料理に生まれ変わっていく様子に驚き、完成するそばから食べて、ワイワイと会話を楽しみます。食べて飲んで楽しんでいるだけのように見えて、参加者のフードロスへの意識は確実に高まっています。
 
 フードロスというと、近年では売れ残った恵方巻きだったり、飲食店での突然の予約キャンセルがニュースになったりと、商業事業のシーンで起こっているイメージが強いかもしれません。ところが、実際にフードロスを出す割合をみると、食品関連事業者が全体の55%で、残りの45%は家庭からのものです。フードロスの削減には、消費者の役割が最も大切なのです。
 今日使うことが分かっているのに、賞味期限が長い食品を選ぶ必要があるのかなど、買い物の時に少し考えてみる。そんなふうに、今の消費のあり方を見直すことも必要なのではないでしょうか。

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2021.05.10

エシカルな朝ごはんとは?すぐに始められるおすすめ献立をご紹介!

「エシカル」の意味とは? 最近、「エシカル」という言葉をよく聞くようになりました。「何となく意味を理解している」という方も多いと思います。では具体的にどんな意味を含んでいるのでしょうか。 エシカルは英語では“ethical”と表記し、「倫理的な」という意味を持っています。倫理と聞いてもピンと来ない方もいるかもしれませんが、「(法律で定められていなくても)良識的に考える」「社会的な規範」というニュアンスで使われることが多いようです。 エシカルは形容詞なので、名詞と一緒に使われるケースが多いです。例えば、「エシカル消費」「エシカルファッション」などがよく知られています。特に、人や地球環境、社会、地域に配慮する考え方や行動、製品、サービスなどに対して、エシカルという言葉がよく使われています。 エシカルな朝ごはんとは? エシカルという言葉に興味を持ったのであれば、まずは身近にできることから始めてみてはいかがでしょうか。私のおすすめは「エシカルな朝ごはん」を取り入れることです。では具体的に、おすすめの献立例をご紹介したいと思います。 まず、エシカルなメニューを考える上で大切にしたいのは「生産者の顔や製造工程などが見えるか」「そのあり方に共感できるかどうか」という視点です。 例えば、「ジャムトーストとヨーグルト」という洋風朝ごはんの定番メニューに、エシカルの視点を取り入れてみましょう。パンには国産小麦と地場産の酵母、ジャムにはその地域で生産された果物、ヨーグルトはのびのびと育った牛の乳から作られたものを選ぶようにします。 こうした工夫をするだけで、普段の朝ごはんがエシカルな朝ごはんへと変化します。エシカルと聞くと少し難しく感じるかもしれませんが、具体的に考えてみると「手軽に実践できそう」というイメージが湧いてきますよね。 動物性のものを使わない「ヴィーガン」や農薬や化学肥料を使わない「オーガニック」などの考え方も、エシカルに通じる部分が多くあります。じわじわと広がりつつあるエシカルの考え方をいち早く取り入れて、心と体にやさしい食生活を始めてみてはいかがでしょうか。
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2021.04.13

簡単おしゃれなアヒージョを自宅でも楽しもう!

「熱い、熱い、あっつぃーよ!」「アヒージョ!」 熱々のアヒージョ、おいしいですよね。 もちろんそんな風に訛ったわけではなく、アヒージョの語源はスペイン語の「小さなニンニク」です。 アヒージョは刻んだニンニクとオリーブオイルでさまざまな具材を煮込んだ料理。 バルや欧風居酒屋などで提供されるほか、最近ではスーパーでもミールキットなどの形で販売されることも増えているようです。 もっと気軽にアヒージョを アヒージョをイメージする際、多くの人はカスエラと呼ばれる陶器製の浅い鍋で調理されたものを思い浮かべるでしょう。 しかしアヒージョはカスエラ以外の鍋で調理してもおいしくできるのです! できるだけ直径が小さめで浅いフライパンや鍋が代用に適しています。 あるいは小さ目の土鍋なども浅くて具材が取り出しやすく、保温性が良いのでピッタリかもしれません。 そのほか、100円ショップでも買えるスキレットや直火OKのグラタン皿など、家にあるもの、手に入りやすいものをうまく使ってみましょう。 目先を変えてタコ焼き器を使って卓上調理すれば、目にも舌にも嬉しい一品になること間違いありません。 自由にアヒージョを楽しむ オリーブオイルとニンニクで具材を煮込めば、それはアヒージョです。 味付けが不安な方には、アヒージョの素なども市販されています。 ちなみにアヒージョには具材の決まりはありません。 エビやキノコ類がメジャーですが、みそ汁の具を考えるように柔軟な発想で具材を自由に選んでよいのです! あなたのシャープな閃きで、意外なアヒージョ具材が見いだされるかもしれませんね。 調理の注意点としては、あくまでも「オイル煮」なので温度を上げすぎないことが重要です。 熱しすぎると揚げ調理になってしまうので、弱火でじっくりが肝要。 立ち込めるにんにくの香りを楽しみつつ、具材に火が通るまでゆったりと待つ時間ごと楽しんでしまいましょう。 残りオイルまで楽しみ尽くす アヒージョを作る際には、ぜひ少し良いオリーブオイルを使ってみてください。 ベースとなるオリーブオイルがおいしければ、アヒージョの味もワンランクアップします。 オイルにバゲットを浸して食べるのも絶品なので、オイルまで食べ尽くしてしまうこともあるかもしれませんが、万一オイルが残っても決して捨てないでください。 具材の出汁がふんだんに含まれた残りオイルは、アレンジ調理に活用しましょう。 残りオイルを使ったおすすめ料理は、リゾットやパスタです。 専用調理鍋が必要で残りオイルの処理も難しそうといった見かけのイメージから「外食時に食べるもの」と思われがちなアヒージョですが、実はスペインの素朴な家庭料理です。 気の赴くまま大胆にアレンジして、もはやこれはアヒージョと呼べるのか?といった名もない料理に変身してしまっても、おいしければ大成功。 肩ひじ張らず、もっと気軽にアヒージョを楽しんでみてくださいね。
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2021.04.08

給食今昔物語

学校給食は1889年(明治22年)山形県鶴岡市の私立小学校でおにぎりと焼き魚、漬物などを貧困児童に提供したのが始まりと言われています。 1932年(昭和7年)には国による貧困児童救済のための学校給食が初めて実施され、それから徐々に規模・対象児童を拡大していきました。 戦時中には中断した時期があるものの、1946年(昭和21年)冬には首都圏で試験的に再開。1952年(昭和27年)春にはついに全国の小学校で給食がスタートしました。 昭和20年生まれと言えば、令和3年で御年76歳。 今の小学生の祖父母世代から学校給食は存在していたのです。 思ったよりも歴史のある学校給食制度について、親世代と子世代で比較しながら考えてみましょう。 現役小学生と親世代の給食ギャップ 親世代を30代から40代あたりと仮定すると、学校給食は自校方式が多かったころでしょう。休み時間に給食室を覗くのを楽しみにしていた人も多いかもしれません。 現在では主に効率化の面から給食センター方式や外部委託方式へと変わってきています。あのドキドキワクワクの大量調理を目の当たりにできる小学生は少なくなっているのが現状です。 次に好きなメニューを比較してみましょう。 親世代で人気だったのは揚げパン、カレーライス、ソフト麺。 これに対して現役小学生には、から揚げ、ハンバーグ、カレーライスが大人気。 ちなみに祖父母世代では鯨の竜田揚げを挙げる人がとても多いのだとか。 親世代と子世代のどちらにもカレーライスが入っています。今も昔も大人気というその実力ぶりも、給食のカレーの味を思い出せば納得ですね。 ここで豆知識を一つ紹介します。 1982年(昭和57年)1月22日に学校給食創立35周年を記念して、全国の小中学校の児童約800万人にカレーライスの給食が出されました。 これを読んでいるあなたも、もしかしたらこの一斉カレー給食を食べていたかもしれませんね。 これにちなみ、現在では1月22日はカレーライスの日とされています。 バラエティ豊かな現在の学校給食 1980年代からは「食育」という言葉が現れ、食事を教育的側面からも捉えるようになりました。 季節感や年中行事を意識したメニューや、郷土料理、異文化理解につながる給食が求められるようになったのです。 地産地消も盛んになり、結果としてバラエティ豊かな郷土メニューが提供されています。 有名どころを挙げてみると、北海道のいかめし、秋田のきりたんぽ鍋、石川の治部煮、愛知の味噌きしめん、香川の卓袱うどん、沖縄のそーき汁などそうそうたるメニューが並びます。 そのほかにも冷凍食品やレトルト食品を利用することで、世界各国の食事を給食で体験することもできるようになりました。 友好都市や姉妹都市のメニューが選ばれることが多いようです。 給食の話は親子で盛り上がる話題の一つです。 時代の変化に合わせて、給食も進化し続けてきました。 今日の夕飯のメニューに悩んだら、ネットで「給食だより」と検索してみるのも良いかもしれませんね。各校自慢の献立を参考にすることができます。
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2021.04.01

知っているようでよく知らない?奥深いお酒の世界~スピリッツ編~

コロナ禍で家飲み需要が伸びています。 いつも飲んでいるビールや日本酒など馴染んだお酒は間違いないものですが、たまには少し冒険してみませんか。 スーパーのお酒コーナーに行くと、選ぶのが難しいくらいたくさんのお酒が並んでいます。 今回はその中の「スピリッツ」について簡単に紹介します。 どのお酒も奥は深く、語りだせばキリがありませんので、まずは名称を把握するところから始めましょう。 スピリッツ=蒸留酒 スーパーで「スピリッツが欲しいのですが」と店員さんに声をかけると、この1本です、という形ではなく売り場のあるコーナーを案内されます。 実はスピリッツという銘柄の特定のお酒があるわけではないのです。 スピリッツとは広義には蒸留という製造方法で作られるお酒、つまり蒸留酒全般を指す言葉です。 蒸留酒という意味ではウィスキーやブランデーも含みますが、ウィスキーやブランデーはそれぞれでジャンル化されていますので、一般的にはジン、ウォッカ、ラム、テキーラを四大スピリッツと呼びます。 そもそも蒸留酒・醸造酒とは? 醸造酒は果実や穀物を酵母の働きでアルコール発酵させたもので、度数は5~15%程度。 身近にあるお酒ではビールやワイン、日本酒などが醸造酒です。 一方の蒸留酒は醸造酒を加熱し、アルコールを多く含む蒸気を冷やして液体にしてアルコール度数を高めます。 乱暴に言えば、ビールを蒸留してウィスキーに、ワインを蒸留してブランデーにするというイメージです。 四大スピリッツを知ろう ・ジン ジンは大麦やライ麦、トウモロコシを原料にした蒸留酒に、ねずの実(ジュニパー・ベリー)やさまざまなボタニカル(香草・薬草の草根木皮)を加えて再蒸溜した無色透明のお酒です。すっきりとした苦みが特徴で、トニックウォーターを使ったカクテル「ジントニック」を飲んだことがある人も多いかもしれませんね。 ・ウォッカ 穀物やイモ類を原料とした蒸留酒を白樺の炭(活性炭)でろ過し、雑味を取り除いた癖のないお酒がウォッカです。日本では缶チューハイのベースとしてもお馴染みですね。 ロシアだけでなく、アメリカや北欧でも作られています。 ・ラム ラムはカリブ海、西インド諸島生まれのサトウキビを原料とした蒸留酒です。 色の濃淡で「ホワイトラム」「ゴールドラム」「ダークラム」、風味の強さからは「ライトラム」「ミディアムラム」「ヘビーラム」と分類されます。 飲用だけではなく製菓用としても使われています。ラムを飲んだことがなくても、「ラムレーズン」味のケーキを食べたことがある人は多そうです。 ・テキーラ メキシコの5州のみで作られる、リュウゼツランの一種「ブルーアガヴェ」を原料とした蒸留酒をテキーラと呼びます。 原産地呼称であり、他の地域で作られたものはテキーラと名乗れません。 ショットで飲むのが一般的な「ブランコ」は樽熟成をしませんが、樽貯蔵を施したものもあります。 実は焼酎も蒸留酒なので広義のスピリッツに含まれますが、主に日本で飲まれているため、世界的にはマイナーな部類のお酒です。 スピリッツはアルコール度数が高いので、そのまま飲むならちびちびと、あるいは割って飲むのがおすすめです。
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